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  • ホラー? ミステリー? ジャンル分け不能の面白小説!『踏切の幽霊』

    踏切の幽霊 高野和明 文藝春秋 2022年12月10日初版発行 踏切に出現する幽霊の話であり、だから『踏切の幽霊』というタイトルの小説で、このタイトルが良いのか悪いのか。あまりにそのままで地味といえば地味。でもまあ、その地味さやカバーデザインのシンプルさを含め、良いといえば良い。 この小説を読もうと思ったのは「帯」に「『ジェノサイド』の著者、11年ぶりの長編」とあったからだ。 友達から薦められ、なんの予備知識もないまま読んだ『ジェノサイド』、実に面白かった。「人類絶滅の危機 アフリカに新種の生物出現」という情報がアメリカ大統領にもたらされるというのがプロローグ(あまりの情報に大統領は「なにこれ…

  • 埋草日記◎「フリースタイル 67 特集・江口寿史がしたこと」を読む

    「フリースタイル」という雑誌を定期購読している。A5判サイズおじさん向け年四回発行サブカル雑誌、といった感じの本。 最新号(といっても4月10日発行)の「67号」の特集は、昨年(2025年)秋に大いにネットを沸かせた炎上物件「江口寿史トレパク疑惑」に関する対談。江口氏本人と、知的財産の権利などに詳しいという友利昴さんという方によるもので、面白かった。私もSNSのXはいちおう見ているので、トレパク疑惑騒動と、その後の江口氏のイラストの元となった写真探しをする人々はチラリと眺めてはいた。 雑誌「フリースタイル」は、もともと江口氏の文章の連載をしているし、発行元は江口氏のイラスト版画を販売していたり…

  • 埋草日記◎『ものぐさ精神分析』の岸田秀が亡くなった

    『ものぐさ精神分析』の岸田秀が亡くなった。 筒井康隆ファンだったので、「精神分析」なるものに興味を持つことになり、高校生のころ新潮文庫で出ていたフロイトの『精神分析入門』や『夢判断』を読んで、実のところ何も理解できていないのにもかかわらず、なにやら分かったような気になるという、穴があったら入りたい状態の若者だった私だから、『ものぐさ精神分析』を読んだときは、本当にびっくりした。 もう40年以上前のことなので曖昧なのだけど、たしか橋本治のエッセイで紹介されているのを読んで、中央公論文庫で出ていた『ものぐさ精神分析』を購入したのだった。1980年ころだったと思う。様々なことが分かりやすく理論化され…

  • 埋草日記◎映画『箱の中の羊』がらみで綾瀬はるかのインタビュー記事を見つけたよ!

    ぼんやりビールを飲みながらパソコンでネットを見ていたりすると、いつの間にか時間がどんどん過ぎていて、こんなことばかりやっているうちに簡単に人生は浪費してゆくのだなあ、何も成すすべもなく、おれは間もなく死んでいくのだなあ、人生というのは実に虚しいものであることだなあ、などと絶望的な気持ちになるわけですが、そんなこと、ないですか? といったわけで、ぼんやりビールを飲みながらパソコンでネット見ていたら、先日見た映画『箱の中の羊』で主演していた綾瀬はるかさんのインタビュー記事を発見。 リンクを貼っておきます。←こちらをクリック。 雑誌『婦人画報』提供の記事のようだ。 監督に「音々は母親が嫌いだから、普…

  • 綾瀬はるか主演『箱の中の羊』の良かったところとは何か

    綾瀬はるか最新作『箱の中の羊』をシネプレックス旭川で観てきた。封切り直後の土曜日の昼の回、思ったよりも観客は少ないという感じ。大ヒットではないのか? 映画の紹介をネットでみると「息子を亡くして2年、建築家の音々と工務店の二代目社長を務める健介の甲本夫婦は、息子・翔の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる」といった感じの紹介で、まあ、そういう話だった。 『箱の中の羊』は、まだ公開して間がないので、内容には触れず、良かった点を挙げていこうと思う。多くの方に観に行ってほしい。 綾瀬はるかがとても良かった。 まず、綾瀬はるかは、とても良かった。この女優さんは、実はサイボーグ役が似合ったりするので…

  • 埋草日記◎『箱の中の羊』鑑賞直前に『A.I.』を観る

    綾瀬はるか最新作『箱の中の羊』が絶賛公開中で、私も明日、観に行こうと思っている。というわけで、スピルバーグの2001年作品『A.I.』をDVDで見た。 映画『箱の中の羊』は「息子を亡くして2年、建築家の音々と工務店の二代目社長を務める健介の甲本夫婦は、息子・翔の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる」ってものらしいけど、このプロットって『A.I.』じゃないか! 『A.I.』では息子は死んだわけではなく、難病のため人工冬眠中。で、その後、奇跡的に病気が治って本物の息子が復活したため、AIオスメント君は捨てられてしまう流れとなる。 ま、とにかく、冒頭、AIオスメント君の家族の中での「異物感」…

  • 新書『遊郭と日本人』で、吉原と志ん生師匠について思いを馳せる

    遊郭と日本人 田中優子 講談社現代新書 2021年10月20日初版発行 この本を読んでみようと思ったのは「吉原」のことを知りたかったからだ。落語初心者(←私のこと)が古今亭志ん生の落語なんかを聞き始めると、「吉原モノ」というか「女郎買いモノ」いったようなジャンルがあるということに気づく。 それらは「三枚起請」「明烏」「品川心中」「居残り佐平次」といったお話で(この文章を書くためにネットで検索していると、一般的には「廓話」と呼称するらしい)、聞くと「裏を返す」だの「待ちぼうけをくらう」だの、なんだか遊郭というところには様々なルールがあるらしい。そして、そういうのに精通していないと「粋」な遊び方は…

  • 「刑事コロンボ」を見る_5◎ホリスター将軍のコレクション

    ホリスター将軍のコレクション DEAD WEIGHT 放送◎米1971.10.20 日1972.9.24 90分フォーマット 犯人◎伝説の軍人 被害者◎軍の補給係の大佐 トリック◎トリックは無い。目撃者を懐柔 倒叙型ミステリードラマとして今作「ホリスター将軍のコレクション」を評価するなら、コロンボシリーズの中では不出来な作といえるだろう。 なんといっても致命的なのは、犯行の出来が悪い。 殺人は行き当たりばったりで、その後の処置も雑。凶器に関する犯人の嘘の証言はどう考えても矛盾している。あげく、それがラストの犯人逮捕のきっかけに至る。よくないよ。 といったわけで、「ホリスター将軍のコレクション」…

  • どうしても直木賞が欲しい! 恐怖小説『PRIZE』!

    PRIZE 村山由佳 文藝春秋 2025年1月10日初版発行 たぶん『PRIZE』という本を知ったきっかけは「本の雑誌」だったと思う。どうしても「直木賞」を獲りたい小説家を描く舞台裏小説、みたいな紹介のされ方だったはずで、興味を持った。 子供のころから筒井康隆の小説だけは読んでいたから、引っかかってしまったのだ。「直木賞」がらみの小説といえば、なんといっても『大いなる助走』ではないか! 筒井康隆『大いなる助走』は1979年に文藝春秋から出た。連載は「別冊文藝春秋」。地方の同人誌を舞台に小説は始まり文壇もろもろ裏話を面白おかしく戯画化したあげく、「直廾賞」というあきらかに「直木賞」をモデルとした…

  • 埋草日記◎この知ってる人は誰だったのか、の日々

    人の顔と名前が憶えられない。 年齢のせい、だけではないと思う。思いたい。若いころからダメだったのだ。 だから、映画を見ていて、「これ誰だっけ?」となる。 特に洋画を見ていて途中で人物が分からなくなり、したがって、物語が理解できなくなる。外人の顔などどれも同じに見えるのだ。おれ、映画を見るのが苦手なのでは、と思ったりする。 好きな映画をDVDで見直したりして、おお、この人はあの人だったか、と改めて理解が深まったりもするけど、そんなの最初から気づけよ、といったものなのかも。 先日も綾瀬はるか主演の映画『人はなぜラブレターを書くのか』で、事故で亡くなる重要人物の男子学生役、細田佳央太という人を、ああ…

  • 埋草日記◎はやく『べらぼう』見なきゃなあ、の日々

    綾瀬はるかが出演しているドラマは見る、というのを自らの基本ルールとしているのだが、ナレーション担当というのも見るべきなのか。 綾瀬はるかのやや甲高い声と特徴的なイントネーションは唯一無二の耳触り。特徴があり過ぎるので、演技が下手に感じるほど。だから、彼女にナレーションをオファーするというのは、慧眼なのではと思った。あの個性を生かせるのはナレーションかも。その手があったか。 そのドラマとは2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』。 脚本は森下佳子で、『JIN-仁-』『わたしを離さないで』『義母と娘のブルース』等を書いた人であるというから、まあ綾瀬はるかとの繋がりは大変に深い。綾…

  • 「刑事コロンボ」を見る_4◎指環の爪あと

    指環の爪あと DEATH LENDS A HAND 放送◎米1971.10.6 日1973.1.21 90分フォーマット 犯人◎探偵社社長 被害者◎新聞王の若き夫人 トリック◎計画的犯行ではないので特にないが、強盗に偽装 シリーズ化が決定した「刑事コロンボ」は「NBCミステリー・ムービー」という番組の中の一本として放映されることとなった。「警部マクロード」「署長マクミラン」「マッコイと野郎ども」などと週替わりで放映される形で、一か月に一本くらいの割合。1971年9月からのファーストシーズンに製作された「コロンボ」は7本である。 「構想の死角」に続いて放映されたシリーズ2作目の「指環の爪あと」は…

  • 埋草日記◎旭山公園で桜を見たり積雪を見たりのGW

    4月29日、昭和の日で祝日、ゴールデンウィーク初日、旭川地方は桜満開であり、花見に出かけた。旭川で桜の名所といえば「旭山公園」である。 本来のスケジュールであれば、この日「旭山動物園」も夏季営業開始だったのだが、例の事件の影響で営業していなかった。それでも動物園を含む旭山周辺の桜はちょうど満開の見ごろであり、多くの人で賑わっていた。 旭山動物園は地元の動物園なので、年間パスポートを購入し、自転車に乗って散歩がてら通っていた時期もあった。そんな身近な場所での事件だったので、思うところもあり、ブログ更新も再開させたことだし、京都府南丹市の男児遺棄事件報道ともからめて張り切って文章にしてみた。このブ…

