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タマちゃんのおしりを、びわ太が叩いたり しないかと内心自分はハラハラであったが、 その心配は杞憂であり、今日のびわ太の 【やんちゃ度】は通常よりもずいぶん低めな ようであった。 (むう、デートモードというわけか……) ……一方隣のキューピットちゃんは、これでも かというぐらい...
「先に言っておくけどね……」 キューピットちゃんは急にひそひそ声になり いつもの、あの悪そうな目でニヤリと笑った。 「多分びわ太にはバレると思うけど、大丈夫 ……タマちゃんに気づかれるまではトコトン 尾行するわよお♡」 (尾行……) 「さあ面白くなってきわあ、行くわよお⤴♡」...
待ち合わせ場所へ着くとキューピットちゃんは まだ来ていなかった。 その日がいったいどんな1日になるだろうかと ドキドキしながら待つと、すぐ隣で携帯電話を いじっていた人物がおもむろに体をよじり、 突然自分のおしりを叩いたのだ! (えええ!!?) キューピットちゃんだった! ス...
キューピットちゃんとデート? とてもとても怖ろしいお誘いだったが、 断れるような雰囲気もタイミングもなく 半ば強引に約束させられる。 どこに行くのかも、何をするのかも、させられ るのかも全く教えてくれず、ただただひたすら にミステリアスな約束が未来に待っていた。 (縛られたりとか...
今までに教わったこと。 …… モテる服装について や、 女性をおもてなしするときの心構え 、 あとは 観察する際のポイント だとか、 いろいろあったが、なんだか思考がまとまらず あまり思い出せなかった。 (一度腰をすえてしっかり書き出さないとだな) それ以上考えられず、自分は...
【恋愛初心者】だからと、言い訳しても良い だろうか……しょうばんの気持ちを考える余裕 など、自分には全く無かった。 何ひとつとっても自分のことで手一杯だった。 以前から、常々気になっていたこと、 知りたいと思っていたことにまた突き当たる。 【大人の余裕】について。 どうしたら...
3日間に起こった出来事を全て話し終えると キューピットちゃんは不満そうに言った。 「んで……オチは?」 (オチ?……この話ってオチが必要なのか?) 恵方巻を渡したとこまではだいたい想像できた とキューピットちゃん。……でその後は? 【その後】どうなったのかと。 その後は……どうも...
もう良くなったんですけど、数日前、いきなり右膝の前上のあたりがいたくなった。涙歩く時はなんともなくて、立ち上がるときとかに、少し違和感と痛み??老化だなー。悲…
幸せで幸せで、ずっとこうしていたかったが そういうわけにもいかない。 【お姫様】を夜更かしさせるのは非紳士的だ。 【ジェントルなダン君】は、駅へ向かうことを 提案した。名残り惜しさに歯切りしつつも。 はるか遠くまで広がる眺望。【街の風景】。 ぽっこりと突き出た【猿のこしかけ】。 ...
「方向とか気にしないで大丈夫っスよね?」 特製恵方巻を両手で抱えたまましょうばんは こちらをふり向き確認してきた。 自分は特に気にしなかったよと、しょうばんが くれた恵方巻を 食べたときのこと を伝える。 「そっスよね……じゃ、いくっス……」 あのとき と同じように両足を少し...
いろいろなことを話した。 多くの時間はしょうばんのほうが話していて 自分はただ聞いていただけなのだが。 でも正直に言えば、たくさんしゃべってくれて とても助かった。自分は気のきいたことを 上手にしゃべれなかっただろうし。 お願いされていたツムツムのミッション ……『 青色の...
ちゃんとした敬語を使えないしょうばん。 でもLINEのメッセージでは、とても礼儀正しく かわいらしいという怖ろしきギャップ。 いつもやる気がなさそうに見えるしょうばん。 クラブ通いしていると聞いていたが、でも 今どきの若いものとも少し違うようだ。 40歳の自分とも、普通にやり...
【特製恵方巻】はついにしょうばんのもとへ 届けられた。ホワイトデーからずいぶん過ぎて しまったが。 とても緊張するにはしたが、むやみに気負い 過ぎることもなく、たんたんと渡すことが できたように思う。 【ただ渡すだけ】【感謝を届けるだけ】と 半ば宅配業者のような心持ちで挑んだ...
