柔らかな頬 上 (文春文庫)柔らかな頬 下 (文春文庫)読後、しばらく絶句!でした。北海道生まれのカスミは家出して、親とは音信不通のまま、東京で夫と二人の娘と暮らしていましたが、夫の友人・石山という男性と、不倫関係に陥ってしまいます。石山は北海道の別荘を買い、
柔らかな頬 上 (文春文庫)柔らかな頬 下 (文春文庫)読後、しばらく絶句!でした。北海道生まれのカスミは家出して、親とは音信不通のまま、東京で夫と二人の娘と暮らしていましたが、夫の友人・石山という男性と、不倫関係に陥ってしまいます。石山は北海道の別荘を買い、
燕は戻ってこない前から読んでみたかった作家さんでもあり、ドラマ化するというので興味がわきました。代理母出産にまつわる話ですが、生命の尊厳とか固い話にならず、とにかく主人公は産むか産まないのか? 産んだあとはどうするのか?でぐいぐい引っ張られ、気づいたら読
ザリガニの鳴くところ (ハヤカワ文庫NV)久しぶりの翻訳もので、600ページとかなりのボリュームだったので、読了まで時間がかかるかなと心配でしたが、とても読みやすく、ミステリーの結論が知りたくて、一気に読めました。ノース・カロライナの湿地で暮らすカイアが主人公。
灰の劇場 (河出文庫 お 26-2)今までに読んだことがない、珍しい構成で書かれていて、初め戸惑いました。「0」「1」「(1)」章に分かれていて、「0」はノンフィクションで、この本を執筆する過程が書かれており、「1」はフィクション、さらに(1)なんだろう? この物語が舞台化
本心 2040年、なるほど近未来はこういう世界になっているのかもしれないなと、空恐ろしくなりました。地球の温暖化は進み夏は40度が普通。経済格差は拡大、自由死が選択できる未来。主人公、朔也(さくや)は29歳。高校を中退し、学歴がないことが災いしてか、リアルアバ
コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)舞台は北九州市 門司港フェロモン店長がいるコンビニ「テンダネス」は、店長目当てのお客でいつも大賑わい。物語は、このコンビニを題材に、ネットで漫画を書いてるコンビニ店員・中尾光莉目線で、つづられていま
源氏物語 3 (河出文庫 か 10-8)今年の大河ドラマは、この「源氏物語」を書いた紫式部が主人公ということで、興味深く見ております。当時の生活を映像で見ることができ、この「源氏物語」を読むときも、吉高由里子の顔を思い浮かべながら読んでいました。3巻目ともなると、登
52ヘルツのクジラたち【特典付き】 (中公文庫)前から気になっていた本でしたが、虐待の話が出てくるのは辛いので、躊躇してました。確かに辛い場面もありましたが、軽いタッチで描かれているので、そう重くならず読めました。主人公貴瑚(きこ)が、海辺の町に引っ越してきた理
おちくぼ姫 (角川文庫)2023年本屋大賞発掘部門で「超発掘本!」として推薦されている本のようです。1979年に出版されました。千年昔の和風シンデレラストーリー。恐らく平安時代に書かれたものらしく、それを田辺聖子さんがわかりやすく現代風に訳しています。高貴な生まれに
猫を処方いたします。 (PHP文芸文庫)京都の路地にある怪しげなメンタルクリニック。評判のいい先生がいると人づてに聞いて恐る恐る行ってみると、そこでは薬ではなく猫を処方していました!5話の短編集で、患者たちが猫を処方され、それぞれに変容していく姿を描いています
源氏物語 1 (河出文庫 か 10-6)源氏物語 2 (河出文庫 か 10-7)今まで何度かトライして、最後まで読んでもぜんぜん頭に入ってこなかった源氏物語。角田光代が現代語訳をしているのを知って、もう一度読んでみようという気になりました。1巻のあとがきでご自身も書いてますが
