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2022/06/30

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  • すぐ、やろうか

    窓を開けた。湿気た空気と冷たい風が入ってくる。外はしとしと雨が降っていた。 押入の中の除湿剤に水がたんまり溜まっていたことに気付いたのは、先週のことだ。定期的に見ないので、いつからこの状態だったか知らない。二間ある押入のうち、こちらの押入は湿気がひどい。除湿剤をそのままにしていたことをふと思い出して、今日ごみに出した。 反対側の扉も開ける。しかし、すぐに閉めた。ここから取り出したいモノがあるのだが、いつも断念する。もう何度目だろうか。理由は奥の収納ケースを出すのが、困難だからだ。 自室には、出品待ちの本がまだある。本の出品はバーコードを読み取れば、情報が反映されるので比較的簡単ではある。しかし…

  • 期日延長

    袖から出た腕がジリジリと焼けるほど、太陽が照りつけていたのはつい先日のことだ。今日は腕にあたる風が冷たい。 『涼しなったなぁ。ところで最近、どうなん?』 言い訳にしていた”暑さ”は、もう終わったよと言わんばかりだ。夕飯時には体が冷えて、開けっ放しの窓を閉めるほどに気温が下がる。 「片付けはお休み中。」 ここのところ、片付けをがむしゃらにやっていない。 『だいぶ、片付いたよな。』 何が言いたいのか分かる。片付いたことを褒めつつ、まだ終わりは迎えていないよねと。”夏の終わり”に”片付けの終わり”を迎えると宣言したのは私だ。思い描く”終わり”では、確かにない。その上、暑さで進まず涼しくなってからと、…

  • 涼しくなってから

    荒れた肌に、洗剤が沁みた。中指の第一関節の皺に紛れ込んだ傷口は、目立ちはしないが、繰り返しここばかり荒れていた。治りかけのところに、痒みを帯びて、無意識に掻いてしまう。 痛みを我慢しながら、水切りカゴに食器を運んでいると、壁に貼られたカレンダーが目に入る。十五夜も過ぎ、九月もあと十日ほどだった。そういえば、お月見らしいことはしなかった。 「最近、歩いてる?見掛けないから」マンションの入口ですれ違った住民に声を掛けられる。「暑いから、歩いてなくて」と私は答えながら、自転車に跨った。 遥子ちゃんとのウォーキングは、暑くなり始めてから休んでいる。ウォーキング中、隣人である彼とはいつも土手ですれ違って…

  • 実家の光景

    洒落た照明器具の下には、座面と背もたれが花柄の布で覆われた椅子と、ガラスのテーブルが置いてあった。この部屋を応接間と呼んでいて、来客用の部屋だと幼いながらに認識していた。 ただ来客を招くことはほとんどなかったはずだ。実家は商売をしていて父も母も朝から晩まで働いていた。 実家に住んでいる間、部屋割りがどう変化していったか、記憶はおぼろげだ。応接間として使っていた頃、この部屋は特に散らかっていなかったように思う。六畳ほどの部屋は、応接間の機能はなくなり、一時期私が布団を敷いて使っていたこともあった。その後は母の部屋になり、私が実家を出た頃にはタロウ専用の部屋になっていた。 一階にはもう一部屋あった…

  • みなもが語ること

    ゆらゆらとゆれる様を、ずっと眺めていた。なんて表現してよいのか、”癒し”という言葉では物足らない気がした。 藤の花で覆われているのではなく、御座のようなものが掛けられた、格子状になった棚の下で、木漏れ日を浴びていた。仰向けになって眺めていると、そこには、ゆらゆらと揺れる水面がうつっていた。 改札口を出て、右に出た。確かこちら側だったはずだ。角を曲がると、急な上り坂が現れ、こちらで間違いないと確信した。 見覚えのある建物の前に到着したのは、営業時間の五分前だ。誰もが一番乗りだと思っていた瞬間、すぅっと一人の男性が私達を横切って入口に向かった。二番目だね、なんて言いながら男性のあとに続くと、中には…

  • 秋が待ち遠しい

    Tシャツから出た腕が、ジリジリと焼けている。涼しかったのは束の間で、また暑さはぶり返していた。今日も暑い。 坂を上る途中で、自転車を降りた。せめてその先の信号までは漕いでいたかったが、諦めた。まだ坂の半分も上っていない。暑さのせいではない。体力の低下をひしひしと感じる。歩いた分、日に当たっている時間が長くなる。 家の中では短パンを履いて、足をさらけ出している。ベッドの上で、ふと膝を抱えて座っていると、足と腕の、肌の色の違いが目に入る。気にしていた矢先に、十分な日焼け対策もせず、外に出てしまう。 この暑さは、外に出るのも”意を決して”である。それでも、気になる用事を済ませるべく、外に出た。よくや…

  • 幼き頃

    デパートのおもちゃ売り場で、泣き喚いて駄々をこねて困らせる子がいた。しかしそんな我がままも、小学校に上がる頃には、ぴたっとなくなった。その理由は明確で、”お姉ちゃん”になったからだった。 小学校に上がるまで一人っ子だった私は、母にそう聞かされた。そんな一面もあったのだなと、少々驚いたりもする。 大人になってから、時々、本を読むことがある。その時々の頻度でさえ、本に触れている機会が多いと言えた。私は、必要に迫られる以外、本に触れる機会がほどんどなく過ごしてきた。 図書館に行く習慣もなく、本屋で本を買うこともほぼなく、小中高校生時代を過ごしたが、幼稚園児の頃、図書館に出入りしていたことを覚えている…

  • 暑さ和らぐ

    風が心地よい。窓を開けていると、虫の音が聞こえてきた。 暑さが続いたあとの、涼しい夜が、より心が落ち着かせてくれているのだろうか。自分に酔いしれたりして、この時間が楽しかったりする。 つい数週間前は、イライラする日も多かった。確かに暑くて、体は参っていた。原因は暑さというより、なかなか”やること”に取っかかれず、一日が終わるという日が多くあったからだ。自分に嫌気が差していた。 八月の後半は人と会う機会が続いた。その日を心待ちにしているうちに、イライラはどこかに消えていた。 残り三分の一となった、今年の過ごし方を考えた。 この頃、改めて思うことがある。変化は、少しずつということだ。急いで結果に辿…

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片付けられない「私」と向き合う
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