  • 可愛い母としての綾瀬はるかを観よ「人はなぜラブレターを書くのか」

    主演映画としては「ルート29」以来だから一年半ぶりとなるのだが、その間NHKの大河ドラマ「べらぼう」のナレーション、連続ドラマ「ひとりでしにたい」があったから、あまり久々の感じはないけど、やっぱりスクリーンで綾瀬はるかを見られるのは嬉しい限り。ありがたやありがたや。 しかも監督は、もう巨匠といってよい石井裕也。とはいえ、「川の底からこんにちは」「舟を編む」くらいしか見ていないので、実はよく知らない。私的には、かつて満島ひかりの旦那さんだったという経歴がまっさきに浮かぶという、自分の俗人ぶりが微笑ましい。 さてさて、映画「人はなぜラブレターを書くのか」とても安心して観られる良作だった。 「奇跡の…

  • 困難を乗り越え、綾瀬はるか主演「人はなぜラブレターを書くのか」鑑賞への道

    大変な働き者である綾瀬はるか主演作「人はなぜラブレターを書くのか」が公開中である。さらに今月末(5月29日)には是枝監督の「箱の中の羊」公開が控えている。 といったわけで、映画「人はなぜラブレターを書くのか」をようやく観ることができた。 2026年4月17日公開であり、封切後すぐに観に行くつもりが、主に歯が原因となり叶わなかった。映画が公開された週末、若干歯が痛いなあ、とぼんやり思っていたら、突如高熱に襲われた。口腔内のばい菌が体内のどこかにある発熱スイッチを的確に押したらしく、まさに封切日17日金曜日の勤務中に具合の悪い実感があり、帰宅後に熱を測ると38.5℃の数値を叩き出した。これはいかん…

  • テレビドラマデイズ2025◎新宿野戦病院

    フジテレビ系で昨年(2024年)放映され、録画しっぱなしだった宮藤官九郎の脚本ドラマ『新宿野戦病院』をようやく、いまごろ(全然忙しいわけじゃないのに)見終わった。 で、観たら、これがまあ、とても面白く、ここに感想でも残そうか、という気分になった次第。いまさら『新宿野戦病院』が面白かった、って言われてもねえ、だろうけども。 クドカンは同年2024年にTBS系で放映された『不適切にもほどがある!』が大いに注目され(なぜか流行語大賞)、こちらも視聴したのだが、私的な好みでは断然『新宿野戦病院』に軍配があがる、だった。 とにかく主演の小池栄子が素晴らしい。 かつて(かなり前だけど)小池栄子の雑誌グラビ…

  • 埋草日記◎札幌のシアターキノへ初訪問

    筒井康隆原作の映画『敵』は吉田大八監督作品であるにもかかわらず、旭川の映画館での上映予定が無く、仕方がないので札幌へ行くことにした。 映画『敵』の北海道での上映は札幌と苫小牧と釧路の三か所のみ。もっとも行きやすいのは札幌のシアターキノということになる。 札幌へ行くのはかなり久々。ほとんど行ったことがない。だから右も左もわからない。 JR旭川駅で切符を買う。JRに乗るのも久しぶりなので、チケットを買うこと自体おっかなびっくりという有様だが、なんとか平然を装い自動販売機を駆使し、旭川ー札幌往復5,550円(Sきっぷ)を手中に収めることに成功。特急自由席は座ることができてほっとした。1時間20分で札…

  • 『敵』は遠い日の花火ではない。すぐ近くまで来ている! 映画『敵』について

    筒井康隆原作の映画『敵』が公開された。 原作ファンで、しかも吉田大八監督ファンでもあり、わざわざ札幌へまで赴き、シアターキノで観てきた。 けっこう原作どおりなのに、ちょっと驚いた。決して映像化に適した小説ではないと思っていたし、原作ファンとして映像化は無理であり、すなわち小説でしか味わえない「この感じ」が大好きなのだ、と思っていたからだ。 映画『敵』の公式ページに掲載されている筒井康隆氏のコメントは「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた。 登場人物の鷹司靖子、菅井歩美、妻・信子の女性三人がよく描き分けられている。よくぞモノクロでやってくれた。」…

  • ひとでなしコメディ「下妻物語」の面白さとは何だったか

    映画「下妻物語」(2004年)は映画館で見ていない。 初めて見たのはビデオだったかDVDだったか。たいへん驚いた。なんて面白いのだ! 大傑作だ! といったわけで、中島哲也という人の名前を覚えた。 その後、「嫌われ松子の一生」(2006年)をビデオかDVDで見て、「告白」(2010年)、「渇き。」(2014年)は映画館で見た。それらは実のところ、なにか期待どおりではないような印象だった。とても「上手い!」という感じはするのだが、「下妻物語」を見た時のような「すげえ面白い、なんだこれ」って感じがしないんだよなあ。中島映画最高傑作は、やはり「下妻物語」なのか? 「下妻物語」はジャンルとしては「コメデ…

  • 「私にふさわしいホテル」の山の上ホテルはのんにふさわしいのか!

    能年玲奈ことのん主演の「私にふさわしいホテル」をようやくイオンシネマ旭川駅前で観た。まだ公開されていないと思い込んでいて、上映館を調べたら既に先月から公開で、間もなく上映終了となっているではないか。あわわわ、慌てて観に行った。 とはいえ、期待は薄かったのだ。 監督が堤幸彦で、私はいまだにこの方をテレビドラマ「ケイゾク」演出の人という認識で、映画作品は「ケイゾク」と「イニシエーション・ラブ」くらいしか見ていない。「ケレンミ」の方、という印象だった。 「私にふさわしいホテル」は小説家に関するコメディであると聞いていたので、わりと軽めの喜劇と想像し、のんのキュートさを楽しめれば満足、くらいの気持ちで…

  • 埋草日記◎2024年大晦日の矢野顕子の蛍の光

    やっぱり(?)年末のテレビといえばNHK紅白歌合戦。特に熱心に見るわけではないのだけれど(大半の出演者が未知の方だし)、毎年少しくらいは見ている。でも2024年はほぼ見なかったなあ。 気になっている出演者はいたのだ。 まず一人目は、新浜レオンという方。その人のステージに木梨憲武と所ジョージが出演するらしいじゃないですか。そんなわけで、その場面を見ようと思ってテレビをつけたら、水森かおりとドミノ倒しのコラボという謎の場面だった。ネットで紅白歌合戦のタイムスケジュールを調べると、とっくに新浜レオンの出番は終了しているらしい。しまった! 見逃してしまった、と自分の計画性の無さに呆れ、ぼんやりする始末…

  • 埋草日記◎旭川から富貴堂の店舗が消える日

    先日何気なく立ち寄った富貴堂豊岡店の入口に、2025年2月に閉店する旨の貼り紙があった。来るべき日が来たのである。 旭川を代表する書店だった富貴堂(ホームページによれば大正3年創業とのこと)は、手塚治虫を旭川に招いてサイン会および講演会を行うなど、旭川の文化の一翼を担っていた存在であった。手塚治虫が3条にあった本店に現れた際の店内の熱気は、いまでも覚えている。 その後富貴堂はビデオレンタルのTSUTAYAと提携し、私は主に南六条店でビデオやDVDを借りていたのだが、数年前に閉店。つい先日の2024年の11月には末広店が閉店したばかりで、残るのは豊岡店だけになってしまった。 1970年代後半、私…

  • 埋草日記◎旭川あるいは日本のスクリーンで見られない映画について

    以前、筒井康隆原作、吉田大八監督「敵」を楽しみにしている旨をこのブログに載せた。 書店には映像化される書籍を陳列するコーナーがあり、ああ、これ映画化するのか、とか、ドラマになるのか、などと、眺めるのが楽しみなのだが、このコーナーに、近いうち筒井康隆の新潮文庫「敵」も並ぶのだなあ、と考えていた。 だがしかし、並ばないのである。何故? 公開はまだ先か? そもそも映画化って現実だっけ。 不安になってネットで検索すると公開は2025年1月17日で、そんなに遠い未来の話ではない。となると、そうとうに小規模な公開であり、書店の棚を賑やかにするほどのこともない、という扱いなのだろうか。 現在、旭川には2つの…

  • 埋草日記◎『セーラー服と機関銃』『探偵物語』で薬師丸ひろ子三昧な日々を

    ブログ『続・新装 原達也の映画日誌2024年 好きな音楽の事 レトロ漫画&プロレス』を愛読しており、先日、そのブログで薬師丸ひろ子『セーラー服と機関銃』について書かれているのを読み、私も約40年間見ていないな、と気づき、TSUTAYA店舗でDVDを探した。 たいていの場合、レンタルDVDを借りる際は2枚同時に借りる。毎日のようにレンタル店に通っているわけでないから複数枚借りたほうが効率的だし、だからといってレンタル期間は一週間なので多過ぎると思わぬ予定の発生で、見られぬまま返却する羽目に陥る。 私の緻密な計算によれば、2枚が安全だ。 しかも1枚のみ借りるなら「この映画だけが、そんなに見たいのか…

  • 綾瀬はるか主演「ルート29」は令和の「キッドナップ・ブルース」か

    久しぶりに綾瀬はるか主演映画が公開された。「ルート29」というタイトル。 私は昨年(2023年)夏、「リボルバー・リリー」を見た感想をこのブログに記す際、以下のような意味のことを書いた。 「ホリプロの稼ぎ頭・綾瀬はるかは、ヘタな企画には参画できない立場である。興味があっても、尖ったマイナー受けする企画には手が出ないはず」 ところが、その後日、2022年の映画「はい、泳げません」をDVDで見て、自分の考えが間違っているのを知った。 映画「はい、泳げません」は、泳げない長谷川博己をコーチする「水着姿の綾瀬はるか」を堪能するコメディ映画、と思って見始めたのだが、全く違う内容だった。いや、「はい、泳げ…

