前回は、MMANAのスタブマッチに必要な(ショート)スタブの特性インピーダンスZoを求める結果式を示しました。 Zo=276log10(d/a) [Ω] ....(5.81) Zo;求めたいスタブの特性インピーダンス d;2線間の距離 a;電線の口径(半径) この式があれば、簡単にスタブの特性インピーダンスZoを計算できることはご理解いただけたと思います。 ただ、この式を導出してくると…
【Radiator分割・絶縁】50MHz用八木:8エレメント(14)W1JR摸倣のdirect coupling方式(1)基本特性
今回からは、HF帯のマルチバンド八木で昔用いられた「直接給電-direct coupling」方式を掲げます。 50MHzにおいては、ラジエータがブームから電気的に浮いた状態とさらにラジエータを左右エレメントに分割・絶縁して、その中点にDPと同様に給電する方式となるので、給電箇所の絶縁と分割支持のための高周波性能に優れた樹脂部品が余計に増えることから、メーカー製のように部品コストにシビ…
【新提案】50MHz用八木:8エレメント(13)γC-match:名称は”仮称”(2)周波数特性
前回は説明漏れとなりましたが、)「γC-match」若しくは、「γ・C-match」と言うマッチング形式名称はありません。前回勝手に命名しているものです。ただ、誰でも思いつく回路なので、同様な回路は既に使っておられるメーカーや個人がいるかもしれません。 ただ、今回の設計だと詰めがあまいのか?利得面において、γマッチとの差が1.0dBもありました。この利得差がこの形式に対する最終評…
【新提案】50MHz用八木:8エレメント(12)γC-match (1) γ・ω・Tマッチの合わせ技:基本特性
今回は、今まで発表していない(個人的に見た記憶が無いだけで、既に発表済かもしれません。)新しいマッチング構造の紹介です。このマッチング方式の売りは、ロッドはωマッチに相当する短い固定長を選択できます。γマッチ用コンデンサーC1及びCマッチ用コンデンサーC2は、ほぼ同じ容量を使い、(Tマッチの時のCの容量に近い。)γマッチ単独の場合…
【参考】50MHz用八木:8エレメント(11)ω-match(1)周波数特性とC2の調整改善手法について
前回の問題点(2)については、コンデンサーC2を工夫して、例えば、16pF程度の固定コンデンサーと直列接続にして、16pF(最大容量30pF)可変コンデンサーとすれば、C2の調整もそれほどクリチカルにならないのかもしれません。これについては、最終の評価で書きました。 (本題) 1. 給電点インピーダンスZ(RとjX別)
【参考】50MHz用八木:8エレメント(10)ω-match(1)基本特性
γ(ガンマ)マッチの改良方式であるω(オメガ)マッチについて【参考】として検討します。というのは、50MHzでは、γマッチに対する優位性は薄れてしまうことから、個人的に50MHzでならωマッチよりもγマッチを推奨する立場だからです。 その理由は、 (1)ωマッチの特長であるロッド長がγの0.5~0.7倍と短くて固定長となることは、50MHzではメリットとは言えない。HF帯(特にローバン…
50MHz用八木:8エレメント(9)γ-match(2)周波数特性とγマッチの優位性
γマッチとほぼ同じ方法であるT-match方式との性能比較をしますと中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.71(T:19.02)dBiと+0.69dB増、F/B:23.19(FD:23.26)dBと-0.07dB減(ほぼ同等)となっています。一方、ラジエータ長を見るとγ:1.46m(T:1.56m)長とγマッチのほうが、10㎝も短くなっています。ですから、FDとT-matchとの比較の場合のようにラジエータ長が利得やF/Bを決定づけるとは言え…
50MHz用八木:8エレメント(8)50Ω同軸給電γ-match(1)基本特性