まずはこれ食べて学生時代に友人同士で立ち上げたベンチャー企業「ぐらんま」そこで働く社員たちと、家政婦の物語を連作短編集で綴っています。「ぐらんま」のメンバーは、紅一点の胡雪 IT担当の桃田 CEO田中 営業の伊丹4人。不規則な生活で食事がおろそかになり、掃除も
先生のお庭番 (徳間文庫)出島に薬草園を造りたいという、オランダの医師しぼると先生の依頼のもと、植木職人熊吉がしぼると先生の願いを叶えようとする物語です。熊吉は、植木商「京屋」で働く15歳の少年でした。母は遊郭で働くお針女(おはりめ)で、女手一つで熊吉を育てた
少年と犬 (文春文庫)多聞(タモン)という犬が主人公。東日本大震災で、飼い主と離ればなれになったであろう多聞が、南に向かう途中に出会う人々の様々な人間模様を、連作短編の形態で書かれています。各章で登場する人たちは、飼い主を失いボロボロの姿で彷徨う多聞と出会い、
一人称単数 (文春文庫)8作の短編集です。成り行きで一夜を共にした女性の話から始まる「石のまくらに」久しぶりの村上春樹でしたが、相変わらずです。「ウィズ・ザ・ビートルズ」で、「僕は不特定多数の女性にモテたという経験はただの一度もない・・・しかしそれでもなお、
月の裏側九州の水郷都市、箭納倉(やなくら)。元大学教授、協一郎の呼びかけで、教え子の多門、娘の藍子、記者の高安が、ある事件を解明しようと箭納倉に集合します。そのある事件とは。まず、架空の土地箭納倉の神秘性に魅了されました。水の壁に覆われているような、しっと
私のなかの彼女 (新潮文庫)「祖母は醜女だった」から始まるこの小説は、孫である和歌の恋愛と、祖母のこうであったかも知れない生涯をリンクさせて、読みごたえがありました。和歌は大学生。大学に入ってすぐ付き合い始めた一つ年上の仙太郎との結婚を夢見ていました。時代は
彼女に関する十二章 (中公文庫)表題は60年前にベストセラーとなった「女性に関する12章」からきています。50歳になった聖子は、夫と二人暮らし。実家を離れて暮らす大学院の息子がいます。編集業を営む夫が仕事のために買った本が「女性に関する12章」そもそもキンド
クララとお日さま (ハヤカワepi文庫)AF(人口親友)として開発されたロボット クララ。この物語はそのクララの目線で語られています。心の機微まではわからないであろうロボット目線で語られては、単調な物語になりはしないかという心配は無用。クララのいる時代は、どうやら
推し、燃ゆ (河出文庫)前回読んだ「かか」の時も感じたのですが、実に生々しい。これはあくまでも小説であって、作者自身の体験談ではないのですが、作者の叫びが聞こえてくるようで、こんな小説を書いて苦しくはないのだろうかと思ってしまいました。主人公のあかりは、推し
かか (河出文庫)「推し、燃ゆ」で芥川賞をとった宇佐見りんのデビュー作です。19歳の浪人生うーちゃんが主人公。うーちゃんが、弟のみっくんに語りかける形で書いてます。かかというのは、うーちゃんの母のことで、夫に捨てられて心を病み、うーちゃんの介護なしでは生きら
傲慢と善良 (朝日文庫)婚活あるあるとミステリーが入ってるので、それだけでも十分に楽しめる小説ですが、もっと深いところを追求しているので、こんなに分厚い文庫本になったのかなと、推測されます。婚約者、真美が突然姿を消し、架(かける)は彼女から聞いていたストーカー
シャイロックの子供たちシャイロックとは、シェークスピアの「ヴェニスの商人」に登場する強欲な金貸し。と、本筋に入る前に説明書きがありました。初めは、あー「ヴェニスの商人」のねーくらいの気持ちでしたが、読み終わって見ると、登場人物全員がシャイロックの子供たち
あひる (角川文庫)楽天ブックスで買ったんですが、薄いし字が大きいしで、びっくり。そういえば、書店で見たときに、上記の理由で買わなかったことを思い出しました。薄い本なのに3話入っていて、一日で読み終えました。しかし、内容は深いです。「あひる」は、「わたし」の
