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BL風味の小説 https://blshousetu.fc2.net/

オリジナルBL&MLを毎週月・水・金の夜21時に更新!※アスリートCP/医者CP/リーマンCP/学生CP/短編も有ります。

妄想&空想が好きです(*≧m≦*) 浸るのも大好きです。 プロフのイラストはTwitterでお友達になった豆たろさんに描いて頂きました。 豆たろさん、ありがとうございます〜♪ オリジナルでBL小説を書いてます。 他のジャンルも多少あります。 性的表現がございますので、苦手な方はご遠慮ください。

福山ともゑ
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2014/06/27

  • さよなら、優しかった日々 #52

    バイト初めて2日目。仕事場に行くと、すでに窓ガラスに、昨日描いたバレンタインのイラストが貼られてある。「うわぁ、なんか嬉しい」ドアを開け、チリリン♪と鳴らす。「あ、きたきた。おはよう、雅君」「斎藤さん、おはようございます」「昨日はどうだった? 疲れたでしょ」「グッスリと眠れました」「朝、あの絵を貼ったらね、早速買ってくれたよ。あの絵、可愛いねって言ってくれたよ」「嬉しい。ありがとうございます」2日...

  • さよなら、優しかった日々 #51

    その日の夜。店長から、ちょっと、と声を掛けられる。「なんでしょうか?」「雅君、イラストを描いたら1枚につき+1,000円ね」「なにが……」「イラストのお金。時給は上がらないが、イラスト一枚のお金。安いけど」「頂けるんですか?」「うん」「ありがとうございます」店長は嬉しそうな表情をしていたが、次は神妙な面立ちになった。「で、ここからは言葉使いについてだ。淳史から話しを聞いたのだけど、優ちゃんもそうだけど、...

  • さよなら、優しかった日々 #50

    泣き顔になっていた斎藤さんは顔を洗ってくると、一緒におでんの仕込みをしていく。「よく売れるのは肉と大根とじゃがいもと玉子。まず、先に玉子と大根を茹でるよ」「はい」冷蔵庫から玉子を3パックと大根を10本取り出してきた。見てると、大根は1本を4等分にし、それをまた2等分にしている。「分厚い……」「1本150円だからね、少し厚めにするの。先に大根を下茹でして、これに人参と昆布を合わせて串を刺し。そして汁に入れ...

  • さよなら、優しかった日々 #49

    斎藤さんは、淳史さんに言葉遣いがなってないと言うことでクドクドと説教されていた。「でも」「でもじゃない。いくら相手が知り合いだろうが、さっきのような言葉遣いはダメ! たわいのない話しならいいが、仕事の話しなら尚のこと。さっきのは自分の事を構ってくれないからと言って、駄々をこねる子どもと同じだ!」「ちが」「違うと思うなら、さっきの言葉遣いは悪かったと謝罪するんだな。私は、そんな部下なら即刻クビにする...

  • さよなら、優しかった日々 #48

    「び、ビックリした……」「いきなり……。優介君、どこに?」すると、テレビの向こうに人が現れた。『はい』「友兄、紅茶クッキーどうなってるの? 早く納品してよー」『その声は、優介か』「優介か、じゃないよ。なに、まだ寝てたの? あのね、いくら時差があろうと、そんなにも変わらないんだからね。寝るのがそんなに好きなの? この寝ぼすけ! 紅茶クッキー、発注したら1週間後にはこっちに着いていたのに。まだ来てないよ!...

  • さよなら、優しかった日々 #47

    面接を受けた3日後は、コンビニのバイト初日だ。おっとりとした店員さんではなく、初心者コースを担当してくれた人だ。「初めまして、斎藤優介です。よろしく」「雅治です。よろしくお願いします」「そういえば、正月の異種に参加してくれてたんだって? ありがとね」「はい。シュークリーム美味しかったです」「ありがと。それ作ったの、私なんだ」「そうなんだ。美味しくって、ここまで買いに来たほどで」「嬉しいなあ」それで...

  • さよなら、優しかった日々 #46

    「ああ、思い出した。俊平先生の連れだった人だ」「その俊平先生とは」「大学の教授ですよ。クリスマスがきっかけで、正月のチラシを渡したら、その場で申し込んでくれた」「なるほど。でも、そんな理由で応募されるのは癪に障るな。とりあえず2週間働いて貰って、その後、結果を出します。いいですか?」「はい、お願いします」先輩は文句を言ってるみたいだ。「店長、私の時は1ヶ月だったのに、どうして短いの?」「若者は飽き...

  • さよなら、優しかった日々 #45 初めての面接

    履歴書を渡すと、店長さんは黙ってしまった。「あの……」「ちょっと待ってて」大声を張り上げる。「徹君、まだいる?」「昼食タイムです!」「ちょっと、こっち来て」「はい」少し待つと、先輩はやって来た。「お待たせ致しました」「徹君、たしか、この大学だったよね?」「どの大……」俺の履歴書を渡している。「ああ、はい。そうです、この大学です」「ちょっと読んでて」「俺、私が?」「そそ」2人の会話は終わり、店長は俺の方...

  • さよなら、優しかった日々 #44

    いよいよ、今日はバイトの面接日だ。ドキドキしながら電車を乗り継ぐ。チリリン♪と鳴る。同時に声がかかる。「いらっしゃいませ~」「あの……、面接に来たのですが」「雅様ですね。お時間までもう少々お待ちくださいね」「はい」ドキドキする。そういえば、面接だなんて初めての事だ。なんて思ったら、チリリン♪と鳴る。「いらっしゃ、あれ、徹君どうしたの?」「お腹空いたー」「道場は?」「今日は休み」「本業は?」「はい、これ...

  • さよなら、優しかった日々 #43

    そこはシュークリーム屋ではなく、シュークリームの卸問屋になっている。それに、コンビニ 、喫茶バー、バイク屋もある。しかも、コンビニとバイク屋の上はアパートだ。ここに引っ越そうかな。あのマンションは1年契約だし、あと少しで更新だし、ちょうどいいと言えばちょうど良い時期なんだよね。そう思いながらコンビニに入る。「いらっしゃいませ~」元気の良い声が出迎えてくれる。お菓子売り場に足を向けると、それはあった...

  • さよなら、優しかった日々 #42

    自分のマンションに戻り荷物を片付けようとしていたら、ある紙袋に気がつく。これって何だっけと思い、袋を開ける。その中には色々と入っているが、ある文面で分かった。「あ、正月の、あの時」そうだよと思い出した。福袋と称して一人一袋貰ったんだ。その福袋の中には、500㎖のペットボトル2本、6個入りのミニシュークリーム、道場のパンフレットが入っている。シュークリームは賞味期限がまだ先だったので1つを口に入れる。...

  • さよなら、優しかった日々 #41

    就職かあ。大学行くのも、あと1教科だけだし、たしか就職の申込みは5月だったような気がする。ま、とりあえず3月末のセミナーに申込みして受けるところからしないと。あの俊平が、こんな事を言ってくるだなんて思ってもいなかった。たしかに、俺は世間知らずだ。俊平に甘えきってしまう。だからこそ、それが留年する元にもなったのだから。俺って亀のような進歩力だなあ。でも、新潟に戻ろうという気はない。ここで、東京で頑張...