今回から50Ω同軸ケーブルにて直接給電できるマッチング回路について考えます。その代表例は、γ(ガンマ)マッチング方式です。個人的には、50MHzで活躍した給電方式です。今から50年以上前にマスプロ電工製4エレメント八木に実装されていました。当時は、可変コンデンサーは小型バリコンでした。ですから、調整はとても簡単に行えました。また、主ビームの偏りは意識することはありませんでした…
50MHz用八木:8エレメント・T-match:Uバラン方式(4)周波数特性
T-match方式では、FD方式に比べると中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.02(FD:18.45)dBiと+0.57dB増、F/B:23.26(FD:23.88)dBと-0.62dB減と一長一短となっています。しかし、これはマッチング方式の違いというよりもラジエータ自体の全長の問題となっています。FD方式だと誘導リアクタンスを小さくするため、ラジエータ全長を短くする必要がありました。その一方、T-match方式だとラジエー…
50MHz用八木:8エレメント・T-match:Uバラン方式(3)オリジナル設計モデル基本特性
今回から、前回述べたFDラジエータからの変形となるT-match方式について検証します。T, γ(ガンマ),ω(オメガ)のいずれもラジエータエレメントに並行に沿う、短いロッドにより、エレメント中央位置からオフセットした位置に給電する方法に分類される方法です。この方法についての動作原理の理解を得ることが難しいようで、ネットで公開している情報は、玉石混合的(正しい記述と誤った解釈と…
50MHz用八木:8エレメント・FDラジエータ:Uバラン・マッチング方式(2)周波数特性
FDラジエータと1:4バラン方式を使ったアンテナの周波数特性について、MMANAで分析してみます。 (本論) 1. マッチング前の給電点インピーダンスZ(RとjX別) 2. 50.5MHzにてマ…
50MHz用八木:8エレメント・FDラジエータ利用:Uバラン・マッチング方式(1)オリジナル設計
今回からは、MMANAモデルから改良したオリジナルモデルで、Radiator(放射器)をFD(フォールデッド)タイプにする方法です。これと同等な方法は、ナガラ電子のモデルで使用しているT形マッチングです。この場合は、フォールデッドロッドとラジエータエレメントとの太さ比でもって、FD給電と同等な給電点インピーダンスとなるように持ち上げています。ですから、同軸ケーブルを使ったUバランでの…
50MHz用八木:8エレメントWideSpace(3)20mH運用時の周波数特性
シングル放射器(DP)の8エレ八木における周波数特性です。 9. Z(R&jX)特性 (1)マッチング回路なし 51MHz以上となるとRとjX変化が大…
電磁気学(48)球(極)座標:測座定数公式利用(4)ラプラシアン(∇^2V)【完了】
今はこちらが当ブログのメインテーマです。残るラプラシアンを導出すれば、これで球座標について完了します。 (本論) 一般形の直交曲線座標のラプラシアン表示 電磁気学(28)ベクトル解析の直交曲線座標(8)ラプラシアン(∇^2V) https://jo3krp2.seesaa.net/article/515700277.html ▽^2V =(1/h1 h2 h3)[(∂/∂u1){(h2 h3/h1)}{(∂V/∂u1)} …
50MHz用八木:8エレメントWideSpaceモデル特性をMMANA分析(2)20m高で使用の場合
前回は自由空間の計算結果でしたが、今回はタワー上にある20m高として大地反射を含めた計算結果です。また、前回の説明していない部分を補足します。 (本論) 5. 組み合わせパイプ・データ欄の見方
50MHz用多エレメント八木:8エレメントWide Spaceモデルの特性をMMANA分析(1)
前回(番外)記事でお知らせした内容につき、元の質問者であるJA7PRV局から更なるコメントをいただきました。 、質問者の知りたい内容が明確となったことから、こちらでも少し、検討してみることにしました。ただ、ご希望どおりの回答となるか?は今のところ未定です。 ただ、今回のコメントにあった2020年11月29日付け記事で紹介している「3巻きバランを使ったωTマッチ」 NanoVNA活用(55)テクニカル講座2020…
