心が急激に成長していた頃 そして不安定だった 豊沼-砂川(三十三)
まだ木造校舎だった頃の砂川南高校に入学した。新校舎の建築が高校二年の頃に始まり、高校二年の後半は新校舎を使った。全学年が新校舎に移ったのは、その翌年だった。新校舎は明るくきれいだったが、好きにはなれなかった。うまく表現はできないが、例えば僕たちがみかんのようなものだとして、新校舎の教室にいると、動くたびに皮が傷つき剥かれていくような感じがし、それが旧校舎では、皮ごと柔らかく包んでくれるように感じがしたためといえるかもしれない。古い木造校舎のほうがずっとよかったような気がしていた。精神的にとても不安定な時期だった。そして、高校三年間を通じて、楽しい思い出はほとんどなかった。 * 当時の砂川南高校…
2023/12/19 05:41