内田樹 「サル化する社会」を読んでいる。P.90より引く。 「品位ある世界」(the decent society)とは、「その制度が人びとに屈辱を与えない社会である」(13頁)と著者は定義する。キーワードは「屈辱」である。(中略)ある制度が人にとって屈辱的であるかそうでないかを決定するのは「コンテンツ」ではなく「マナー」だからだ。 例えば、社会福祉。社会福祉制度がうまく働かない理由の一つは、福祉を実施する側が受給資格を与えるために構造的に「屈辱的なテスト」を課す傾向があるからである。現在の日本では、生活保護受給の為、両親や親戚に援助可否を確認することが通常必要であり、DV・虐待等の問題がある…