  • さよなら、優しかった日々 #40

    あぁ、よく寝た。伸びをすると声が掛かる。「おはよ」俊平は、もう起きてたみたいだ。「おはよ、俊平」「治……」「なに? もっと寝ろって?」「いや、朝飯は昼と一緒でもいいよな?」「うん、別に良いよ」どうしたのだろうと思うと、なんと筋を違えたそうだ。「マッサージして貰ったのに?」すると、こう返ってきた。「30分程前に目が覚めてシャワー浴びていたんだ。足が滑って風呂場で転んだ。その時、筋を違えてしまって……」「そ...

  • さよなら、優しかった日々 #39

    徹との会話を思い出し、悟さんの言葉「耳、治った」と言う言葉も思い出す。思い出したら、そんなことかと思い立つ。「優介、聞いているのか? 今後、いっさ」まだ続くようなので遮ってやる。「ごめんなさい。悟さんも音楽家なんですね。まさか、アレが原因で動きが鈍っていたなんて他人には話しませんので、ご心配なく。でも、徹はそれに気がついてますよ」「優介、おま」また遮ってやる。「それより、悟さんの本気出したの、初め...

  • さよなら、優しかった日々 #38

    こちらは講師陣。反省会も終わり、あとは寝るだけだ。カズキは今にも寝そうな雰囲気だ。「つっかれたー」そんなカズキの相手をしているユウマはまだ元気一杯だ。「すぐ捕まったくせに」「最初のアレでくじかれたんだよ」「ああ、アレね。アレにはさすがの私も参ったよ」「サトルは元気一杯だし」「水分補給するほど余裕あったみたいだからな」「もう、死んだ」「はいはい、グッスリ寝て下さい」徹は荷物を手に帽子を被る。それを見...

  • さよなら、優しかった日々 #37

    先に温泉に入り、まったりする。「ふー……。ああ、いい気持ちだ。いい汗かいたなあ」温泉から出ると俊平からLINEが入っていた。見ると、チェックアウトするぞと入っている。「もう出るの?」なのでLINEで返す。“もう出るの? 俺、温泉入っていたのに”即答で返ってくる。“17時チェックインでツインを取っているんだ。だからシングルはチェックアウトする”おぉ、さすが俊平だ。“準備するから待ってて”と返すと、自分の部屋へ戻りチェ...

  • さよなら、優しかった日々 #36

    叫んでいたのは俊平だ。その最後に見せた笑顔に見覚えがあったからだ。「思い出したー! その顔、そのぎこちないクールな笑顔……。短距離のインテリバイオリン野郎か!」「やっとか。てーか、俊平先生、今頃気付いたの? 俺、クリスマスの時から気付いてたよ」「あのクール野郎が、やんちゃになったな」「ふふふん」「あの頃は“私”だったくせに、“俺”になってるし……」「あの頃は自分の殻を脱ぎたくて反抗期真っ盛りだったからね。...

  • さよなら、優しかった日々 #35

    カーン!!カンカンカンカン、カーン!!!!!タオルで耳元を拭き隠していたが、やはり堪える。優介、そんなに何度も叩くものではない。優介の元気な声も頭に響いてくる。「終わりでーす! モヤシを倒すことが出来て凄いですねー! そのモヤシ君、未だにノビてますよ」ユウマがカズキの上に乗っかる。「カズキ、起きろ!」「ぶ……」徹も元気だ。「お疲れ様でした。このお土産は福袋です。中身を確認しながら聞いて下さい。今日の...

  • さよなら、優しかった日々 #34 軽い性描写あります。

    優介の手からペットボトルを攫う。「え?」飲みきるが、ほとんど残ってなかった。少ないが、それでもなんとか治まった。「ちょ、ちょっと悟さん。俺の」「ご馳走様」「俺の-」「お、耳、治った」「耳?」徹がこんなことを言ってくる。「治ったって何が?」ユウマが声を掛けてくる。「サトル、なにやってるんだ」「ユウマ、一緒にやるか?」「どうしたの、サトル君。水分補給したかったのか? 余裕だねえ」「あいつらのヌルくてな...

  • さよなら、優しかった日々 #33

    「ふー……。生き返ったー」「大丈夫?」「もう大丈夫。終わりは優介だろ?」「うん、耳栓必要だね」「耳塞いどく。しかし、さすが師匠だね。あの音を聞いても動けるだなんて、俺には真似できないや。根っからの音楽家ではないんだな」「なんか違いあるの?」「頭はまだいいけど、耳をヤラレルとキーンとなって聞こえも悪くなり、平衡感覚もなくなるんだよ」「そうなんだ……」「全力出したくても出せないんだよな」「知らなかった。借...

  • さよなら、優しかった日々 #32

    開始から15分後。「へっへー、悪いねえ。本気出させて貰ったよ。おや、サトル君、なに遊んでいるんだ?」「本気だせと?」「出してやんなよ。私だって出したんだ」「それは希望があったのか?」「そうだよ。皆が“本気だしてこい”って言うから、いいのか?本当に本気出していいんだなと聞くと、“こい!”って言うからさ」「私の場合、まだ誰も言ってこないから本気出さないで欲しいと思っているのかもしれないな」「希望がなければ出...

  • さよなら、優しかった日々 #31

    184人は各々が狙いを定めた人に向かって数発を打ち、脇から下がり、そのまま前に進む。そう、次の人の邪魔にならないためにだ。最初のゴングが自分たちの味方になってくれたのに気がついた人はいなかった。それもそうだろう。皆はモヤシを倒す事だけに一生懸命だからだ。それでも、易々と近づけたのはラッキーだっただろう。中級者4人の拳と蹴りが決まり、2段目の中級者のも決まる。3段目の初心者になるとモヤシは気を取り直し...

  • さよなら、優しかった日々 #30

    あと5分で13時半になる。その時、優介は徹と一緒に立ち上がる。「それでは、5分前になりましたので、再度説明します。このモヤシ3本を倒してください。武術で倒すんですよ。絶対に喧嘩は無しです。よろしいですね?」「はい」「時間になりましたら合図をします。これが、その合図の元です」そう言うと、あるモノを取り出し見せてくれる。それはなんだ?と、その場にいた皆が思っただろう。すぐさま声を掛けたのは徹だ。「優介、...

  • さよなら、優しかった日々 #29 カズキの思い

    「よろしくお願いします」ほう、やる気満々だな。悪いが、上級者の力は見切っている。なので、2人に聞く。「ユウマ、どうだ?」「午前中は慣らし+アルファだったからな。大丈夫だ」「カズキは?」「70かなあ」「あれだけグッスリだったくせに、70かよ」「グッスリ寝てた?」今度はユウマがチャチャを入れる。「そそ、目ん玉開けっぱなしでな」「そっかあ、分からなかった」「まさか、午前中のあれだけでグッスリコンコンとは思わ...