  • 「刑事コロンボ」を見る_3◎構想の死角

    構想の死角 MURDER BY THE BOOK 放送◎米1971.9.15 日1972.11.26 90分フォーマット 犯人◎二人組ミステリー作家の書いていない方 被害者◎二人組ミステリー作家の書いている方 トリック◎殺害現場の偽装 もともと舞台劇だったのものをテレビドラマ化した「殺人処方箋」、そしてパイロットフィルムとして製作された「死者の身代金」を経て、いよいよシリーズ化が決定した「刑事コロンボ」の記念すべき初回放映が「構想の死角」である。 そして初回なのに、名作ドラマシリーズ「刑事コロンボ」の中でも、もっとも優秀なエピソードと呼び声高いのが「構想の死角」である。文字どおりの傑作中の傑作…

  • 「マジック・イン・ムーンライト」人生にロマンチックは必要か

    エマ・ストーンが出演するウディ・アレン監督映画「マジック・イン・ムーンライト」をDVDで見た。2014年の映画で、傑作「ブルージャスミン(2013年)」の次の作品ということになる。 中国人に扮するイギリス人マジシャンは芸は一流で人気者だが、性格が悪く皮肉屋で他人に厳しく常に文句ばかりを口にする嫌われ者。唯一の友人からひとつの相談を受ける。怪しげな霊能力者のトリックを暴いてくれというのである。富豪の家族に降霊術で取り入っているスピリチュアルな女がいるとのこと。 マジシャンは超現実主義者であるから、霊能力など、はなから莫迦にしている。そして、怪しいトリックを見破るのが大の得意。皮肉屋マジシャンを演…

  • 埋草日記◎東神楽町複合施設はなのわ 文化ホール花音 こけら落とし公演「落語会」を見る

    2024年11月10日(日)東神楽町複合施設はなのわ 文化ホール花音 こけら落とし公演第3弾「落語会」が開催された。 北海道旭川市の隣町の東神楽町は、旭川空港のある町で、今年役場が「複合施設はなのわ」としてリニューアルされ、文化ホールが新築された。これまで、物真似のコロッケがコンサート行ったりしていたのだが、今回「落語会」なるものが行われ、観に行ってきた。 ちなみに「東神楽町複合施設はなのわ」の設計は、東神楽町出身の建築家・藤本壮介氏であるが、この方は、来年開催の万博の会場デザインプロデューサーを担当している方である。 「東神楽町複合施設はなのわ」は「わ」を名乗るだけあって、町の様々な施設を「…

  • 埋草日記◎筒井康隆が老人ホームに入所! との週刊ポストの記事を読む

    いつものようにぼんやり新聞を眺めていたら、週刊ポストの広告の見出しに「筒井康隆 老人ホーム」みたいなのを発見。 書店で週刊ポストを立ち読みし、軽くショックを受ける。 お元気だと思っていたのに! ちなみに検索したら、ネットでも全文が読めた(いくつかの広告を見なければならないが)。 ちょっと前まで、筒井氏の近況は新潮社のPR雑誌「波」の巻頭の連載で把握できていた。 筒井さんが昔からやってる日記スタイルの連載で、美食の詳細を綴っていたのだ。ナントカホテルのレストランで食事をして約9万円支払ったり、高級スーパーで2万円分の食料を買い込んで、一晩で奥さんがそれを食べてしまったりする、といった記述が延々と…

  • 「女王陛下のお気に入り」女3人の足の引っ張り合い? よくはわからぬがエマ・ストーンを見るのだ!

    エマ・ストーンが出ているという理由で観に行くことにした映画「哀れなるものたち」(2024年2月公開)の予習として、ヨルゴス・ランティモス(という奇妙な名前の)監督のひとつ前の作品「女王陛下のお気に入り」は、見ておいたほうがよいだろうと考えていた。エマ・ストーンが出ているからだ。 ところがいつものDVDレンタルの店舗へ行ったが見当たらず、結局見ないまま「哀れなるものたち」を先に見てしまった。凄い映画だったなあ「哀れなるものたち」。 現在、ほぼ世界のトップ女優の地位にあると思われるエマ・ストーンがここまでやるのか、っていうか、ここまでやるから世界のトップ女優なのだろうか。いやはやなんとも。 そうい…

  • 事件前に山上徹也が描いていた“絵”とは何か「『山上徹也』とは何者だったのか」を読む

    「山上徹也」とは何者だったのか 鈴木エイト 講談社α+新書 2023年7月19日初版発行 「山上徹也」が安倍晋三元首相を銃撃したのは2022年7月8日、参議院選挙中だったこともあり、衝撃は大きかった。さらに、その後に驚かされたのは、安倍元首相への攻撃の動機が「統一教会」であったことだ。「安倍」と「統一教会」? 当初の報道によれば、「容疑者は安倍元首相がこの団体とつながりがあると『思い込んで』狙った」というものだった。単純な私は「思い込んでしまっての犯行だったのか」と文字どおりにうけとっていた。 私の感覚が世間一般に近いのかどうか確信は持てないが、統一教会という物件は過去のものだと思っていた。そ…

  • 小林信彦ラストコラム「映画が目にしみる 増補完全版」はニコール・キッドマン作品多め

    映画が目にしみる 増補完全版 小林信彦 文春文庫 2010年11月10日初版発行 小林信彦が1989年から中日新聞紙上に連載していたコラムが2007年はじめに終了し、文庫本になっていなかった単行本「コラムの逆襲」「映画が目にしみる」の2冊から映画関係の記事をピックアップした文庫本が「映画が目にしみる 増補完全版」である、といったことが、あとがきに書いてある。 文庫本なのに本文2段組みで詳細な索引が付いて総ページ数530超というすごいボリューム。帯には「小林信彦 最後の映画コラム集」とある。 この本に収められているのは1999年から2007年まで。この時期の小林先生はニコール・キッドマンのファン…

  • 「刑事コロンボ」を見る_2◎死者の身代金

    死者の身代金 RANSON FOR A DEAD MAN 放送◎米1971.3.1 日1973.4.22 120分フォーマット 犯人◎野心家の女性弁護士 被害者◎その夫の大物弁護士 トリック◎殺害後の偽装誘拐 コロンボをシリーズ化しよう、との話が出て、テレビ局側がパイロット版の製作を要求してきたことで誕生したのが、刑事コロンボ第2話「死者の身代金」。もともと舞台劇だった「殺人処方箋」と違い、はじめからテレビ用ドラマ(この当時なら、作り方は映画とほぼ変わらないだろうけど)として構想された「死者の身代金」は、小型飛行機での身代金の受け渡しシーンなど、ダイナミックな映像的見どころが随所に用意されてい…

  • 埋草日記◎筒井康隆の小説「敵」が映画化!

    ぼんやりネットを眺めていたら、「筒井康隆の小説『敵』が映画化」ってのを発見! しかも監督は「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八! 2025年1月17日公開であるとのこと! 私は筒井さんの小説のファンで、「敵」は筒井作品の中でも特に好きな作品のひとつであり、さらに吉田大八監督の映画もお気に入り。 ただ、今回のニュースを聞いて率直に不安を感じる。はたして小説「敵」を映画にして面白くなるのか? 筒井さんの作品のほとんどは、映画化に向いていない。「敵」もその中の一つだと思う。 小説「敵」は、退職した元大学教授75歳の生活を仔細に描いた老人小説である。明確なストーリーが無いというか、あるといえばあるとい…

  • 筒井康隆老人小説「敵」元大学教授の優雅な生活を詳細に描く

    「敵」 筒井康隆 新潮社 1998年1月30日 発行 1997年8月4日脱稿 とある。 筒井康隆14年振りの書下ろし、と帯に銘打たれた長編小説「敵」は1998年、新潮社から発行された。筒井氏の断筆解除が1997年のことで、だから「敵」は部分的には断筆中に執筆されたものと推測される。 小説「敵」は、退職した元大学教授75歳の生活を、仔細に描いた老人小説。 発刊時、筒井さんは64歳。帯に著者近影なのか筒井さんの写真が載っているが、これが完全に老人のコスプレとなっているのが、一種の仕掛け。当時、発売されてすぐに読んだので、当然そのときには内容も知らず、だから、最初にその写真を見たときは単純に「筒井さ…

  • 「刑事コロンボ」を見る_1◎殺人処方箋

    殺人処方箋 PRESCRIPTION:MURDER 放送◎米1968.2.20 日1972.8.27 120分フォーマット 犯人◎精神分析医 被害者◎その妻 トリック◎共犯者が被害者を演じるアリバイ工作 テレビドラマ「刑事コロンボ」の第一作目とされる「殺人処方箋」は単発ドラマの枠で放映されたものなので、オープニングのタイトル映像のスタイルが、後のシリーズ化されてからのものと、まったく違う。シリーズ化後は物語発端の映像にタイトル文字「COLUMBO as Peter Folk」が、あくまでもさりげなくかぶるシンプルなものだが、「殺人処方箋」のオープニングタイトルは精神分析の試験に用いられるロール…

  • 他人(ひと)は何を考えてるのか、わからないという映画?「よこがお」

    筒井真理子が美容院へやってくるというのがファーストシーン。池松壮亮が演じる美容師を指名する。会話の中で「仕事を辞めたので、気分を変えるために髪を変えたくて」といったことを話していたはず。 次のシーンでは、筒井真理子が高齢者の女性を介護している。どうやら介護されているのは画家らしく、場所は女流画家の家。同じ部屋で介護を手伝っているのは画家の孫のようで、演じているのは市川実日子。 市川は介護のために訪れる筒井と親しくなっていったらしく、喫茶店で一緒に介護の勉強をしているシーンが現れる。筒井真理子は優しく気の好いオバチャンの雰囲気で、市川実日子の高校生の妹(小川未祐)も仲良く一緒に喫茶店で宿題を始め…

  • 豪華な俳優陣が次々登場「ある男」を贅沢に楽しむ

    映画「ある男」をDVDで見た。俳優陣が豪華なのに驚いた。 まず、安藤サクラが登場する。地方の文房具店で働いている。彼女には小学生の息子がいて、その幼い弟が難病で亡くなり、離婚して、実家の文房具店にいるといった設定らしい。 そこに窪田正孝が演じる流れ者の男がスケッチブックを買いに訪れる。窪田正孝は暗いけど、優しい性格であるようで、安藤サクラと次第に親しくなる。また、地元の林業に携わる流れ者の男は、少しずつこの地域に受け入れられていく。やがて事件が起き、安藤サクラはかつて世話になった弁護士・妻夫木聡に人探しを依頼することになる。妻夫木聡が登場すると、映画は、この弁護士を主人公とした話にスイッチする…

