九月十五日 瑩山禅師が「宝篋印塔」を建てる
タイトルから、いきなり何のこと?と思われた方もおられるかもしれないが、とりあえず以下の一節をご覧いただきたい。九月十五日、宝篋印塔を建つ。『洞谷記』「元亨元年の記録」この「元亨元年」とは、西暦に換算すると1321年となり、この年に瑩山禅師は能登永光寺に宝篋印塔を建てたという。で、この「宝篋印塔」というのは、『宝篋印陀羅尼』という密教で用いる陀羅尼を収めた塔のことで、供養塔などの機能を持ち、墓碑塔としても建てられたという。中国で、南方の呉越王・銭弘俶が八万四千塔を建立したという伝説があるそうだが、これを真似した日本でも同様の様式が定まったという。それで、拙僧自身、このことを余り良く分かっていなかったので、文献的にも探ってみようと思う。忠懿、天性誠厚にして、夙に仏を敬うことを知る。阿育王の八万四千塔を造りたる...九月十五日瑩山禅師が「宝篋印塔」を建てる
2024/09/15 07:01