米国労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が7月15日発表した全都市消費者物価指数(CPI-U)は、5月の0.1%上昇に続き、季節調整済みで6月も0.3%上昇した。過去12カ月間では季節調整前の全品目指数(以下、CPI)は2.7%上昇した。 住宅指数は6月に0.2%上昇し、全品目月次上昇の主な要因となった。エネルギー指数は6月に0.9%上昇し、ガソリン指数は前月比1.0%上昇した。食料品指数は0.3%上昇し、家庭内食料品指...
世界のなかでアジアの果たす役割が増大しています。これからの日本企業のアジアにおける新しいビジネスのあり方について、ビジネス連携に基づく新しい価値の創出について動向の整理と視点の提示を行います。
東アジア(中国、台湾、韓国)、アセアン10カ国やインドと日本の産業・企業とのビジネス連携のあり方を考えていきます。とりわけ、中国と台湾の情報通信(含む半導体)領域に大きな力点を置いております。
アジアと日本のビジネス連携を考えるーブログ開設16年目の春を迎えて
はじめに 現在、世界のなかでアジアの果たす役割が増大しております。日本企業にとっても、アジア地域における多様な連携を強化し、新たな価値を創出する取り組みが、これまで以上に求められる時代となりました。16年前の4月、当時関わっていたNPO法人「アジアITビジネス研究会」の若い仲間と話をしていてブログを開設することになりました。IT産業の領域で、アジアと日本をつなぐというのが当時のNPO活動のキャッチフレーズで...
揺らぐトランプ関税政策、進む世界の多極化――米国の孤立と中国の台頭
米国の最近の広範囲かつ流動的な関税措置は、世界の貿易の混乱とともに米国自身の経済的孤立を生み出し、保護主義への大きな後退をもたらしている。本稿では、中国英字紙、Chiana Dailyの最近の記事を取りあげポイントを論じる。 【要旨】 米国による唐突かつ混乱を招く関税政策は、自国産業保護を目的としながら、結果的には経済的孤立を深め、世界の多極化を加速させている。今後3年、4年、10年のスパンで見れ...
トランプ米国大統領の政治の特徴に、「アメリカ第一主義」に基づく中国政策にみられる排除と規制がある。現在、米国の輸入関税については、全体として、国際社会は批判の目を向け、近年米国が唱える「経済安全保障(Economic Security)」という概念はともすれば曖昧であり、明示的な定義に欠けるきらいがある。 このようななかで、経済安全保障は、単に国益や安全保障上のリスクに対処するための「防衛的アプローチ」だけで...
米国と中国の間で続いてきた関税を巡る貿易摩擦について、米財務長官やホワイトハウスが「近い将来に緊張の緩和がある」と発言したことで、米中間の対立が一定の「軟化」方向へと向かっている可能性が示唆された。これを受け、米国の小売業者は関税によるコスト増を回避するため、有利な条件での取引を求めて政権と対話を進めている。―中国紙China Dailyが4月24日、ニューヨーク発で報じた。 主なポイント ●米政...
トランプ関税、米国のマタニティ・ベビー用品企業の輸入停止で、子育て費用が急増
最近の中国紙の報道によれば、米国の対中関税措置により、マタニティ・ベビー用品を中国から輸入していた多くの米企業が輸入を停止。これにより、乳幼児用製品の価格は上昇し、若年層の家庭に深刻な経済的負担がのしかかっていて米国の出生率低下という社会的課題に拍車をかける恐れがある。 ■ 主要ポイント 1. 米国のマタニティ・ベビー用品業界、輸入停止の動き 米国政府の中国からの輸入関税の大幅増(最...
第一次大戦後の英国の植民地インドのチャンドラボアへ、英国娘アデラは婚約者ロニーを訪ねた。彼は治安判事で、アデラの同行者ムーア夫人は彼の母だ。東洋の神秘に期待したアデラとムーア夫人は、英国人の優越意識と、それを憎悪するインド人の対立感情の存在を知るのだが、インド人医師アジスやインド人哲学者ゴッドボール、英国人教授フィールディングと知り合い、数日後、アデラらはアジスの誘いで、マラバー洞窟へ行く。小さ...
