前回は、MMANAのスタブマッチに必要な(ショート)スタブの特性インピーダンスZoを求める結果式を示しました。 Zo=276log10(d/a) [Ω] ....(5.81) Zo;求めたいスタブの特性インピーダンス d;2線間の距離 a;電線の口径(半径) この式があれば、簡単にスタブの特性インピーダンスZoを計算できることはご理解いただけたと思います。 ただ、この式を導出してくると…
釣り竿式(テーパ-モデル)導波器YAGI・0.086λ間隔・2eleArray特性(2)組み合わせパイプ構造の説明
今回設計したHB9CVとYAGIの両方に共通した組み合わせパイプ構造部分が理解できましたので、そちらを先に紹介します。 MMANA画面で一覧データとして表示することはできません。今回3つの画面合成での紹介となります、 ※テキスト編集画面ならば全てを表示出来ますが、見にくいので止めました。 (アンテナ定義)+{編集(E)にある「組み合わせ…
釣り竿式(テーパ-モデル)導波器YAGI・0.086λ間隔・2eleArray特性(1)基本動作
前回最後に提案した0.01λ付近間隔の導波器タイプの垂直八木アンテナを試作してみました。このモデルは3.5~3.8MHz用として実際に使ったアンテナに近いものです。ただし、その時のデータは参照していません。今回のHB9CVモデルから直接変更したもので、アンテナエレメントのパイプ形状はHB9CVと変わりありません。よって現実の市販パイプをそのまま使用できません。今回モデルのアルミパイプ径の…
釣り竿式(テーパ-モデル)HB9CV・λ/8間隔・2eleArray特性(2)周波数特性と実装時の問題
今回は、実装面においての考慮すべき部分を含めて検討していきます。また、ほとんど同系統の分類になる八木アンテナとすることについての私見も最後に書いておきます。 (1) SWRの周波数特性
釣り竿式(テーパ-モデル)HB9CVλ/8間隔・2eleArray特性(1)基本動作
今回の最終目標であるλ/8間隔の同時給電アレイアンテナ、つまり、HB9CVのエレメントを半分にして、地面から立ち上げる垂直アンテナとして利用するタイプのもので、私が知る限り、このモデルを公表している記録は見たことがありません。実現するのは、難しいアンテナであるとは思いますが、そのポテンシャルは高いことが、今回の設計でも判りました。 今回から、実際のアンテナモデルに近い、…
(短縮型)λ/4間隔・2eleArray特性(1)周波数特性&調整問題点
フルサイズの約60%程度に短縮したエレメント長ですが、結果、合成インピーダンスでみると3.621-j9.433(Ω)と実抵抗Reが3Ω程度になっています。この結果、インピーダンスマッチング回路による狭帯域が問題となっています。 (1) SWRの周波数特性 アンテナ素子(エレメント長,エレメント間隔)以外の外部マッチング回路により7.1MHzで50Ωに整合させた場合のSWR値の周波数特性です…
移動運用等簡単に設置できるエレメント長(5.5mを想定)まで短縮した場合の検討です。なぜか?この場合だとエレメント間隔はλ/4近く(9.8m)で、位相角も90°と理論どおりで動作しています。使っているデータは、先の標準モデルと変わりありません。ただ、アルミパイプ径は少し細くして設計しました。こちらも単純化してストレートパイプでの設計です。 (1) アンテナ形状・電流分布 <…
(標準)λ/4長・2eleArray特性(2)周波数特性と実装時の留意事項
フルサイズと言えどもReが12Ω近辺まで下がりますとバンド内を全てカバーはできません。インピーダンスマッチング回路における周波数切替が必要となってきます。ただ、このReが低いことが、アンテナ性能を証明しています。設置後にインピーダンス整合する前に各アンテナの裸インピーダンス測定を行って、そのときのRe成分は、片方の電源を取り去ったときのMMNA値近くにあって、両エレメントともにバランスが取れていることを確…
7.1MHz中心で設計のフルサイズ(λ/4)の場合の位相給電について調べてみました。ところが、理論上の指定値90°位相差を持たせるとGa・F/Bともに低くなってしまいます。パターンについてもビームとは思えないものにしかなりません。位相角を半分の45°にするときれいなパターンとなって、Ga・F/Bともに良好となっています。この原因については、よく判りません。明快な解答をお待ちします。
