「行功心解」(5) - 務令沉着
前回からの続きで、「務令沉着」の説明です。気を沈めることに努めなければいけない、ということを前回説明しました。それは、長い間努力をしないとなかなか辿り着けない境地です。ただ、がむしゃらに努力をすれば良い、というわけではありません。 蘇峰珍氏の「行功心解詳解」では、気を沈めるための前提は、「松」だと宣言をしています。今日のブログでは、この「松」とは何かを紹介します。 中国語でこの文字を書く時には、主に中国本土で使われている簡体字では「松」、台湾なので使われている繁体字では「鬆」と書かれます。発音はどちらもsōng(ソン)です。日本語で説明をする時にはどちらの漢字を使ったら良いか、迷います。なぜなら、どちらの文字も日本語に存在するからです。 「松」は日本語では通常は樹木の名称として使いますが、辞書を見ると「粗い(「鬆」の簡体字)」という意味も載っていました。「鬆」はあまり見かけはしませんが、これも常用外漢字として認識されていて、骨粗鬆症の「鬆」として使われます。 どちらの文字も日本語に存在して、どちらも「粗い」と言った意味を表すことができるのですが、「鬆」は「粗い」以外の意味を持たないので
2023/02/22 13:24