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2022/06/30

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  • 束の間の休暇

    角を曲がると、ビルのてっぺんに差し掛かろうとする太陽と向き合った。眩しくて、しかめっ面になる。 家事を終え、日用品の買い出しから戻ったら、もうこんな時間だった。いつもなら、五限目の最後の授業が終わる頃だ。 今日から休みに入った。勉強や課題に時間を充てるつもりだが、初日から通常の家事だけで時間が過ぎてしまう。休みの間、家事をしないと宣言したものの、全くしないというわけにもいかない。 課題の制作にいつも追われている。息つく暇もなく、次の課題が始まる、ということをここのところ繰り返していた。いつもは夏の帰省だけだが、夫が年末の帰省も提案した。当初は余裕があればと返事をしたが、課題が立て続けに出ること…

  • ■ - 片付けられない「私」と向き合う

  • ワークライフバランス

    机の下で、左手の親指と人差し指の間を、右手で揉んでいた。次はその逆で、右手の親指と人差し指の間を左手で揉む。何かしらのツボがありそうな箇所だ。 教室には時計がなかった。机の上のパソコンも閉じている。携帯電話も鞄の中だ。前で話す男性の手が上がるたび、腕時計を確認するが、よく見えない。 何度も睡魔が襲ってきた。押したツボは、眠気を解消するものではないようだ。授業の一コマが、とてつもなく長かった。 何が言いたいのか、よく分からなかった。就職支援という名のもと、外部からやってきた彼の講話を、聞き漏らさぬよう努力したが、なんともつまらない時間だった。 月に一度、ここに来る。もう何度も来ているのに、受付で…

  • 慣れ

    ”いつも"の数字を入力したはずが、パソコンの画面は変わらず、ログインに失敗する。この頃、訓練校のパソコンでも家のパソコンでも、同じ事が起きていた。というのも、各々のパスワードを違う端末に入力しているからだった。 キーボードを押し間違うこともある。よく見ると、キーの配列が端末によって微妙に異なる。 ”いつも"の事をしている手は、無意識に動いた。今朝、シャンプーを2回してしまったのも、なるほど無意識である。 天気予報のアプリを開くと、一時間ごとの天気はずっと雲のマークが並んでいた。出掛ける前に、洗濯をするのはいつものことだ。少々天気が気になっても、洗濯を干す。唯一洗濯だけは、億劫がらずにできる家事…

  • 週末は

    時刻を確認すると、起きる時間をとっくに過ぎていた。携帯電話のアラーム音が何度もなっていたのは、気のせいではなかったようだ。慌てて部屋を出ると、始発に乗ると言っていた夫は、もうほとんど身支度を終えていた。昨日、私はいつもより早い時間にベッドに入った。しかし、その前の日の睡眠時間を補うように、深い眠りについていた。 午後の授業は眠くなりがちだ。特に今日は欠伸まで出ている。作業の手が一段と遅くなった。頭の中は、帰ったら寝ることだけを考えていた。 家に着くと、今日に限って、シンクに残った洗いものや溜まった資源ごみが気になった。眠たいはずの体を動かして、ひととおり仕事を終えたら、こたつに足を入れる。ベッ…

  • 塵と山

    予報通り、雨が降っていた。 家の中に居ると、余程強い雨でなければ雨音が聞こえない。ロールスクリーンを下ろしたままの部屋からは、外の様子が覗えなかった。 帰りは雨が止むのを知っていたが、折り畳みではなく長傘を持って家を出た。傘の柄に貼られた赤いマスキングテープは、迷わず手に取るのに役に立つ。 電車で通う日々も、あと一ヶ月と少しだった。頭の中に蓄積される知識と比例して、レシートも財布の中で溜まっていた。 いつぞや紙類から解放されたはずだった。しかし、レシートを含む紙類は、財布の中だけでなく、部屋にあちらこちらの紙袋に大量にあった。 些細な行動を怠ると、溜まっていく”何か”を片付けるのには、とてつも…

  • タイミング

    うっすら白い半円が、雲一つない青い空に浮かんでいた。月だと認識はするも、なぜ青い空に浮かんでいるかは説明できない。理科の授業で習ったのだろうか、記憶にはなかった。 おせち料理にちなんだものが、スーパーに並び始めた。もうすぐ今年も終わりなんだと、突きつけられる。大晦日までのカウントダウンが始まった脳内は、すでに気持ちが忙しない。心と時間の余裕も持った、一年の終わりを過ごせるのはいつになるのだろうか。「今年こそ」の言葉は聞き飽きた。 しかし、今年はいつもと違う年末になりそうだ。”心と時間の余裕”を持つことはやはりできないかもしれない。しかし、年末特有の日常より増える家事については、しないつもりだ。…

  • 鈴が鳴る夜

    教室の後ろが少しざわついた。今しがた、先生が張り出した紙を見て、クラスメイトが声を漏らしている。何も25日に被せて来なくても良いのになと、私でさえ不満を漏らした。 休み時間、後ろの席から聞こえる話に、私も加わった。聞くと、大きさも形状も、それぞれ違った。しかし、今年最後のイベントを楽しむために、皆、準備をしているようだ。うちのはこれぐらいと、手の平を下にして、高さを示した。「もう処分して、ないんだけど」と枕詞をつけた。年に一回、天袋から出し入れするたび、もみの木の葉が散っていたツリーは、もう我が家にはなかった。 彼女の家にも、ツリーがあった。存在感のある大きなツリーだった。それでも部屋を圧迫す…

  • 全力投球

    案の定、足が温まると目を閉じていた。深く頭が下がって、首に負担を感じる。その状態を回避するため、目を開けようとするが、時間がかかる。 起きてはまた、同じことを繰り返し、結局こたつでのパソコン作業は進まない。 課題の締切が迫っていた。ノートをまとめるとか、復習をするとか、課題以外のことに割く時間がなかった。先生に質問したいことが、何なのかも整理できないまま、卒業の日までのカウントダウンが始まっていた。 こたつから出て、台所へと向かった。コンロに火をつけ、やかんから湯気が立つのを待つ。その間に、ドリップコーヒーをカップにセットする。 欠伸をしながら、コーヒーを口に運んだ。少しばかり眠気を覚まして、…

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