(送信用)モービルホイップ2本アレイアンテナ(2)周波数特性&総合評価
7.1MHz付近のピンポイントの周波数でなら、外部回路によってマッチングすることで低SWRとなるのですが、それより外れますと送信アンテナとしてのSWR特性が急変します。その問題点の大元は、アンテナ自体の給電点インピーダンスの実分Reが6Ωと低い点にあります。この傾向は、利得やF/Bを最大限に追求した場合、同時給電アンテナだけの特性ではなく、八木アンテナでも同様の特性です。利得は、元…
今回目的ではありませんが、せっかくなので送信用としてモービルホイップアレイアンテナ(Mobile Whip Array Antenna)を設計しています。ですが、こちらの場合の動作ゲインGaは、-16dB前後とほとんど得ることができません。これには、延長コイルのQが大いに関係しています。そして、この設計でも普通ならモービルアンテナ用コイルとして工作が困難なQ=250に設定しているにも関わらずにです。通…
Magnetic LOOP(6)関連・モービルホイップ2本による単一指向受信性能(2)周波数特性
前回のモービルホイップアレイアンテナの続きになります。まず、絶対ゲインGaをみれば判りますが、今回のアンテナは送信用ビームアンテナとしては不適です。このアンテナ目的はアンテナの近傍にあるノイズ源からの信号を指向性を使って減衰することです。ですから、周囲全域のノイズ源の全てをキャンセルできません。ノイズが減衰できるのは、ある1方向だけに限ります。 (1) SWRの周…
Magnetic LOOP(5)関連・モービルホイップ2本での受信ダイバーシティ(1)基本動作
垂直アンテナ側が短縮率の大きなモービルホイップ同士で水平面内で単一指向性が出せるかのシミュレーション・テストです。試行錯誤の結果、モービルホイップ2本でも単一指向性が出せることは証明できました。但し、その実装となるとかなりの精度が必要です。また、両エレメント間の距離や両エレメントへ給電する位相差も理論とは、かけ離れています。通常の設計では考えられない値といってもいい…
Magnetic LOOP(4)関連・カージオイド指向性を得るための垂直受信アンテナ検討
市販のモービルホイップを利用するだけのことで、アンテナ設計というよりもモービルホイップをMMANAに落とし込む作業です。意外なことに短いモービルホイップ(1.4m長)のほうが、λ/40長MLAよりも絶対ゲインが大きいのには当てがはずれました。と言うのは、両方のゲインをほぼ同じにしないと指向性の合成が正しくできないからです。 ※今回の純アナログ…
Magnetic LOOP(3)λ/40ループを垂直方向に設置の場合
前回と違い、垂直面にループを設けています。この場合はMMANAモデルだと垂直偏波成分が強くなるようです。 ※理論本では、左右の線に流れる電流は、大きさが同じで向きが反対なので相殺されるとありますが、MMANAではそうなりません。この部分の検証は今後の宿題とします。 (1) アンテナ定義 …
Magnetic LOOP(2)一辺2m長の7MHz用Small_LOOP(MLA)裸特性
MLAと称されるスモールループです。MMAMAの14MHzサンプルモデルから寸法を半分としてだいたい波長の1/5程度としています。7MHzですと全長40m/5=8mとなって、一辺の長さが2m長となります。今回それをMMANAで仮想的に実現してみました。 (1) アンテナ形状
前に(1)で紹介した構造ボルトのような明確な給電位置は建物外装部分にはありませんが、それでも見込みのある場所を見つけることができています。 1.エアコン室外機固定部 前回の問題となったインバータノイズで一番受信妨害を受けるところなのですが、電気的には電源ライン(単相200Vの中点)となっているアースラインと保安上結合している部分です。ただ、これと建物の構造体ともA…
Magnetic LOOPに期待する受信アンテナ(1)ヒントとなった研究発表を紹介
未だ自宅の受信環境を調べたわけではありませんが、自宅内には各種インバーター回路が活躍しています。特にHF帯受信と関係する設備を列挙しますと ① 太陽光発電システムの直流→交流変換回路 ② 蓄電池システムの直流←→交流相互変換回路 ③ エコキュートの熱交換機 ※前の自宅では、給電部・アース部共に逆Lアンテナと近かったのですが、特に影響は…