電磁気学(47)球(極)座標:測座定数公式利用(3)回転∇×A
回転(rotA)または∇×Aの場合は直角座標においてもx軸成分表現なら他のy軸成分とz軸成分の引き算になるので、式にすると覚えにくいのですが、行列式で記載するときれいにおさまります。今回の球座標においても行列式での表記を利用します。 (本論) 電磁気学(27)ベクトル解析の直交曲線座標(7)回転(∇×A) https://jo3k…
電磁気学(46)球(極)座標:測座定数公式利用(2)発散∇・A
今回も一般形式の測座定数公式を使って導出します。それでも、式の途中は複雑化します。また、最終式についても円柱座標のようなシンプルな形にはなりません。ですから、とても暗記はできません。 (本論) 電磁気学(26)ベクトル解析の直交曲線座標(6)発散(∇・A) https://jo3krp2.seesaa.net/article/515521162.html で、測座定数を使った発散を求める公式は 直…
(番外)記事にいただいたコメントについて【ガンママッチング】と【オメガマッチング】
標記のことについては、 F/B追及【汎用型】HB9CVアンテナ・ビーム反転切替(1)逆方向特性【完結】:前後切替リレー用PoC回路実装モデル https://jo3krp2.seesaa.net/article/505526885.html の記事にコメントをいただいたことへの参考資料です。 (1)ガンマ(γ)マッチング NanoVNA活用(52)テクニカル講座2020再現(10)アンテナ調整とガンママッチ(4)本論 https://jo3krp2.seesaa.net/article/202011article_29.h…
電磁気学(45)球(極)座標:測座定数公式利用(1)∇演算子と勾配∇Vを求める
今回からは、電磁波関係でよく利用する球座標(3次元の極座標)を扱います。ここからは、素直に即座定数h1,h2,h3を利用して求めていきます。すると導出は簡単に行えます。但し、その裏側にある幾何学的意味も同時に理解しないとなりません。 (本論) (1) ∇演算子の導出 ∇演算子の直交曲線座標の一般形は、 ∂ ∂ ∂ ∇=e1──…
電磁気学(44)円柱(円筒)座標:測座定数公式を使用しない場合(7)∇・A計算【最終】
今回で、最終目的だった発散∇・Aが求まります。ただ、最初にも述べましたが、即座定数h1,h2,h3を使った公式を利用すると今回の式の導出より、はるかに簡単に求まります。ですから、公式の証明は難しいとしても、即座定数での変換をお薦めします。 (本論) ∇・A=(∂/∂ρeρ+(1/ρ)∂/∂φeφ+∂/∂ez…
電磁気学(43)円柱(円筒)座標:測座定数公式を使用しない場合(6)∇・A計算で必要な単位ベクトルを微分する【補足】
円柱座標における発散∇・Aを即座定数を使わず求めるために単位ベクトルの微分値が必要となります。 円柱座標(円筒座標)におけるベクトル演算子 https://physics.thick.jp/Physical_Mathematics/Section3/3-20.html でも同様の説明があります。 今回はこの部分についてです。 (本論) 1. 円柱座標におけるベクトルAの各…
電磁気学(42)円柱(円筒)座標:測座定数公式を使用しない場合(5)∇演算子の行列表示について【補足】
今回は、前回までの部分で説明を省略している部分について、補足します。 (本論) 1.行列と逆行列の積が単位行列となる計算 1 0 0 A-1A=(0 1 0)=1 (単位行列) ....(16) 0 0 1 cosφ -sinφ 0 A=(sinφ cosφ 0 ) ....(15) 0 0 1 と …
電磁気学(41)円柱(円筒)座標:測座定数公式を使用しない場合(4)∇演算子(3)【補足】
今回で、円柱座標における∇演算子を導出する証明は完成します。 (本論) 前回の最終式 ∂/∂x=cosφ ∂/∂ρ-(sinφ/ρ) ∂/∂φ ∂/∂y=sinφ ∂/∂ρ+(cosφ/ρ) ∂/∂φ ∂/∂z=1 .....(13) これを行列で表示しますと ∂/∂x = cosφ -sinφ 0 ∂/∂ρ (∂/∂y)=(sinφ cosφ 0 )(1/…
