前回のお話 一緒に住んでいた彼女に出ていかれた俺は、淋しい部屋に帰るのを遅らせようとあてもなく歩いていた。 そして見知らぬ場所に辿り着き、見知らぬ飲食店を目にする。 なんとなくその店に入るのはためらっていたのだが… 「いらっしゃいませにゃ」 なんで俺はこの店に入ってんだろう。 入る気はなかったのに、この店を眺めていたら無性に入りたくなってしまった。 やはり飲食店のようだった。 それよりも気になるのは、店の店員も客も全員ねこだということ。 ねこがちょこちょこと働いている。 店内は”にゃんにゃん”という賑やかな声で満たされていた。 喋って働く…ねこ?頭の中にいろいろと疑問が浮かぶのに、なぜだかその…
前回のお話一緒に住んでいた彼女に出ていかれた俺は、淋しい部屋に帰るのを遅らせようとあてもなく歩いていた。 そして見知らぬ場所に辿り着き、見知らぬ飲食店を目にする。 そこは店員がねこだらけの店だった。「ほら、チキン。出来たにゃよ。おいしそうにゃしょ?」出てきたのはホントに美味そうな、チキンソテーだった。 付け合わせに、インゲンとニンジンとポテトが添えてあった。 独特味のヤギミルクの後だっただけに少し身構えてたけど、皮はぱりぱりしているし肉はジューシーでなかなか旨かった。 食べ始めて腹がすいていたことに気付いたので、一気に食べ終えてしまった。 「ごちそうさま。すっごく旨かった」 「……」そういうと…