chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 【現代詩】「遠い駅」 もう帰ることのない、遠い駅のイメージ 現代詩の試み

    遠い駅 その駅を最後に旅立った子供は 小さな箱を膝の上に抱えたまま 窓の外の景色を眺めていた 古く、少し傾いた、よく震える家の 奥の、薄暗い部屋の、仏壇の前に置き去りにした いくつもの小箱のことを、時々思い出しながら 汽車は風に追い越されるくらいの速度で進んだ その先は、森の、さらに奥 言葉よりも、木々の軋みが多く聞こえる 小さな池のほとりを回り込んだら 不意に谷地坊主が散らばる 冷たい湿地帯の中を走る 時折聞こえる小さな水音は 山椒魚が飛び込む音 古代からの魚たちが、舞い上げる飛沫 霧が、濃い霧が流れ 子供は夢を見る 小さな箱を、抱きしめたまま 夢を見る ***** Google Gemin…

  • 時間を大切にするとは言うけど

    こんにちは、暖淡堂です。 出向して、平日は毎日電車通勤しています。 自宅と職場の間の通勤時間は、一日3時間半くらい。 それに職場での勤務時間を合わせると、大体12時間は仕事関連で使われてしまいます。 残りの12時間が自分の時間ですが、睡眠のための時間や仕事に行くための準備などの時間もあるので、何か自分のためにやりたいことに使える時間はわずかですね。 で、その貴重な時間を無駄にしないように心がけていて、ふと気づきました。 時間を大切にしようとして、ついつい無駄にしてしまうことがあるということ。 短い時間に細切れの作業を盛り込む 英単語を覚える、というようなことであれば、細切れの時間を使うのは有効…

  • 「今昔百鬼拾遺 月」 京極夏彦 京極堂不在の東京で

    今昔百鬼拾遺 月 こんにちは、暖淡堂です。 極私的「京極祭」、なんだかもう、終わりませんね。 読もうと思って、積み上げている本を熟成させているうちに、どんどん新しい作品が出てきます。 今年は、特に多かった気がします。 それも話題作が。 仕事している場合じゃないよなあ、なんて、思ったりしたいところ。 でも、しっかりと自制して、頑張って通勤しますが。 今回は、熟成期間が長くなっていた「今昔百鬼拾遺ー月」。 これは短めの長編が3作まとまったものですね。 それぞれが独立した作品として発表されていましたが、最終的に講談社がまとめて一冊にした感じのものです。 「鬼」、「河童」、「天狗」。 それぞれで文庫本…

  • 「22歳」 谷村新司 ゆく夏に

    こんにちは、暖淡堂です。 やっと猛暑は抜け出しつつある感じですね。 それでも、大雨の被害などが出ているようで。 被害に遭われている方々にお見舞い申し上げます。 今朝、涼しくなったなあ、って思いながら、ふと頭の中に浮かんだ歌がありました。 「ああ、夏がゆく〜」 何の歌だったのか、思い出そうとしたのですが、すぐにはわかりませんでした。 還暦間近の実力発揮ですね。 それでも、諦めてしまうのは寂しいので、しばらく考えていました。 で、思い出しました。 谷村新司さんの「22歳」。 名曲です。 「22歳の別れ」ではありません。 念のため。 この曲、谷村新司さんのソロの曲で、ヒットしました。 情報によれば、…

  • 「花さそふ 嵐の庭の 雪ならで」 入道前太政大臣 栄華の極みでの、ひとときの翳り

    百人一首第95番目の歌の作者は入道前太政大臣にゅうどうさきのだいじょうだいじん、藤原(西園寺)公経きんつねです。 鎌倉時代初期に栄華を極めた人。藤原公経の山荘を改装したものが、金閣寺として今も残っています。 今回は入道前太政大臣について紹介します。 入道前太政大臣とは 生年1171年、没年1244年。 藤原氏で藤原公経は歴史上二人知られていますが、こちらは西園寺家の祖と言われている方で、西園寺公経とも呼ばれます。 鎌倉幕府との関係が深く、源頼朝の姉を妻としていました。 第3代将軍源実朝が暗殺された時には、自身も積極的に動き、京から将軍を迎え入れさせました。 dantandho.hatenadi…

  • 【現代詩】「おぼえているか」 友へ 現代詩の試み

    おぼえているか 山を乗り越え顔を見せる雲の表情が柔らかくなる頃君はきっとあの街に辿り着いている手紙をくれないか無事だったら僕の言葉を君は覚えているだろうか僕は相変わらずだ相性の悪い風には背を向ける日々だだからとてもゆっくりと進んでいる ***** Google Geminiによる解説 暖淡堂の詩作品「おぼえているか」の詳細な解説 詩の全体的な印象とテーマ 「おぼえているか」は、離れて暮らす相手への切ない想いと、再会への希望を描いた、情感豊かな作品です。自然の描写を巧みに用いながら、心の動きを繊細に表現しています。 別れと再会: 「山を乗り越え」「あの街に辿り着いている」といった言葉から、旅立ち…

