片付けが大の苦手なヒロは朝食を作ってくれた。丸いおにぎり、プチトマト、バイオリンの模様を描いたきゅうり。それに、ジャガイモをすりつぶして玉子と一緒に焼き上げた物。それを見ると笑っていた。「良かった。ヒロのご飯だ。でも、ジャガイモと玉子で、こういうのができるんだね。ケチャップかけると美味しい」「見た目は悪いけど」ダディはヒロの言葉を遮ってくる。「5年間かける365日、こればかりだと飽きる」「ダディは作ら...
オリジナルBL&MLを毎週月・水・金の夜21時に更新!※アスリートCP/医者CP/リーマンCP/学生CP/短編も有ります。
妄想&空想が好きです(*≧m≦*) 浸るのも大好きです。 プロフのイラストは自動生成AIに描いてもらいました。 オリジナルでBL小説を書いてます。 他のジャンルも多少あります。 性的表現がございますので、苦手な方はご遠慮ください。
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片付けが大の苦手なヒロは朝食を作ってくれた。丸いおにぎり、プチトマト、バイオリンの模様を描いたきゅうり。それに、ジャガイモをすりつぶして玉子と一緒に焼き上げた物。それを見ると笑っていた。「良かった。ヒロのご飯だ。でも、ジャガイモと玉子で、こういうのができるんだね。ケチャップかけると美味しい」「見た目は悪いけど」ダディはヒロの言葉を遮ってくる。「5年間かける365日、こればかりだと飽きる」「ダディは作ら...
目が覚めると2人ともいない。もしかしたら、もう仕事行ったの?僕になにも言わずに?ダディ、ヒロ!急いでリビングに向かうと、途中にあるキッチンから声や音が聞こえてくる。「だから」「別にいいだろ」「よくない! ジュンが起きてくるまでやり直し!」何のことを言ってるのか分からず、キッチンに入り声を掻けていた。「何をやってるの?」「ほら、もう起きてきた」「ヒロ、何を」ダディは僕をキッチンからどこかに連れて行こ...
ヒロはいつもの優しい目になっている。「いつも通りだな」「僕、朝ごはん作るから食べてね」「ああ、よろしく」ヒロは頭をなでてくれる。やっと、いつものヒロになったみたいだ。「お弁当作るから、それを食べてね」「弁当って」「学校は弁当なんだ」ダディは嬉しそうな顔だ。「楽しみの一つだな」「うん」「誰かが冷やかす物でもある」「なに、それ」「双子で、しかも男女で同じクラスだと、姉弟でなく、付き合っていると見られる...
夕食も済み、一緒に寝るべきかどうすべきか迷っていた。帰ってきたヒロの様子が気になって仕方なかったからだ。でも、顔を見るだけでもと思い寝室のドアをたたく。「やっぱりな。来ると思っていたよ。泣き虫君」この声はダディだ。「泣いてないもん」ヒロの声が聞こえてくる。「食べてる時から泣き顔だったからな」「3人揃って食べるのが嬉しかっただけ」「なんで、ドアを開けないんだ?」「おやすみなさいと言いたかっただけ」「...
チンと乾いた音が鳴るのでキッチンに行く。「あとはクリームを入れるだけ」「見事な形だ」ダディにそう言われ、僕は嬉しくなった。「博人さんより形が良い」「ヒロのはボールだよね」「独特だからな。で、メニューはなんだ?」「今は味をしみ込ませているところ」そう言うとタイマーに目を向ける。「あと14分経ったら焼きます」「本格的だな」「えへへ」「で、部屋は掃除したんだろうな?」「しました」その時点で気が付く。リビン...
BLマンガをさわりだけ描いてみました。...
ヒロとの会話は続く。「どうしてドイツ語を勉強しようとまで思ったの?」「だから」「その前に、誰かと約束したのだろ?」その言葉で分かった。「僕ね、ドイツの空港に着いた時、ハッキリと気が付いたんだ。僕は15歳の8月は、ドイツに来るって。だから、それまではダディとヒロにハグして貰おうって。……僕、甘えてるのかな?」「ロシアで馬と友達になったよね」「うん」この話はどこにいくのだろう。「去年、渡したものを見た?」...