電磁気学(40)円柱(円筒)座標:測座定数公式を使用しない場合(3)∇演算子(2)【補足】
今回も直角座標の∇演算子から円柱(円筒)座標における∇演算子への座標変換の続きです。 (本論) 前回求めた最終式のひとつである ∂/∂x=(∂ρ/∂x)(∂/∂ρ)+(∂φ/∂x)(∂/∂φ)+(∂z/∂x)(∂/∂z) ....(10) における ∂ρ/∂x,∂φ/∂x,∂z/∂xは、以前に求めた φ=tan^-1(y/x) ...(11) ;tan^-1は"アークタンジェント"の意味 ρ=√(x^2+y^2) …
電磁気学(39)円柱(円筒)座標:測座定数公式を使用しない場合(2)∇演算子(1)【補足】
今回は、∇演算子の円柱座標への変換を行います。それには、幾何学の知識があると簡単に解決できます。但し、これを数学的に証明する必要があります。 (本論) 1. 直角座標での∇演算子の表現 ∇=(∂/∂x)i+(∂/∂y)j+(∂/∂z)k となり、各項は直角座標x,y,z方向の直線微増分の極限値を計算していること…
電磁気学(38)円柱(円筒)座標の発散(∇・A)の別解答:測座定数公式を使用しない場合(1)【補足】
単位ベクトル、∇演算子、勾配、発散、回転、ラプラシアンの全てにおいて、偏微分式の考え方を理解していれば、即座定数h1,h2,h3を使用しなくても計算できることを説明するために、その代表として、単位ベクトル、∇演算子、発散(∇・A)での証明します。 ただ、この計算方法を見れば、即座定数を使った方が、ベクトルの各微分式がとても簡単に求まることが判ります。 (本論)
電磁気学(37)円柱(円筒)座標でのベクトル表現(5)ラプラシアン(∇^2V)
電磁気学では、ラプラシアン(∇^2)は、電磁波の波動方程式で使われます。 直角座標では、 ラプラシアン∇^2=∂^2/∂x^2+∂^2/∂y^2+∂^2/∂z^2 と表記する演算子です。 ここでは、スカラー量Vに作用しますから、その結果は、スカラー量です。 ベクトル量に作用する場合もあります。後の電磁波の波動方程式で出現する予定です。 (本論) 電磁気学(28)ベクトル解析の直…
電磁気学(36)円柱(円筒)座標でのベクトル表現(4)回転(∇×A)
前回の発散よりもベクトルポテンシャルAの意味合いは、今回の回転(rot)のほうが、ぴったりと適合します。なぜなら、磁界H=rotA=∇×Aで求まるからです。 特にアンテナに流れる時間変動する電流から生じるベクトルポテンシャルによって、アンテナから電磁界を生じる部分での説明には、この∇×A
電磁気学(35)円柱(円筒)座標でのベクトル表現(3)発散(∇・A)
前回のVは電位といったスカラー量でしたが、今回のAは任意のベクトル量です、電磁気学のAはベクトルポテンシャルを意味する記号として使われていますから、そのベクトルとして見て解釈するのも良いと思います。 (本論) 一般表現の発散divA=∇・Aは、 電磁気学(26)ベクトル解析の直交曲線座標(6)発散(…
電磁気学(34)円柱(円筒)座標でのベクトル表現(2)勾配(∇V)
ここからは、直角座標で示す、ベクトル式を円柱座標上の単位ベクトルで表現することを考えます。 (本論) 既に、 電磁気学(29)ベクトル解析の円筒(円柱)座標(1)∇演算子 https://jo3krp2.seesaa.net/article/515719188.html ▽=iρ∂/∂ρ+iφ(1/ρ)∂/∂φ+iz∂/∂z ....(1.73) で∇演算子の円柱座標への座…
電磁気学(33)円柱(円筒)座標での式(1.58)から即座定数h1,h2,h3の算定
今回は電磁気学(29)で円柱座標のh1,h2,h3を求めたものを式(1.58)を使った場合を説明します。 (本論)
電磁気学(32)直交曲線座標への補足(3)測座定数h1,h2,h3と六面体の各要素を求める式
