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顔のない集団 私は転職経験がないので、自分の勤め先を見て「会社とはこういうもの」と理解しようとするしかありませんでした。 しかし、その狭い世界は、ひょっとしたら世間一般からすると“ズレていて”、標準的ではないのかもしれません。 私が過去の記事で度々触れている“社内の人材不足”は、元をたどれば就職氷河期の採用抑制が要因なのですが、それと相まって、会社の予想を超えた人材流出を食い止められずにいることが一層の拍車をかけています。入社年次によっては生え抜き社員がゼロの年もあります。 人材不足を補うためのキャリア採用は開始から十余年経ちます。管理職でもキャリア採用組が目立ち始め、中堅・若手社員は世代によ…
企業価値と行動指針 日本語だと迫力に欠けることを、さも重要そうに見せようとする際に外来語への言い換えを使うことがあります。社内で最近流行っている言葉は「エンゲージメント」です。その言葉自体に斬新さがあるわけではありませんが、誰かが使い出すと社内文書の至るところで同じ言葉が現れ始めます。 困ったことに、社内の流行語になっても言葉の定義がされていません。ある者は「社員のやる気」だと言い、またある者は「仕事への関与度」だと言います。 何となく分かったようで分かっていない状態にしたいためにわざとカタカナ語を使用しているのではないかと勘繰ってしまうほど、使う側、受け取る側がそれぞれ勝手に解釈していて共通…
投資の世界で有名人はたくさんいますが、日本人で特に優れた投資実績の持ち主として私が想起するのが今回ご紹介する著者の柳下裕紀(やぎしたゆき)さんです。著者プロフィール・1964年生まれ。現在、株式会社Aurea Lotus代表取締役・国内外(