格差社会への変貌を読み解く
私の新聞の読み方は、天声人語だ、社説だ、社会面だ、というように読む順番を決め、どこかを注視するのではなく、見出しを中心に興味ある話題を探しながら「見る」という方が正しい。スポーツ面では大谷選手など気になる選手の成績はチェックするし、「ひととき」欄の感動する記事には目を止める。また、「判官ひいき(弱者・敗者に同情し声援する感情)」というのか、弱いものに焦点を当てた記事も気になるが、最近は「経済的困窮者」に関する内容が増えているような気がしてならない。 1.時間ではなく、成果が賃金に反映される時代 高度成長期と今を比べてみたい。昔はタイムレコーダーというのがあって、出社時と退社時にこれにカードを通して時刻を記録し、働いた時間に応じて賃金が支払われた。今も時給制の企業は多いが、IT企業などは「時間」ではなく、「成果」を買うので、たとえどんなに時間をかけても成果がなければ報酬はゼロだ。エクセルは同じアウトプットでも、使い方によってかかる時間が大きく異なるのは周知のとおりだ。他社より一足でも早く結果を出したい研究開発型企業では、成果報酬の方が公平で働き手のモチベーションが上がり、生産性や企業業績
2022/08/07 19:14