今回は、長文となってしまいました。それでも、全てを説明し尽すことは無理となっています。 (本論) ──────────────────── / ∂x ∂y ∂z h1=√(───)^2+(───)^2(───)^2 ∂u ∂u ∂u ──────────────────── / ∂x …
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前回は、MMANAのスタブマッチに必要な(ショート)スタブの特性インピーダンスZoを求める結果式を示しました。 Zo=276log10(d/a) [Ω] ....(5.81) Zo;求めたいスタブの特性インピーダンス d;2線間の距離 a;電線の口径(半径) この式があれば、簡単にスタブの特性インピーダンスZoを計算できることはご理解いただけたと思います。 ただ、この式を導出してくると…
利得とF/B追及したラジエータ直結アンテナの特質は、今回の周波数特性に顕著に現れています。 それらについては、個々のデータで分析していきます。 (本題) 1. 給電点インピーダンスZ(RとjX別)
ヘヤピンマッチに使うU字形の金具(ショートスタブまたは単にスタブ)の設計に必要な事前知識についての講座です。50MHzなら適当 に給電部に電線をU字に装着すれば、マッチングできると思えますが、力業での試行錯誤で求めるのは大変です。 一方、MMANAの「表示(V)」メニューにある「オプション(V)」をクリックすれば、次のような「スタブマッチ」タブを開けば、 ヘヤピンマッチの…
前回のモデルの全てのエレメント対象に50.0~51.0MHz範囲内でGaとF/Bを追求しています。そのうちのBestモデルの1つで、これが最良ということではありません。同様なモデルは、MMANAを使えば、いくらでも設計できます。 今回の目標は、50.0~51.0MHz全般におけるGaとF/B性能の維持に加えて、中心周波数50.5MHz付近をより重視する設計です。このため、各エレメント長とエレメント間隔の全てを…
今回は、放射器と第一導波器位置によるSWR特性のみを改善した状態での周波数特性です。これだとインピーダンスZ(R+jX)特性とSWR特性で見ると全く問題ありません。 しかし、一方で八木アンテナとしての性能(Ga,F/B)及びパターンでの周波数変化を見ますと50.750MHz~51.000MHz(以上) 周波数帯に特性が偏る傾向があるのです。これは、元の8ELE6MW.MAAのデータの癖というか、そういう…
今回からは、HF帯のマルチバンド八木で昔用いられた「直接給電-direct coupling」方式を掲げます。 50MHzにおいては、ラジエータがブームから電気的に浮いた状態とさらにラジエータを左右エレメントに分割・絶縁して、その中点にDPと同様に給電する方式となるので、給電箇所の絶縁と分割支持のための高周波性能に優れた樹脂部品が余計に増えることから、メーカー製のように部品コストにシビ…
前回は説明漏れとなりましたが、)「γC-match」若しくは、「γ・C-match」と言うマッチング形式名称はありません。前回勝手に命名しているものです。ただ、誰でも思いつく回路なので、同様な回路は既に使っておられるメーカーや個人がいるかもしれません。 ただ、今回の設計だと詰めがあまいのか?利得面において、γマッチとの差が1.0dBもありました。この利得差がこの形式に対する最終評…
今回は、今まで発表していない(個人的に見た記憶が無いだけで、既に発表済かもしれません。)新しいマッチング構造の紹介です。このマッチング方式の売りは、ロッドはωマッチに相当する短い固定長を選択できます。γマッチ用コンデンサーC1及びCマッチ用コンデンサーC2は、ほぼ同じ容量を使い、(Tマッチの時のCの容量に近い。)γマッチ単独の場合…
前回の問題点(2)については、コンデンサーC2を工夫して、例えば、16pF程度の固定コンデンサーと直列接続にして、16pF(最大容量30pF)可変コンデンサーとすれば、C2の調整もそれほどクリチカルにならないのかもしれません。これについては、最終の評価で書きました。 (本題) 1. 給電点インピーダンスZ(RとjX別)