トランプ大統領の貿易戦争のなか、中国はPR攻勢を開始(そして勝利する可能性も)
要旨(サマリー) トランプ大統領による中国輸入関税策を発端に、米中通商摩擦が激化するなかで、中国政府は対外的な広報・宣伝戦略を大々的に展開し、米国とその国民をターゲットとする巧妙な情報発信に乗り出している。従来の堅苦しい宣伝とは一線を画すこの戦略は、国内外の世論を味方に付け、トランプ政権の保護主義的政策に対抗する一種の「PR戦争」として展開されており、中国はこの情報戦で、米国内の不満を増幅させ、外...
中国経済に漂う反転の気配 ― 2025年第一四半期の成長と米中通商の行方
中国紙『財新(Caixin)』の2025年4月16日付ニュースレターが伝えるところによれば、中国経済は予想外の好スタートを切った模様であり、第一四半期のGDP成長率は5.4%と市場予想を上回り、政府関係者や経済界に一定の安心感を与えている。とはいえ、国内には消費の弱さ、国外には対米関係の緊張という重しが残り、複雑な局面が続いている。本稿では、財新の報道をもとに、私たちが注目すべき三点を整理する。 1. 内...
動画、「経済安全保障上の課題への対応(民間ベストプラクティス集)」
今回取りあげるYouTube動画(11分6秒)は、経済安全保障の観点から、日本企業が直面するリスクとその対応策について、民間企業の優れた事例(ベストプラクティス)を紹介するものだ。技術情報の漏洩やサプライチェーンの停滞といったリスクに対して、実践的かつ有効な取り組みを可視化し、他の企業にも参考となる形で共有することを目的としていて参考になる。 動画は、経産省貿易経済安全保障局YouTubeチャネル(m...
アジア太平洋経済、内需と輸出が支えるも成長鈍化へ―アジア開発銀行2025年春予測
4月2日に米国が新たな関税を発表する前に確定したこの地域の予測では、アジア太平洋地域の発展途上地域における経済成長は今年と来年にかけて鈍化すると示されている。不動産セクターの継続的な低迷と米国の関税引き上げによる中国経済の減速は、南アジアの成長率上昇によって部分的に相殺されると予想されている。 この地域は、貿易障壁の高まりと貿易上の大きな不確実性という課題に直面するものの、堅調な国内需要と電子機...
トランプ氏が揺さぶる国際的な半導体貿易と秩序とオープンイノベーション
はじめに:半導体製品の輸入関税? トランプ米国大統領は4月13日、輸入半導体に対する関税率を今後1週間以内に発表すると述べ、同分野の一部企業には柔軟な対応を取ると付け加えた。トランプ氏の表明は、スマートフォンとコンピューターを対中国相互関税の対象から除外する措置が、半導体分野の貿易再編を目指すトランプ大統領にとって短期的なものとなる可能性が高いことを示唆している。 ホワイトハウスは11日に、高額な相...
中国DeepSeekと清華大学、低コスト・高性能のAIモデル訓練手法『SPCT』を発表
中国のAIスタートアップDeepSeek(杭州深度求索、浙江省杭州市)は、AIモデルのオープンソース化と迅速な実装を重視するアプローチにより、大規模言語モデル(LLM)の推論能力を向上させ、今年1月のDeepSeek-R1の打ち上げで、世界のAI領域で一躍脚光を浴びた(「中国スタートアップDeepSeekのAIモデル、世界のAI市場に衝撃」(2025年1月29日)を参照)。 先ごろ、DeepSeekと北京市の清華大学は共同で、膨大なトレー...
