いつか君を恋と呼べたら #36
周囲が急にざわつき、長い長い回想から碧生は引き戻される。まるで海からひきあげられるグロテスクな深海魚のように。きょうの幹事の男女がタイムカプセルの蓋に手をかけたところだった。「では、開けまーす!」 凛とした声が冷え込んだグラウンドに響き、碧生は急いであたりを見渡す。そうだ、生絹を探さなければ。この同窓会に来た理由は、もう一度生絹に会いたいという、ただそれだけなのだから。こんなふうに記憶に溺れてい...
2023/02/14 00:04
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