正体 (光文社文庫)馴染みのない作家さんでしたが、映画化され評判が良いようだったので、読んでみました。埼玉で2歳の子を含む一家3人を惨殺し、死刑判決を受けている少年・鏑木慶一が脱獄したニュースからはじまりました。そこから時は流れて、脱獄から455日に飛びます
小説8050(新潮文庫)8050問題とは、「80代の親が50代の引きこもりの子供の生活を支えている社会問題」だということは、なんとなく知ってました。この小説に出てくる家族は、8050予備軍と言っても良いでしょう。歯科医の大澤正樹と専業主婦の妻・節子には、
Yuming Tribute Stories (新潮文庫)少し前に、NHK夜ドラでドラマ化されたものを見ました。ユーミンの歌が全面に流れるのかと期待してましたが、あくまで歌のイメージで制作されたらしく、歌が流れることもなく、肩透かしをくらった気分でした。原作はどうなんだろう?と気に
白鳥とコウモリ(上) (幻冬舎文庫)白鳥とコウモリ(下) (幻冬舎文庫)「ロミオとジュリエット」が東野圭吾風になると「白鳥とコウモリ」なのかな?と想像できるタイトルです。善良な弁護士、白井健介が殺害された事件。捜査線上に浮上した倉木という男が、あっさり犯行を認
青い壺 (文春文庫)私の好きな作家さん(原田ひ香)のコメントで「こんな小説を書くのが私の夢です」と本の帯に書かれていたので、読みたくなりました。単行本となったのが昭和52年ということですから、だいぶ前に書かれた小説です。確かに、その頃の生活様式は今とは全然違っ
源氏物語 4 (河出文庫 か 10-9)源氏物語 5 (河出文庫 か 10-10)4巻では、夕顔の忘れ形見、玉鬘をめぐるあれこれが描かれました。紫の上の時は、幼い頃に引き取って自分のモノにしてしまった光君だったので、この玉鬘も結局は光君の思い通りにしてしまうんだろうと思ってまし
柔らかな頬 上 (文春文庫)柔らかな頬 下 (文春文庫)読後、しばらく絶句!でした。北海道生まれのカスミは家出して、親とは音信不通のまま、東京で夫と二人の娘と暮らしていましたが、夫の友人・石山という男性と、不倫関係に陥ってしまいます。石山は北海道の別荘を買い、
燕は戻ってこない前から読んでみたかった作家さんでもあり、ドラマ化するというので興味がわきました。代理母出産にまつわる話ですが、生命の尊厳とか固い話にならず、とにかく主人公は産むか産まないのか? 産んだあとはどうするのか?でぐいぐい引っ張られ、気づいたら読
ザリガニの鳴くところ (ハヤカワ文庫NV)久しぶりの翻訳もので、600ページとかなりのボリュームだったので、読了まで時間がかかるかなと心配でしたが、とても読みやすく、ミステリーの結論が知りたくて、一気に読めました。ノース・カロライナの湿地で暮らすカイアが主人公。
灰の劇場 (河出文庫 お 26-2)今までに読んだことがない、珍しい構成で書かれていて、初め戸惑いました。「0」「1」「(1)」章に分かれていて、「0」はノンフィクションで、この本を執筆する過程が書かれており、「1」はフィクション、さらに(1)なんだろう? この物語が舞台化
本心 2040年、なるほど近未来はこういう世界になっているのかもしれないなと、空恐ろしくなりました。地球の温暖化は進み夏は40度が普通。経済格差は拡大、自由死が選択できる未来。主人公、朔也(さくや)は29歳。高校を中退し、学歴がないことが災いしてか、リアルアバ
コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)舞台は北九州市 門司港フェロモン店長がいるコンビニ「テンダネス」は、店長目当てのお客でいつも大賑わい。物語は、このコンビニを題材に、ネットで漫画を書いてるコンビニ店員・中尾光莉目線で、つづられていま
源氏物語 3 (河出文庫 か 10-8)今年の大河ドラマは、この「源氏物語」を書いた紫式部が主人公ということで、興味深く見ております。当時の生活を映像で見ることができ、この「源氏物語」を読むときも、吉高由里子の顔を思い浮かべながら読んでいました。3巻目ともなると、登