ピンポンと鳴らして入る。「ただいま~」バタバタと賑やかな足音が聞こえてくる。「ダディ、ヒロ。おかえりなさい」「ただいま。ジュン、泣いてないか?」「大丈夫だよ。1年だからね」ヒロは匂いを嗅いでいる。「なんかいい匂いがするな」「シュークリームの生地を焼いているんだ」「デザートはシュークリームか。嬉しいな」ジュンに土産袋を渡す。「これ、スペイン土産だよ」「ありがとう。開けて良い?」「いいよ」ヒロから貰っ...
受け止めた物は重さがあるみたいだ。だから言っていた。「これは」「土産だ。それは受け取れよ」「サンキュ」しかし、学生時代の事がふと頭に浮かんでくる。だから付け足してやる。「返せと言っても返さないからな」「スズメへの物だ」「ならよし」ボスが正面から出ていくのを見送って、2階に上がる。部屋に入り、ホクホクと土産を開く。ドイツのチョコレートだ。持つと、結構重さがある。「チョコレートって、たしかに王道な物だ...
ボスはこれだ。「これが、こいつのいい所だからな」「そう言われると……」「まあ、私も言ってなかったが。ジュンは料理作れるんだ。スズメありがとな。で、計算できたか?」「だから、要らないって言ってるだろ」「計算できないってか」「する気もないから」 「食材、無駄になったんだろ」「私を言い含められるとでも思っているのか!」その強気の叫びにボスは優しく応じる。「思っている」即答で返ってくるので瞬間ガックリするが...
「スズメ」「なに?」怒り声で応じたが、誰に声をかけられたのかが分かると、今度は普通の声を出してくる。「あ、いや。何ですか?」「お前、ジュンに料理を作っていたのか?」その言葉に鼻の下を擦りながら応じる。「そりゃ、ジュンのことよろしくって、任すって言ってたから」「そっか、ありがとな」段々と言いづらくなってきたスズメはしどろもどろだ。「あ……、あ、あ、で、でも、毎日じゃないし」「あいつ、食ってた?」「まあ...
急に声が割って入ってくる。「スズメ、テイクアウトの出来てるって?」その声にビクッと肩が震える。「トモヤか……」友は顔を覗き込まれる。「5年ぶり。元気だった?」「ああ。そっちは元気そうだな。ボス業はどうだ?」「5年やって、なんとか慣れたってとこ」「私はいなくても大丈夫そうだな」「いろんな人にフォローされてるけど。でも戻ってきたんだろ」「まあな」スズメはじっと立ち聞いているみたいだ。「スズメ、どうした?...
2階から降りてきたスズメはキョロキョロと店内を見回している。そのキョロキョロが止まる。「もしかして……」どうやら私を通り越して博人さんに目が行ったみたいだ。「ボスは、ボスはどこ? いつ帰ってきたの?」博人さんは指さしてくる。「ここ」「え、ここって……?」覗き込んだのだろう。「げ、分からんかった」「何が?」「ドイツからお帰りなさい」「ただいま」「ドイツに5年もいるとお洒落になるんだな」その言葉で、このコ...
ジュンヤの所から家へと帰る途中にある警備警護会社に寄る。会社のエントランスドアを開け入ると声を掛ける。「マサいる?」すぐに本人の声が応じてくる。「ボス?」「これ土産。で、こっちはここへの土産、皆でどうぞ」「ありがと」「で、良かったら最新情報を教えてくれない?」その会社でも1時間ぐらいいた。次はエドのいるGPだが、その隣にあるスィート店は閉まっていた。まあ、連絡してないから仕方ないか。エドは病院から戻...
ドアを開けると、声が聞こえてくる。「いらっしゃ」その声を遮ってやる。「よっ」「ボス?」「コートが欲しい」「ジャンバー着てるのに?」博人さんが口をはさんでくる。「コートを荷物に入れてなかっただけ」「博人さんっ」ジュンヤはその言葉に笑っていた。「これ、土産」「私に?」「ジュンが世話になってるから」「ダンケ」「店員さん、どのコートがオススメですか?」「本気で買うんだ?」「当り前よ。クルーザーで帰り着いた...