  • さよなら、優しかった日々 #28 軽く性描写あります。

    寝て起きたせいか身体が軽い。徹、ユウマ、カズキの尻を順番に踏んでやる。「お!」「ぐぇっ」「き!」「て……」「ろ!」「お、おも……」「ほら、3人とも顔洗ってこい。そろそろ向こうへ行くぞ」そう言うと、ユウマが文句を言ってくる。「もっとマシな起こし方してくれ」3人を部屋から追い出し優介の寝顔にキスをする。「ん……」「優介、起きろよ」「んー……」手をゴソゴソと動かしている。ああ、アラームかと思い当たり手渡してやる...

  • さよなら、優しかった日々 #27

    そんな優介の行動を微笑ましく思ったのか、サトルは安心して眠りにつく。30分でもグッスリ寝れると体力は70%、優介からのキスで40%が回復される。あの連中、目に物を見せてやる。東響大学医学部を卒業した文武両道10人のうちの3人だ。絶対にモヤシではないからな。でも、ユウマはまだいいが、カズキはダメだな。昔と比べてキレが甘くなっているだけでなく、すでに全力を使い切る寸前だ。1時間足らずでどれぐらい回復できるだろ...

  • さよなら、優しかった日々 #26 軽く性描写(?)あります。

    こちらは講師陣。「悟さん、なんだか嬉しそうですね」「まあな。手応えありの奴もいるからな」「徹はどう?」「んー……。食ったら寝る。起こして」「はいはい」「2人ともどうですか?」「私も寝るから起こして」「はい」「カズキ、は、既に寝てるな」「目を開けたままですけど?」「寝れるんだよ。不思議だよなあ。私だったら寝れない」「へぇ……、そうなんだ」やはり自分には分からない。渡部さんとは数回ほど合ってるから少しは分...

  • さよなら、優しかった日々 #25

    次は、並び方だ。中級者、中級者、初心者、中級者、中級者、初心者、中級者、中級者、初心者……、と並び、確実に当てていく。その為には、6段目の人までは全力で当てて欲しい。だから、中級者、初心者ともに強い人が最初にくる。「あ、その為には背では蹴り、お腹では拳と決めておいた方がいいのでは?」「そうだね、その方が良いかも」「で、抜けるときは頭を低くする!」「たしかに。頭が、次の人の邪魔になるかもしれないからね...

  • さよなら、優しかった日々 #24 作戦会議

    作戦を練ると言っても、皆が各々に思っていても作戦とは言わない。だから俺は口に出していた。「あの3人の弱い部分はどこだろう?」近くに居た奴が、俺の言葉を拾う。「え?」「弱い部分?」その声を無視し、1人でブツブツ言っていた。「小早川さんは空手が得意だから空手以外の人で、渡部さんは柔道だから柔道以外の人でやっていき、あの山口さんはオールマイティだから上級者か?」「なるほど!」「得意とする武術以外の人でや...

  • さよなら、優しかった日々 #23

    斎藤さんの、その声で俺たちは動く。初心者はあっという間にやられ、結局は上級者と中級者のやり合いだ。もしくは上級者同士の対戦もある。勝ち残ったのは上級者だ。それが終わったのは11時。「お疲れ様でした。それでは、お昼を挟んで、午後は講師が相手しますので」斎藤さんの言葉を遮る言葉が続々と出てくる。「えー……」「俺たちが勝つと思うの?」「4人の講師が束になっても、1人にやられているし……」「ハンデが欲しいよなー...

  • さよなら、優しかった日々 #22

    そして早くも最終日を迎える。上級者、中級者、初心者の全ての人数が、朝から一斉にする。それぞれの色がハッキリと出ている。上級者は威嚇してオーラを出し、中級者はどっちを相手にするか迷っている。初心者は固まっているので、やる気が失せたとも見て取れる。その中で、講師によるデモンストレーションが始まる。上級者担当の山口悟さんと渡部優馬さん。この2人に対し、3人が向かう。そう見えたが、どうやら違うようだ。「ユ...

  • さよなら、優しかった日々 #21 俊平視点

    一方、こちらは俊平。初日から攻防のラリーが続き息をつく暇もない。これはヤバい。柔道は級持ちだけど、空手や少林寺の人達が相手だとすぐに負けてしまう。1本を取るのが難しい。今までは遊び半分で学生相手にチンタラとやっていたが、危機感を持ったことはなかったからな。中級者担当は2人居て、小早川一樹さんと、岡崎徹さん。岡崎徹さんは、この間のクリスマスの時に相手をしてくれた人だ。それに対して、中級者は65人という...

  • さよなら、優しかった日々 #20

    2日目が始まる。今日と明日の最終日は8時間になる。それを考えただけで大変だ。始める前に柔軟体操をする。講師が来ると、すぐに体重測定をする。そして、すぐに拳の突き出しの練習。昼食を挟み、午後の前半は2人ペアになり攻防の練習を全員としていく。そして、後半は中級者と対戦していく。中級者は攻めて攻めて攻めてと攻める側で、俺たち初心者は躱して躱して躱してと躱す側になる。拳を突き出すと即座に躱されるから、躱す...

  • さよなら、優しかった日々 #19

    初心者コースは思っていたほど人数は少ない。それでも39人いる。正月でも暇な人がいるということだ。教えてくれるのは斎藤優介さん。実物の方がホームページの写真より優しくて可愛い。最初の2時間は座学。人体の仕組み、武術とは等とテキストを見ながら勉強していく。これは凄いや。小説のネタになりそうだ。優しそうな人だからという軽い気持ちで申し込んだので、最終日まで頑張ろう!座学が終わると体重測定をして、腹筋背筋な...

  • さよなら、優しかった日々 #18

    お母ちゃんに、正月は帰るねと電話したら即座に断られた。「帰ってきても、私いないよ」「なんで?」「商店街の抽選に当たって、三泊四日の沖縄旅行よ~」「沖縄っ?」「そうよ。だから帰ってこなくてもいいよ」「もしかして、誰かと一緒とか?」「そうだよ」「まさかとは思うが、彰君と」「彰君じゃないよ。美禰子ちゃんのお母さんと一緒」「良かった、安心した」「沖縄旅行の土産を送ってあげるから楽しみにしててね」「うん。楽...

  • さよなら、優しかった日々 #17

    チェックアウトして町並みを歩いて帰る。「そうか、冬休みか」「そうだよ」「正月はどうするんだ?」「お母ちゃんとこに帰ろうと思って」「マザコン」「ちゃうっ! 聞きたいことあるんだよ」「電話でなくて?」「そうだよ」「何を聞くんだ?」「お母ちゃんと副学長の関係」「は?」「ほら、2人とも名前で呼び合ってたでしょ。もしかして、お母ちゃん、あの副学長とは知り合いだったのかもしれない。それとも、再婚相手に考えてる...

  • さよなら、優しかった日々 #16

    温泉の湯船に浸かろうとすると、治は出ようとしている。「もう出るのか?」「のぼせた」「ったく、お前は……」「先に戻っとくね」「はいはい」お湯に浸かると自然と溜息が出る。「ふぅ……。いい湯だ」都内とはいえ、静かな時間だ。思いっきり身体を動かせたし、あのスタッフは強かったな。あ、名前忘れてしまった。ま、いいか。また正月にも会えるし。で、月水金ね。時間合うかな。しかし、治は弱いな。母親は刑事で柔道の猛者なのに...