※本編とは全く関係ありません ↓↓↓↓↓↓↓ ここしばらくはとても忙しく、いつも以上に 時間の使い方について切実に考えるように なっている。 自分の場合、あいた時間を過ごすとき、 最も肝心なのは【心身のリフレッシュ】だ。 嫌なことから距離を置き楽しいことに近づく。 できる限り...
(【想い】を【形】にする…… 感謝を伝えたいから届ける…… 相手が喜ぶかどうかは二の次……か) ……帰り道、びわ太と別れてからも言葉が 頭の中でぐるぐると回っていた。 びわ太の言う通りだ。 自分は、相手の反応ばかりを気にしていた。 しょうばんがどう感じるか? もちろんそれも大切に...
びわ太がプレゼント? いまいち一貫性のないチーズの束を? 一体誰に? ……聞けばびわ太は明日【別現場のヘルプ】に 向かう予定らしい。 その別現場で、いつもお世話になってる インストラクターさんに久々に会えるのだと 嬉しそうにしている。 インストラクターさんはチーズ好きらしいが...
トイレで用をたし、ペーパーに手を伸ばすと ピロリン……5cmほどの短い紙切れが取れる。 個室内に設置されているもう1つのペーパーも 同様だ。 念のため、トイレ内、別の個室のペーパーも チェックすると、全て同様にしこまれている。 誰かのいたずらだ。 こんなクソしょーもない(しか...
〈 126.恵方巻『福の到着早すぎないすか?』① からのつづき〉 恵方巻を食べつつ今、南南東に向いてるから、 声がした方角は北東?……いや北北東かな?…… ……って、どうでもいい! (しょうばんだ! この声はしょうばんだ!) とにかく左うしろの方向から聞こえた声は、 自分にとって...
3月14日ホワイトデー。 しょうばんに渡そうと準備していた恵方巻は 結局キューピットちゃんに食べられた。 かわいそうな恵方巻…… それはそれはこの上なく無惨なありさまで…… 悔しさまぎれに【仇討ち】を目論むも、 キューピットちゃんにはかなわなかった。 ドロちゃま、あっさり【返り討...
「ギャフン、ゲフフン!……ゲホッ!…… ゲボッ!……ゲフフぅァン……おうェ!」 ………… むせた。 むせまくった。 ………… 激辛は嫌いではなく、むしろ好きなのだが、 得意ではない。 ………… 苦しかった。それはもう無茶苦茶に。 結論から言うと…… 特製【激辛恵方巻】は、自分...
181.【番外編】MAX究極ハイリスペクト!!! どうしても気づいてしまう話
※本編とは全く関係ないが、とてもとても 重要な、究極的に重要な、永久保存版的な お話です。 来ました! 大尊敬! 超尊敬! (ガオレン尊敬!) (ハリケン尊敬!) (アバレン尊敬!)←特に意味はありません BLACK尊敬!!! BLACKRX尊敬!!! MAX究極ハイリスペク...
※本編とは全く関係ないお話しです。 来ました! 大尊敬! 超尊敬! 武田のお館(やかた)様! 大河ドラマ『どうする家康?』の話である。 思った以上に面白い。 最初イマイチかなあ、と思ったのだが、 思った以上に面白い。 自分は、基本的に誰かを尊敬したりなどは あまりしないたちなのだ...
自分が勤めている職場は、異動が非常に多く、 これまでに5つ以上の現場で勤務してきた。 とはいえ通勤にかかる時間は、最も遠いケース でもおおよそ1時間程度であり、かなり恵まれ ているといえる。近ければドアトゥドアで15分 という現場もあり、ワークライフバランスは 決して悪くない。 ...
「ひゃっ!」 悲鳴とともにしょうばんは跳びのいた。 今まで聞いたことのないかん高い声だった。 半分より小さくなった恵方巻を片手に自分を 見るしょうばん。目が大きく見開いている。 ………… 「いや……」 (違う。自分じゃない) そう言いたかったがうまく言葉が出ない。 ヤバい! 全身...
それからというもの、 おしりのことが気になってしかたがない。 試しに自分のおしりを触ってみるが全くダメ。 ダルダルメシアンである。 たった2駅の通勤電車だが、 女性のおしりが気になっている。 なるほど、確かに形は人それぞれだ。 固そう、やわらかかそう。 間違ったフリして触って...
怖ろしいことに気づいてしまった! びわ太の携帯電話に貼られたシール……くそ ……もしかして?…………くそ! くそ! 少し説明すると、 自分の携帯電話にはシールが貼られている。 クリスマスにしょうばんからもらったのだ。 将来、語学留学をする夢に向けて試験勉強に 臨んだしょうばん...