「ん-……、ぐっすり寝たぁ」「やっぱり、ずっと海の上だと体に悪いな」「そうだね。せめて2週間までだね」朝食を食べ終えて宿を出ると露店で昼食用に食料を買い込むと、ジュンに連絡を入れる。ツーコールで出てきた。『ダディ!』「夕食は何だ?」『何が良い?』「フルコース」『じゃあ、買い物に行く』「先に、皆に土産を私に行くから遅くなるけど」途端に声に元気がなくなる。『夕食までには帰ってこれない?』「遅くても17時過...
ここオーストラリアには無数の無人島があるが、宿のある島もいくつかある。そのうちの一つにクルーザーを停め、大地に足をつける。途端、足がぐらつく。「大丈夫か?」「なんかグラついたような、地震か?」「ずっと海の上だったから、今日はここで慣らしておく方がいいかもな」「さむぃー」「食事つきの宿だ。メニューに文句つけるなよ」「そっちこそ、言わないように」その島の住人は寒くても活気がある。露店だが、あるお店を見...
2日後、友明は自分で作った外套を身に付ける。「あったか~」「よく、こんなのを作れたな」「これで颯爽と歩けばモデルになれるかな」「無理」「キッパリ言わなくてもいいでしょ」「モデルというのは長身でバランスのとれた均整をしている体格の持ち主だ」「分かってるよ」なにしろ、トップモデルがいるのだから。「友みたいに寸胴体型だと」「言うな」「絶対にモデルは向いてない」「分かってるって言ってるだろ」友明は毛糸を1...
一方、博人と友明は南太平洋の海上を進んでいる。「寒いぃー」「ここまで寒いとは思わなかったな」「コートまで送ってしまった。羽織る物がなーい」「どこかで買うか?」「そうする。シンガポールに着けて。そこで」だが、博人は遮る。「シンガポールは夏だ。冬物は売ってない。それに、南アメリカ半島を回ったところだ」友明は寒さに呻っている。「まったく、冬になることが分かって冬服をスーツケースに入れたくせに」「そういう...
「戻って、くるって。本当か……」「1週間後にな」「1週間……」ユタカの呟きはスズメの耳には届かない。スズメは叫ぶことしかできないでいる。「ジュン、頼むから食べてくれよ-」本当に、こいつは煩いなと思いながら聞いていた。「ジュンは何を食べているんだ?」「自分で作って食べてる」「作れるならいいのでは?」「ユタカまで、それ言うか」ユタカは、こいつとは話にならないと思い立ち上がろうとした瞬間、スズメの表情が目に飛...
帰りは各自で帰る。横浜に来ることってないから皆が興味津々だ。関内駅周辺だったり、少し歩けば山下公園がある。松井は夫婦でどこかに行くみたいだ。サッサと歩き出す松井に声をかけていた。「松井、どこに」「聞くだけ野暮だって」「なんで」「デートに決まってるだろ」「え?」松井の声が近くでする。「なんで聞きたがるかね。それとも、私たちの後を付けてボロボロにやられたいか?」「いえ、結構です」「デートに決まってるだ...
1時間強しか経ってないが、社長は決めたみたいだ。皆は食堂で本日のお試しバイトのバイト料として軽食を食べている。社長は、その皆に言う。「決めた、決めたよ。みんな、ここでバイトしてもらう。採用決定だ」新田がすかさず返す。「ありがとうございます」「新田君もありがとう。適材適所に苦しむけど住み込みだからなんとかなるだろう。年末年始はよろしく」皆の声は重なっていた。「ありがとうございます。よろしくお願いいた...
2階へと移った教育学部5人は容器が足りないということで、8種類の容器にシールを貼っていく作業をしている。手本を一つ作ってもらい、それに倣って容器にシールを貼っていく。もくもく作業なら、お任せの5人だ。20分あれば終わるが、先に終わった3人は残りの3種類のシール貼りをしている。手が空いた2人は片づけをしているスタッフに声をかけ手伝う。高橋も声をかけていた。「持っていきます」「重いよ」「大丈夫です」持ち上...