  • 埋草日記◎NHK連続テレビ小説「おむすび」で橋本環奈を心配する

    老化現象のひとつに「若い人の顔が全部同じに見える」というのがあるようで、となると、若いころから人の顔が覚えられない私など、還暦を過ぎ「若い人の顔が全部同じに見える」どころの騒ぎではない。だから、たぶんCMなどで日常的に目にしているはずの橋本環奈だが、先日始まったNHK連続テレビ小説「おむすび」を見るようになって、はじめて橋本環奈を見たような気持ちになっている始末である。 1000年にひとりの逸材と称されていた、というのは認識できているのだが、いままでキチンと見た記憶がないのである。主演映画を見ていないし、ドラマも見ていない。もしかすると、見てるのに単に記憶がないだけかもしれない(まさに老化現象…

  • 傑作ミステリーとの噂は常々耳にしていた「葉桜の季節に君を想うということ」は如何にして私を騙したか

    葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午 文春文庫 2007年5月10日初版発行 単行本2003年3月発行 いちおうはじめにお断りするが、もちろんメインのトリックには触れません。しかし、感想を述べる際にトリックをほのめかす結果となる場合もあろう。なので「葉桜の季節に君を想うということ」をこれから読もうと思っている方は、以下は読まないで! っていうか、「きっとあなたは騙される」系の小説である「葉桜の季節に君を想うということ」は叙述トリックのミステリーであり、ネタバレ紹介は営業妨害であろう。 っていうか、この小説は「叙述トリック」である、といったレッテル自体が「ネタバレ」ではあるが、まあ、このご時…

  • いしいひさいち好きなので、ジブリアニメ「ホーホケキョ となりの山田くん」をいまさら見る

    ジブリアニメ「ホーホケキョ となりの山田くん」をレンタルDVDで見た。 あたりまえの話だが、漫画家いしいひさいちは絵が上手い。ラフな線でありながらとても美しいと感じる。そして、このアニメは、その流麗な絵の雰囲気のままに動いている感じ。無造作な線とシンプルな背景がアニメになっている、というのは、素人目にもすごい技術なのだろうなあ、と思うが、四コマ漫画の世界を長編映画にするというのは、少々キビシイのではないか、とも感じた。 そういえば思い出したが、いしいひさいちを一気に有名にした「がんばれ!タブチくん」もかつてアニメで劇場公開されていた。もう大昔だが、2本立ての同時上映が謎のホラー映画「ファンタズ…

  • 埋草日記◎映画「バービー」をDVDで見たけど、実はよくわからなかった

    フェミニズムというものが何か、が実はよくわかっていない私である。 そんな体たらくだから、映画「バービー」は何も考えずに楽しめる、というわけにはいかない。 マーゴット・ロビーは相変わらずのブロンド美女っぷりであるが、この方、なにか「正統派」という気がしないのはどういうわけか。そもそも認知したのが「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役という一種のキワモノだったせいか? だけど映画「バービー」の主演と聞いた際は、確かに今バービー人形の映画を作るのなら、それを演じるのにピッタリっていえば、マーゴット・ロビーをおいてほかにはいないよなあ、といった印象を持つ。やっぱりアメリカンな金髪美女代表はマー…

  • 映画「LOVE LIFE」は矢野顕子の曲が原作なのか?

    深田晃司監督の映画は「ほとりの朔子」「淵に立つ」の二本を見ている。どちらも面白かった。 矢野顕子の「LOVE LIFE」は発売当時にCDを買い、よく聴いていた。深田監督もこのアルバムが好きらしく、触発されて映画「LOVE LIFE」を作ったとのこと。アルバム表題作「LOVE LIFE」はおだやかな優しい曲だ。発売は1991年のことで、映画「LOVE LIFE」が2022年というから、なんと30年以上前の曲ということになる。 さて、映画「淵に立つ」などは容赦のない不穏な映画といった記憶だけに、優しさにあふれた矢野顕子「LOVE LIFE」の世界と深田映画とはイメージが合わないというか、いったいど…

  • 埋草日記◎つかこうへいの小説「寝取られ宗介」を再読する

    ずいぶん久しぶりに、つかこうへいの小説を読んだ。「蒲田行進曲」で直木賞賞を受賞したつかこうへいが、受賞後第一作として発表した「寝取られ宗介」だ。1982年に小説として発表された作品。 つかこうへいの小説をすべて読んでいるわけではないが、読んだ中では一番好きな小説が「寝取られ宗介」である。 「寝取られ宗介」のどこが好きなのかを考えてみる。なんといってもラストの盛り上がりが素晴らしい。 劇団の音響係の青年が病床の妻に宛てた手紙という形式の小説なので、メインの話となる座長と妻レイ子の愛の物語、そして音響屋の妻への愛がラストで交差し、交響曲的な大音響を響かせるのである。 演劇的な「盛り上がり」でしか生…

  • 埋草日記◎北海道新聞が一日遅れて配達された

    まあ、以下は、他人の小さなミスをあげつらうようなセコい文章になるのだが、備忘録として記す。 先日、けっこう衝撃的(あくまで私的に)な事態が発生。金曜日のことだが、朝、郵便受けから新聞を取り出そうとして、いままでに感じたことのない違和感を覚えた。なにかが変! 毎週金曜日には「ななかまど」と題された新聞の別冊的なもの(ちょっとした生活情報や求人などを記載)が折り込まれるのだが、それとチラシしか入っていない。本体であるこの日の新聞がない。折り込みだけが投函されている。 そんなことがあるだろうか。いや、ない。 配達の方が「つい、うっかり」たまたま私の家だけ、チラシのみを配ってしまったに違いない! うっ…

  • 埋草日記◎DVDで「ケイコ 目を澄ませて」を見る

    レンタルDVDで「ケイコ 目を澄ませて」を見る。 生まれつき耳に障がいを持つ女性ボクサーの物語。とても淡々とした映画だった。 ボクシングの練習風景や普段の仕事であるホテルの清掃の様子、そこでの仲の良い従業員や後輩との何気ないやり取り、同居する弟やその恋人との日常生活、聴覚障がい者の友人たちとの食事シーンなどなど、これらが淡々と描かれる。 見ていると、自然とヒロイン「ケイコ」を応援したくなる。だから、嫌な展開になったりして主人公が過度に傷ついたりしたら嫌だなあ、と思って見ることとなる。まあ、この映画を見たたいていの人は、そうなるのだと思う。 異様にあっさりしたラストを見終わって、ちょっと調べてみ…

  • 埋草日記◎12,600円で中古PCを購入

    ブログ用文章を書くのを趣味としているが、ときに書くこと自体が苦痛となり、長期的にブログのアップが滞るといったことを、ここ数年繰り返している。 昨年秋に、同様の事態となり、このときは、それまで快調に使用していた1万円くらいで買った中古PCが突如不調となった。2年間くらい使用していたもので、まあ、いまどき1万円くらいの中古PCが、約2年間、便利に使えていたというのは、あたりが良かったと考えるべきか。1年5000円ほどの消耗品だったという計算になるが、これは果たして高いのか安いのか。 ほかにも古いPCが手元にあり、こちらでテキストは打てるのだがネットに繋がらず、だからブログをアップするには、テキスト…

  • 埋草日記◎「エイリアン:ロムルス」を見る

    「エイリアン」の新作が公開されたというから、シネプレックス旭川へ観に行った。「エイリアン」シリーズを見に行ったつもりだが、映画はいきなり「ブレードランナー」みたいな雰囲気で始まり、ゾクゾクした。そして、舞台が宇宙船へと移ると、もう過去作の「エイリアン」シリーズの面白かった場面の再現やらオマージュが次々展開し「エイリアン祭」開催中! といった様相。まあ、楽しいですよ、それは、怖いけど。 「エイリアン」シリーズ1~4はすべて違う監督が担当していて、その後「プロメテウス」「コヴェナント」を御大リドリー・スコットが監督。今回は「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレスが脚本と監督を務めた。 「エイリアン…

  • 埋草日記◎北海道新聞の夕刊が休刊でビックリ

    ここ旭川で、「新聞」といえば「北海道新聞」を指す。 「昨日の新聞の一面でも記事になってましたもんね」と、いえば、その一般名詞「新聞」は「北海道新聞」のことであり、そのほかの新聞を指す場合は、例えば「読売新聞」であるとか「東京スポーツ」であるとか、固有名詞で説明しないといけない。 それくらい「北海道新聞」は圧倒的な支持を得ているのだが、9月1日の朝刊に9月末で「夕刊を休刊とする」との告知が載っていて吃驚した。 しかし、冷静に考えれば、そんなことは当たり前の流れであって、驚くに値しない。 ちなみに私は朝刊のみしか取っていないので、まったく影響がない。なぜ朝刊のみかといえば、料金を安く済ませようとい…

  • この自虐を笑えるか!「喜劇 愛妻物語」

    驚いた。 タイトルとキャストから、ほのぼのしたホームドラマだと思って見たのだった。若干、違うかもしれないとの予感もあったのだけど、ほぼ何も知らずに、「感」で借りたDVD「喜劇 愛妻物語」。 売れない脚本家と、それを支えるパート従業員の妻、5歳の娘。モノになりそうな映画化シナリオ執筆のため、香川へ取材旅行に行くこととなった主人公(濱田岳)だが、車の免許が無いために妻(免許所有者・水川あさみ)と子供を連れ、家族旅行を兼ねるというのが、大まかなプロット。とにかく全編にわたり、水川あさみがダメな夫である濱田岳を罵倒し続け、見ている方も、あまりにダメな濱田岳の体たらくに、それも仕方ないかもしれないなあ、…