ファーウェイ、2024年決算を発表:研究開発投資、AIとHarmonyOSで成長を加速
ファーウェイは先月31日、2024年度年次報告書(Annual Report)を発表した。ファーウェイは2024年度の年次報告書を発表し、業績は予測通りであると述べた。 売上高は8,621億元、純利益は626億元に達し、売上の約21%に相当する1,797億元を研究開発に投資した。コネクティビティ、コンピューティング、デバイス、クラウド、デジタルパワー、車載ソリューションといった多角的な事業が着実に進展し、特にAIとHarmonyOSに...
中国の対トランプ関税戦略:米中対立における“正当性”の主張とは
中国紙China dailyに4月10日に掲載された記事、China hits back at US tariffs to defend rules-based tradeを読み、中国のトランプ政権の関税政策批判と中国の基本的な対応の考え方の特徴についてまとめると、次の5項目のようになる。 ●ルール重視の正統性アピール:中国は自身の対応を「ルールに基づく多国間貿易体制の擁護」と位置づけ、米国の一方的措置を「覇権的」「保護主義的」と非難している。 ●多国間主義の強調...
トランプ氏の関税は「アメリカ後の世界」を現実のものに:アメリカの後退と世界の多極化
“America still dominates the world, but the larger structure of unipolarity―economic, financial, cultural―is weakening.” ― Fareed Zakaria, The post-American World, 2008 はじめに アナリストやコメンテーターたちは、一世代にわたって「アメリカ後の世界(post-American world)」の到来について議論してきた。ジャーナリスト兼アナウンサーのファリード・ザカリア氏...
シンガポールのローレンス・ウォン首相は4月8日、議会で、同国政府が米国のドナルド・トランプ大統領が課した関税の影響に対処するためのタスクフォースを立ち上げると述べた。ウォン首相は、米国が全輸入品に対して10%の一律関税を課す決定を受け、同関税が交渉の余地がなく、シンガポールの貿易依存型経済に深刻な影響を及ぼす可能性があると懸念を示した。 ウォン首相は、シンガポールが直接的な関税の影響...
反トランプ、「Hands Off!(手を出すな!)」デモ、市民権等への政治干渉を拒絶
2025年4月5日、全米および世界各地で「Hands Off!(手を出すな!)」と題された大規模な抗議デモが行われた。このデモは、トランプ大統領とその顧問であるイーロン・マスク氏の政策に反対するもので、社会保障や医療補助、消費者保護の削減、さらには新たな関税政策など、多岐にわたる政策への抗議が含まれている。 抗議デモの概要 規模と範囲: 全米50州および海外で1,300以上のデモが行われ、主要都市では大規...
はじめに 4月2日、トランプ大統領は広範囲にわたる「相互関税」を発表し、これにより国際社会や国内外の市場から極めて強い反発と反応が、さらには共和党内からも反応が寄せられた。以下に、その主なポイントを3点にまとめ記す。これらの反応は、トランプ大統領の関税政策が国内外で大きな波紋を呼んでいることを示すものだ。 1.国際社会の反応 ●欧州連合(EU)は、米国の関税措置に対し、報復関税を検討していると表...
日立が提案する「社会参加のすゝめ」—シニア向けデジタルアプリで健康&つながりを支援
日立製作所(以下、日立)がデジタルの力でめざす未来は人々の快適で豊かな暮らしと、持続可能な地球環境の両立。日立のデジタルの取り組みを紹介する企画
中国経済、成長目標維持と財政赤字拡大:持続可能な成長への試練
「約5%の目標は、私たちの中期および長期の開発目標とよく一致しており、困難に正面から立ち向かい、達成に向けて懸命に努力するという私たちの決意を強調するものである」 ― 先月初旬に全国人民代表大会(全人代)の年次政府活動報告で李強首相は述べた。 年次政府活動報告書によると、中国が2025年に約5%のGDP成長目標を達成するには、①国内需要の刺激、②不動産セクターの安定化、③外部不確実性の乗り越えなど...
