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ジャン・ジャック・ルソーといえば、根強い全体主義批判はあるものの、民主主義の理論化に貢献した思想家の一人に数えられています。そのルソーが、かのニコロ・マキャベリを評価していることを知ったら、多くの人々がその意外さに驚くことでしょう。マキャベリが執筆した『君主論』には、徹底した合理主義あるいは合目的主義の行き着く先の、目的のために手段を選ばない倫理なきリアルポリティークの世界が待っているからです。ところが、ルソーは、マキャベリは‘善人’であったと確信しているのです。‘君主’への指南書を装いつつ、人民に重大な警告を与えたとして。ルソーの表と裏を反転させた見方に因れば、『君主論』は、君主のためではなく、君主達による暴政や狡猾な手段に警戒すべく、人民に予防的な知恵を与えたために書かれた書物と言うことになりしょう。...人類が知るべきは政治制度の悪用
←ランキングに参加しています。久々に落ち着くレストラン。リストランテ・マキャベリさんへ。長楽寺の「ねこてん」を鑑賞し20年ぶり?くらいの池袋。池袋は苦手な街で…
ルネサンス キリスト教会からの解放 楽しい世界史 -ヨーロッパの歴史-
・地中海貿易で利益を得てイタリア諸都市が起こる・自由を求める文化運動ルネサンスがイタリアで開花・教皇や国王に保
ロシアがウクライナ紛争に投入している主力部隊ワグネルは、言わずと知れたロシアのオルガルヒであるエフゲニー・プリゴジンが創設した傭兵部隊です。ところが、この傭兵部隊、事もあろうことか、ワグネルの雇用主にしてロシアの最高権力者プーチン大統領の座すモスクワに向けて進軍を開始したというのですから驚きです。結局、‘プリゴジンの乱’は、ワグネルが進路を引き返すことで急転直下収束へと向かい、思いもかけぬ反乱劇に全世界が唖然とさせられたのです。かつてマキャベリは、その著書『君主論』において傭兵よりも常備軍を備えるようにと進言したのですが、プーチン大統領は、迂闊にもマキャベリの教えに背いてしまったのでしょうか。直近の速報に依りますと、プリゴジン氏は、撤収を公表したロストフ州を後にしたものの、その後の消息がつかめず、行方不明...不自然すぎる‘プリゴジンの反乱’
米国の戦略家は通常、マキアヴェッリの第3の選択肢に注目する。それは、敗れた敵国を名目上は独立させるが、上述の企業の占領と現地の軍事基盤を背景にした顧客寡頭制によって統治するというものである。ジミー・カーター大統領の国家安全保障顧問であったズビグニュー・ブレジンスキーは、米国のパトロンに忠誠を誓い、対象国の経済の民営化と金融化に相互に関心を持つという古典的な意味での「家臣」と称した。この後者2つの選択肢は、そもそも敵対国を破滅させることから始まることが多い。1991年以降の旧ソ連邦におけるショック療法は、旧ソ連経済を統合してきた経済的相互関係を完全に崩壊させるグラビタイゼーションによって、顧客寡…
第11章 お金と土地を公益事業として扱う国との戦い今からおよそ半ミレニアム前(500年前)、ニッコロ・マキアヴェッリの『君主論』は、戦勝国が戦争で敗れたものの「自国の法律のもとで自由に暮らすことに慣れている国」をどのように扱うかについて、三つの選択肢を挙げている。「第一は彼らを破滅させること、第二は自らそこに住むこと、第三は彼らが自分たちの法律の下で生活することを許可し、貢ぎ物を取り、その中にあなた方に友好的な寡頭制を確立することである。」と述べた。マキャベリは、ローマがカルタゴを滅ぼしたことを引き合いに出して、最初の選択肢を好んだ。2001年以降、米国がイラクやリビアに行ったのは、そのような…
~~引用ここから~~わたしは断言してもよいが、中立を保つことは、あまり有効な選択ではないと思う。とくに仮想にしろ現実にしろ敵が存在し、その敵より弱体である場合は、効果がないどころか有害だ。中立でいると、勝者にとっては敵になるだけでなく、敗者にとっても、助けてくれなかったということで敵視されるのがオチなのだ。―――『手紙』―――~~引用ここまで~~ロシアのウクナイナ侵略についてロシアにはロシアの正義と立場があると繰り返し書いてきた。そして日本はそれに配慮することなく日本の立場と国益を追求しなければならないと。マキャベリが述べているように中立を保つことは、賢明ではないし、極めて難しいのだ。第二次世界大戦でスイスは中立を保ったが、連合国に爆撃されるわ、戦後、70年近くも経ってからユダヤ人に賠償請求されるわで大変な目に...中立は賢明ではない