  • もっと荒唐無稽だったら傑作?「リボルバー・リリー」

    私は、ある時期から、綾瀬はるか主演のテレビドラマは、ほぼ無条件で観るように心がけている。なぜなら、綾瀬はるかが好きだからだ。しかし、主演「映画」となると、けっこう見逃している。私にはなぜか、綾瀬はるか主演映画って、あまり面白そうに感じないのだ。これは私の独断に過ぎないはずだが、綾瀬はるかは、いわゆる「作品に恵まれていない」のではないか。 しかし、映画館で「リボルバー・リリー」の予告を初めて見た際、「おお、これは」と興奮。この映画、おれのために作られたのではないか。そんなわけで、イオンシネマへ観に行ったのだけど、逆に不安要素も感じていた。日本のトップ女優とはいえ、わざわざお金を払って「綾瀬はるか…

  • 天才黒人ピアニストとイタリア系あんちゃん、南部への旅「グリーンブック」

    物語は1962年のニューヨークから始まる。 主人公トニーを演じるのは「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」のヴィゴ・モーテンセン。トニーは、腕っぷしの強くって、ちょっと強面って感じで、ぴったりなキャスティング。教養が無くガサツで短絡的だけど、友達がいっぱいいて、奥さんと家族を愛する下町の気の良い兄ちゃんがそのまま大人となった感じ。 一方のドクは黒人のくせにアレサ・フランクリンを知らず、フライドチキンも食べたことがないという変人の天才ピアニスト。 失業中のトニーがドクに雇われ、運転手兼ボディガードとして、差別の残る南部へ演奏旅行に出掛ける、というのが主なお話で、いわゆるバディ…

  • 初期スカーレット・ヨハンソンを見よう!「真珠の耳飾りの少女」

    一幅の絵のようだ、って表現があるけれど、そんな感じがずっと続く映画であった。 ま、単に、「ゴーストワールド」を見て、そのころの「初期」スカーレット・ヨハンソンの映画を観てみようと思ってDVDを借りたのが「真珠の耳飾りの少女」だったわけで。そんなだから、はなから物語になど、たいして期待していなかったのだけど、まさにそういう映画だった。 17世紀のオランダ、貧乏家庭の少女グリートは奉公へ出ることとなり、そこは画家フェルメール家であった。使用人としてさまざまな家の仕事をこなすグリートには色彩に関する才能があり、フェルメールは少女を助手のように扱い始める。そこで繰り広げられる、意地悪、いじめ、嫉妬、愛…

  • 筒井康隆断筆解除作「邪眼鳥」は難解

    邪眼鳥 筒井康隆 新潮社 1997年4月25日初版発行 1300円+税 筒井康隆氏の断筆解除後に出た短編集「エンガッツィオ司令塔」を先日再読した影響で、断筆解除作「邪眼鳥」が気になり、こちらも再読することにした。 「邪眼鳥」の出版は、世間的にも、私にとっても、ちょっとした事件だった。ようやく筒井氏の断筆が解除され、表紙にもでかでかと「復活第一作!!」と謳われ、3年半ぶりに新作が読めるということで、前のめりで読んだ記憶がある。もう25年も前のことなのだなあ。 「顔のある者がいない。」というかなり印象的な書き出し。そこでは、富豪・入谷精一の通夜が営まれ、残された若き美貌の未亡人に注目が集まっていた…

  • 周囲なんかと馴染まず毒づけ!「ゴーストワールド」

    10年くらい前に一度見ている「ゴーストワールド」だが、久しぶりに見てみようと思い、TSUTAYA豊岡で借りてきた。むむっ、こんなに面白かったっけ。見ているあいだ、ずっと心がザワザワする。素晴らしい。傑作だ。アメリカのコミックを原作とした2001年のアメリカ映画。 高校を卒業したけど進学もせず就職もせず、街で悪ふざけをする女の子二人組が主人公。ゾーラ・バーチとスカーレット・ヨハンソンが演じている。 この二人は、たちが悪い。 周囲と馴染めず、まわりがみんな馬鹿に見えるという思春期にありがちな自意識過剰状態で、身近なダサイものとかダメなものを徹底的に笑おうという性格の悪さ。すでにすっかり笑われる側の…

  • 岡田准一の凄腕殺し屋コメディ「ザ・ファブル」

    かっこいい俳優として岡田准一を認識したのは、たぶんクドカンのテレビドラマだ。映画版の「SP」を見た際にアクション俳優として記憶に刻んだのだと思う。2022年の映画「ヘルドッグス」でも迫力の殺しっぷりで、たいへんよかった。 そんなわけで、コメディ「ザ・ファブル」は、気軽に見られ、かつ岡田准一のアクションも凄そうだから、ヘヴィーなものは見たくない今夜観るのによいのでは、とDVDを借りた。 伝説の殺し屋「ファブル」が、ボスから一年間誰も殺さず普通の一般人として生きよと命じられ、大阪で生活する様子を描くお話だ。 岡田准一はコメディ演技もうまいし、共演の方々も皆よい。 狂犬的なチンピラを柳楽優弥が楽しそ…

  • 伝説のその後をいかに描くか「ゴーストバスターズ/アフターライフ」

    オリジナルの「ゴーストバスターズ」(1984年)は特大の大ヒットだった。なぜあれほどビル・マーレイに人気があったのだろうか。不思議だ。レイ・パーカーJr.の主題歌も大ヒットで、有名人がいっぱい出るミュージックビデオもよく目にした。シガニー・ウィーバーのセクシー演技も大評判。私は若く、日本の景気も良く、明るい80年代を象徴する映画といってよいと思う。時は流れてあれからもう40年近く経ったのである。感無量。私は老い、日本の景気は悪い。 続編「ゴーストバスターズ2」は1989年公開で、今回DVDで見た「ゴーストバスターズ/アフターライフ」はその「2」の続編にあたるというわけか。 人気シリーズであるか…

  • 筒井康隆断筆解除短篇集「エンガッツィオ司令塔」の強烈

    エンガッツィオ司令塔 筒井康隆 文春文庫 2003年4月10日初版発行 524円+税 単行本2000年発行 筒井康隆が断筆したのは1993年9月で、断筆解除は1996年末。作品の発表は翌1997年の「邪眼鳥」で、この単行本の発行は1997年4月。短篇集は、新潮社の雑誌に書いたものをまとめた「魚籃観音記」と、文藝春秋社の雑誌掲載作をまとめた「エンガッツィオ司令塔」が、それぞれ2000年に出ている。どちらも出てわりとすぐに読んだと思うが、もうすっかり内容は忘れていて、なかでも北朝鮮の首領様(当時であるから金正日)をモデルとした「首長ティンブクの尊厳」という作品が、すでに題材からヤバくて、そもそもこ…

  • インディ・ジョーンズ・パロディとしての「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」

    映画を観て、単純に「ああ面白かった」と幸福を感じた記憶No.1は1984年の「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」だ。確か新宿かどこかの比較的大きな満員の映画館で観た。娯楽映画であるから劇場は適度にざわついており、観客は大いに笑い且つ驚いていた。一作目「レイダース」と同様パラマウントのマークからおどろおどろしく始まる見せかけてのミュージカルオープニングに心を掴まれた。あとはもう解毒剤の争奪戦からトロッコまで「楽しい」の連続だ。満員なので私の両隣にも客が座っていて、それは左右どちらも男女カップルで、中盤、突如悪者が姿を現すショックシーンでは軽い悲鳴とともに私の両隣の女性が左右それぞれの連れの方へ凭…

  • どのように見たらよいのか良くはわからぬ「プロミシング・ヤング・ウーマン」にシビれる

    キャリー・マリガンは好きな女優だ。だから、見逃していた「プロミシング・ヤング・ウーマン」をDVDで見た。わざと酔ったふりをして、お持ち帰りされ、いよいよというところで鉄槌を下すという、危ない(?)女性をキャリー・マリガンが演じている。 ちょっと前の時代のアングラアート映画を思わせる画面作りが随所にみられるのが面白い。特にタイトルの出るところ。チープな手書き文字でタイトルが出て、裸足で歩くヒロインが変な迫力。あるいは中盤で、ヒロインがブチ切れて、暴言を放った男の車をボコるシーンでの、回転するカメラと通過する貨物列車のショットにシビれた。 若い女性監督の長編一作目というこの映画、扱っているテーマは…

  • 埋草日記◎労働力調査ふたたび

    先月、総務省の「労働力調査」というのに答えてくれと、町内の知らない方から依頼を受け、ネットで回答した。この「埋草日記」にも以前その経緯を書いたが、なんと、また来た。 前回のは5月分で、今度は6月分を報告せよとの要請である。え、また? と驚いた。 私の労働力に関する情報が、この国にはそれほど必要なのだろうか。疑問だ。なんの役に立つのか? 一回目の回答後で二度目の依頼の際、お礼として、ふわふわしたガーゼのハンカチを頂けたのは、実のところ正直とても嬉しかった。そんなわけで、二度目の回答をした直後、郵便受けの中に「総務省統計局」のネームの入った封筒を発見し、これは返礼の品だ! と震える手で封筒をバリバ…

  • 埋草日記◎山下達郎のラジオでの発言を聴いたり、竹内まりやのベスト盤を聴いたり

    山下達郎が、松尾氏という方に巻き込まれる形で、ジャニーさん性加害騒動に言及せざるを得なくなり、事務所の発表によると「大切なご報告」がラジオ番組「サンデーソングブック」で行われるとの告知。たまにラジオを聴く程度の熱心ではないリスナーの私だが、これは聞いておかねばと、リアルタイムでは聞き逃したのでradikoで聴いた。「大切なご報告」などと煽るから、山下達郎が極端な意見を言うのかも、と思わされたが(ジャニー許せん事務所は閉めるとか、もう引退するとか)、聞いてみると、ほとんど内容は無かった。まあ、そうだよね、と思う。山下達郎ほどのセレブが、いまさらなんで火中の栗を拾うような発言をするものか。ジャニー…