  • さよなら、優しかった日々 #15 特別出演 part1

    その人は俺に向かって拳を繰り出してくる。なるほど、この人は柔道か。悪いが柔道は苦手なんだよと思い、空手の拳とキックを繰り出す。その内の数発が当たったのだろう。床にダウンしたので、こう言ってやる。「本気で掛かってきてください」「本気なんだけど」「お連れの方は温泉に行っちゃいましたね「あいつはぁ……。それが目的か」クスクスと笑いながら声を掛ける。「あと1本されますか?」「あと、に、いや、3本!」「OK」こ...

  • さよなら、優しかった日々 #14

    11時がチェックタイムなので、ギリギリまでまったりと過ごしたがる俊平を俺は、ある階へ引っ張っていく。「治、お前は」「せっかくの休みだけど、やっぱり締めは必要だよね」「他にもあるのか?」その言葉に、もち!と人差し指を立ててみせる。むふふ……と怪しく笑ってみせる。エレベーターから降りると俊平は動かなくなってしまった。「動こうよ」「俺はせんぞ」「何を」「それともなんだ。治がやるのか?」「何のことを」「エステ...

  • さよなら、優しかった日々 #13

    「いい加減に起きろ!!」「ひゃいっ!!」うぅ、耳元で怒鳴るな。叫ぶな。「ったく、何時だと思ってるんだ」「うー……。耳元で怒鳴らないでよ」「もう少しで8時だぞ」「チェックアウトは11時だもん」「朝飯は8時にしただろうが」「あ、そういえばそうでした」「サッサと起きて支度しろよ」「はーい」支度も終えて、もう少しで8時になろうとしている時、ドアベルが鳴る。「はい」「朝食をお持ちしました。ドアを開けて貰えません...

  • さよなら、優しかった日々 #12 サド描写?ww

    気がついたら、いつの間にか縛られていた。「あれ? なんで?」しかも、俊平は俺の下に寝っ転がっている。これって、どういう意味?俺が俊平を掘るってこと?なら、この縛るのは無しだろ?そんな疑問に応えるかのように俊平は言ってくる。「ほら、自分で動けよ。動いてイイところを擦ってみろ」「え?」「動けよ。俺は動かないからな」「えー! なに、それ」「ほら、早くしないとイケんぞ」「うー……」って事は、今の俺の状態って...

  • さよなら、優しかった日々 #11 R18 性描写有ります。抵抗ある方はスルーしてください。

    「ぅ……」「おさむ……」「ぁ……」「おさ」「や! そ、そこ」激しく突かれる。「ん……」「あ……」俺の中に入っている俊平はグチャグチャにしてくる。逸れると身体がビクつく。「や! だ、だめ……」「おさ……」何度も何度も逸れる。「や、だ……」しかも同じ所ばかりを狙って突いてくる。「しゅ、ん……。そこ、やだ……」「やだ、じゃないだろ」「あ! だめ、うごか……」「だめ? 何を言ってるんだ。目隠しされないだけマシだと思え」「や……」...

  • さよなら、優しかった日々 #10 ソフトな描写あります。

    お風呂から上がりベッドが置いてある室へと行く。ツインなのでベッドは2台置かれてあるので、それをくっつけダブルサイズにする。あろうことか、俊平はこんなことを言ってくる。「寝相が悪いとベッドを離すからな」「えー! そんなこと言わないでよ」布団に潜り、首元に手をやる。俊平からのクリスマスプレゼントがあるかどうかを確認する。「俊平、お手柔らかにね」「寝るんじゃなかったのか?」「分かってるでしょ!」ふふ、と...

  • さよなら、優しかった日々 #9 R18!性描写あります。抵抗ある方はスルーしてください。

    湯を張り直してる間は2人揃って身体の洗いっこをする。「なんか、こういうの久しぶりだな」「治……」「大学卒業したら、どこに住もうかな。俊平のとこに戻っても良い?」「ああ、いいよ」「なら、戻る」卒業するまで、あと1年。仕事を確保していかないと。そう思いながら、俺は俊平の身体にくっつく。「治、どした?」「眠くなって……」「まったく、こいつは」再度、綺麗に張り直したお湯に浸かって俊平の温もりを感じる。途端に、...

  • さよなら、優しかった日々 #8 性描写有ります。抵抗ある方はスルーしてください。

    お湯張りすると、すぐに入る。服を脱ごうとすると、何か固いモノに触れる。さっき俊平から貰ったクリスマスプレゼントだ。「俊平」「なんだ?」「プレゼントありがとうね」「治と一緒だったからな。驚いたよ」「俺も。何かいいのないかなあと悩んでいたんだ。まさか同じモノだとは思ってもなかったよ。でもさ、ペアルックだね」「だな」お互いのイニシャルが彫ってあるペンダント。「風呂に入るときは外しとこ」「それもそうだな」...

  • さよなら、優しかった日々 #7

    さあ、待望のデザートだ!デザートはケーキ!あたり前なんだけど、俺が頼んだのはホールではないんだよね。紅茶を淹れ、イチゴたっぷりのショートケーキ。俊平は一口サイズのケーキ14種類を1つずつ選ぶ。「俊平。はい、ここにも入れて🖤」「お前は、そのデカいのを食ってるだろ」「1つくらいいいじゃん」あーん、と口を開けて待つ。俊平は笑っている。「間抜けな顔をして」「ほら、早く」もう一度、あーんと口を開ける。「本当に...

  • さよなら、優しかった日々 #6

    食事しながら、俺は話していた。12月に入ったものの、一人暮らしも快適になったので、そろそろ俊平とどっか行きたいな。クリスマスもあるので、クリスマスプレゼントを買いに新宿をブラついていた。何が良いかなあ。今までだって、ずっと買ってプレゼントしていたので色々と持っているのは分かっている。旅行にしようかな。春は京都だったから、今回は沖縄か?とりあえず食材を買い、毎年のように商店街の福引きをする。今まで一度...

  • さよなら、優しかった日々 #5

    カーテンを半分ほど閉める。うん、いい角度でイルミネーションが見える。「俊平、見て」「なに?」「クリスマスイルミネーションだよ」近寄ってきた俊平は笑い出した。「分かった」「何が?」すると、こう返してきた。「やることは大人びてはいるものの、中身はまだ小学生のままなんだな」「誰が」「安心したよ」「中身は大学生だよ!」ワハハッと大笑いしている俊平に、本気で怒っていた。「俺は、一人暮らしして、中身も大学生に...

  • 🎍新年、明けましておめでとうございます!

    明けましておめでとうございます!本年もよろしくお願い申し上げます。友明「今年こそは、出番がきますように(祈」博人「友は、本当にそれだよな」友明「博人さんだって、思うでしょ?」博人「私はゲストでも構わないよ」治「俊平、小説ではまだクリスマスだけど、ご時世は正月だよ。お年玉貰えますように(祈」俊平「まったく、治は相変わらずだなあ」治母「やっほ~!治、元気してる?」治「お母ちゃん! うん、元気だよ。お母...