  • 今年の秋は、どこまで行けるか、どこまで進めるか

    こんにちは、暖淡堂です。 暑い夏の始まりとともに出向、法定研修、連続する試験の日々に突入しました。 で、9月の上旬に法定研修は終了。 出向先の研修メニューも昨日まで。 これからはノルマとスケジュール管理の日々になります。 諸先輩方は「そのうち慣れる」と薄笑い。 自分の経験上「そのうち慣れる」は、多くの事について真実でもあることを理解しています。 それまで、もうしばらく頑張ってみようと思っています。 自分のために続けていることがいくつかあります。 これからの人生を納得して過ごしていくためのものですね。 それらを振り返ってみたいと思います。 古典を読む ほぼ毎朝、「易経」の原文を読んでいます。 「…

  • 「自分白書」 アリス アリスⅧ 矢沢透さんの魅力とキラメキ

    こんにちは、暖淡堂です。アリスといえば、谷村新司さん、堀内孝雄さん、お二人のボーカルの魅力をなによりも先に思い浮かべる方も多いかと思います。 「冬の稲妻」、「涙の誓い」、「ジョニーの子守唄」、「チャンピオン」、「秋止符」など、アリスの大ヒットシングル曲はいずれもこのお二人のいずれかがメインボーカルとして歌われたもの。 それでも、アリスをアルバムで聴くと、もう一人のメンバー、矢沢透さんの存在感は大きいのだとすぐにわかります。 ご自身もボーカルとして歌われることがあります。 それ以上に、作曲された曲は、いずれも高い音楽性に満ち、魅力溢れるものばかり。 アリスのアルバムのうち、矢沢透さんカラーが一番…

  • 【現代詩】「しおみずをまく」 層状に積み重なる、戻らないものたちのイメージ 現代詩の試み

    しおみずをまく 遠い西日に暗く発熱する波打ち際に少年は泣きながら一人立ち足元からしおみずを手のひらですくっては砂浜の奥を目がけてまく小さな赤い花がしおみずに濡れて揺れる少年は自分が生まれ育った島を海の底に沈めてしまおうとしているのだそして昨日まで穏やかだった全てと一緒に眠りたいのだもうあの人はいないこの島と ***** Google Geminiによる解説 詩の解説:深層に潜む少年の願い 暖淡堂さんの詩は、一見シンプルな情景描写の中に、少年の心の深い悲しみと切実な願いが込められた、奥深い作品です。 詩の情景と象徴 遠い西日、暗く発熱する波打ち際: 少年の心の焦燥感が、夕焼けの赤と波打ち際の熱気…

  • 「秋の気配」 オフコース 気がつけば9月も半分過ぎつつあり

    こんちには、暖淡堂です。 7月1日付で出向し、その後、法定研修で忙しい夏を過ごしていました。 今年は7月、8月と暦通りの出勤。 夏休みという期間がなかったのは、小学校入学以来初めてだったと思います。 むしろお盆時期が一番忙しかったですね。 そんな「暑い夏」でした。 で、昨日、法定研修が終わりました。 修了証も無事もらえました。 この後、さらにジワリジワリとペースを上げていくことになります。 まあ、嫌な仕事でもないので、自分なりのスタンスで進めていこうと思います。 もうすぐ還暦ですから。 もうしばらくは暑い日が続きそうですが、空の色には秋の気配が忍び込んでいますね。 で、「秋の気配」。 名曲です…

  • 【現代詩】「零下の音」 北の岸辺にたどり着いた者たちのイメージ 現代詩の試み

    零下の音 軋む音が 波音に混じり 雪の重たい気配に さらに沈む わずかの物だけを手にした 数人の男たちは 凍り始めた上着の中で 震える身体を跳ね上がらせ 眠れない夜と 雪に覆われた笹藪の中に消えていった その先にあったのは ただ暗いだけの夜と 冷たいだけの 薄い舌がたてる 微かな音 ***** Google Geminiによる解説 暖淡堂の詩「零下の音」の解説 詩全体の印象 「零下の音」は、冬の厳寒と人間の孤独、そして希望の薄れを描いた詩です。雪景色を舞台に、数人の男たちが極限状態の中で生きる様子が、音や感覚を巧みに用いて表現されています。 各部の解説 「軋む音が / 波音に混じり」:冬の静寂…