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米国労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が7月15日発表した全都市消費者物価指数(CPI-U)は、5月の0.1%上昇に続き、季節調整済みで6月も0.3%上昇した。過去12カ月間では季節調整前の全品目指数(以下、CPI)は2.7%上昇した。 住宅指数は6月に0.2%上昇し、全品目月次上昇の主な要因となった。エネルギー指数は6月に0.9%上昇し、ガソリン指数は前月比1.0%上昇した。食料品指数は0.3%上昇し、家庭内食料品指...
梅雨明け間近、空模様は曇り時々晴れ、気温は25℃。今日もまた暑くなります。 以前は起床後しばらくして、散歩に出ていましたが、先月中旬頃、左足の親指あたりに腫れと多少の痛みがあり、散歩を自粛し、冷シップなどを貼ったり、問題個所にテーピングをしたりの応急対応。この間、サンダルを新調し、草履を買い求め、試し歩きをするなどしました。ちなみに、「社会参加のすゝめ」アプリを使った朝夕の散歩は止めま...
中国国家統計局が7月16日に発表した第2四半期の国内総生産(以下、GDP)は、第1四半期の実質5.4%増を下回る5.2%に鈍化した。第2四半期のGDP成長率は、産業分野別には、第1次産業3.8%、第2次産業4.8%、第3次産業5.7%であった。 中国経済は2025年上半期に前年比5.3%拡大し、今後、国内需要の着実な回復や輸出の回復力などが持続すれば、政府のマクロ的政策手段も加わり、通年で約5%の成長目標を達成する可能性...
中国商務部によると、2025年1月から5月までに、全国で24,018社の外資系企業が新規設立され、前年比10.4%増加した。実際の外資投入額は3,581.9億元で、前年比13.2%減少した。中国商務部の外資系企業の投資データには金融業(銀行・証券・保険)は含まれていない。 ここで「新規設立」は外資系企業による直接投資に関する契約件数を表し、「実際の外資投入額」は、外資系企業による直接投資の実行額を表す。外資系企...
米国経済に対する消費者の見方にやや明るさが見えてきた。ニューヨーク連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of New York、以下、ニューヨーク連銀)が発表した最新の消費者期待調査によれば、インフレや雇用に対する不安が後退し、信用環境への見通しも改善傾向にある。 ニューヨーク連銀調査によれば、インフレ期待の中央値は、1年先では0.2パーセントポイント低下して3.0%となり、今年1月調査時点の数字と同水...
「未来のダイニング」を謳うレストラン「WOOHOO」は、世界一高いビル、ブルジュ・ハリファのすぐ近くにあるドバイ中心部に9月にオープン予定です。WOOHOOの料理は当面は人間が調理しますが、メニューから雰囲気、サービスまで、すべては「AIシェフChef Aiman、以下、AIマン」と呼ばれる料理の大規模言語モデルによって設計されます。 「AI」と「人間」を組み合わせた造語であるAIマンは、数十年にわたる食品科学研...
NVIDIAは人工知能(AI)チップのスーパースターだが、台湾積体電路製造(TSMC)も言及に値する。台湾の半導体チップメーカーであるTSMCは、AIプロセッサの需要の高まりに乗って、売上高が急増している。 TSMCの2025年第2四半期の売上高は9,338億台湾ドル(約319億ドル)に達し、前年同期比で39%増加した。成長率は第1四半期の42%からやや鈍化したものの、依然として高水準であった。 この好調は主に...
世界最大の経済大国である米中が貿易協定の履行に向けて協議するなか、米国は中国への半導体設計ソフトウェアの輸出規制を解除した。中国紙財新Caixinが7月4日報じた。 ドイツの産業大手シーメンスSiemensは7月3日、財新Caixinに対し、米国商務省産業安全保障局(BIS)から、中国顧客への電子設計自動化(EDA)ソフトウェアおよび技術の輸出規制が解除されるという通知を最近受け取ったことを確認した。シーメンス...