自宅敷地では、7MHzフルサイズのDPは張ることができません。そこで仮にですが、敷地の対角線で取れる長さの短縮DPを張れるとするとどういった性能となるか?を検討しています。 ただ、建物の影響を受けないためには、地上高12mH以上が必要です。ワイヤーで張るとすると両側に12m高のしっかりしたポールが必要です。ですが、柱を支持するためのステー線を張ることできませんから、地面基礎を本…
過去にもアース問題(大地の電気特性)とスローパーの指向特性についての関連は記載したと思うのですが、今回、MMANAでその状態を再現して、今回の結論への根拠としています。 また、通常の1本のλ/4で、前回と同じアース条件とした場合のアンテナ(絶対)利得をMMANAで求めています。それとの比較が一番、アンテナの特性がよく判ると思います。 (本論) 1.状態の悪い大地における…
建物構造体アンテナ(4)Virtual-4SQアンテナ現実モデル案(北方向固定)
元の原案を改良することにより、主ビーム方向を更に微調整することができました。今回のモデルなら、北/東/南/西の4方向にビームを向けることができるようになります。そのうち、一番実用的な方向となる北向モデルに決定しました。 (1) 北方向を主ビーム固定での運用
建物構造体アンテナ(3)λ/4バーチカル×4本でシミュレーション(1)単一指向性を似せた再現モデル
前回の垂直偏波成分の指向特性だけをλ/4バーチカルアンテナを4本使って同様の配置をした場合で分析しています。本来の4SQとの違いは、単一ビームの前方向となるエレメントに対する位相(-3°)です。4SQ(直角)アレイアンテナでは、前方側を-90°、後方側を+90°位相で駆動します。サイドの2本はいずれも0度です。 (本論) (1) 前回の垂直偏波成分を再現
現実の建物構造体に適応できるか?は未だ未知数なのですが、軽量鉄骨構造を簡易化したボックス構造の正六面体をアンテナ構造とすると興味深い単一方向の指向性アンテナを実現できるかもしれません。 (本論) このアンテナ性質を発見した経緯は、軽量鉄骨構造である自宅が総二階建て構造であること、その四隅にある通し柱は、7MHzのλ/4長に近い、約10m間隔の真四角状態であること。…
TVアンテナステー線をアンテナとした場合をMMANAでシミュレーションしています。といっても複雑な形状をMMANAの定義表に入力が面倒なので、まずは簡易的に単純化したモデルとしました。 (本論) アンテナの種別ですが、SLOPER型アンテナの動作に近いと考えて、サンプルデータにある1.9MHz帯SLOPERからの変形としています。よって、アンテナ名も「インバーテッド・スローパー(仮称)…
建物構造体をアンテナ利用(1)建物建築中に目を付けた給電点箇所
(はじめに) この前、古いHP記事を復活させましたアパマン運用時のLongWire(以下、LW)アンテナをヒントに当時のアパートと同様の軽量鉄骨構造である自宅建物本体を「建物アース(アンテナ動作は、イメージ・アンテナ)として利用」を実現するための実地調査や建物への給電構造をMMANAでシミュレーションすることで、今回挑戦への手がかりとしたいと考えています。 ただし、建物…
運転免許証更新条件追加なしで最後の5年間有効期間に突入(留意事項を付記)
今回も新規テーマ準備までの中継ぎです。先日、運転免許証の更新を無事通してもらえました。というのは、片目の視力が、0.3ギリギリの状態だったからです。約1か月くらい前に眼鏡屋さんで視力測定をしてもらったところ、片目は、0.7以上見えるのですが、他の目が0.3見えていない状態だと判りました 原因は、今までは無かった「乱視」が片目に生じたからです。前回(5年前)の更新時も視力に不…
和歌山市では、週末あたりから急に真夏日となっています。今日も「熱中症警戒アラート」が和歌山県も含め、全国各所に発令しています。そんな時にひんやりとしたスイーツを紹介します。美味しさはもちろんですが、見映えも良かったので、ブログテーマの中休みネタとして紹介します。 (上部の生クリームとフルーツの盛り付け)
隠密アンテナ計画(5)給電部(ステー線用金具)(2)給電部から(屋内)整合回路への引き込みまで検討(完結)
下記写真は、別の角度から見た給電部(ステー線用金具)の拡大部です。 写真にあるクレモナ・ロープは既に撤去済みです。左斜め方向にあるTVアンテナ用…