ニコニコ顔のジュンヤだったが、内心は焦っていた。こんな近くで女性と、まさかリップサービスを余儀なくする羽目になるとは思いもしなかったのだ。しかも、無事に1人終わったと思っていたら、次から次へと5人の女性を相手に一人でさばくだなんて。これがメスで切り開いても良いのなら構わないのだが。そう思うと言っていた。「なんで、他の人たちはしないのですか? しかも、あの9人はどこに消えた?」先ほどのスタッフが教えて...
「ジュンヤ様は魚もお食べになられるのですね」「魚はよく食べるよ」そこでジュンヤは気が付いた。「魚、食べてる?」「あまり食べないかも」「食べたほうが良いよ。特に女性には魚のタンパク質は体にいいんだ。どんな魚が好きなのか教えて。良かったら選んであげる」「タコも魚ですか?」その言葉に、自分の立っている場所がタココーナーであることに気が付いた。「そうだよ。食べたことない?」「どうやって食べるの?」「ゆでる...
1階に下りた10人は白衣からエプロンと長靴になる。ボスとスズメはもちろんのこと、喫茶店でバイトしているカズキと本屋でバイトしているタカの4人は生き生きとしている。気合も入っているので声を出すのは苦痛ではない。4人の声が重なる。「いらっしゃいませ」途端、その声が叫び声にかき消される。「キャー!!!」ドドドッと店内に女性数人が入ってくる。「ジュンヤ様―!!!」一番奥に居たジュンヤにも、その叫び声は聞こえて...
そして、教育学部の5人は3階の食堂で昼食の準備を手伝っている。普段は一人で切り盛りしているという、その女性は5人の大学生をどうすればいいのかわからず社長を呼んでいた。「ありがとうございます。助かりました」「今どきの大学生は自炊もできるから、させればいいんだよ」「なにしろ男子だから」「男子も女子も関係ないよ。あ、それと21人分の軽食を作って」「21人ですか?」「そう、21人。新田君率いる20人だから、21人」「...
一方、こちらは医学部10人。白衣を着て材料を量り器に入れる作業だ。エプロンでなく白衣なので、違和感なんてものは全くない。しかも前髪が垂れないように帽子を被り、手袋してマスクも付ける。これで持ち物がメスみたいな物であれば、魚肉を切り開いたであろう。しかし、持ち物はなく手袋をした手であり、もしくはスプーンだ。二人一組で5種類の魚肉を量り器に入れると、蓋を閉めてコンテナに入れていく。手際が良く、20分もする...
「へぇ、魚屋ってサラダも売ってるのか」「ここは売ってるよ。お前らも声出して売れよ」タイミングよく声がかかる。「新田君、ウナギ出してくれる?」「1台でいいですか?」「ん-……、2台?」「2台ですね。分かりました」そう言って足を踏み出すが、何を思ったか立ち止まる。「そうだ。4人ともこっちに来て」「どこに行くんだ?」「冷凍庫だよ。男衆4人動け」はいはいと言って、男4人は新田の後を歩く。10歩ほど歩いたら着い...
一気に20人が増えると、いくら広いと言っても目が届かない。だから、5人一組になり30分で交代する。なにしろ、やることはたくさんあるからだ。先に経済学部と松井夫婦の6人は1階に下りる。新田は言っていた。「5人とも動くんだよ」「どんなふうに?」「見てて、あとでしてもらうから」そう言ったものの内心は項垂れていた。気を取り直してエプロンと長靴を付ける。「いらっしゃい、いらっしゃい。イキのいい魚がいますよ」その声が...
中に入ると、父親より若そうに見える男性がいた。「新田君、1年ぶり。大人数だなあ」「1年ぶりです。今年もよろしくお願いいたします。20人です。よろしくお願いいたします」その人は20人に声をかける。「私は、社長の川本だ。人手不足で今年はどうしようと困っていたのだけど、新田君がこんなにも声をかけてくれて嬉しいな。明日は新井君が13人連れてきてくれるし、無事に年末年始を迎えられそうだ。履歴書を見せてくれる? 新田...
店に着くと、新田がこっちだよと教えてくれる。その新田は先頭に立つとブザーを押し鳴らす。「はい」「東響大学の新田です」「20人の面接だね。そのまま3階の食堂に上がって」「はい、分かりました」後ろに立っていた宮田がつぶやく。「20人?」「そうだよ」「21人の間違いでは?」「あのね。みんなは私の紹介なんだよ」「新田は面接なしか」「そういうこと。高校の時から来てるからね」3階まで階段を上っていく。2階の踊り場で誰...