γ(ガンマ)マッチの改良方式であるω(オメガ)マッチについて【参考】として検討します。というのは、50MHzでは、γマッチに対する優位性は薄れてしまうことから、個人的に50MHzでならωマッチよりもγマッチを推奨する立場だからです。 その理由は、 (1)ωマッチの特長であるロッド長がγの0.5~0.7倍と短くて固定長となることは、50MHzではメリットとは言えない。HF帯(特にローバン…
γマッチとほぼ同じ方法であるT-match方式との性能比較をしますと中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.71(T:19.02)dBiと+0.69dB増、F/B:23.19(FD:23.26)dBと-0.07dB減(ほぼ同等)となっています。一方、ラジエータ長を見るとγ:1.46m(T:1.56m)長とγマッチのほうが、10㎝も短くなっています。ですから、FDとT-matchとの比較の場合のようにラジエータ長が利得やF/Bを決定づけるとは言え…
今回から50Ω同軸ケーブルにて直接給電できるマッチング回路について考えます。その代表例は、γ(ガンマ)マッチング方式です。個人的には、50MHzで活躍した給電方式です。今から50年以上前にマスプロ電工製4エレメント八木に実装されていました。当時は、可変コンデンサーは小型バリコンでした。ですから、調整はとても簡単に行えました。また、主ビームの偏りは意識することはありませんでした…
T-match方式では、FD方式に比べると中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.02(FD:18.45)dBiと+0.57dB増、F/B:23.26(FD:23.88)dBと-0.62dB減と一長一短となっています。しかし、これはマッチング方式の違いというよりもラジエータ自体の全長の問題となっています。FD方式だと誘導リアクタンスを小さくするため、ラジエータ全長を短くする必要がありました。その一方、T-match方式だとラジエー…
今回から、前回述べたFDラジエータからの変形となるT-match方式について検証します。T, γ(ガンマ),ω(オメガ)のいずれもラジエータエレメントに並行に沿う、短いロッドにより、エレメント中央位置からオフセットした位置に給電する方法に分類される方法です。この方法についての動作原理の理解を得ることが難しいようで、ネットで公開している情報は、玉石混合的(正しい記述と誤った解釈と…
FDラジエータと1:4バラン方式を使ったアンテナの周波数特性について、MMANAで分析してみます。 (本論) 1. マッチング前の給電点インピーダンスZ(RとjX別) 2. 50.5MHzにてマ…
今回からは、MMANAモデルから改良したオリジナルモデルで、Radiator(放射器)をFD(フォールデッド)タイプにする方法です。これと同等な方法は、ナガラ電子のモデルで使用しているT形マッチングです。この場合は、フォールデッドロッドとラジエータエレメントとの太さ比でもって、FD給電と同等な給電点インピーダンスとなるように持ち上げています。ですから、同軸ケーブルを使ったUバランでの…
シングル放射器(DP)の8エレ八木における周波数特性です。 9. Z(R&jX)特性 (1)マッチング回路なし 51MHz以上となるとRとjX変化が大…
今はこちらが当ブログのメインテーマです。残るラプラシアンを導出すれば、これで球座標について完了します。 (本論) 一般形の直交曲線座標のラプラシアン表示 電磁気学(28)ベクトル解析の直交曲線座標(8)ラプラシアン(∇^2V) https://jo3krp2.seesaa.net/article/515700277.html ▽^2V =(1/h1 h2 h3)[(∂/∂u1){(h2 h3/h1)}{(∂V/∂u1)} …
前回は自由空間の計算結果でしたが、今回はタワー上にある20m高として大地反射を含めた計算結果です。また、前回の説明していない部分を補足します。 (本論) 5. 組み合わせパイプ・データ欄の見方