有朋自遠方来、不亦楽乎(朋(とも)有り、遠方より来たる。 また楽しからずや)―― 孔子 山東省済寧市曲阜市の東南約30キロに、東西方向に連なる小さな山脈がある。その最高峰は340メートル余りで、雄大さ、奇妙さ、険しさ、優美さ、いずれにおいても特筆すべきものではない。しかしながら、遠望すると、ここは五つの川が合流し、五つの峰が連なり、その間を穏やかに包み込む風景が静謐で和やかである。 この一見平...
背景と概要 トランプ米大統領は、日本と韓国を含む複数国に対して2025年8月1日より25%の関税を全輸入品に一律で課すと通告。これは、今年4月に開始された一連の米国主導の貿易戦争の新たな段階を示すものとされる。対象国には日本、韓国のほか、セルビア、タイ、チュニジアなど14カ国が含まれる。日本と韓国はいずれも米国の主要同盟国であり、関税適用は外交・経済両面に波紋を広げている。 日本に対する措置の内容 日本...
はじめに 私たちは、家族、地域社会、職場、そして市民の間の相互の関わり合い通じて、さまざまな形で日々社会との接点を持っている。以下、足もとで読んだ新聞記事などをもとに、以下、思いつくままポイントを記す。 【断章1】節約か、制度破壊か 朝日新聞が7月1日報じた連載あなたのお金はどこへ、「社会保険料が7万円安くなった」という話は、技巧的節約術の表情を持ちながら、その背後に制度への信頼崩壊...
Counterpoint Research(本社香港)の予備的数字によると、2025年第2四半期の中国のスマートフォン販売台数は前年同期比で若干増加する見込みで、ファーウェイとアップルがその成長を牽引するとみられる。 ファーウェイは主要ブランドのなかで最も高い成長率を示し、2025年第2四半期に中国市場でトップの座を獲得すると予想されており、アップルは、iPhone 16シリーズ、特にiPhone 16 ProとiPhone 16 Pro Maxのプロ...
久しぶりに日常生活記事が続きます(微笑)。昨日土曜日に、都内に住むせがれが日帰りで戻り、母親(プラスたぶん私)の日常などに気を遣い、作り置きの料理を四、五品作ってくれました。「お母さんの声の調子が気になって」、「連日の明日さ、すごいよね」などと言いながら、手先を動かし、次々に料理し、タッパーに入れ、冷ます。その手際の良さ。 私自身がとりわけおいしく感じた料理は、レンズ豆、トマト、鶏肉な...
「ムニュッター」は、手の感覚刺激用などの健康グッズとして、以前、一部で根強い人気があった製品です。シリコン系の素材を使い、指や手のひらで「握る・つまむ・こする」といった動作を通じて、握力・指先の筋力・触覚の敏感性を鍛える目的でサンリキという東京都大田区の会社 (http://sanriki.com/mnyu/)が 開発し、販売した商品です。 ずいぶん前、この「ムニュッター」を買い求め、使ったことがあり、先日...
日本気象協会は3日、「2025年 梅雨明け予想」を発表しました。東海や関東甲信、北陸、東北南部、東北北部は、7月7日頃に梅雨明けとなるようで、平年よりかなり早い梅雨明けとなり、「猛暑が長期戦」となりそうです。 先月は、初旬に郷里岡山の親戚にご不幸があり、急遽、告別式に参加をしました。梅雨のなか、葬儀用の服や身の回り品をかばんに詰め、傘を持っての岡山訪問でした。訪問先は瀬戸内市、懐かしい記憶...
今から十年以上前、私は次のようなことを考えていました。当時のアジア市場は、現在ほど激動してはおらず、文化とビジネスの接点について、じっくりと論じる余裕があったように思うとともに、読み返してみても、いくつかの視点は、むしろ現在の混沌のなかでこそ意味を持つように感じられます。以下、当時の記事をあらためて再掲いたします。文末に付した「関連記事」を合わせご覧にいただければ幸甚です。 ――――――――――――――――――...