12月に入った第1週目の日曜日。待ち合わせに最寄り駅を指名して、そこまで勢ぞろいして駅へと向かう。途中、ちらちらと見られる。「慣れてるとはいえ、やっぱり目立つんだな」「なにが?」「お前らだよ! お前ら、10人。いや、金銀の2人だ!」「ちょっと、人を将棋のコマみたいに言わないでくれる?」「ハモッてるし……」タイミングよく松井もやってきた。「お待たせ」「まーつーいー」「なに?」「なにじゃない! なんで女連れな...
学部棟に戻ると声をかけられる。「新田、本当か?「宮田? 本当って、なに?」「年末年始で14万バイトの話だよ」「え……」「本当に、そういうバイトあるのか?」一体、誰から聞いたのだろう。「新田、どうした?」「あ、ごめん。どうして知ってるのかなと思って」「ほかの3人も知ってるよ」その言葉に驚いた。経済学部の松井、宮田、元宗、桑田の4人は年末年始バイトに向け嬉しそうだ。しかし、その前にXmasというものが立ち塞が...
誰かの声が聞こえてくる。「なあ、1週間バイトしない?」「何のバイト?」「魚屋で年末年始の1週間」そこで大きな声が遮る。「パス!」しかし、それぐらいではめげない。もう一声付け足す。「なんと、1週間で10万円!」「だから、パスって」しかし、すぐに言い直す。「え、なになに。1週間で10万?」「しかも、三食付き」「おぉ!」「朝6時から始まるのだけど」「早いなぁ……」「しかも、経済の新田から貰ったという」「新田かあ...
いつもお越しいただきありがとうございます。この6月27日で、11年目に突入します!11年目を迎えることができたのも、皆さまからのメールや「イイね」ボタン等のお陰です。とても感謝しております。そんな記念となる小説の前に、うちの子たちによる小説を楽しんでいただけたらと思い、登場させました。実は、これから始まる数作品はコラボになります。その為の、うちの子たち紹介作品です。~あらすじ~東響大学医学部では、年がら...
いつもお越しいただきありがとうございます!予定より長めになりましたが、本日より毎日の更新となります。予約登録をフル活用して更新していきますので、付いてきてくださいね!医学部10人登場ボス 「やれやれ、やっとか」スズメ 「ボス、違う!」ボス 「なにが?」サトル 「今回は経済学部の5人がメインなの!」ボス 「はぁ? うち(医学部)ではなく?」他9人 「そうだよ!」経済学部5人登場新田 「悪いね、10人とも」松井 ...
いつもお越し頂きありがとうございます。今作の『愛したのは王子でなく君だ』は、いかがでしたでしょうか?前作の『社員研修は腐の宝庫』の続編みたいな感じですが、ニールとネイサンの2人だけの短編小説でした。実は、前作の『社員研修は~』を書いているときに、ふっと降ってきたのです。ニールとネイサンの話が書きたい!短編でもいいので、この凸凹コンビが良い味を出してくれると思って。そして、いよいよ11年目に突入いたし...
いきなり嬉しそうな声が聞こえてきた。「ほんと? 嬉しいな、ありがとネイサン!」「え、なにが?」「今、はっきり言ってたよね? 僕を愛してるって」「そうだっけ?」いつから聞いていたのだろう。もしかして、さっきのは寝言ではなかったのだろうか。ニールは、こんなことを言ってくる。「ネイサン、神父の前で誓ったよね。病めるときも健やかなときも、って」「そうだな」「僕、嬉しかったんだよ」「皆が祝ってくれたしな」「...
ニールは秘密が多いけれど、それを暴かれるのは好きではない。それは、あの5人を見ていたからよく分かっている。「ニール、起きてる?」顔を覗き込むと、スースーと寝息が聞こえてくる。「離さないから。お休み、マイハニー」そう言うと、おでこにキスをする。ムニャムニャと寝言を言ってるみたいだ。耳を澄ますと、聞こえてきたのはこの言葉だ。「ヨシ、アサミ、好きだよ」好きなのはよく分かっている。あの5人の中でも、ニール...