前回(番外)記事でお知らせした内容につき、元の質問者であるJA7PRV局から更なるコメントをいただきました。 、質問者の知りたい内容が明確となったことから、こちらでも少し、検討してみることにしました。ただ、ご希望どおりの回答となるか?は今のところ未定です。 ただ、今回のコメントにあった2020年11月29日付け記事で紹介している「3巻きバランを使ったωTマッチ」 NanoVNA活用(55)テクニカル講座2020…
次の写真は自宅の屋根の中央天頂部にあるUHF-TVの設置状況です。 アンテナ自体が支持ポールの低い位置となったのは、当初は、HF用アンテナ電線を支えるFRP…
この冊子にある「設計=施工へのワンポイント・アドバイス」記事を参考としています。 (冊子表紙のリンク) https://www.amazon.com/%E5%88%A5%E5%86%8ACQ-ham-radio-7%E6%9C%88%E5%8F%B7%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A/dp/B08QTLNZ79 (本論) この記事の主旨は、当時はVHFのTVアンテナのステー線をLongWire(以下、LW)の…
新築時に用意した地面内の電線束=地表ラジアル線アースは、そのまま放置していました。今回これを使える機会を実現できるかもしれません。 というのは、来月当初予定で自宅2階部を一部リフォームすることになりました。その際に外壁に沿って一部足場が組まれることから、日頃手が届かない部分(屋根の片隅)にある(代用)アンテナ線からの引き込み電線を固定できるような準備をしたいと思…
これは、過去の大規模アンテナ設備に使用したことから分ったのですが、DIY店でも調達できる部品でも、プロご用達の専門店を利用すると例え1個だけの部品、今回は、ワイヤクリップ1個だけでの入手の場合で紹介します。
最後に別宅の予備システムで実装していた例を紹介して、この完了とします。こちらは、主に3.5/3.8MHz垂直八木アンテナを使用するために用意したコモンフィルタ群です。また、同時に14-28MHzのミニマルチ会社のトライバンダー八木アンテナにも適用していました。いずれも既に撤去済です。フィルタ自体も破棄しました。 (別宅の予備システム側にある室内壁面)
依頼のあったCMD1.8Ⅱ-MTの完成時の写真とこれとは別ですが、同じタイプを私自身もタワーアンテナ用として使っていました。この長期使用経過の様子を紹介しています。 9 コモンフィルタ CMD1.8Ⅱ-MTの完成写真 ①M型端子のコネクタ部分
前回お知らせしたように幅広い周波数帯域でコモンモード電流の減衰を確保できるか?が、このフィルタの性能を表していることの説明です。下限は1.8MHzに対応するのと同時に上限は50MHz以上まで十分に減衰できているかがフィルタ性能勝負の分かれ目です。 6 ネットアナ利用 CMD1.8Ⅱ 特性グラフ図
コモンモードフィルタの性能は、そのインダクタンスの大きさで決まるといっても間違いではありません。ただ、インダクタンスで生じるリアクタンスの周波数特性にも注意する必要は欠かせません。その部分は次回に紹介します。今回は、インダクタンス測定の方法を紹介しています。 5 性能判定測定法 完成したコモンフィルタの良否について判定する検査方法です。 最も確かな方法…
今回加工時の写真はありません。また、内部構造を写した写真も1枚も無いのです。さらに使用していた現物も別宅無線局設備の廃棄と同時に全て処分しました。なので公開しようとしてもできません。そして、自分自身も作り方を忘れています。残っているのは、大学ノートに記録した各寸法を記載した数字と簡単な説明だけが全てです。 3 VUキャップの加工 VUパイプ両端の防水処理とし…
今回はVUパイプ等への穴あけ時に利用する治具の紹介です。 2 パイプ穴あけ時固定治具 この治具は、NSNスペシャル・アンテナ記事を当時の月刊ファイブナイン誌に掲載の際、配布用アンテナ部品を作成するため準備したものです。 ドリルによる穴あけをパイプのような丸い表面に穴をあけようとするとパイプが回転してしまい、ドリルの刃先がすべってしまうことがあります。このよ…