52ヘルツのクジラたち【特典付き】 (中公文庫)前から気になっていた本でしたが、虐待の話が出てくるのは辛いので、躊躇してました。確かに辛い場面もありましたが、軽いタッチで描かれているので、そう重くならず読めました。主人公貴瑚(きこ)が、海辺の町に引っ越してきた理
おちくぼ姫 (角川文庫)2023年本屋大賞発掘部門で「超発掘本!」として推薦されている本のようです。1979年に出版されました。千年昔の和風シンデレラストーリー。恐らく平安時代に書かれたものらしく、それを田辺聖子さんがわかりやすく現代風に訳しています。高貴な生まれに
猫を処方いたします。 (PHP文芸文庫)京都の路地にある怪しげなメンタルクリニック。評判のいい先生がいると人づてに聞いて恐る恐る行ってみると、そこでは薬ではなく猫を処方していました!5話の短編集で、患者たちが猫を処方され、それぞれに変容していく姿を描いています
源氏物語 1 (河出文庫 か 10-6)源氏物語 2 (河出文庫 か 10-7)今まで何度かトライして、最後まで読んでもぜんぜん頭に入ってこなかった源氏物語。角田光代が現代語訳をしているのを知って、もう一度読んでみようという気になりました。1巻のあとがきでご自身も書いてますが
まずはこれ食べて学生時代に友人同士で立ち上げたベンチャー企業「ぐらんま」そこで働く社員たちと、家政婦の物語を連作短編集で綴っています。「ぐらんま」のメンバーは、紅一点の胡雪 IT担当の桃田 CEO田中 営業の伊丹4人。不規則な生活で食事がおろそかになり、掃除も
先生のお庭番 (徳間文庫)出島に薬草園を造りたいという、オランダの医師しぼると先生の依頼のもと、植木職人熊吉がしぼると先生の願いを叶えようとする物語です。熊吉は、植木商「京屋」で働く15歳の少年でした。母は遊郭で働くお針女(おはりめ)で、女手一つで熊吉を育てた
少年と犬 (文春文庫)多聞(タモン)という犬が主人公。東日本大震災で、飼い主と離ればなれになったであろう多聞が、南に向かう途中に出会う人々の様々な人間模様を、連作短編の形態で書かれています。各章で登場する人たちは、飼い主を失いボロボロの姿で彷徨う多聞と出会い、
一人称単数 (文春文庫)8作の短編集です。成り行きで一夜を共にした女性の話から始まる「石のまくらに」久しぶりの村上春樹でしたが、相変わらずです。「ウィズ・ザ・ビートルズ」で、「僕は不特定多数の女性にモテたという経験はただの一度もない・・・しかしそれでもなお、
月の裏側九州の水郷都市、箭納倉(やなくら)。元大学教授、協一郎の呼びかけで、教え子の多門、娘の藍子、記者の高安が、ある事件を解明しようと箭納倉に集合します。そのある事件とは。まず、架空の土地箭納倉の神秘性に魅了されました。水の壁に覆われているような、しっと
私のなかの彼女 (新潮文庫)「祖母は醜女だった」から始まるこの小説は、孫である和歌の恋愛と、祖母のこうであったかも知れない生涯をリンクさせて、読みごたえがありました。和歌は大学生。大学に入ってすぐ付き合い始めた一つ年上の仙太郎との結婚を夢見ていました。時代は
彼女に関する十二章 (中公文庫)表題は60年前にベストセラーとなった「女性に関する12章」からきています。50歳になった聖子は、夫と二人暮らし。実家を離れて暮らす大学院の息子がいます。編集業を営む夫が仕事のために買った本が「女性に関する12章」そもそもキンド
クララとお日さま (ハヤカワepi文庫)AF(人口親友)として開発されたロボット クララ。この物語はそのクララの目線で語られています。心の機微まではわからないであろうロボット目線で語られては、単調な物語になりはしないかという心配は無用。クララのいる時代は、どうやら
推し、燃ゆ (河出文庫)前回読んだ「かか」の時も感じたのですが、実に生々しい。これはあくまでも小説であって、作者自身の体験談ではないのですが、作者の叫びが聞こえてくるようで、こんな小説を書いて苦しくはないのだろうかと思ってしまいました。主人公のあかりは、推し