  • 落語初心者が見た「幕末太陽傳」という映画

    最近になって落語を聞き始めた落語初心者の私が、懸案としていた映画をようやく見た。日本映画史上に燦然と輝く傑作と謳われる「幕末太陽傳」である。ベースとなっている落語は「居残り佐平次」とのことで、佐平次をフランキー堺が演じている、くらいの知識でDVDを借りた。「日活創立100周年記念」と銘打たれたデジタル修復版。 開幕、いきなり品川宿を馬が駆け抜け、銃撃戦が行われる。派手なオープニングに驚いていると、唐突に電車が通りぬけて、さらに吃驚する。現在の(といっても公開当時の1957年なので、今からすると、それ自体が歴史的風景なのが興味深い)品川の風景がタイトルバック。ナレーションで品川を説明し、軽快なテ…

  • 埋草日記◎ありがとう、セイコーマート

    北海道民から愛されているコンビニチェーンのセイコーマート。私も大好きで、ときどき手作りの大きめおにぎりや総菜パンを買ったり、お昼にかつ丼を食べたり、ソフトクリームで涼んだりしている。どれもうまい。 買い物をするたびに「カードをお持ちですか」と聞かれるので、別にポイントなどどうでもよいのだが、カードを作った。セブンイレブンで「ナナコ」、ローソンで「ポンタ」など、財布の中はカードだらけだ。 さて、先日、セイコーマートで買い物をした際に、カードを出そうと思ったら、財布の中に無い。買い物後、落ち着いて財布の中を総点検したが、はやり無く、どこかで紛失したようだ。 思い起こせば、その数日前、旭川市内某店で…

  • とにかく成田凌と清原果耶の会話が心地よい「まともじゃないのは君も一緒」

    人とのコミュニケーションが苦手で、おそらく子供のころから「変」と言われ続けてきたために「普通」という概念がよくわからなくなってしまった数学オタクの塾講師、というのを成田凌が演じている。もう一人の主役は、何でもそつなくこなし、恋愛上級者のように装っているものの、実は恋愛未経験の女子高生を演じる清原果耶。 成田凌と清原果耶の会話は、冒頭から嚙み合っていないようで噛み合っているというか、なんというか、その掛け合いが心地よく、ずっと聞いていられる。お二人とも、とても上手い。この映画、お話自体はどうということもなく、会話をひたすら楽しむための映画だと思う。 スナックのシーンで清原果耶が自分の気持ちを吐露…

  • 伊藤沙莉「タイトル、拒絶」でデリヘル事務所の内部を覗き見る

    女優・伊藤沙莉がちょっと気になる、という理由から、DVDで「タイトル、拒絶」を観た。この映画の紹介記事で、黒ブラジャー姿の伊藤沙莉スチル画像を見た気もするが、映画が始まった途端いきなり現れる黒ブラジャー姿の伊藤沙莉に改めて度肝を抜かれる。以上の短いテキストの中に「伊藤沙莉」という名詞が3回、さらには「黒ブラジャー姿の」が2回使用されている。悪文というほかない。 さて「タイトル、拒絶」は、とあるデリヘル事務所を主な舞台とした映画なのだが、もともとは監督である山田佳奈の脚本による舞台劇であったらしい。 セックスをモチーフとした会話劇、という内容から、過去に見た三浦大輔脚本の「愛の渦」「恋の渦」に似…

  • 埋草日記◎NHK朝ドラの広末涼子と、ベッキーが暴れる「初恋」

    現在放映中のNHKの朝ドラ「らんまん」最新話に広末涼子が出演した。 不倫報道が過熱しているなか、出演場面をカットせず放映したNHKの判断にホッとする。広末は主人公(神木隆之介)の母親役で、病弱なため早い段階で亡くなり退場。その後、不倫報道で話題が沸騰した広末だが、もう出演シーンはないだろうから、NHKさん安心だろうな、なんて意地悪に思っていた。 本日の出番は中盤の見せ場というべき主人公の婚礼シーン。宴の最中、祖母・松坂慶子が幻想で広末の微笑む姿を見つめる、という3秒くらいのショットだ。カットしようと思えばできたはず。しかし、さらにその後、松坂慶子が昔を回想するシーンにも広末の姿があった。1分く…

  • シャーリーズ・セロン変身(変形?)「タリーと私の秘密の時間」

    レンタルDVDで「タリーと私の秘密の時間」を観た。 「マイレージ、マイライフ」を観て以来、ジェイソン・ライトマン監督のファンとなった私は、さらに「ヤング≒アダルト」を観て、シャーリーズ・セロンのファンにもなった。 雑誌「映画秘宝」を買っていたような人は、たいてい「マッドマックス 怒りのデスロード」が好きで、したがってシャーリーズ・セロンには痺れているわけだが、それにしても本作「タリーと私の秘密の時間」のシャーリーズ・セロンは格別だったなあ。 さて、「タリーと私の秘密の時間」は、一言でいうと「子育てコメディ」ということになるのであろう。実際にDVDは「コメディ」の棚に置いてあったわけだが、果たし…

  • 埋草日記◎散歩をして思わぬものを目撃したり

    旭川市中心部を散歩していたら、突如「文鮮明」と「韓鶴子」の姿が目に入り驚愕。大きなポスターにお二人の写真が掲載されており「真のお父様とお母様」といったコピーが添えられていて、「世界家庭なんとか」との看板が掛かっていた。統一教会の施設が入っている建物だったようだ。あれだけ批判されていたが、今でも大きな看板はそのままに活動しているのか。まあ、考えてみれば、そうかもしれない。その団体および真面目な信者の方にとって、統一教会は自覚的には立派な宗教法人との認識であろうし、やましいことをしているという意識はこれっぽっちも持っていないだろうから、なにもコソコソする必要はないのだ。自民党も岸田政権も、解散命令…

  • 志の輔による旅に関するマクラの本「志の輔旅まくら」

    志の輔旅まくら 立川志の輔 新潮文庫 2003年5月1日初版発行 400円+税 落語初心者の私が聞いているのは、寄席での噺ではない。落語のCDである。それも、図書館に置いているCDを借りて聞くという活動が主体なので、主に昭和の名人といわれた方々の名作の数々。録音が昭和であり、古い。江戸訛りの早口で、何を言っているのか分からない。たまには新しいのも聞きたい、というわけで、立川志の輔のCDを見つけたので聞いてみると、これが爆発的に面白い。 「ためしてガッテン」とか龍角散のCMのひと、というぼんやりした印象だった立川志の輔だが、落語を聞いて、私の中で「名人」という印象に変わった。立川流の談志の弟子で…

  • 埋草日記◎「どくとるマンボウ航海記」にキューブリック映画が登場していた

    子供のころ読んで面白かった北杜夫「どくとるマンボウ航海記」中公文庫が【増補新版】として今年刊行。懐かしく、読んでみる。 霧の深いアントワープの港で足止めを食った若きマンボウ氏がたまたま映画館に入って映画を見るのだが、タイトルなどは出てこないがストーリーの紹介から、それがキューブリックの「突撃」であることがわかり、驚く。さすがは日本の頭脳・北杜夫だと思うのは、カーク・ダグラスが着ているのがフランスの軍服で、英語を喋っており、フランス語とベルギー語らしき字幕付きでの上映だったとのことなのに、ほとんどストーリーを理解しており、ラスト近くのみ話が不明であった旨が記されている。

  • 埋草日記◎北海道各地でクマ出没注意

    朱鞠内湖で釣り人がクマに襲撃されて死亡したとのニュースは衝撃的だった。 ひとりで釣りを楽しんでいた男性が行方不明になり、現場を調査すると、どうやらヒグマに襲われたらしいことがわかり、ハンターが周辺を捜索し、ヒグマ一頭を駆除したとのこと。現場の状況から、釣りをしていた男性に対し、ヒグマのほうから近づいていき、襲ったものとみられるという。仕留めたハンターの方も、そのヒグマは人間を認識した後も、まったく逃げる様子を見せなかったと証言していたとのこと。 クマへの注意を呼び掛けるテレビ番組を見たが、人間を認識しても逃げないヒグマの情報がいくつかあるようだ。これまで、クマは憶病な動物であり、人間の姿を認識…

  • なぜか今宵、高畑充希について考えてみた

    高畑充希は不思議な俳優だ。 先日、映画「怪物」を観て、高畑充希の出演シーンに違和感を覚えた。というか、高畑充希を見るたび、この方のポジションがよくわからないと感じる。ドラマや映画で主演を演じるクラスであると認識している。CMにもたくさん出演している。高畑充希はトップクラスの女優である。そのわりに、こんなオファーも受けるの、といった仕事もするのだ。 映画「怪物」での役は、主要登場人物である学校の先生の恋人役。セクシーな恋人役であり、二人でいちゃつくシーンが用意されていた。そして、いつの間にか、出てこなくなる。こういってはナンだが、映画にとって大きな役とは言えないと感じた。だから、高畑充希、もった…

  • 埋草日記◎陳列スペース減少の冨貴堂豊岡店で「花束みたいな恋をした」

    冨貴堂豊岡店というかTSUTAYA豊岡店というか、本を売っていてレンタルDVDを並べている、よく行く店舗を訪れたところ、レンタルDVDのスペースの一部が、カプセルトイ(いわゆるガチャガチャ)のスペースに改装中だった。レンタルDVDはいまや絶滅危惧種のたぐいだ。映画を自宅で視聴する手段としては、ネット配信が主流で、店舗でのレンタルは、間もなく消滅すると思われる。 こちらで「花束みたいな恋をした(2020)」を借りて、見た。 先日見た「怪物」が面白かったので、坂元裕二が脚本を書いた映画を見てみようという魂胆。サブカル的な小ネタ満載の文化系男女の恋愛映画、という感じでしょうか。菅田将暉と有村架純が恋…

  • 埋草日記◎初期アナログ盤が話題の山下達郎だが、ベスト盤をCDで聴く

    図書館で山下達郎「OPUS」3枚組CDを借りる。「ALL TIME BEST 1975-2012」とのサブタイトル。私は山下達郎のファンとは決していえず、だから私レベルの人間が耳にするには最適なベスト盤ではないか。代表的な曲は網羅されている。聴いてみると、グッとくるのは初期の「夏だ!海だ!達郎だ!」といったイメージの曲なんだよなあ。ご本人は「夏=達郎」イメージを否定的に語るけど、こちら側からすると、それらの曲が耳に入っていた時代というのは私が若者だったころと重なるから、様々な記憶と相まって「グッ」とくるのであろう。単なる個人的で感傷的な理由にすぎない。ただ、本来POPミュージックというのはそう…