  • 【現代詩】「砂の砦」 約束、のイメージ 現代詩の試み

    砂の砦 甲冑をまとったまま 浅い眠りから覚めた男は 目の前に広がる砂漠の その涯に舞い上がる砂嵐を見た それは数万の軍勢が 怒りの声を上げながら迫る標 男がたった一人で防がなくてはいけない 狂乱の奔騰 狂気の激流 味方はただ眼球の溶け落ちた 暗い眼窩を兜の庇に隠した男たちだけ やがて男は砦の前に立ち 錆びた剣を振り上げる この砦を守るために あの青い月の夜 たった一度交わした 言葉のために ***** Google Geminiによる解説 暖淡堂の詩「砂の砦」解説 詩の全体像 「砂の砦」は、壮大な自然と人間の孤独、そして使命感を描いた詩です。砂漠という過酷な環境の中で、男はたった一人で、数万の…

  • 2010年9月末頃 シラチャに馴染み始めた頃【微笑みの国の記憶:タイ駐在備忘録】

    2010年9月末頃。 現地のR&D(研究開発)スタッフ向けに、特許等知的財産に関する話をしている。 思えば、この頃から、知的財産関連の仕事を少しずつするようになっていた。 帰国後、知的財産部に配属になるきっかけは、その辺りにあった気がする。 日本と、海外のいくつかの拠点を対象にした、知的財産のグローバルミーティングの話も出ていた。 まさに帰国後に、自分が中心になって進めていたものだ。 タイにいる間は、グローバルミーティングは実現しなかった。 帰国後も、ずいぶんと時間をかけて、各国の拠点を何度も回ったが、結局は実現できなかった。 僕以降の世代の人たちの頑張りに期待しよう。 2010年当時、シラチ…

  • 「それぞれの秋」 アリス それぞれの時を過ごしながら

    こんにちは、暖淡堂です。 谷村新司さんが亡くなって、心の空隙が埋まらないまま、いつの間にか時が過ぎています。 アリスⅧに収められて、シングルにもなっている「それぞれの秋」、時々思い出します。 この曲が発表されたのは、僕がまだ高校生の頃。 歌詞の意味は、よく理解できていなかったと思います。 なんだか、とても暗い印象の曲だな、くらいにしか思っていませんでした。 それが、このところ、思い出すたびに、少しずつ味わえるようになってきています。 自分が学生の頃は、キラキラと輝いていたのかな。 自分がどうなっていくのかわからない不安で、「夢」のようなものにすがるような物言いをしていなかっただろうか。 自分は…

  • 通勤と傘 電車通勤で気をつけたいこと

    こんにちは、暖淡堂です。 迷走台風のおかげで、時々大雨になるような不安定な天気の日が続きました。 通勤時に大雨に降られて困った人も多かったかと。 雨が降ると、お世話になるのが傘。 その傘ですが、電車通勤ではちょっと厄介者でもあります。 電車と傘について、最近思ったことをまとめてみたいと思います。 電車内に傘を持ち込むときは、傘はびしょ濡れの状態ではないようにして 時々、傘の先から雫が滴り落ちている傘を電車内に持ち込んでいる人がいます。 駅に着くまで、大雨の中を歩いてきたのだと思われます。 状況はわかるのですが、電車内に乗り込む前に、できるだけ雨の雫を落としておいてもらいたいもの。 長い傘を腕に…

  • 我が家の米不足対策は、とても健康志向です

    もうじき新米が味わえます こんにちは、暖淡堂です。 台風や地震で、食料を家庭でも備蓄するようなことが推奨されたことが原因なのか、スーパーなどではお米が品薄ですね。 インバウンド云々のことは正直???です。 家庭で備蓄することを呼びかけるなら、それ用のお米を配給したらどうかと思いますが、まあ、それは期待しすぎかもしれませんね。 それはそれとして、我が家もお米がなかなか手に入りません。 平日普通に通勤していると、帰宅時のスーパーに立ち寄ってもお米の棚は何もなくなっています。 これって、コロナの時のマスクと同じ雰囲気を感じます。 もしかしたら、今の時期、もうお米を食べることを諦めている人もいるかもし…

  • 「おほけなく うき世の民に 覆ふかな」 前大僧正慈円 「愚管抄」の作者であり、後鳥羽上皇の挙兵には反対だった

    百人一首第95番目の歌の作者は前大僧正慈円さきのだいそうじょうじえん(慈円)です。 生涯で4度、天台宗の座主となった人です。 今回は前大僧正慈円について紹介します。 前大僧正慈円とは 生年1155年、没年1225年。 関白藤原忠通の六男で、1192年に天台宗の座主となっています。 藤原定家らとも交流があり、後鳥羽院の歌壇で歌人としても活躍していました。 兄は九条兼実で、政界の中心にいた人物。 百人一首に収められている歌は、京の街に武士が攻め込んできたり、疫病が流行ったりしたことを悲しんで歌われたもの。 慈円は公武の対立よりも調和を望んでいたらしく、後鳥羽院の挙兵には反対していたとも伝えられてい…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、暖淡堂さんをフォローしませんか?

ハンドル名
暖淡堂さん
ブログタイトル
安心感の研究 by 暖淡堂
フォロー
安心感の研究 by 暖淡堂

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用