正欲(新潮文庫)本書の帯に「読む前の自分には戻れない」という衝撃的なキャッチコピーが書かれているのですが、確かにそうかもしれないと思えるほど、読後感は最悪かも知れません。それでも読んで良かったと思える本でした。ここ数年、多様性という言葉がもてはやされてい
クスノキの番人 (実業之日本社文庫)主人公の玲斗は、シングルマザーに育てられ、母親は玲斗が小学校低学年の頃に亡くなってしまう。それからは祖母に育てられ、高校を卒業後就職するが、職場に恵まれず何度か転職したのち、不当な理由で解雇された職場に強盗に入り、逮捕され
ブルーもしくはブルー (角川文庫)山本文緒の初期の作品で、携帯電話のない時代が描かれていて、取り上げている題材もドッペルゲンガーということで、なんだか昔流行っていたような気がして、単純に古い話なんだなーと思って読んでました。主人公の蒼子は、東京で高収入の夫と
花桃実桃 (中公文庫)43歳のシングル女子茜は、職場から肩たたきにあい、父親から相続したアパートの管理人になることを決意。昭和の香り漂うアパート「花桃館」は、築20年、全9戸のうち4戸も開き室という。かなり経営が厳しそう。しかも、住人は個性的な人たちばかりで、家
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正体 (光文社文庫)馴染みのない作家さんでしたが、映画化され評判が良いようだったので、読んでみました。埼玉で2歳の子を含む一家3人を惨殺し、死刑判決を受けている少年・鏑木慶一が脱獄したニュースからはじまりました。そこから時は流れて、脱獄から455日に飛びます
エレジーは流れない (双葉文庫)読後に改めてこのタイトルを見ると、確かにエレジーは流ず、スカッとした気持ちになれる小説です。主人公の怜は、高校2年生。なぜか母親が二人いる環境で育ち、普段は餅湯温泉に土産店を営む母と二人暮らしです。なぜ母が二人いるのかという怜
やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく (文春文庫)朝ドラ「あんぱん」のモデルとして今注目の本です。アニメ「アンパンマン」の作者として有名ですが、私はやなせたかしというと、詩人のイメージが強かったです。どんな詩だったのか忘れてしまったのですが、やなせたかしの
夜に星を放つ (文春文庫)コロナ禍の時代を切り取った五つの物語。真夜中のアボカド銀紙色のアンタレス真珠星スピカ湿りの海星の随(まにま)に「真夜中のアボカド」は、双子の妹が亡くなった喪失感から回復していく話でしょうか。妹の恋人だった村瀬と姉の弓は、妹の月命日に
女二人のニューギニア (河出文庫)だいぶ前に書かれたエッセイですが、テレビで紹介されたことで話題になっているようです。有吉佐和子さんが、文化人類学者の友人・畑中幸子氏に誘われて、軽い気持ちで訪問したニューギニアの奥地、ヨリビア。そこには文明に侵されていないシ
ルカの方舟 (講談社文庫)NHKのドラマ「宙わたる教室」で話題になり、そのあと直木賞も受賞。今注目の作家さんの原点ともいえる小説。科学には疎い私なのでついて行けるか心配でしたが、終盤に丁寧な種あかしがあるので、なんとかついて行けました。火星隕石に生命の痕跡が見
日本語界隈ふかわりょうと言語学者・川添愛の対談集。日本人が使う言語について、ふだんモヤモヤしていることを語りあっています。ふかわさんは、コメディアンとして認識していたのですが、こんなに言語についてこだわっているとは知りませんでした。と、つい書いてしまった
臨床の砦 (小学館文庫)コロナ禍に感染指定医療機関で医療に従事した作者の壮絶な体験記です。ドキュメンタリーにせず、小説のカタチとした理由として、作者はあとがきに、「どんな悲しみでも、それを物語りに変えるか、それについて物語れば耐えられる」というデンマークの作
いえ下町荒川青春シリーズ 第3弾ということになるんでしょうか。前作の「ひと」「まち」も読んでいたので、またあの雰囲気に浸りたくて読みました。主人公の三上傑の妹・若緒は、傑の友達・大河と付き合っていましたが、大河が運転する車でデート中に交通事故が起きてしまい
まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫)原田マハのアート小説じゃないほうの作品です。タイトルからはちょっと勘違いしそうですね。NHKBSでドラマ化されると聞いたので、その前に読んでみようという気になりました。東京の老舗料亭で修行をしていた紫紋。この料亭で産地偽装や料理
スピノザの診察室以前から作者の名前は存じ上げてましたが、テレビ番組「あの本読みました?」にゲスト出演したときのお話に感銘を受け、ぜひ本作を読んでみたいなと思ってました。私には珍しく、単行本で買ってしまいました。失礼ながら、医師、兼作家さんということで、話
風が強く吹いている(新潮文庫)三浦しをんの本を数多く読んでいるのに、これは読んでいませんでした。三浦しをんさんがスポ根書くの?という気持ちがどこかであったのかもしれません。この本が評判がいいのはわかっていたので、一度は読んでみたいと思っていて、今年の正月
盗まれた顔羽田圭介3冊目ですが、3冊ともテイストが全く異なり、楽しませてもらっています。今作は「超デジタル時代に究極のアナログ捜査を貫く刑事を描く迫真の警察小説」ということで、こんなアナログな職業がまだあったのかという驚きから始まりました。主人公・刑事の白
砂嵐に星屑 (幻冬舎文庫 い 75-1)テレビ局で働く人々の悲喜こもごもを描いた作品です。一見華やかに見える現場で、あまりぱっとしない人々に焦点をあてたのが特徴的です。タイトル春夏秋冬の4つの短編と、ラストにおまけ?の話が一つあります。<春>資料室の幽霊は、不倫し
スクラップ・アンド・ビルド (文春文庫)読んでいて気付いたのですが、ちょっと前に前記事同様、 NHKでドラマ化されてました。ついていけない内容だなと思って、途中で見るのをやめたような記憶があります。芥川賞受賞作品ということで、たぶんとっつきにくい内容であると覚悟
デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)かつてNHKでドラマ化され、視聴しましたが、よく内容が把握できずに終わってしまったので、原作を読むことにしました。ドラマでは、主人公が草彅剛でしたので、原作も草彅剛のイメージで読んだので、すぐに物語に入っていけまし
源氏物語 6 古典新訳コレクション (河出文庫)源氏物語 7 古典新訳コレクション (河出文庫)源氏物語 8 古典新訳コレクション (河出文庫)とうとう最後まで、読み切りました。大河ドラマが終わらないうちに読み終えてホッとしました。ドラマで、紫式部(まひろ)役の吉高
赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)皇室に詳しくない私は、彬子女王の家系もわからず、本文を読む前にまずそこから調べなくてはなりませんでした。彬子女王は、故寛仁親王殿下の第一女子。寛仁親王は髭の殿下という異名があり、私も知ってます。女性皇族初の博
方舟 (講談社文庫)この本、とても売れているようだったので、買ってしまいました。本格ミステリー。同じ謎解きでも、犯人が犯罪に手を染めてしまった心理描写が丁寧に書かれているものは好きなんですが、残念ながら、本書はちょっと浅かったかなー。私が読み込めてないのかも
Phantom ファントム (文春文庫 は 48-3)主人公は外資系メーカー事務職として働く華美・32歳生活費を切り詰めて株に投資し、自分の給与収入(年収200万円台)と同じ配当を生む分身(システム)の完成を目指す。ということで、常にお金の計算をするヒロインの姿に、はじめ
小説8050(新潮文庫)8050問題とは、「80代の親が50代の引きこもりの子供の生活を支えている社会問題」だということは、なんとなく知ってました。この小説に出てくる家族は、8050予備軍と言っても良いでしょう。歯科医の大澤正樹と専業主婦の妻・節子には、