  • 埋草日記◎閉館したスガイディノス旭川だったら上映していた映画と志ん朝のCD

    ネットで見た映画「M3GAN/ミーガン」の予告編が面白そうだったので、旭川市内の上映予定を見たが、2館とも上映無し。AI人形が暴走するホラー映画のようで、予告編での人形ミーガンの動きが愛らしくも不気味。仕方がないので「怪物」を見て、「怪物」が非常に面白かったので良かったのだが、「M3GAN/ミーガン」も見たいなあ。 そこでふと思ったのだが、昨年閉館したシネコン「スガイディノス旭川」が、もし今も継続していたら、ここではきっと「M3GAN/ミーガン」を上映していたのではないか。 ディノスならきっと、この手の面白そうなホラーを上映していたはず。というわけで、「スガイディノス旭川」の閉館は、旭川の文化…

  • 埋草日記◎労働力調査と「ゼロ・グラビティ」

    労働力調査というのに答えてくれとの依頼を、対面にて受ける。総務省統計局による国勢調査のようなものらしい。面倒だが、頼まれたので仕方がない。こういうのが苦手で、知らぬふりで放置といった豪快なことができない。ご迷惑をおかけするわけにいかない、期日はいつ? まだ大丈夫? と常にビクビクする小市民なのである。つい早めにネットで回答し、送信。返礼として税金免除などの措置が講じられるとかはないのだろうか。日本人の現在の労働力が正確に日本政府の知るところとなり、(仮にでも)より効果的な法令が作成されているのだとすれば、それはひとえにおれの努力の賜物である。全国の労働者は私に感謝すべき。 「ゼロ・グラビティ」…

  • わからないものを、人は「怪物」と認識する

    映画「怪物」をシネプレックス旭川で観た。 先日行われたカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したという話題作。監督は是枝裕和。脚本は坂元裕二。音楽は先日亡くなった坂本龍一。 テレビドラマ「カルテット」「初恋の悪魔」を見て坂元裕二という人に注目していたので、この方が是枝監督の新作で脚本を書くというので期待していた。さらにはカンヌ映画祭で大きな話題になり期待は膨らむ。 見終わって、「ああ、面白かった」と単純に思った。カンヌで賞を取ったなんていうから、アートフィルムみたいな映画だったら嫌だなあと思っていたが、ミステリーっぽくて、話を面白く追えるタイプの映画だった。 視点が変わって事件の見え方が変わる構成であ…

  • 埋草日記◎中国大使館からの電話と愛車の車検

    携帯電話に着信があった。発信先が「不明」となっている。名乗るのは憚られたので曖昧に「はいもしもし」と出ると、自動音声の女性の声が「中国大使館です」と話し始めた。咄嗟に怪しいと判断し、電話を切った。非通知だし、平日の20時30分頃だったし、私は中国大使館とゆかりがないし、すぐ思い出せる中国関係の知人もいない。ネットで「中国大使館から電話」と検索すると、いくつかその手の詐欺の記事がヒットする。在留中国人の方を狙った詐欺の手口があるとのこと。 私の携帯には、荷物を届けたとか有料チャンネルの停止がどうとかといった詐欺メールは今もときどき来るが、直接電話が掛かってきたのは久しぶり。自動音声だったし、聞い…

  • 埋草日記◎最近の理解できない出来事について

    私が単なる世間知らずということもあるが、世の中には全く私の理解が及ばない出来事が起こる。最近では以下の二つが全く分からない。 まず一つ目は、今年4月に宮古島沖で消息を絶った自衛隊のヘリコプターの墜落。自衛隊幹部を乗せての飛行だったというが、仮にも国の(実質的な)軍隊の飛行物が墜落して、何か月も原因不明のままということがあるのか。国防上の大問題ではないのか。 フライトレコーダーは回収されたはずだが、いっこうになんの情報も出ない。なんなのか、原因はヤバいことなのか。 もう一つは、歌舞伎役者の例の騒動。私は歌舞伎界に関する知識が全くないので報道を読んでもさっぱりわからない。親子三人が心中を図る動機も…

  • 埋草日記◎週刊朝日最終号と上岡龍太郎の訃報

    週刊朝日最終号を図書館で読む。 いくつかの連載はAERAアエラに引き継がれるとの記載があった。そんななか、「似顔絵塾」はサンデー毎日で連載が継続されるというのがユニーク。 上岡龍太郎の訃報が届く。漫画トリオのギャグ「今週のハイライト!」は見た記憶はあるが、おぼろげで、よく覚えていない。私にとっての上岡氏といえば鶴瓶とのフリートークが爆発的に魅力だった深夜のテレビ番組「パペポTV」。 こんな面白いおじさんがいたのか、大阪ローカルの芸人なのか? と最初は思っていた。あれよあれよと全国区の人気者となり、有名になってゆく過程で、かつて漫画トリオで横山ノックとともに「今週のハイライト!」ってギャグをやっ…

  • chatGPTに森田芳光監督の代表作を教えてもらう

    誰もが使えるテキスト生成AIとして、世界を変えるほどのインパクトがあると、さんざんニュースで紹介されている「chatGPT」だが、おれのような初期高齢者にも使えるのだろうか。 ネットで調べてみると、メールアドレスと電話番号があれば無料で使用できるとの解説。やってみたら、できた。日本語で会話できる。そして、それが大変面白かったので、以下にその一部を紹介。 「chatGPT」と、どんな会話をしようか。映画についてたずねてみた。森田芳光監督の代表作を知っているかと聞いたら、以下のような答えが返ってきた。 ------------------------------------------------…

  • 埋草日記◎運動会シーズンと溝口敦「詐欺の帝王」

    車を運転中、突然、銃声のような音が聞こえ、あわててそちらを見ると、小学校の校庭で運動会の練習中だった。ほのぼの♡ 最近読んだ溝口敦の講談社文庫「喰うか喰われるか」が面白かったので、勢いづいて2014年発刊の文春新書「詐欺の帝王」溝口敦を再読。イベントサークル→闇金→オレオレ詐欺を手掛け「詐欺の帝王」と称されたという人物・本藤(仮名)のインタビューなどを中心とした特殊詐欺についての新書。今回読んでいて改めて興味深いと思ったのは、90年代のダイヤルQ2の話。 NTTが利用料を徴収してくれるダイヤルQ2には多くの怪しい商売があったが、そのころ変造テレカも大いに出回っていた。ある詐欺師は安く手に入れた…

  • 埋草日記◎「週刊朝日」休刊と永山図書館近くのラーメン店「柊」

    私の楽しみの一つは、図書館で週刊誌を読むこと。図書館にはたいていの場合「週刊文春」「週刊新潮」「週刊朝日」が置いてある。残念ながら「週刊ポスト」「週刊現代」は置いていない。まあ、その2誌は公共向けとはいいがたい。それはともかく、「週刊朝日」が休刊するっていうじゃないですか。大ショックだ。 ちなみに旭川市の永山図書館には「サンデー毎日」もあるのだが、こちらの雑誌のクイズ欄に回答を書き込むという迷惑な閲覧者がいるとの理由で、カウンターで申し込まないと読めないという措置が取られている。残念なことだ。公共の雑誌に書き込みしないで! といったわけで、永山図書館の近くに今年3月オープンしたラーメン店「柊」…

  • 埋草日記◎イオンシネマで映画を見た際の、どうでもよい話

    旭川駅前のイオンシネマで「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」を見た。昨今のシネコンはすべて指定席制だ。私はたいていの場合、劇場のほぼ真ん中辺に席をとる。真ん中よりもやや前側だと、周囲も空いていて快適。今回もそのような席を予約した。上映時間が迫ってきたので入場し、所定の席を確保。1席空いて左側に男性客がいた。と、若い女性が現れ、その空席を埋める場所にいきなり座った。私の左側隣席である。 コロナ禍以降、劇場運営側は1席ごとに空きを作っていたし、そもそも旭川の映画館はたいていの場合それほど混んでいるわけではないので隣に見知らぬ人がいる状態で映画を見ることはめったに無い。っていうか…

  • 埋草日記◎岸田総理の息子の悪ふざけと相原コージのうつ病漫画の新刊

    岸田首相の息子などが官邸でふざけていたとの週刊文春報道を受け、ネットニュースで記念写真を目にしたが、これってちょっと前の回転寿司悪ふざけYouTubeと感触が同じ気がした。岸田一家は世襲の政治家で、安倍一族には劣るものの、日本のエスタブリッシュメントといってもよい家柄と思っていたが、所詮下劣な目立ちたがり屋と変わりのないことが判明。これが現在の日本社会のレベルなのかと思うと、心底がっかり。と思っていたら、ようやく更迭されたとのニュースが入った。しかし、これって身内からリークされたってことなんだろうか。 相原コージ「うつ病になってマンガが描けなくなりました 入院編」購入。相原コージは1963年、…

  • 埋草日記◎生卵の消失と溝口敦「喰うか喰われるか」

    よく行くスーパーの入り口に大量の「かっぱえびせん」が積まれていたので、つい購入。やめられない、とまらない。 仕事帰りに寄るスーパーに卵は売っていない。夜のスーパーから生卵が消えてから、いったいどのくらい経つのか。休みの日には卵を見るが、10個入り300円。といっても以前が安すぎだった気もするのだが。 大型書店コーチャンフォーで溝口敦の講談社文庫「喰うか喰われるか」購入。サブタイトルに「私の山口組体験」とあり、暴力団山口組を多く取材してきたことで知られる溝口敦の取材裏話的な本。自伝風でもあり、溝口敦の青春物語でもあり、さらには山口組の歴史書のようでもある。これを読んで山口組における三代目死去から…

  • 「ヘルドッグス」で岡田准一のかっこいい暴力と狂った坂口健太郎を見よ

    深町秋生の原作「ヘルドッグス 地獄の犬たち」ファンなので、映画版「ヘルドッグス」を見てきた。岡田准一主演のヤクザアクション映画だ。岡田准一演じる兼高は元警官で、関東最大のヤクザ組織に潜入し、会長の十朱(MIYAVI)の秘密をつかむというのがミッション。 潜入のとっかかりとしたのが、組織内でも極めて凶暴なサイコボーイといわれる室岡(坂口健太郎)と知り合うことだった。以降、岡田准一と坂口健太郎は相棒となり、この二人のバディムービーとしての魅力が、この映画のウリなのだと思う。いい男二人が暴力により組織内で成り上がっていく。男のおれもうっとりさ。 さて、岡田准一が潜入した組織は関東最大の暴力団・東鞘会…

