chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
うお座のゆめ子
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2022/06/30

arrow_drop_down
  • ミッション完了

    ふと窓に視線を向けると、海が広がっていた。そうだ、この路線は海沿いを走る。それにしてもこんなにも海が近かったんだと、しばらくの間眺めていた。仕事帰りの通勤客に紛れて、西へと向かっていた。 テキストでの返信に期待は皆無だ。唯一ショートメールは既読のみするという。電話が確実だが、億劫なのが正直なところだ。近くのホテルに着いたこと、明日は予定どおり訪問することを、父にメッセージで知らせた。 ここへ来るまで、叔母のところで世話になっていた。叔母と母にも、ホテルに到着したことと礼をラインに載せた。こちらは、どちらもすぐにスタンプ付きで返信が来た。 叔母の家に滞在中は、叔母と母と三人で過ごした。姉妹は顔が…

  • 非日常の続き

    取り込んだ洗濯物を畳むと、途端にくしゃみが出た。テレビで流れる天気予報のあとの花粉情報は、今では毎年恒例の見慣れた画面だ。最近、桜の開花予報のアナウンスも加わった。また自宅近くの土手は賑やかになるのだなと予想した。 上着が邪魔になってきた。グーグルマップでは一本道だと確認している。方向音痴の私でも迷わない。坂を上るとは聞いていたが、どこまでも続く坂道に目的地が姿を見せない。途中、夫が通っていた小学校の名が刻まれた看板を見つけた。慣れない自転車に立ち漕ぎができず、小さなタイヤを回転させながら進んでいく。最寄りの郵便局へ行くのに一苦労だ。 旅行後も、まだ非日常が続いている。のんびりとした時間が流れ…

  • 春の花

    あっ!と思い、慌てて一番近くにある時間を確認できるもの、携帯電話を見つけ画面をタッチした。23:59の文字を確認した途端、0:00になった。歯磨きの途中で、誕生日を迎えた。朝が早いというのに、家族も皆起きていてワサワサしていた。 「ミモザの開花が、一か月遅れています」 一面を黄色い花で覆い尽くす丘の所々には、木が植わっていた。その木をよく見ると、小さな小さな蕾が付いている。本来なら、菜の花と共にミモザの花も加わって、より一層黄色い丘になるようだ。 そう説明を受けたあと、”ほら、この前、樹希ちゃんからもらった黄色い花だよ”と、子供たちに説明する。もうすぐ誕生日だからと、彼女からもらったミモザは、…

  • こちらもまた

    ようやく”入口”を突破した。一刻も早く脱出したいという思いが強くなった。 その理由が、まとわりついた片付けからの解放だけではないと気付いた。 入口から、つまりは玄関から片を付けていく。順に陣地を広げていくようなイメージが湧く。玄関の片付けを終え、達成感を得た。 そんな気持ちと裏腹に、別のところでひねくれた気持ちが表に現れようとする。水滴が一滴でも落ちてきたなら、バランスを崩してしまいそうだ。 帰省を控え、改めて母に電話をした。到着時間の知らせと、帰りは父のところへ寄ってから自宅に戻る、と伝えた。母はなんで?と疑問を投げかけた。わざわざ行かなくてもというが、私の勝手である。 両親が離婚した日がい…

  • 親と子

    「仕事を引退しようと思ってる」 タイミングが良いというか、悪いというか。喉元まで出かかった言葉を一旦飲み込んだ。 固定電話に掛かってくる電話には基本出ない。留守番電話に吹き込まれるメッセージを確認してから、必要に応じて受話器を取る。 夕食時に掛かってきた電話に耳を傾けていると、相手はフルネームを口にした。向こうがメッセージを言い終わる前に、慌てて電話に出た。 こちらも滅多に電話はしないが、あちらからはもっと稀である。彼はいつも携帯電話から固定電話へ掛けてくる。 ただの報告だ。私に伝えておこう、それだけのことだ。仕事を引退することに驚きはしない。父は八十一歳である。 常に”商売になること”を考え…

  • まだ入り口

    玄関の本棚もまた、今まで何度も片付けている。しかし少し整える程度では済まず、まだ時間が掛かっている。 この本棚には、本が六分の一を占めていて、他は本以外である。概ね仲間同士が収まっているが、後からやってきたモノが、仲間のところへ行かず隣の番地へ紛れ込む。もしくは、そもそも仲間ではないモノがとりあえず置かれている。当時整理した書類を見直すと、時間が経過し、もう保管する必要がないモノがあったりする。それらを処分し量は減らせてはいるが、ぎゅうぎゅうに詰まった本棚がちょうどになったぐらいで、収納に余裕が出たわけではない。 そう乱していないと思われた本棚さえ、知らぬうちにこのような状態になり、片付けが必…

  • ごみの出し方

    確か今年だったはずだ。しかし、記載している日付が随分先だった。 カラーの冊子がポストに投函されていた。ごみの分別が一部変更になり、その知らせとすべてのごみの出し方をまとめてある。保存版と記載されているので、保存する。 もちろん、スマホで調べても同じ内容は記載されている。ならば紙の冊子はいらない。 「紙の時代」ではないとかいう。必要ならデータ化しておけばよい。どこかの場所ではそれが最適であるし、片付けにおいても紙の書類は捨てましょうという。もちろん理解している。 それに、この冊子を見る機会も実はあまりないかもしれない。イレギュラーな時には調べるが、普段のごみ出しの分別は把握しているからだ。 しか…

  • 模様替え

    想定していなかったが、結果快適になった。一番良かったのは”机”が広くなったことだ。 玄関を入って目の前のガラスの扉を開けると、ダイニングがある。冷蔵庫の側面に置かれた掃除機とごみ箱が出迎える。定位置はここだが、この場所を空けたいので移動させる。 ごみ箱は、すぐそばの台所の前に置く。収納扉を一枚塞ぐが致し方ない。掃除機は、自室へ運ぶ。歓迎はしないがこちらも他に行き場がない。 掃除機を自室に迎え入れただけで、模様替えを余儀なくされた。 掃除機の置き場所は一択、つまりは出し入れのしやすさを考え、扉を開けてすぐのところと決めた。まずはその空間を作るために、モノを動かさなければならない。ここを動かすとあ…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、うお座のゆめ子さんをフォローしませんか?

ハンドル名
うお座のゆめ子さん
ブログタイトル
片付けられない「私」と向き合う
フォロー
片付けられない「私」と向き合う

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用