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埋草日記◎「どくとるマンボウ航海記」にキューブリック映画が登場していた
子供のころ読んで面白かった北杜夫「どくとるマンボウ航海記」中公文庫が【増補新版】として今年刊行。懐かしく、読んでみる。 霧の深いアントワープの港で足止めを食った若きマンボウ氏がたまたま映画館に入って映画を見るのだが、タイトルなどは出てこないがストーリーの紹介から、それがキューブリックの「突撃」であることがわかり、驚く。さすがは日本の頭脳・北杜夫だと思うのは、カーク・ダグラスが着ているのがフランスの軍服で、英語を喋っており、フランス語とベルギー語らしき字幕付きでの上映だったとのことなのに、ほとんどストーリーを理解しており、ラスト近くのみ話が不明であった旨が記されている。
週刊 読書案内 畑正憲「ムツゴロウの青春記」(文藝春秋・文春文庫)
畑正憲「ムツゴロウの青春記」(文藝春秋・文春文庫) 2023年、だから今年の春のことですが、作家の大江健三郎の訃報に続けて、ムツゴロウさんこと、畑正憲が亡くなったニュースをネットで見つけました。「
パラダイス山元さんの『パラダイス山元の飛行機の乗り方』、内田幹樹さんの『機長からアナウンス』と空の旅が続いたところで、お次は海の旅へ。北杜夫さんの『どくとるマンボウ航海記』(1960年/新潮文庫)を選んでみました。 マンボウ先生の処女航海 元精神科医であり、第2次世界大戦下のドイツを舞台にした芥川賞受賞作『夜と霧の隅で』(1960年)や、医者家系である自身の家族をモデルにした長編小説『楡家の人びと』(1964年)などで知られる作家の北杜夫さん。 数々の文学作品と並んで高い人気を誇るのが、エッセイ・シリーズ〈どくとるマンボウ〉で、今回取り上げる『どくとるマンボウ航海記』はその第1弾です。 椎名誠…