偶然神社で猫に出会ったことで幸せの歯車が回り出す、青山美智子さんの『猫のお告げは樹の下で』に続いて、『ただいま神様当番』を読む。今回も現状に行き詰まりこじれたOL・小学生・高校生・大学非常勤教師・零細企業社長の5人の登場人物たちが奏でるオムニバス仕立てです。この5人に共通していることは、朝同じ時間のバスに乗るためにバス停に並ぶこと。物語はある朝、一番にバス停に来るとバス停の台に落とし物があるのを発見する。それは今その瞬間一番自分が欲しいもので、それぞれの主人公たちは誘惑に抗えずその落とし物を持ち帰ってしまう。そして翌朝目が覚めると、腕に大きく「神様当番」という文字が書き込まれていてる。何事かと呆然としているなか、部屋に見知らぬ小さなおじいさんが座っていて、いきなり「お当番さん、みーつけた!」と言ってくる。...青山美智子『ただいま神様当番』あらすじと感想