しょうばんは全体として無口、かつ無表情な ところがあるから、内心どんなことを考えて いるのか推測しづらい。 でも実は、案外こまやかにいろいろなことに 気がつく性格なのかもしれない。 少なくともシールのチョイスは絶妙。 受け取る側1人1人の雰囲気、キャラクターを よく見抜いてい...
さてさて本題はここからだ。 キューピットちゃんとの会話の中で、 うすらぼんやりとした懸念を感じ始める。 「確かにしょうばんは【ベル】が好きだって 言ってたわ……【美女と野獣】の映画は アニメも実写版も大好きだって」 ほうほう。アニメはなんとなく知ってたが、 実写化されているの...
「……この世界の大部分は、自分がそうだと 思いこんでいるだけ。心の中に広がる風景を ただひたすらに信じ続ける。愚かなり…… 愚かなぁりぃ、ホモ・サピエンス!」 まるで詩人のようにかっこつけながら キューピットちゃんは言った。 わずかな情報に一喜一憂する自分に対する 戒め、アドバイ...
「機械のように聞くことはゼッタイにできない のよ……私たちには【心がある】から」 再生ボタンを押したキューピットちゃんは それだけ言うと、後はジッと黙っていた。 表示された数字を見る。 11分56秒…… 自分たちはそんなに長い間話していたのか…… と内心驚きつつ音声に耳をそばだて...
「全てが見えていると思いこんではダメ。 あくまで一部分が見えているだけ。 そしてそこから先は【妄想】よ♡」 (妄想……) 「それからね、自分で選べないものもある。 性別とか身長とか、どんな親の元に生まれて くるかとか……」 それは確かにそのとおりだ。 選べないものは数限りなく...
「……とにかく決めつけないように、 思いこみすぎないように、 ゆったりと向き合いなさいな♡」 今日の話は本当に難しかった。 キューピットちゃんの過去と、 何かしら関係のある話なのだろうか? キューピットちゃんとびわ太は、昔からの 知り合いであるようだ。初めて知った。 過去にいった...
「恥ずかしいので、あとで食べて欲しいっス」 知るかぎり、 それはしょうばんらしからぬ物言いであった。 無表情なもんで【恥ずかしそう】には 全く見えないが、本人が言うのならまあ 恥ずかしいのだろう…… ……って、 (もしかしてバレンタインチョコっスか!?) えええ? マジっスか!?...
紙切れに関しては、なんと【手紙】だった! 信じられないことに、しょうばんから手紙を もらってしまったのだ! 自分宛の手紙なので、書いてある内容を 厳密にそのまま記述することは避けるが、 ざっくり以下のようなことが書かれていた。 『いつも声をかけてくださり ありがとうございます...
親切にされたり、 少しばかり会話が長続きしたりするだけで すぐに女性を好きになってしまう。 身近にいる接しやすい女性全般が恋愛対象だ。 そんな自分だから、 好きな人、意中の相手から【義理チョコ】を もらったことは数限りなくある。 気立てがよく、周りに気配りできる女性たちが 小...
そして準備は整った。 【新しい恵方巻】が入った【新しい紙袋】。 3日かけて必死に準備した。 今この瞬間のために。 「あの……これ(恵方巻)……」 余計な事は言わずにとにかく渡してしまおう。 自分はビビりだから。 『普通に考えて……普通に考えて……』 そんなふうに思考を積み上げて、...
自己分析すると自分はとても【惚れっぽい】。 少しばかり会話が弾んだり、快(こころよ)い やりとりが続いたりすると、その女性のことを すぐに好きになってしまう。 裏を返せば、ほとんどの女性とは 【会話が弾まない】わけだが。 社会人になるよりも以前のこと、 学生のころは、周りに女性が...
「これ、ホンットおいしくないわねえ…… 渡さずに済んで良かったじゃない♡」 自分からぶん取った紙袋、さっきまで恵方巻が 入っていた紙袋を丸めながら、キューピット ちゃんは言った。 「あ〜久々にヒドいもん食ったわあ♡」 丸めた紙袋をゴミ箱に向かって投げる。 穴の横にポコリと当たり、...
【渡せずじまいの恵方巻】を持ったまま、 出退勤をくり返した。 紙袋を慎重に持ってそろりそろりと歩く。 お菓子なので簡単には傷まないだろうが、 半日陰で涼しく風通しのよい場所を選び、 厳重に保管する。 でも、何のために? ホワイトデーは過ぎてしまった。 ふさわしいと思えるタイミ...