  • その後のテレビドラマデイズ2022夏◎家庭教師のトラコ 最終回

    ●家庭教師のトラコ(日本テレビ 水曜ドラマ 22時から) 家庭教師のトラコを狂言回しにして、3つのホームドラマを展開するという流れだと思って見ていたが、最終回まで見て分かったのは、そんな私の考えはまったくの的外れだったということだ。 3つの家庭のドラマはあまり盛り上がらぬまま、いったん落ち着き(唯一、鈴木保奈美の家庭は破綻を迎えたため、ドラマチックな場面が用意されていたが)、終盤近くになって、トラコを主人公としたドラマが始まった。それは、実の母の出現と死を受け止め、家庭教師をしていた家庭の母たちの言葉を素直に受け入れることで、人間として再生する、というドラマであった。 といったわけで、見始めた…

  • さかなクンの半生を、のん主演で、という奇跡「さかなのこ」

    私は女優のんのファンで、さらに沖田修一監督の「横道世之介」(2013年)が好き、といったわけで「さかなのこ」は映画館でチラシを見つけて以来、大いに期待していた。そんな条件であるから、私にとって映画「さかなのこ」は面白いに決まっているのだ! 「さかなのこ」のモチーフは「さかなクン」である。映画を見終わり、いったい私はいつから「さかなクン」を知っているのだろうか、と考えた。わからない。いつの間にか、あの特異なキャラクターを受け入れていたのだ。いつも極度に緊張しているように見え、奇妙な帽子をかぶり、ぎこちない甲高い声でしゃべるさかなクンは、テレビの中でも明らかに挙動不審な人物だ。不審ではあるが、魚へ…

  • ちばてつやが描くみすゞの世界「わたしの金子みすゞ」

    わたしの金子みすゞちばてつやちくま文庫2022年9月10日初版発行880円+税 ちばてつやのブログ「ぐずてつ日記」は、巨匠らしからぬ手作り感あふれる朴訥な日記で、にじみ出る人柄の良さが偲ばれ、愛読している。 淡々としているものの、ちばてつやは現役の作家であるから、このブログはプロモーションの場でもあり、先日、ちくま文庫から「わたしの金子みすゞ」が発刊されるとの告知が載った。 ちばてつやが「金子みすゞ」の本を? 私は、詩というものを普段全く読まないので、金子みすゞという人をほぼ知らない。2011年の東日本大震災の際、ACのテレビ広告が繰り返し流れた際に「こだまでしょうか」を知ったクチである。面目…

  • その後のテレビドラマデイズ2022夏◎ユニコーンに乗って 最終回

    ユニコーンに乗って(TBSテレビ 火曜ドラマ 22時から)放送終了 NHKの朝ドラ「半分、青い」(2018年)は録画して見ていたが、いまでも消せない一本がある。それは、漫画家となったヒロインがやがてスランプに陥り、マンガ作品がつまらなくなる中、幼馴染が知らない女性と結婚していることを知り、大いに落ち込む場面を描いた回。マンガの師匠や仲間たちが気を使って慰めるのだが、ヒロイン永野芽郁は逆切れし、当たり散らす。そこでの永野芽郁が素晴らしく、たまに見たくなるので、「半分、青い」のほかの回はすべて消去しているのに、この一回(15分間)のみ、未だ録画機のハードディスの一端を占めている。 この時のような永…

  • ゴールディ・ホーンのキュートさに痺れよ「ファール・プレイ」

    私の好きな女優はゴールディ・ホーンなのだが、その魅力が大いに発揮されている映画の代表が1978年の「ファール・プレイ」である。監督は才人コリン・ヒギンズ。 公開当時、映画館で見た際は、ゴールディ・ホーンが異様にキュートなロマンチックなサスペンス、という記憶だったが、今DVDで見直すと、かなりコメディ色が強い印象。いろいろ変な映画だなあ。 冒頭、牧師の偉い人が殺されるシーンで掛けられるレコードのジャケットが妙だな、と思ったらどうやら「ミカド」と読める。日本を舞台にした有名なオペラらしく、Wikipediaを見てみると1885年に初演された歴史あるモノらしい。映画のクライマックスが実際その舞台なの…

  • 蔓延するご清潔な安心・安全に慄け! 映画「激怒」

    残念なことに間もなく閉館する(2022年9月19日とのこと)ディノスシネマズ旭川で映画「激怒」を見た。 高橋ヨシキ氏の企画・脚本・監督作ということで、いったいどのような映画なのか気になっていた。 高橋ヨシキ氏は雑誌「映画秘宝」のアートディレクター兼ライターとして読者ページを担当していたほか、多くの文章を書いていた。映画製作関係では園子温監督の「冷たい熱帯魚」の共同脚本を務めている。どれも面白く思っていた。 さらに印象を強くしたのはラジオ番組で、ちょっと前のことになるが、NHKのAMで放送していた朝の帯番組「すっぴん!」(藤井彩子アナ)の毎週金曜日(パーソナリティー高橋源一郎)において、映画を紹…

  • 暴力に魅せられた男たちが行き着くのは(地獄)か(煉獄)か(天国)か「天国の修羅たち」

    天国の修羅たち 深町秋生 角川文庫 2022年8月25日初版発行 760円+税 2022年9月16日公開の映画「ヘルドックス」の原作は、2017年9月にKADOKAWAから単行本として刊行された深町秋生「地獄の犬たち」である。この小説は2020年に加筆修正され「ヘルドックス 地獄の犬たち」として角川文庫となり、刊行されて間もなく読んだ。面白かった。 「ヘルドックス 地獄の犬たち」は、すさまじい暴力が連鎖する小説である。深町秋生の小説は、いつも三人称の記述だが視点人物による一人称に近い描き方で、「ヘルドックス 地獄の犬たち」の視点人物は兼高という人物だ。関東最大の暴力団・東鞘会の若頭補佐で優秀な…

  • ダメ刑事イーストウッドの逆襲劇「ガントレット」

    遠い昔、はるかかなたのテレビの世界では、月曜日とか水曜日とか日曜日とかの夜9時から洋画劇場というプログラムがあって、様々な映画が放映されていた。クリント・イーストウッド主演の西部劇やアクション映画は人気があったから、よく放送されていたものだ。というわけで今回ご紹介の「ガントレット」もよくかかっていたように記憶している。1977年のクリント・イーストウッド監督・主演の刑事アクション映画で、共演は当時の愛人ソンドラ・ロック! 我らがクリント・イーストウッド扮するフェニックスのショクレー刑事は、ある事件の証人であるソンドラ・ロックをラスベガスから護送する仕事を引き受ける。それは簡単な仕事のはずだった…

  • いまさらながら東出昌大について考える

    2012年の映画「桐島、部活やめるってよ」のキャストのトップに表示されるのは、ポスターでも大きく顔が出ている神木隆之介であるが、物語的な主人公ということでは東出昌大演じるヒロキ君ということになるだろう。神木演じる映研部員は「桐島」が部活を辞めようが、学校へ来てなかろうが、自分の好きなことをやっているので、ブレない。野球部のキャプテンもブレない。 「桐島」が部活を辞める、ということで激しく葛藤するのは、東出演じるヒロキ君であるが、東出昌大の演技は大げさではなく、映画の中のヒロキ君は、大きな体でただ突っ立っているだけのように見える。行かない野球部の大きなバッグを抱え、ブラブラと校内を歩き、たいして…

  • ダメ男映画の金字塔「評決」。アル中ポール・ニューマンに痺れよ!

    結局のところ、私が好きになる映画のジャンルって、青春映画かダメ男映画なのではないか。といったわけで、1982年のポール・ニューマン主演の裁判劇「評決」。監督は巨匠シドニー・ルメット! ファーストシーンは酒呑みながらピンボールをたしなむポール・ニューマンで、これって侘しい風景として意図されたと思えるシーンなのだけど、ポール・ニューマンだから、なんだかカッコよいんだな。これこそ哀愁というものだと思わざるを得ない。 そして、その後も侘しくも哀しいダメなシーンが続く。 ポール・ニューマンはダメ弁護士で、現在ロクな仕事をしておらず、いわゆるアルコール依存症状態。知らない人の葬式に顔を出しては、名刺を配っ…

  • 小林信彦による1981年の笑いの現場リポート「笑学百科」

    笑学百科 小林信彦 新潮文庫 1985年7月25日初版発行 400円 古本屋で「笑学百科」を発見した。文庫版「日本の喜劇人」同様、いつの間にか紛失して、また読んでみたいと思っていた本だ。 「笑学百科」は1981年2月から6月まで夕刊フジに連載されたものをまとめたもので、1982年に単行本として刊行、1985年に文庫となった。作者による「文庫版のためのノート」に「日本の喜劇人」の〈別冊〉ともいうべき、と書いてあるので、小林信彦自身にとってそういう位置づけの本であるわけだ。実際、上下巻の豪華本「定本・日本の喜劇人」(2008年)が刊行された際は、この「笑学百科」も含まれた形で編まれていたようだ。た…

  • 悲しいニュース◎ディノスシネマズ旭川閉館

    コロナの前からだって、そんなに頻繁に映画館へ出掛けていたわけではないが、コロナの世の中になった2020年以降、映画館で映画を見る頻度は下がった。それはなにも私だけではなかったようだ。 スガイディノスという会社が運営するシネコン・ディノスシネマズ旭川が2022年9月に閉館する。 ちょっと前にスガイディノスが民事再生手続きに入ったとの報道を目にし、一時閉館していたのも知っていたから、驚くというよりも、ああ、そうなのか、と淋しい気持ちになった。 一時的な閉館後、7月初旬になって、「こちらあみ子」を見るためにディノスシネマズ旭川へ行った。上映作品本数が減り、劇場の雰囲気が少し寂しく感じた。ちなみに、「…

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