2025年夏、世界の通商環境は複雑な相互依存と対立の只中にある。なかでも注目されるのが、米中および米欧の貿易交渉における動向である。いずれも地政学的背景を帯びた重層的な交渉であるが、ここにきて実務レベルでの前進が見られ、一定の協調の兆しが垣間見えてきた。 米中:競合を超えて歩み寄る現実主義 2025年6月下旬、米中はロンドン会談に基づき、レアアースおよび磁石類の対米輸出の迅速化で合意した。...
Amazon(以下、アマゾン)で買い物をしていて、ある日用品を注文するとき、必要な商品を必要な時期に購入すればそれでよいのに、発注ボタンを押す際に、うっかり定期おトク便欄にマークが入ったまま注文する人は、私自身も含めて、少なからずおられると思います。「あっ!」と思ったらもう遅く、最初の商品の注文をうけたまわりましたというメールに続いて、定期おとく便の注文をいただきましたというメールが到着するから危ない...
2025年6月末、米国最高裁判所は任期末の判決として、ドナルド・トランプ前大統領に有利な内容の判決を複数下した。これにより、大統領権限の拡大や行政府の裁量が強化される結果となり、司法が行政のブレーキとしての役割を後退させたと指摘されている。判決は保守派6人、リベラル派3人という裁判官構成に基づいており、今期もトランプ氏に有利な判決が続いている。― ロイターが28日報じた。 主なポイントを示すと...
国家統計局工業部の統計官于衛寧氏が6月27日、2025年1月から5月までの工業企業の利益データを解説した。2025年1〜5月の規模以上工業企業㊟1による利益総額は2兆7,204.3億元となり、前年同期を若干下回った。主なポイントは以下の通り: 1.複数要因による利益の減少 (1)1〜5月の利益総額は1〜4月比で6,034.1億元増加したが、有効需要の不足、工業製品価格の下落、短期要因の変動など複数の影響で、前年同期比1.1%の減少と...
バイデン政権は、アメリカへの投資ツアーの一環として、米国商務省と、GlobalWafers Co., Ltd.(環球晶圓股份有限公司、本社:台湾新竹市、以下、GlobalWafers)の子会社であるGlobalWafers America, LLCおよびMEMC LLCが、「CHIPSおよび科学法(CHIPS and Science Act)」に基づき、国内での重要な半導体ウェーハ生産を支援し、米国の技術リーダーシップを推進するために最大4億ドルの直接資金提供を提案する拘束力のない暫...
日立製作所(以下、日立)が進めている社会イノベーション事業、「社会イノベーションとは?」というページが同社のウェブサイトにある。 日立がこれまで培ってきた「IT(Information Technology)」、「OT(Operational Technology)」、「プロダクト」。そして「Lumada」を活用し、さまざまな社会課題を解決する。それが日立の社会イノベーション事業です。「デジタル」「グリーン」「イノベーション」を成長の原動力と...
先ごろ、シンガポール貿易産業省下の政府機関である経済開発庁(Economic Development Board、以下、EDB)が『シンガポール人材採用の手引き』を同庁のウェブサイト(日本語)に掲載した。 ここで紹介するのは、今後10年間で経済規模推定世界第4位に成長するとされる東南アジアのなかでもその環境や安定した政治情勢により、世界中の個人、そして企業にとってチャンスあふれる場であるシンガポールでビジネスを展...
中国国家統計局は7月15日、中国の今年第2四半期および上半期(2024年1-6月期)のGDP実績を発表した。 国家統計局の速報値(初歩核算、preliminary estimates)によると、今年上半期のGDPは61兆6,836億元で、対前年同期比実質5.0%増加した。四半期別にみると、GDPは第1四半期が対前年同期比5.3%増、第2四半期が4.7%増となった。四半期比で見ると、第 2 四半期の GDP は対前期比 0.7% 増加した。 ...