  • さよなら、優しかった日々 #4

    俊平の手を引っ張って目的地のエントランスに入る。「治、ここって……」「ほら、何してるの?」「でも……」「動いてよ-」やっとのことで俊平をエレベーター近くまで引っ張っていくと、迷わずロビーに近づく。「今日予約していた雅です」「いらっしゃいませ。雅様、お二人様ですね。キーはこちらになります」「ありがと」「ごゆっくりどうぞ」俊平は直立不動のままだ。「おまた。上がるよ」「治……」「兄ちゃん、行くよ-」「あー、は...

  • さよなら、優しかった日々 #3

    歩いていると、ふと思い立ったので聞いてみる。「そういえば、LINE入れてくれれば良かったのに」すると、こう返ってきた。「小さい頃は家まで行って誘ってたでしょ。なんか、久しぶりにしたいなと思ってさ」「ま、大声で叫ばれるよりは良いがな」「俺、叫んでないよ」「どの口が言ってるんだ?」「叫んだことあったっけ?」「“しゅーんーぺー、あーそーぼー!”って、大きな声で何十回、叫ばれたことか」「うわぁ……。小さい頃の俺っ...

  • さよなら、優しかった日々 #2 俊平視点

    こんな時間にベルが鳴るなんて、誰なのだろう。不思議に思ったが、もしかして……と恐る恐るセキュリティミラーを覗くと治だったので安心した。だけど、ベルを慣らすだなんてどうしたのだろう。しかも、入ってこようとしない。だから言っていた。「どうした?」そしたら、元気よく返事があった。「Merry Christmas! トリック or トリート!!」はははっと笑っていた。クリスマスとハロウィーンが同様になっているので、どうして...

  • 最新作!! さよなら、優しかった日々 #1 治視点

    エントランスでブザーを押す。ピンポンと鳴り、しばらく待つと声が聞こえてくる。「どうした?」「Merry Christmas! トリック or トリート!」そう言うと、笑い声と共に苦笑気味な言葉が聞こえてくる。「どうしようかなあ……」どっちでもいいんだよ。予想していたどおりの反応が返ってきて嬉しいんだから。だから言ってやる。「出てきて、食べに行こうよ」「家食べじゃないのか?」「うん、予約してるんだ」「分かった。待って...

  • 新作!! さよなら、優しかった日々

    いつもありがとうございます。新作になります。俊平&治の物語です。~あらすじ大学4年生の冬、留年して5年生となった雅治。着々と落とした必修科目も残すところ、あと1科目になった。そんな大学5年生のクリスマス。恋人の俊平とクリスマスをホテルで過ごす計画を立てていた。その時に出会った人が主催側となった正月に行われる、あるイベントに参加することにした。その時、俊平は自業自得ともいえる怪我を負い、その時に治に...

  • 猫びより #あとがき

    8周年記念作品に続き、このおまけ作品も村上洋一の作品ですが、いかがでしたでしょうか?レモンとの出会いが、ついに公になりました!そう、レモンとは大学の獣医学部で会ったのです。警戒心の強い全身黄色の猫が、スズメと呼ばれている村上洋一に打ち解けていく様子。また、洋一の思いの丈を喋れる相手。前世は双子だった?(笑)そして、この黄色の猫はレモンと命名され、『猫の事情』という作品の主人公でした。2人(?)、い...

  • 猫びより #最終話

    いろんな猫たちと喧嘩したり、笑ったり、話をしたり。はたまた、結婚したり。ハチャメチャではないけれど、気ままな猫として過ごしている。スーパーのお店番をしたり、悪の手からお店の物を盗まれないように目を光らせたり。何度もスズメと会って一緒に話をしたり。今度は、いつ会ってくれるかな。楽しみにしてるよ。スズメもそうだけど、俺も1人じゃないからな。なんだっけ。たくさん話してくれたけど、全部が全部覚えられなくて...

  • 猫びより #10

    スズメと居る時は何もかもが刺激的で楽しかった。散歩と言って、一緒に木登りしたり空を飛んだりしていた。「レモン。私はね、一人っ子なんだよ。だから1人というのがどんなに寂しいのかはよく分かるよ。でも、君は1人じゃないんだ。一緒に暮らしている仲間がいる。獣医学の連中だって、人間とはいえ仲間なんだ。大丈夫さ。この私が言ってるんだ。だから、もう寂しくないよ。な!」そのうち、スズメは新潟という所に行ってしまっ...

  • 猫びより #9

    しんみりしていたら、何人かの足音が聞こえてきた。思わず、側にある棚の中に隠れる。「スズメ。お願いしたいのだけど」「何でしょうか?」「最後に、もう一度、スズメのメス捌きを見せて欲しい」「えぇー」「我らが東響大学獣医学部の雄としてな」「なにそれ……」「医学部では2位どまりだけど、ここでなら1位だからな」「そりゃ、医学と獣医学では大いに違う。だけど!1位になれなかったのは、あのボスだったから仕方ないんです...

  • 猫びより #8 洋一視点

    獣医学部のオペ室って医学のオペ室とは思いっきり感覚が違う。まず、医学部は人間対象で、獣医学は人間以外の生き物が対象だ。だから、置いてある薬品も自ずと違ってくる。だけど、教授の場合は――。盲腸だったので、切るだけで済みそうだ。看護師の姿が見えると叫んでいた。「教授は盲腸だ。私は切るから、ガーゼと縫合の用意をして!」「はい!」「え、盲腸? 専門外なのだけど……」この声は誰だ?睨み付けると、北部病院ではなく...

  • 猫びより #7

    そのスズメは新潟に帰るからと言って、さよならを言いに来た。「にいって何?」「新潟県、という場所の名前だ。私は新潟の学校を卒業して、東京の大学に進学したからな。この6年間、本当に楽しかったよ」なんだか、もう会えないような気がした。「そこで何をするの?」「医者だよ。父親の病院で働く」そう言うと、ポケットから小さなナイフを取り出してくる。それを見て俺は逃げていた。ワハハッと笑ってくれるが、本当に怖いんだ...

  • 猫びより #6

    ふいに近くで声がした。「で、いつまでそこに居るつもりだ? 私は寒いのですが」この声って……。「レモン。お前さんが食べてくれないと私の仕事が終わらない。次の仕事がしたいんだよ」「俺は……、病気なのか?」「なんで?」「いつも一番最後で……。たまには、一番最初に食べたい」すると、意外な言葉が返ってきた。「だって、仕方ないだろ。お前は猫なんだよ。猫の舌って、温めが一番最適な温度なんだ。それを無視していると、それ...

  • 猫びより #5

    会いたくない。でも、会わないとご飯が貰えない。えぇい、俺も男だ!腹に力を入れて出てやる!できる限り、誰かがいる時を狙ってご飯を貰うようにする。「さぁ、ご飯の時間ですよー。最初はインコのフィード君。ここに置いとくよ。それから、次は犬の……、っと、レモンはまだ呼んでないよ。もう少し待っててな」待てない。「レモン。いつもと同じ順番だ。もう少し待ちなさい」だって、いつも俺が一番最後じゃん。ご飯に飛びついてい...