一般的なTVアンテナ用ステー線の引き留め部分をサンプル写真にて紹介します。 (モデル住宅における参考例) 他の個人宅の現物写真を勝手に撮影して利用する…
隠密アンテナ計画(3)屋根の天頂部にあるUHF-TVアンテナと支柱ポール
次の写真は自宅の屋根の中央天頂部にあるUHF-TVの設置状況です。 アンテナ自体が支持ポールの低い位置となったのは、当初は、HF用アンテナ電線を支えるFRP…
隠密アンテナ計画(2)アイデア元は、別冊CQ ham radio 1992-7月号
この冊子にある「設計=施工へのワンポイント・アドバイス」記事を参考としています。 (冊子表紙のリンク) https://www.amazon.com/%E5%88%A5%E5%86%8ACQ-ham-radio-7%E6%9C%88%E5%8F%B7%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A/dp/B08QTLNZ79 (本論) この記事の主旨は、当時はVHFのTVアンテナのステー線をLongWire(以下、LW)の…
自宅リフォーム工事に便乗した隠密アンテナ計画(1)新築時に準備済みアース線を活用可能?
新築時に用意した地面内の電線束=地表ラジアル線アースは、そのまま放置していました。今回これを使える機会を実現できるかもしれません。 というのは、来月当初予定で自宅2階部を一部リフォームすることになりました。その際に外壁に沿って一部足場が組まれることから、日頃手が届かない部分(屋根の片隅)にある(代用)アンテナ線からの引き込み電線を固定できるような準備をしたいと思…
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前回は、MMANAのスタブマッチに必要な(ショート)スタブの特性インピーダンスZoを求める結果式を示しました。 Zo=276log10(d/a) [Ω] ....(5.81) Zo;求めたいスタブの特性インピーダンス d;2線間の距離 a;電線の口径(半径) この式があれば、簡単にスタブの特性インピーダンスZoを計算できることはご理解いただけたと思います。 ただ、この式を導出してくると…
利得とF/B追及したラジエータ直結アンテナの特質は、今回の周波数特性に顕著に現れています。 それらについては、個々のデータで分析していきます。 (本題) 1. 給電点インピーダンスZ(RとjX別)
ヘヤピンマッチに使うU字形の金具(ショートスタブまたは単にスタブ)の設計に必要な事前知識についての講座です。50MHzなら適当 に給電部に電線をU字に装着すれば、マッチングできると思えますが、力業での試行錯誤で求めるのは大変です。 一方、MMANAの「表示(V)」メニューにある「オプション(V)」をクリックすれば、次のような「スタブマッチ」タブを開けば、 ヘヤピンマッチの…
前回のモデルの全てのエレメント対象に50.0~51.0MHz範囲内でGaとF/Bを追求しています。そのうちのBestモデルの1つで、これが最良ということではありません。同様なモデルは、MMANAを使えば、いくらでも設計できます。 今回の目標は、50.0~51.0MHz全般におけるGaとF/B性能の維持に加えて、中心周波数50.5MHz付近をより重視する設計です。このため、各エレメント長とエレメント間隔の全てを…
今回は、放射器と第一導波器位置によるSWR特性のみを改善した状態での周波数特性です。これだとインピーダンスZ(R+jX)特性とSWR特性で見ると全く問題ありません。 しかし、一方で八木アンテナとしての性能(Ga,F/B)及びパターンでの周波数変化を見ますと50.750MHz~51.000MHz(以上) 周波数帯に特性が偏る傾向があるのです。これは、元の8ELE6MW.MAAのデータの癖というか、そういう…
今回からは、HF帯のマルチバンド八木で昔用いられた「直接給電-direct coupling」方式を掲げます。 50MHzにおいては、ラジエータがブームから電気的に浮いた状態とさらにラジエータを左右エレメントに分割・絶縁して、その中点にDPと同様に給電する方式となるので、給電箇所の絶縁と分割支持のための高周波性能に優れた樹脂部品が余計に増えることから、メーカー製のように部品コストにシビ…
