9-7-4 税金の雨
(挿絵:髭に対しても税を取る税吏)『絶対主義の盛衰世界の歴史9』社会思想社、1974年7西欧に窓を開くピョートル大帝の大改革4税金の雨不断の戦争と、常備軍の増大によって、軍事費が莫大な額にのぼり、国庫は底をつき、財源も枯渇(こかつ)した。そこでピョートルはさまざまな新税を考案させた。そこで「利得発案者(プリブイリシチク)」という新しい専門家が登場することになった。国家に利得をもたらす方法をあみだすことが、彼らの職務であり、名案をだしたものには褒賞(ほうしょう)があたえられ、またそれが出世のいとぐちにもなった。たとえば、クルバートフという男は、もと農奴であったが、主人にしたがって外国へ行ったとき、印紙税のことを知った。帰国すると匿名(とくめい)の手紙でピョートルに「鷲(わし)」印紙を提案し、その結果、年三十...9-7-4税金の雨
2024/07/06 05:57