  • 猫びより #4

    だけど、どうやってミルクを作るのだろうと思ったので、次の日も行っていた。睨まれた。「こんちは」「何しにきた?」「食べられにきたのか」その言葉に頭を振る。「ううん。仲良くなりたいなと思って」「ままごとは帰ってからしろ」「わしらは忙しいんだ」すると人間が何人か入ってきた。見つかったらヤバい。だけど隠れるところがない。「さて、今日はいっぱい食べてお乳を出してね」「スズメ、マッサージしっかりしろよ」「はい...

  • 猫びより #3

    口調が変わったのか。「ところで、レモン。お前は、どうしてあそこに居たんだ?なにをやっていた?」「何も。散歩していたら見つけたから、何だろうと思っていたら、クルクルッとしていて楽しそうだったし、触ったら気持ちよかったから寝ていた。それが?」溜息をつかれた。「あのね、あれは彼等の食い物だ。生暖かいと食べないんだよ。おそらく残すだろう。あーぁ、乳の出が悪くなるばかりだなあ……」「知らなかった」「本当に?」...

  • 猫びより #2

    獣医とは、どういうものなんだろう。いくら考えても分からないので、考えることを放棄する。すると声が聞こえてくる。「獣医とはね、人間以外の生き物の医者だよ。言っただろ、私は君たちの言葉が分かるって」な、と覗き込んでくるのでそっぽを向いてやる。「レモン、お前さん冷たいなぁ。相手してくれよ」変な人間。これが第一印象だったのが、それが素だと気がついたのはそんなにも時間は掛からなかった。建物の中を散歩している...

  • 新作! 猫びより #1

    あれから何年経ったかな。あいつが医者になって実地研修とか言って診てくれた、あの日からだ。友達が側に居なくなったから寂しくて獣医になるんだと言って、大学生になった人間だ。 「よろしくな」ニカッと笑って聴診器を当ててこようとするが、そんなので何が分かるもんか。だから抵抗してたものだ。 「自分のに当てれば?」 「お前、黄色い体してるんだな。レモンと呼んであげよう」 「俺の言ってる事を聞いてるのか?」 「...

  • みんな友だちだよ あとがき

    いつもお越し頂きありがとうございます。今回の『8周年記念 みんな友だちだよ』はいかがでしたでしょうか?本編では分かりにくかった村上洋一の半生でした。ここで簡単に本編をも絡めたエピソードを。スズメ、お喋り野郎と呼ばれている村上洋一は母親違いの姉がいる。それが村上洋子(ひろこ)。父親は前作の「双子の縁(えにし)」に出てきた主人公の恋人である男性の兄。そう、甲賀忍者の末裔です。その2人との関係と、親友と...

  • みんな友だちだよ エピローグ4

    そして、パースには洋一の墓が作られた。日当たりが良く、自分の母親の右側に設置する。「お母ちゃん、そっちはどう? 私の一番信頼する奴が、飛行機事故で死んでしまったよ。話し好きで煩いけど、いい奴だから邪険にしないでね」今度は洋一の墓に向かう。「スズメ。ニースのレストランで一緒に食事をした時に話した約束は、私が死んだ後になる。いつになるか分からないが、待ってろ。連絡が日本から続々とくるんだ。お前はシート...

  • みんな友だちだよ エピローグ3 マサ&ユタカ&ジュンヤ&ワン編

    こちらはマサ。「元気そうだな。死んでないので安心だ」「どういう意味ですか?」「2枚の写真を見せてもらって、生存確認をと言われてな。もしかして……と、思って」「死んだ方が良かったですか?」「元気な顔を見せてくれると嬉しいのだが」「お母さんには見せてますよ」「私には?」「言ったはずです。二度と顔を見たくないと」こちらはユタカ。「豊、元気そうだな。生存確認してほしいと警察から2枚の写真付きで連絡きたのには...

  • みんな友だちだよ エピローグ2 サトル編

    ここは東京。長男である昌平から連絡がきだ。「悟、まさかとは思うが。幽霊になったのか?」「誰がだ? これ以上、変なことを言うなら容赦しないぞ」「警察から生存確認よろしくって連絡があって、悟が?て、びっくりして……」「生きてるから」「ああ、良かった。隆平なんて”どうしたらいい?”と泣きついてきたんだよ」「隆平が?」「1番先に連絡をもらったのは隆平なんだ。で、写真を見せてくれたんだ」「どんな?」その言葉で墓...

  • みんな友だちだよ エピローグ1

    そのスマホはピッコロと共に、持ち主である洋一の身体を爆発で吹き飛ばされるのを防いでいた。肉体は、いずれ朽ち果てる。その器が完全消滅すると、本体である宝石(いし)に戻ってくる。ピッコロとして洋一の側にいた宝石(いし)は、完全に本体に戻ってきた。それは持ち主が死んだ事を意味する。本体を体内に取り入れている友明は、宝石(いし)経由で洋一の最期を知ったのだ。東の村上は医者で病院経営者。西の村上は不動産屋。...

  • みんな友だちだよ エピローグ1

    8月の、ある日。村上孝一は、親友の村上洋一の葬式を家族葬で追悼した。孝一の言葉で、皆が黙とうする。 「洋一……。最後の最後には、良い顔してたよな。来てくれて、ありがとな」 「洋ちゃん、レモンやリンゴちゃんの結婚写真に写ってたから、連絡着たんだよ。良かったね、最後は笑顔で過ごせて。洋ちゃん、そっちで親子喧嘩しない様にね」チー………ン。姉の洋子は呑み助泣き虫になっていたが、1週間もすると泣けなくなってきた。...

  • みんな友だちだよ エピローグ1 親友&姉編

    日本のメディアが「中国発の羽田便。飛行機爆発事故」を流している。その中には、しっかりと名前が載っている。死亡者リスト63歳 村上洋一「あ、よ、よぅちゃ……」信じられない。信じられないし、信じたくない。ある写真を元に、財政界に顔がきく人物たちである村上啓をはじめ、大学時代の仲間であるサトル、マサ、ユタカとジュンヤの各家に連絡がいく。村上啓の父親であり、洋一の親友でもある孝一が話しをしにきた。「葬式をあげ...

  • みんな友だちだよ #57 ★村上洋一編 最終話

    ニースで楽しんだ後はシンガポールで下ろして貰える。そう思っていたら、中国まで飛ばしてくれた。「別に、シンガポールでも良かったのに」「いいから、いいから」「お墓さん参ったら日本に帰って、パースに戻るからな」「ああ、ゆっくりしておいで」母親の家の墓参りをして、屋敷に向かう。あぁ、中国での暮らしが懐かしい。中国の空港近くで過ごし、日本行きの飛行機に乗るようにチケットを取る。今日の便でなくてもいいや、明日...

  • みんな友だちだよ #56

    飲物を飲みきってグラスを置く。「私は、ユタカみたいにガッツク人間じゃないから」「あの連中の中でも、グループはあるみたいだな。君はあっさりだよね」「私のグループと、左腕グループがあって。その左腕グループには感情豊かな奴等がいて、ユタカはその左腕グループなんだよ」「左腕、ねぇ……」「そそ。ちなみに、私のは右腕グループだよ」「へぇ……」「で。左腕グループのリーダーはサトルで、マサ、ユタカ、タカ、ジュンヤの5...