むらさきのスカートの女 (朝日文庫)本の帯に「何もおこらないのに面白い」と書いてあったので、退屈なのかなーと予想していたんですが、けっこういろんなことが起こってました!語り手の「わたし」は、近所で有名な「むらさきのスカートの女」に、異常と思える執着を見せます
義経じゃないほうの源平合戦 (文芸社文庫 し 6-4)義経が活躍したことで有名な源平合戦。本作で描かれている、じゃないほうの武将は源範頼です。鎌倉幕府を作った源頼朝は源氏の3男。義経は9男そして範頼は6男。範頼は、母親が遊女だったということから、他の兄弟より軽く見
風神雷神 Juppiter,Aeolus(上) (PHP文芸文庫)風神雷神 Juppiter,Aeolus(下) (PHP文芸文庫)史実をもとに、芸術家のこうであったかもしれないシリーズ。今作は、珍しく日本版。俵屋宗達という絵師の物語です。私も名前だけは知っている俵屋宗達。戦国時代から江戸時代初期
JR高田馬場駅戸山口 (河出文庫)少し前に読んだ「JR上野駅公園口」が良かったので、つい買ってしまいました。”つい”と言ってしまったのは、柳美里さんの本、毒が強すぎて読むのが辛くなることがあるからです。高田馬場駅の混沌とした風景が、脈絡もなく、ぎっしりとした文字
ザ・ロイヤルファミリー(新潮文庫)馬主一家の波乱に満ちた20年間を描いた長編。語り手は、栗須栄治。栗須は、ビギナーズラックで当てた馬券が縁で、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の社長山王耕造の秘書となります。山王社長は競馬に夢中で、「ロイヤル」の名が入っ
そのマンション、終の住処でいいですか? (新潮文庫)北関東の郊外で、一軒家を借りて住んでいた熟年夫婦が、娘の就職を機に都内のマンションへ移り住むことに。終の住処と決めたマンションの名は「ニューテラスメタボマンション」メタボっていうと、知識の浅い私は、すぐメタ
まち(祥伝社文庫お25-4) (祥伝社文庫 お 25-4)ちょっとほっと一息つきたいなというときは、この人の本を読みたくなります。今回の主人公は、両親を亡くし、尾瀬の荷物運び・歩荷(ぼっか)を営む祖父に育てられた江藤瞬一くんです。高校を卒業し、祖父から東京にでた方がいい
罪の轍(新潮文庫)文庫になるのをずーっと待っていた本作。手に取るとやっぱり分厚い! 上・下巻にしても良かったのでは?と思いつつ、読み始めました。時代は1963年、昭和の東京オリンピックが開催されようとしている時です。筆者は、同じ時代背景で「オリンピックの
死にがいを求めて生きているの (中公文庫)事故で植物状態となった南水智也を取り巻く人々の、それぞれの物語が各章ごとに語られ、初めはバラバラに見えてやがてつながって行く、という手法をとっています。看護師友里子の章の冒頭「自動的に、運ばれていく」という一文で、心
彼女の家計簿 (光文社文庫)先日読んだ「三千円の使い方」が面白かったので、同著者の本をまた読みました。似たような表題ですが、ぜんぜんテイストが違って、私はこちらの方が好みです。シングルマザーの里里(リリ)の元へ、疎遠にしていた母から分厚い封筒が届きます。五十鈴
吾輩はライ麦畑の青い鳥 名作うしろ読み<『名作うしろ読みプレミアム』を改題> (中公文庫)だいぶ前に読んだ「名作うしろ読み」第2弾です。文芸評論家斎藤美奈子さんが、かつて読売新聞に連載していたコラムを改稿したもので、名作をラストの一文から解説しています。前作
三千円の使いかた (中公文庫)この本、新聞広告等で、大きく宣伝してますよね。確かに気になるタイトルです。「人は三千円の使い方で人生が決まるよ」という祖母のことばから始まる、このお話。財テクの話かな?と思いきや、終わってみれば、御厨(みくりや)家の家族の心温まる