前回は説明漏れとなりましたが、)「γC-match」若しくは、「γ・C-match」と言うマッチング形式名称はありません。前回勝手に命名しているものです。ただ、誰でも思いつく回路なので、同様な回路は既に使っておられるメーカーや個人がいるかもしれません。 ただ、今回の設計だと詰めがあまいのか?利得面において、γマッチとの差が1.0dBもありました。この利得差がこの形式に対する最終評…
今回は、今まで発表していない(個人的に見た記憶が無いだけで、既に発表済かもしれません。)新しいマッチング構造の紹介です。このマッチング方式の売りは、ロッドはωマッチに相当する短い固定長を選択できます。γマッチ用コンデンサーC1及びCマッチ用コンデンサーC2は、ほぼ同じ容量を使い、(Tマッチの時のCの容量に近い。)γマッチ単独の場合…
前回の問題点(2)については、コンデンサーC2を工夫して、例えば、16pF程度の固定コンデンサーと直列接続にして、16pF(最大容量30pF)可変コンデンサーとすれば、C2の調整もそれほどクリチカルにならないのかもしれません。これについては、最終の評価で書きました。 (本題) 1. 給電点インピーダンスZ(RとjX別)
γ(ガンマ)マッチの改良方式であるω(オメガ)マッチについて【参考】として検討します。というのは、50MHzでは、γマッチに対する優位性は薄れてしまうことから、個人的に50MHzでならωマッチよりもγマッチを推奨する立場だからです。 その理由は、 (1)ωマッチの特長であるロッド長がγの0.5~0.7倍と短くて固定長となることは、50MHzではメリットとは言えない。HF帯(特にローバン…
γマッチとほぼ同じ方法であるT-match方式との性能比較をしますと中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.71(T:19.02)dBiと+0.69dB増、F/B:23.19(FD:23.26)dBと-0.07dB減(ほぼ同等)となっています。一方、ラジエータ長を見るとγ:1.46m(T:1.56m)長とγマッチのほうが、10㎝も短くなっています。ですから、FDとT-matchとの比較の場合のようにラジエータ長が利得やF/Bを決定づけるとは言え…
今回から50Ω同軸ケーブルにて直接給電できるマッチング回路について考えます。その代表例は、γ(ガンマ)マッチング方式です。個人的には、50MHzで活躍した給電方式です。今から50年以上前にマスプロ電工製4エレメント八木に実装されていました。当時は、可変コンデンサーは小型バリコンでした。ですから、調整はとても簡単に行えました。また、主ビームの偏りは意識することはありませんでした…
T-match方式では、FD方式に比べると中心周波数50.5MHz付近では、Ga:19.02(FD:18.45)dBiと+0.57dB増、F/B:23.26(FD:23.88)dBと-0.62dB減と一長一短となっています。しかし、これはマッチング方式の違いというよりもラジエータ自体の全長の問題となっています。FD方式だと誘導リアクタンスを小さくするため、ラジエータ全長を短くする必要がありました。その一方、T-match方式だとラジエー…
今回から、前回述べたFDラジエータからの変形となるT-match方式について検証します。T, γ(ガンマ),ω(オメガ)のいずれもラジエータエレメントに並行に沿う、短いロッドにより、エレメント中央位置からオフセットした位置に給電する方法に分類される方法です。この方法についての動作原理の理解を得ることが難しいようで、ネットで公開している情報は、玉石混合的(正しい記述と誤った解釈と…
FDラジエータと1:4バラン方式を使ったアンテナの周波数特性について、MMANAで分析してみます。 (本論) 1. マッチング前の給電点インピーダンスZ(RとjX別) 2. 50.5MHzにてマ…
今回からは、MMANAモデルから改良したオリジナルモデルで、Radiator(放射器)をFD(フォールデッド)タイプにする方法です。これと同等な方法は、ナガラ電子のモデルで使用しているT形マッチングです。この場合は、フォールデッドロッドとラジエータエレメントとの太さ比でもって、FD給電と同等な給電点インピーダンスとなるように持ち上げています。ですから、同軸ケーブルを使ったUバランでの…
シングル放射器(DP)の8エレ八木における周波数特性です。 9. Z(R&jX)特性 (1)マッチング回路なし 51MHz以上となるとRとjX変化が大…