  • みんな友だちだよ #55

    なんだかんだで楽しかったスイス旅行。ボスは3日後、クマ野郎と共に戻ってきた。「どこ行ってたの?」「ちょっと、な」「別にいいけど、ユタカとマサが慌てふためいて叫んでいたぞ」「大変だったか?」「そりゃ、もう。マサなんてインターポールに連絡するって言ってたし、止めたけど。ユタカなんてイタリアに連絡して捜索させるだなんて息巻いていたぞ。こっちの方が止めるのに労力いったわ」「そっか」「で、何か言うことは?」...

  • みんな友だちだよ #54 ニースにて

    青い空。青い海。ここはスイスの最南端にあるニースの浜辺。と言っても、砂浜ではない。海と言えば砂浜と思うが、ここニースでは石が敷き詰められている。そんな浜辺に、一機のジェットが海を越えて来た。もちろん、エドのジェットだ。ニースの海と言えば、人が多いので有名だ。しかし、皆が来た海は、有料での浜辺。そう、無料の方は本当に人が多く海を見に来たのでなく、人を見に来たという感じだ。だけど、ここはVIP専用の所な...

  • みんな友だちだよ #53

    「いやー、楽しかった」と、嬉しそうなボスに、 「ほんと、久しぶりだったなー」と、私も嬉しかった。 「肩凝ったかも……」とサトルの呟きに、 「ストレス発散出来たな」と、マサの呟きが返す。 「卒業以来だからなあ.……」と、ユタカの呟きに、 「やっぱり気持ち良いよな」と、タカの言葉に、 「ふふふ。最後は決まったね」と、嬉しそうにジュンヤは〆てくれる。そんな7人を、5人の理事長は迎えてくれる。 「お疲れさん...

  • みんな友だちだよ #52

    6機は空中戦闘モードに入った。ビームとか大砲とかではなく、各々の機体の下に潜ったり、上に飛んだりして遊ぶ。たまに、誰かがビームを撃ってくるが、皆は楽しくじゃれてるだけだ。そのショーは、もう少しで終わるよと告げている。コクピットでスポーツドリンクを口に含み喉を潤したのだろう。ジュンヤの呟きが聞こえてくる。 「あー、いい運動をした」ジュンヤは時間を見計らうと機体を浮かしホバリングしながら空中を漂わせて...

  • みんな友だちだよ #51

    マサがシンプルなら、少し行動取ってやるだろうな。ボスの左隣にサトルがいたが、その左隣に位置しているユタカは、一番右端に位置しているタカの戦闘機を目指して飛んでいく。タカは避けようともしない感じなので、そのままタカの戦闘機の上を飛び上がりざまにビームを発射させている。が、跳ね返る。タカは予想していたらしくバリアを張ってるみたいだ。ユタカは最速の手前のノットでステージ横の戦闘機を目掛けて斜めに下降する...

  • みんな友だちだよ #50

    ショーの時間になるカウントが終わると、明るかった空が段々と薄暗くなる。最初は慣らしの為、大きく1回転して客の頭の上を飛び去って行く。と同時に、違う方向から1機が同じ様に前転して飛び去って行く。と、また違う1機が。計7機の戦闘機がイベントステージの横に置かれてる戦闘機を中心に、先端を客に向けて変形ピラミッド型を作る。一番上に1機、その下になる二段目に2機が、その下に位置する三段目の2機が二段目の2機...

  • みんな友だちだよ #49

    中国から帰国すると、大学で流星群を観に行くからとお誘いがあったので、東京に出てきた。もちろんホテル泊まりだ。パースからジェット利用して、皆も来るらしい。まぁ、ボスは祭り好きだから、それに便乗したのだろう。大学に着くと、真っ先に声を掛けられる。誰だと思っていたら、パース組だった。そこで話をしていたら上から声が掛かるので見上げていた。おぉ、ここは理事長室の下だったのか。しかも、イベントをやってもらいた...

  • みんな友だちだよ #48

    だが、レモンはしつこい。 「ニャー……」(スズメッ、行かないで) 「はいはい、レモンも元気でな」 「ニャ……、ニャ―」(行くな、行かないでっ) 「私はね、東京行きの席を予約してるんだよ。もう行かないと」 「ニャーッ」(行かないでっ)そう言って、Gパンの裾から見え隠れしている足に爪を引っ掛けられる。 「いてっ……」すると、幼なじみで無二の親友が帰ってきた。 「あれ、洋一?」 「ああ、お喋り野郎が帰ってきた」...

  • みんな友だちだよ #47

    レモンとハイタッチしてやる。 「そっか、そっかあ……。レモンもおめでとう。お前、あの日は、ずっとこいつを見てたもんなあ。気になる相手と一緒に居れるというのは、嬉しいもんだよ」レモンは、嬉しそうに擦り寄ってくる。 「これで、心置きなくパースに戻れる。お前等、元気でな」その言葉に、啓の兄は聞いていた。 「洋一さん、また行くの?」 「ああ。パスポートとビザの更新に帰ってたからな」啓の弟も聞いてくる。 「あ...

  • みんな友だちだよ #46

    申請していたパスポートが手元に来たので、今度はニースだ。その前に中国に墓参りに行こうと思い、先に中国行きのチケットを買う。さて、っと。出かける前に孝一の所に行こう。 「こんにちはっ。誰か居ますか?」その声に、1人と一匹が出てきた。 「あ、洋一さんだ」 「ニャー」(スズメの声だっ)レモンを抱いたまま、その人は出てきた。 「洋一さん、いらっしゃい」 「おー。啓、帰ってきてたのか」 「はい。今朝、帰って...

  • みんな友だちだよ #45 結婚式

    63歳の春。孝一と香奈ちゃんの子どもが結婚するという知らせを貰ったので、パスポート更新も兼ねて少し早めに帰国した。男同士の結婚式。まあ、生まれた時からの許嫁だから仕方ないと言えば仕方ないけどさ。でも、なぁ……。血は繋がってないけれど、孝一とは義兄弟という縁があるからな。それに、孝一は親友だし。だけど、その新郎新婦の2人は猫を持参していたので、別室で二匹を相手に遊んで過ごす。ゲージのドアを開き、二匹に声...

  • みんな友だちだよ #44

    翌日。起きると一人一台のベッドに横たわっている。あれ?と思ったが、自分の方から先に寝てしまった事を思い出す。「んー……」「起きたか」「早起きだねえ」「医者のたしなみだ」「医者じゃなくなったからなあ」「今日はゆっくりするんだろ?」「うん。お父ちゃんはどうするの?」「そうだな。久しぶりに東京を歩くか」「歩こうよ! 東京案内してあげる」「日本から離れて何年になる? 覚えてるのか?」そう言われてグッとくる。...