Yuming Tribute Stories (新潮文庫)少し前に、NHK夜ドラでドラマ化されたものを見ました。ユーミンの歌が全面に流れるのかと期待してましたが、あくまで歌のイメージで制作されたらしく、歌が流れることもなく、肩透かしをくらった気分でした。原作はどうなんだろう?と気に
白鳥とコウモリ(上) (幻冬舎文庫)白鳥とコウモリ(下) (幻冬舎文庫)「ロミオとジュリエット」が東野圭吾風になると「白鳥とコウモリ」なのかな?と想像できるタイトルです。善良な弁護士、白井健介が殺害された事件。捜査線上に浮上した倉木という男が、あっさり犯行を認
青い壺 (文春文庫)私の好きな作家さん(原田ひ香)のコメントで「こんな小説を書くのが私の夢です」と本の帯に書かれていたので、読みたくなりました。単行本となったのが昭和52年ということですから、だいぶ前に書かれた小説です。確かに、その頃の生活様式は今とは全然違っ
源氏物語 4 (河出文庫 か 10-9)源氏物語 5 (河出文庫 か 10-10)4巻では、夕顔の忘れ形見、玉鬘をめぐるあれこれが描かれました。紫の上の時は、幼い頃に引き取って自分のモノにしてしまった光君だったので、この玉鬘も結局は光君の思い通りにしてしまうんだろうと思ってまし
柔らかな頬 上 (文春文庫)柔らかな頬 下 (文春文庫)読後、しばらく絶句!でした。北海道生まれのカスミは家出して、親とは音信不通のまま、東京で夫と二人の娘と暮らしていましたが、夫の友人・石山という男性と、不倫関係に陥ってしまいます。石山は北海道の別荘を買い、
燕は戻ってこない前から読んでみたかった作家さんでもあり、ドラマ化するというので興味がわきました。代理母出産にまつわる話ですが、生命の尊厳とか固い話にならず、とにかく主人公は産むか産まないのか? 産んだあとはどうするのか?でぐいぐい引っ張られ、気づいたら読
ザリガニの鳴くところ (ハヤカワ文庫NV)久しぶりの翻訳もので、600ページとかなりのボリュームだったので、読了まで時間がかかるかなと心配でしたが、とても読みやすく、ミステリーの結論が知りたくて、一気に読めました。ノース・カロライナの湿地で暮らすカイアが主人公。
灰の劇場 (河出文庫 お 26-2)今までに読んだことがない、珍しい構成で書かれていて、初め戸惑いました。「0」「1」「(1)」章に分かれていて、「0」はノンフィクションで、この本を執筆する過程が書かれており、「1」はフィクション、さらに(1)なんだろう? この物語が舞台化
本心 2040年、なるほど近未来はこういう世界になっているのかもしれないなと、空恐ろしくなりました。地球の温暖化は進み夏は40度が普通。経済格差は拡大、自由死が選択できる未来。主人公、朔也(さくや)は29歳。高校を中退し、学歴がないことが災いしてか、リアルアバ
コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)舞台は北九州市 門司港フェロモン店長がいるコンビニ「テンダネス」は、店長目当てのお客でいつも大賑わい。物語は、このコンビニを題材に、ネットで漫画を書いてるコンビニ店員・中尾光莉目線で、つづられていま
源氏物語 3 (河出文庫 か 10-8)今年の大河ドラマは、この「源氏物語」を書いた紫式部が主人公ということで、興味深く見ております。当時の生活を映像で見ることができ、この「源氏物語」を読むときも、吉高由里子の顔を思い浮かべながら読んでいました。3巻目ともなると、登
52ヘルツのクジラたち【特典付き】 (中公文庫)前から気になっていた本でしたが、虐待の話が出てくるのは辛いので、躊躇してました。確かに辛い場面もありましたが、軽いタッチで描かれているので、そう重くならず読めました。主人公貴瑚(きこ)が、海辺の町に引っ越してきた理
おちくぼ姫 (角川文庫)2023年本屋大賞発掘部門で「超発掘本!」として推薦されている本のようです。1979年に出版されました。千年昔の和風シンデレラストーリー。恐らく平安時代に書かれたものらしく、それを田辺聖子さんがわかりやすく現代風に訳しています。高貴な生まれに