今はこちらが当ブログのメインテーマです。残るラプラシアンを導出すれば、これで球座標について完了します。 (本論) 一般形の直交曲線座標のラプラシアン表示 電磁気学(28)ベクトル解析の直交曲線座標(8)ラプラシアン(∇^2V) https://jo3krp2.seesaa.net/article/515700277.html ▽^2V =(1/h1 h2 h3)[(∂/∂u1){(h2 h3/h1)}{(∂V/∂u1)} …
前回は自由空間の計算結果でしたが、今回はタワー上にある20m高として大地反射を含めた計算結果です。また、前回の説明していない部分を補足します。 (本論) 5. 組み合わせパイプ・データ欄の見方
前回(番外)記事でお知らせした内容につき、元の質問者であるJA7PRV局から更なるコメントをいただきました。 、質問者の知りたい内容が明確となったことから、こちらでも少し、検討してみることにしました。ただ、ご希望どおりの回答となるか?は今のところ未定です。 ただ、今回のコメントにあった2020年11月29日付け記事で紹介している「3巻きバランを使ったωTマッチ」 NanoVNA活用(55)テクニカル講座2020…
一般的なTVアンテナ用ステー線の引き留め部分をサンプル写真にて紹介します。 (モデル住宅における参考例) 他の個人宅の現物写真を勝手に撮影して利用する…
次の写真は自宅の屋根の中央天頂部にあるUHF-TVの設置状況です。 アンテナ自体が支持ポールの低い位置となったのは、当初は、HF用アンテナ電線を支えるFRP…
この冊子にある「設計=施工へのワンポイント・アドバイス」記事を参考としています。 (冊子表紙のリンク) https://www.amazon.com/%E5%88%A5%E5%86%8ACQ-ham-radio-7%E6%9C%88%E5%8F%B7%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A/dp/B08QTLNZ79 (本論) この記事の主旨は、当時はVHFのTVアンテナのステー線をLongWire(以下、LW)の…
新築時に用意した地面内の電線束=地表ラジアル線アースは、そのまま放置していました。今回これを使える機会を実現できるかもしれません。 というのは、来月当初予定で自宅2階部を一部リフォームすることになりました。その際に外壁に沿って一部足場が組まれることから、日頃手が届かない部分(屋根の片隅)にある(代用)アンテナ線からの引き込み電線を固定できるような準備をしたいと思…
これは、過去の大規模アンテナ設備に使用したことから分ったのですが、DIY店でも調達できる部品でも、プロご用達の専門店を利用すると例え1個だけの部品、今回は、ワイヤクリップ1個だけでの入手の場合で紹介します。
最後に別宅の予備システムで実装していた例を紹介して、この完了とします。こちらは、主に3.5/3.8MHz垂直八木アンテナを使用するために用意したコモンフィルタ群です。また、同時に14-28MHzのミニマルチ会社のトライバンダー八木アンテナにも適用していました。いずれも既に撤去済です。フィルタ自体も破棄しました。 (別宅の予備システム側にある室内壁面)
依頼のあったCMD1.8Ⅱ-MTの完成時の写真とこれとは別ですが、同じタイプを私自身もタワーアンテナ用として使っていました。この長期使用経過の様子を紹介しています。 9 コモンフィルタ CMD1.8Ⅱ-MTの完成写真 ①M型端子のコネクタ部分
前回お知らせしたように幅広い周波数帯域でコモンモード電流の減衰を確保できるか?が、このフィルタの性能を表していることの説明です。下限は1.8MHzに対応するのと同時に上限は50MHz以上まで十分に減衰できているかがフィルタ性能勝負の分かれ目です。 6 ネットアナ利用 CMD1.8Ⅱ 特性グラフ図
コモンモードフィルタの性能は、そのインダクタンスの大きさで決まるといっても間違いではありません。ただ、インダクタンスで生じるリアクタンスの周波数特性にも注意する必要は欠かせません。その部分は次回に紹介します。今回は、インダクタンス測定の方法を紹介しています。 5 性能判定測定法 完成したコモンフィルタの良否について判定する検査方法です。 最も確かな方法…