半導体市場は大きなショックに直面している。韓国サムスン電子傘下の最大労組である全国サムスン電子労働組合(以下、組合)は7月8日、雨のなか6,540人の参加でゼネストを実施した㊟。 ㊟韓国英字紙BusinessKoreaの記事によると、今回のストライキは、組合が結成された1969年以降で初めてのものである。韓国の聯合ニュースによると、ストライキは3日間続き、器興、平沢、天安、温陽、亀尾、光州の各工場の組合員6,540人が参加...
米国労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)は7月11日、6月の全都市消費者物価指数が5月に横ばいだった後、季節調整済みで0.1%下落し、季節調整前の全項目指数は過去12カ月間で3.0%上昇したと発表した。この12カ月間の上昇率3%は3年以上ぶりの低水準である。 全項目指数は6月までの12カ月間で3.0%上昇し、5月までの12カ月間の3.3%上昇よりも小さい上昇となった。食品とエネルギーを除く全項目指数は過...
今年初めに中国本土の株式市場に外国資本が大量に流入したことを受けて、アナリストたちは投資家の信頼をかき立て続けるには何が必要か考え始めている。 証券取引所のデータに基づく財新Caixinの計算によると、ストックコネクトプログラム(Stock Connect Program、海外投資家が香港証券取引所㊟を通じて中国本土の株式を取引し、その逆も可能)を通じた市場への海外純投資は、今年最初の5カ月で830億元(117億ド...
市場調査会社IDCによると、3,500ドルの複合現実(MR、mixed reality)ヘッドセット「Vision Pro」は今年2月に米国で発売されたが四半期ベースで10万台も売れず、販売不振が続いている。 IDCによれば、より手頃な価格のVision Proが発売されれば2025年に再び関心が高まるだろうが、今後1年間は販売台数が大幅に増加することはなさそうだ。 「Vision Proはその価格にかかわらず、最終的には利用可能なコンテンツに...
台湾の半導体ファウンドリのTSMCが7月10日2024年第2四半期の連結売上高を発表した。6月の売上高は2,078億6,900万台湾ドルで、前月比9.5%減、2023年の対前年同月比32.9%増となった。2024年1月から6月の売上高は1兆2,661.5億台湾ドルで、2023年の同時期と比較して28.0%増加した。 出所:TSMC ちなみに、TSMCの今年第2四半期の連結売上高は、ロイター社の試算に基づく記事によると、6,735億1,000万台湾ドル、退位前年...
台湾パソコン大手エイサー(Acer Inc.)の陳俊聖(Chen Junsheng)董事長は7月8日、チャネル側からのフィードバックとして「現在、新規PC購入の約80~90%がAI PCについて議論している」と指摘した。― 経済日報が7月9日報じた。 エイサーの業績は、勢いがつき始め、子会社の「Tiger Team」が下半期に良いニュースを発表したことで、陳俊聖氏は、エイサーの今年下半期の経営は上半期よりも良くなるだろうと楽観視し...
米国国防総省(以下、国防総省)は問題を抱えている:世界最大の雇用主のひとつが世界最大の通信プロバイダーである中国のファーウェイに依存する企業との取引をどうやって避けるかということである。― Fortuneが7月3日付で報じた。 これまでのところ、国防総省は、2019年に制定された米国法でファーウェイの機器を使用する企業との契約が禁じられているにもかかわらず、できないと述べている。国防総省が免除を推し進...
7月4日から6日まで、2024年世界人工知能大会および人工知能のグローバルガバナンスに関するハイレベル会議(WAIC 2024)が上海で開催され、併設展示会は7月7日まで行われた。 このAI会議には、チューリング賞、フィールズ賞、ノーベル賞受賞者9名と国内外の学者88名が一堂に会し、AI倫理ガバナンス、ビッグモデル、データ、コンピューティングパワー、具現化された知能(ロボットなどの物理的実体にAIを統合し、環境を認識...
