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ファーマコフォアと化学構造〜薬学生や薬剤師にこそ考えて欲しい化学構造式〜
薬学部で勉強する有機化学は創薬化学でしか活かせないと思っていませんか?今回は現場で働く薬剤師や、この先薬剤師として臨床で働く可能性のある薬学生に向け、改めて「化学」に親しみを持って欲しいなと思い書きました。今回紹介するファーマコフォアや化学構造は難しい反応機構を考えなくても大丈夫なので、比較的取り組みやすいと思います。
化学構造式の勉強にオススメの本・書籍は?〜化学構造と薬理作用の関係を臨床へ活かすために〜
薬学の本質である化学(構造)と薬理の繋がりを勉強したい。化学構造式に興味はあるけど、何から手をつければいいのかわからない。いろんな経験や想いがあると思いますが、今回はそんな方のためにも、化学構造と薬理作用の関係が解説され、かつ臨床(医療)に繋がりそうな内容の本・書籍をピックアップし紹介していきます。
オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ®︎、デエビゴ®︎)の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ®︎、デエビゴ®︎)の化学構造と特徴を比較。構造や相互作用の違い,OX受容体との親和性、臨床への作用の影響などを検討。睡眠/覚醒リズムやOX受容体がスボレキサント(ベルソムラ®︎)やレンボレキサント(デエビゴ®︎)とそれぞれどのような相互作用で制御されているのか確認,考察していきます。
SGLT2阻害薬の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
SGLT2阻害薬の開発において重要視されているものの一つが【SGLT2選択性】です。SGLT1を阻害すると思わぬ副作用の原因になることが懸念されていますが、選択性の低い薬剤でも、実臨床ではほとんど問題のないレベルという見方もあるようです。阻害活性なども、それぞれの薬剤の化学構造を比較して確認してみようと思います。
ボノプラザン(タケキャブ®︎)の化学構造と特徴〜従来PPIと構造式から比較する〜
ボノプラザン(タケキャブ®︎)は従来のPPIとは異なり、消化管から吸収されずとも酸に安定でK+と競合することで直接プロトンポンプを阻害できます。分子全体としてアミノ基の陽イオンがKの陽イオン(K+)の代わりにプロトンポンプのK+結合部位で相互作用し、K+の通り道を塞ぐことでプロトンポンプの機能を阻害します。
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
アンギオテンシン変換酵素(ACE)の作用点は、アンギオンテンシンⅠのC末端から2〜3残基目のアミノ酸(ヒスチジン(His)とフェニルアラニン(Phe))のアミド結合です。ACE阻害薬は、アンギオテンシンⅠのアミド結合が加水分解されないように、切断部位のアミノ酸に相当するような化学構造を持っています。
Ca拮抗薬(DHP系、BTZ系、PAA系)の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
L型Caチャネルにはニフェジピン(N)部位、ジルチアゼム(D)部位、ベラパミル(V)部位があり、N部位はチャネルの外側に、D、V部位はチャネルの中心部に存在します。今回はCa拮抗薬の中でも、ジヒドロピリジン(DHP)系とベンゾチアゼピン(BTZ)系、フェニルアルキルアミン(PAA)系について構造を確認していきます。
ビスホスホネート製剤の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
ビスホスホネート製剤は、骨の主要成分であるヒドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)に親和性が高く、リン酸基が金属イオンとキレートを形成しやすい性質も相まって高い吸着性を持ちます。"ファルネシルピロリン酸合成酵素(FPPS)"を阻害するビスホスホネート製剤の化学構造を比較して、それぞれの相互作用の強さも確認してみます。
DPP-4阻害薬の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
DPP-4阻害薬は、その化学構造やDPP-4との結合様式などから、主に3クラスに分けることができます。結合部位のうち「S2拡張サイト」や「S1'、S2'サイト」と呼ばれるサイトでは、通常のS1、S2サイトよりも、より強力にDPP-4を阻害できる可能性もあるようです。今回はそれぞれの構造式と結合様式を比較してみます。
アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
ARBの化学構造上の特徴として、テトラゾール基またはその類似構造を持つものが多く、受容体と静電的相互作用をし強固な結合を可能にしています。ARBとAT1受容体の相互作用は、「アドレスドメイン」(阻害活性に必須の構造)と、「アンカードメイン」(受容体への結合を強固にし解離しにくくする構造)が重要です。
HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬)の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
スタチン系薬剤の構造上の特徴はHMG-CoAと非常によく似た構造を分子内に持つことです。HMG-CoAに類似した構造があることで、酵素が誤ってスタチン系薬と結合し、本来のHMG-CoAが酵素と反応できなくなります。今回はスタチン系薬剤の化学構造からそれぞれ比較してみようと思います。
β遮断薬(βブロッカー)の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
アドレナリン受容体に作用する薬剤はほとんどがカテコールアミンの構造的特徴を持っていて、ノルアドレナリン→アドレナリン→イソプレナリンとアミノ基に隣接する炭素にメチル基を増やしていくとβ受容体への選択性が高まります。 βブロッカーは主に水素結合でβ1受容体を阻害しますが、ISAの有無も化学構造から判断することができます。
ミネラル(鉱質)コルチコイド受容体拮抗薬の化学構造と特徴〜構造式から薬剤を比較する〜
ミネラルコルチコイドはステロイドホルモンの一種で、副腎皮質の球状層(最も外側)で生成・分泌され代表的なものとしてアルドステロンがあります。構造上の特徴として、従来のMR拮抗薬はステロイド骨格を持ち他のステロイドホルモンとも競合しやすく、MR以外のステロイドホルモン受容体にも作用するため副作用が問題となっていました。
メトトレキサートの化学構造と特徴〜葉酸の構造式から薬剤を比較する〜
DNAは最終的にタンパク質を生成するための情報部分であり、細胞増殖など免疫系でも重要で、葉酸の代謝を阻害すればDNA合成も阻害でき、細胞増殖も抑えることができます。メトトレキサートと葉酸の構造は非常によく似ています。ファーマコフォア的にもジヒドロ葉酸とメトトレキサートの酵素との相互作用の仕方はほぼ同じようです。
フィネレノン(ケレンディア®︎)の化学構造と特徴〜ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬〜
従来のスピロノラクトンやエプレレノンなどは構造式にステロイド骨格を含み、MR以外のステロイドホルモン受容体への作用による副作用が懸念されていました。それを克服するため上市されたのがエサキセレノンです。フィネレノンはステロイド骨格を持たない2剤目のMR拮抗薬でDHP系Ca拮抗薬に非常に類似した構造を持っています。