「コモンモード実験室」関係の記事は当ブログ記事として全てを全てを再現したつもりだったのですが、今回の部分は漏れていたようです。 (記事概要) 前回までのレポート(当ブログでは「コモンモード実験室」の以下の記事案内に該当)とは、違う視点で、このテーマを考えていました。 【ブログ記事案内】 過去のHP記事再現(144)コモンモード実…
前回紹介したようにリビングのシステムで384KHzアップサンプリングと内部処理32Bit深度を採用したところ、ロック系の音楽では、力強さが削がれた感覚を持っています。しかしながら、楽器の音色の余韻は、とても甘く響きわたるようになっています。これを意図した理由ではありませんが、こちらでも心地よく聴ける音質であると言えるかもしれません。 (試聴音源) ホテル・カリフォルニア Eagles 2003年05月14日 ht…
2Fにあるメイン・システムに比べるとまだ改善の余地があると思い、本日からアップサンプリング周波数を192KHz→384KHz(PCM×8)の最大設定まで引き上げました。 USBケーブル長が、約5mと長いものを使用しているので、その間の伝送波形の乱れを心配したのですが、今のところ、誤動作や音切れは発生していません。 肝心の音調は、オーディオ再生プレーヤN-70Aでの384KHz出力とは違っています。どちらかというと音の迫…
1999年12月号CQハムラジオ誌に掲載された記事からの最後の紹介です。 当時、使用していた無線機は、FT-1011(50W)でした。 今のようなDSPによるノイズリダクションや狭帯域の低周波バンドパスフィルタはありません。したがって、ノイズ軽減の方策としてはIFフィルタを250Hz帯域とするか、自作の外付けの低周波フィルタを付加するか程度の対策しかありませんでした。
TS-520関連記事の後半です。実際にこのTS-520を使用していた時期は1990年あたりまでです。その後は、TS-850やFT-1011に切り替わりました。VFOがアナログでしたから、1KHz単位で周波数が正確に読み取れないのは、実用とはならない時代となったからです。
1999年12月号CQ誌に掲載されたケンウッド社無線機(当時はトリオ社)TS-520の受信部改造記事です。 当時の機器のミクサー部分は、MOS-FETによるシングルタイプのミクサーが主流で強力な受信信号があるとミクサー段の突き抜け信号や混変調があたりまえでした。これを軽減するため受信機のトップへアッテネータを挿入するものです。 同時に、RF段素子の交換とIFゲインの調整を紹介しています。素子の変更による不要なゲ…
結論を言えば、IC-7400のCI-Vのボーレート設定が最高19200BPSまでなので、USBをREMOTE接続から独立させてもそれ以上の高速接続できるという意味はありませんでした。しかし、他の機種では、役立つ場合もあるかもしれませんので、USB独立でHamRadioDeluxeVer5.24.0.38(Free最終)を使えるようにすることを検証しています。 また、質問者からのメール返答にあった「HRD側でDTRにチェックを入れる…
昨日、朝メールで標記のトラブルの相談があり、久しぶりに無線機IC-7300とHRDとの接続を試したところ、私の環境でもHRDとの接続が出来なくなっていました。以下は、その顛末です。 (本論) 1.当初の接続結果
前回内容の最後の部分は半分ぐらいは事実です。 さて、今回の内容部分の主題は、 (本論) アフリカの有名なDXサーであるJacky(3B8CF)氏から突然手紙が来たときは私も驚きました。 その内容は、日本製無線機の故障を直したいため、いくつかのトランジスターを送って欲しいとあって、かなりの枚数のIRCを同封してありました。 インド洋沖にあるモーリシャス島での電子部品の調…
1998年 第4号(年4回発行)に掲載 「私の宝もの」と題し、普段から大切にしている自分にとっての宝ものを紹介する内容で結構投稿があった人気コーナーでした。 私以外の記事として、アンティークラジオや自作無線機の紹介もありました。 アパマン時代のCQ誌掲載記事から少し後で、職場の広報誌に掲載された記事です。 (本論) この記事のねらいは、アマチュア無線の知識が…