6月28日、北京の人民大会堂で開催された平和共存五原則70周年記念会議に中国米国商会(中国美国商会、The American Chamber of Commerce in the People’s Republic of China (AmCham China)のマイケル・ハート会長とクレア・マー副会長が中国美国商会を代表して出席した。この重要なイベントは、過去70年間、国際関係の指針となってきたこれらの基本原則の制定を記念するものであり、ハート会長は午後のサブフォーラムでスピー...
アジア開発銀行(ADB、フィリピンマニラ市)は、中国浙江省寧波市における包括的、低炭素、環境的に持続可能な開発を促進するため、2億ドルの融資を承認した。 寧波は揚子江デルタの経済中心地のひとつであり、中国における重要なエネルギー生産および新素材産業拠点のひとつである。同市は化石燃料に大きく依存している。このプロジェクトは、寧波市でアジア開発銀行が資金提供する初のプロジェクトであり、寧波市政府、地...
中国最大級の書籍展示会「北京国際図書博覧会(BIBF)」が6月19日から6月23日、北京市の中国国家会議中心で開催された。展示対象分野は書籍、デジタル出版、コンテンツなどで、中国出版社をはじめ世界各国の出版社が出展した。主催者によると、今回の同博覧会には71カ国・地域から1,600社が出展し(うち外国企業は1,050社)、約22万冊の書籍が出品され、バイヤーや一般来場者が計約30万人訪れた。 ジェトロ(日本貿...
中国信息通信研究院(中国信通院)は7月1日、ファーウェイのHarmony OSカーネル㊟の自立した成熟度レベルの認証を完了したと発表した。ファーウェイHarmony OSの自主研発率(自主研究開発率)は100%であり、自立した成熟度レベルはA レベルである。 ㊟カーネル(kernel、内核)はオペレーティングシステムの中核をなす重要なソフトウェアを指す。 中国信通院は6月28日、モバイルスマート端末オペレーティン...
米国ニュース雑誌のTIME(ニューヨーク市)とAI研究開発のOpenAI(サンフランシスコ市)が6月27日、戦略的コンテンツパートナーシップ契約を発表した。 このコラボレーションを通じて、OpenAI は TIME の過去 101 年間の膨大なアーカイブから現在のコンテンツと過去のコンテンツにアクセスし、その製品や表示を強化して、ユーザーの問い合わせに応えて、引用とtime.comの元のソースへのリンクを表示する。この新し...
米国では夏の航空旅行が急増すると予想されている。米国運輸保安庁(Transportation Security Administration、TSA)は6月23日(日)に299万人の乗客を検査し、これは数週間前の5月24日に記録された記録を上回る。また、運輸保安庁は7月4日の独立記念日休暇期間が記録的な数になると予測している。 運輸保安庁は6月28日(金)から7月8日(月)までの間に3,200万人以上の旅行者を検査すると予想しており、休暇期間中の旅行者...
米国の禁止措置にもかかわらず、チップ生産を含むあらゆる分野で進歩し始めたファーウェイにとって、2024年はファーウェイの年になりそうだ。今年に入って、ファーウェイはチップセットの生産量に注力していることで注目を集めている。Kirinプロセッサにしろ、Ascend AIチップにしろ、ファーウェイは両方の面で懸命に取り組んでいる。― Huaweicentral.comが6月29日付記事で報じた。 出所:Huaweicentral...
中国汽車工業協会(CAAM)は6月14日、5月の自動車販売台数が対前年同月比1.5%増の241万7,000台、生産台数が1.7%増の237万2,000台と発表した。対前月比では、生産台数は1.4%減とマイナスが続いたが、販売台数は2.5%増とプラスに転じた。 販売台数の内訳は、乗用車が207万5,000台(対前年同月比1.2%増)、商用車が34万1,000台(3.3%増)だった。うち新エネルギー車(NEV)は95万5,000台(33.3%増)で、自動車...