なんで自分はこの子を好きになってしまったん だろう? 普通に考えて難しいよな。 しょうばんが22歳。 自分は40歳。 18歳差か…… 深く考えずにいたが……しょうばんと自分って 親子みたいに年が離れてるんだよな。 ………… 普通に考えて…… (はあ……) あの、カッコよすぎる...
カッコいいヤツが嫌いだ…… 神様お願いです。自分よりもイケてるやつは この世から全員……ゲフンゲフン…… イヤ……気ヲ確カニモテ。 アホナコトヲ考エルナ。 ソンナコトヨリ仕事二集中シロ。 ………… ………… (いや無理だ!) ………… ………… (誰なんだ! アイツ! あの……イ...
(眠い……ああ眠い……) 今年の花粉症はどうやら強い眠気をもよおす らしい。鼻水や目のかゆみなどの諸症状は かなりのところ薬で抑えられているようだが。 その代わり……とにかく眠い。 ここのところずっと寝不足気味だし、 ゆうべはいつも以上に寝れなかったし。 まずいなあ。 こんな状態...
40歳という節目について考える。「年を重ねる」こと、そして40代の生き方とは・・・?
「なんでもっと早くしなかったんやろう? 20代の女の子たちはみんなかわいくて、いいなぁって思う」 お見合いについての友人の言葉です。 友人は私の同級生で40歳、コロナ禍で離婚して、婚活中。 同じお見合いサイトに登録している若い女の子たちの溌剌とした雰囲気と美しさに 自信をなくしそうだ、と話しました。 1、 40歳は中高年の入り口か・・・? 確かに昨年、40という節目を前にして、 私も怖気づきました。 「うそー、私が40!?信じられない」と。 高校時代、20代と何が変わったのか・・・? 経験を重ねる度に何かを学んだはずだけど まだまだ頼りなくて、フワフワと地に足がついていない私。 幼い頃に知った…
あれこれ思案したが意を決する。 今この場で【食べる】ことを決意。 そして明日しょうばんに、しっかりきっちりと 感想を伝えるぞ。そうだ、そうしよう。 ていねいにていねいに組み立てなおす。 海苔とサランラップの力を借りて、 ひとまずは元の形に戻った。 苦労して巻いていくと、独特の充実...
しょうばんのことばかり考えている。 しょうばんの【本心】を知りたい。 実際のところどうなんだろう? 何を考えているのだろう? そんな思いがより強くなったのは、 先日【雪かき】したときのことを思い出して いたからだ。2月10日だったかな? バレンタインの直前の金曜日、 朝から雪がち...
雪が降ったのは2月10日。 数日後にバレンタインをひかえたタイミングだ ったので、男どもによる関心、話題の中心は、 女どもについて、となっていく。 2月14日当日に出勤するのは誰だ、とか あの子は毎年手作りチョコをくれる、だとか。 よくもまあそんなにもこと細やかに把握して ま...
【今までに一度もバレンタインチョコをあげた ことがない】と言ってたんだよなあ? しょうばんのことだよな? ………… くれたじゃないか。 もらったじゃないか。 そのときは何の気なしに聞き流した内容が、 よくよく考えるとめちゃくちゃ重要な意味を 有してると感じ始めていた。 いや実...
結論から言うと、キューピットちゃんも びわ太もチョコをもらっていた。 「それはあれかな?……えーと……そのぉ 手作り……的な?」 しどろもどろになりながらも聞き出すことに 成功。なんと! 【手作り恵方巻】ではないらしい! ……手作りチョコでも、クッキーでも、 ガトーショコラでも...
しょうばんのことを考えるとつらい。 今よりもずっと若かったころ、 ただただズタボロに良くなかったころは、 深く考えずにいられた。 見たくない現実から距離を置き、自分にとって 都合の良い思考の殻に閉じこもっていれば、 やり過ごすことができた。 「本気出してないし」が合言葉で、 「別...
「そうなんス……」 バレンタインにしょうばんが手作り恵方巻を くれた。お菓子を海苔で巻くという独特な センスの手作り恵方巻。 「思っていたよりずっと大変だったっス……」 数日後にそのお礼を伝えると、 それに答えてしょうばんは言った。 「だから轟木さんのを作ったところで……」 ...