  • みんな友だちだよ #43 父の思い

    父子として最初で最後の語らい。この時は、まだどちらも気がついていなかった。自分がガンに冒されている事も気付いてない頃で、ガンだと知ったのは3年も経ってからだった。レイの家柄の事はあえて伏せていた。自分が双子だという事も。洋一、元気でやれよ。そういう思いで、寝顔に唇をつけた。そして、お得意の催眠術で先ほど話した事を忘れるように暗示を掛ける。「目が覚めたら何を話していたのかは忘れている。洋一。お前は甲...

  • みんな友だちだよ #42 じゃれ合い

    そっか、あれからはしてないんだな。そう思うと気が楽になったのでハグしてみる。「洋一?」「なーんか眠くなってきた」「呑み助君、寝るか」「お休みー」「お前のベッドはあっち」「たまにはいいじゃないか。それに、ベッド広いし」「いいから、離れろ!」「おとーちゃーん」「暑苦しいっ!」ベリベリと剥がされるが、足は離さない。待て。これってジュンのやり方じゃないか。やっばい、ジュンのやり方でやってしまった。「おとー...

  • みんな友だちだよ #41 父と再開

    暫く経つと呼ばれるので振り向くと黒歴史がいる。「久しぶりに飲むか?」「なんで……」「明日は休み取ってるし、ホテルもツインを取ってるんだ」その言葉に泣きそうになったが、ボスの言葉が耳に入る。「明日、1日だけでも自由タイムにしたい。あっちに戻るのは明後日だ。いいかな?」明後日か、と思っていたらこう付け足してくる。「みんな日本人だからな。置いて帰ることもできる。いいな、スズメ!」はいはい、分かりましたよ。...

  • みんな友だちだよ #40

    そんなある日。日本に帰国した左腕のサトルから連絡が来た。「父が死んだ。派手に追悼式をやるって。だから、来れる奴だけ来て……。父を、あの頃のように……」その言葉に何も言えなかった。「『御』が……」「あの、頃の……」「クール野郎は澄ましていれば良いんだよ。待ってろ。皆で行くからな」「スズメ……」「任せなさい! あ、そうだ。お前の名前で、俺の親や連中の家に連絡しろ。そして、皆で、今までありがとうって賑やかにしよ。...

  • みんな友だちだよ #39

    喫茶での中華食がもう少しで終わるというところで、自分の店が建築終了した。1階は店舗で、2階は住居だ。喫茶に置かせてもらっていた中華食の物を自分の店へと移していく。最初はラーメン屋だ。そのラーメン屋を始め2年経った年の10月末。このラーメン屋は、11月から中華店になる。元々店舗は広いので余裕に中華店ができる。そう、10月末という時期はハロウィン。大学の仲間と共にハロウィンの仮装パーティーに出る。なぜ急に中...

  • みんな友だちだよ #38 拉致られる!

    その事件とは、ボスが誰かに拉致られてしまった事だ。それを教えてくれたのはマサだった。しかも、犯人は発砲したがる爺ときた。ボス、奪回だ!でも、ここで動くのは他の皆で、私はユタカと連携コンビだ。話をしている間に不機嫌になったと教えてくれたので、これは骨が折れる仕事が一番最初かよと、内心では嫌気がさしていた。うーん、どうか機嫌が良くなりますように。管制塔に足を踏み入れるとモニター画面がいくつもあり、緊張...

  • みんな友だちだよ #37

    皆の戦闘を見ていると、ウズウズしてきた。ソイツは私の獲物だ!なので、ボスに交渉していた。 「ボス! 私も参戦したいっ。あいつは、私の畑に毒を入れて食材をダメにして閉店を余儀なくさせられた。食い物の恨みを晴らしたい!」はあ……と溜息を吐いていたが許しを貰った。 「一本だ。いいな。」 「ラジャ!」そこに突っ立っているマサから警棒を2本引ったくり、向こうに走っていく。叫んでいた。 「おらおらおらぁー! 最...

  • みんな友だちだよ #36 捕り物(洋一視点)

    それに、ちょうどタカとユウマも着いたみたいだ。だから中に入れてやる。どうせ暇だろ、お前ら。見学するより動けよ。そう思い付け足してやる。「マサとユタカ。それに、今着いた奴ら。タカとユウマ。お前等もだ。入れ。」マサは驚いている 「えっ! 私は仕事……」ユタカは舌打ちしている。 「くそったれ、そうなるよな……」タカとユウマは、これだ。「えー……。せっかく着いたばかりなのに……」「何をやらせる気だ?」その2人にこ...

  • みんな友だちだよ #35 毒男発見!

    喫茶が中華になって客足はどうなのか心配だったが、順調にいっている。そんな時、ある事件が起きた。ある夜、誰かが走り出てきた。ユタカの声が聞こえてくる。 「ソイツを捕まえろ!」へぇ、捕まえるだけで良いんだと思い追いつく。だけど、そいつは忘れもしない毒男だ。 「お前……。もしかしてブラッディか!」そいつはこっちを見ると立ち止まってしまったので足を払ってやる。 「隙有りっ!」地に膝を付いたソイツを立たせてい...

  • みんな友だちだよ #34

    初めてのオーストラリア。しかも、場所はパース!パースと言えばシンガポール寄りで、中国人が半分を占める場所だ。空港につくと、南国という感じを受ける。よし、ここでラーメン屋をやろう!なのでホテルにチェックインすると、そのまま連絡を入れる。返事が着た。おお、このアドレスはまだ生きているんだな。ボスと左腕と私だけの、3人だけのマル秘アドレス。なんだか嬉しくなってルンルン気分でクリニックへと行く。しかし、ボ...

  • みんな友だちだよ #33

    黒歴史、もとい、父の経営する病院で勤務していた。早い内に飲食に手を出したのがきっかけで、食の方へ向いた。元々、食べるのは好きだ。入院患者に食べて貰わないと栄養だけでなく退院後の体調にも関わるものだと気がつき、栄養に関しての勉強もしだした。自分の思いを話すと、黒歴史の言葉はこれだ。「金は自分で出せ。それなら文句は言わん」「分かった。そうする」昼間は勉強し、夜は夜勤につく。管理栄養士を取ると、そのまま...

  • みんな友だちだよ #32

    卒業しても直ぐには新潟に帰らなかった。そしたら、「ボス。交通事故で死亡」という連絡が来た。え……、ボスが?嘘だ!そう思い、ボスのマンションを中心に病院を探し出した。探し出すと病室には面会謝絶の札がかかっているが、一目だけでもという思いで中に入る。病室に入ると顔形が違う。本当に、これがボス?ボスの身体を揺さぶり、声を掛けていた。「ボス。ボス! ボスったら起きろ!」でも目を覚まさない。何がどうなっている...

  • みんな友だちだよ #31 親友の結婚式

    4年生、5年生も同じように過ごし、6年生に上がる前、就活をしていく。どこに行こうかと迷ったが、とりあえず親がやっているので、そこでいいやと思い進路先を新潟にする。その前に、実地研修だ。附属病院から始め、区立病院もやり、近隣の病院も数院に実地に赴く。机上と実地は違うということは知っている。知っているが、ここまで差があるとは思ってもいなかった。実地が終わり、家に連絡する。「どした?」「そこで2~3週間、...

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