今回加工時の写真はありません。また、内部構造を写した写真も1枚も無いのです。さらに使用していた現物も別宅無線局設備の廃棄と同時に全て処分しました。なので公開しようとしてもできません。そして、自分自身も作り方を忘れています。残っているのは、大学ノートに記録した各寸法を記載した数字と簡単な説明だけが全てです。 3 VUキャップの加工 VUパイプ両端の防水処理とし…
今回はVUパイプ等への穴あけ時に利用する治具の紹介です。 2 パイプ穴あけ時固定治具 この治具は、NSNスペシャル・アンテナ記事を当時の月刊ファイブナイン誌に掲載の際、配布用アンテナ部品を作成するため準備したものです。 ドリルによる穴あけをパイプのような丸い表面に穴をあけようとするとパイプが回転してしまい、ドリルの刃先がすべってしまうことがあります。このよ…
「コモンモード実験室」関係の記事は当ブログ記事として全てを全てを再現したつもりだったのですが、今回の部分は漏れていたようです。 (記事概要) 前回までのレポート(当ブログでは「コモンモード実験室」の以下の記事案内に該当)とは、違う視点で、このテーマを考えていました。 【ブログ記事案内】 過去のHP記事再現(144)コモンモード実…
前回紹介したようにリビングのシステムで384KHzアップサンプリングと内部処理32Bit深度を採用したところ、ロック系の音楽では、力強さが削がれた感覚を持っています。しかしながら、楽器の音色の余韻は、とても甘く響きわたるようになっています。これを意図した理由ではありませんが、こちらでも心地よく聴ける音質であると言えるかもしれません。 (試聴音源) ホテル・カリフォルニア Eagles 2003年05月14日 ht…
2Fにあるメイン・システムに比べるとまだ改善の余地があると思い、本日からアップサンプリング周波数を192KHz→384KHz(PCM×8)の最大設定まで引き上げました。 USBケーブル長が、約5mと長いものを使用しているので、その間の伝送波形の乱れを心配したのですが、今のところ、誤動作や音切れは発生していません。 肝心の音調は、オーディオ再生プレーヤN-70Aでの384KHz出力とは違っています。どちらかというと音の迫…
1999年12月号CQハムラジオ誌に掲載された記事からの最後の紹介です。 当時、使用していた無線機は、FT-1011(50W)でした。 今のようなDSPによるノイズリダクションや狭帯域の低周波バンドパスフィルタはありません。したがって、ノイズ軽減の方策としてはIFフィルタを250Hz帯域とするか、自作の外付けの低周波フィルタを付加するか程度の対策しかありませんでした。
TS-520関連記事の後半です。実際にこのTS-520を使用していた時期は1990年あたりまでです。その後は、TS-850やFT-1011に切り替わりました。VFOがアナログでしたから、1KHz単位で周波数が正確に読み取れないのは、実用とはならない時代となったからです。
1999年12月号CQ誌に掲載されたケンウッド社無線機(当時はトリオ社)TS-520の受信部改造記事です。 当時の機器のミクサー部分は、MOS-FETによるシングルタイプのミクサーが主流で強力な受信信号があるとミクサー段の突き抜け信号や混変調があたりまえでした。これを軽減するため受信機のトップへアッテネータを挿入するものです。 同時に、RF段素子の交換とIFゲインの調整を紹介しています。素子の変更による不要なゲ…
結論を言えば、IC-7400のCI-Vのボーレート設定が最高19200BPSまでなので、USBをREMOTE接続から独立させてもそれ以上の高速接続できるという意味はありませんでした。しかし、他の機種では、役立つ場合もあるかもしれませんので、USB独立でHamRadioDeluxeVer5.24.0.38(Free最終)を使えるようにすることを検証しています。 また、質問者からのメール返答にあった「HRD側でDTRにチェックを入れる…
昨日、朝メールで標記のトラブルの相談があり、久しぶりに無線機IC-7300とHRDとの接続を試したところ、私の環境でもHRDとの接続が出来なくなっていました。以下は、その顛末です。 (本論) 1.当初の接続結果
前回内容の最後の部分は半分ぐらいは事実です。 さて、今回の内容部分の主題は、 (本論) アフリカの有名なDXサーであるJacky(3B8CF)氏から突然手紙が来たときは私も驚きました。 その内容は、日本製無線機の故障を直したいため、いくつかのトランジスターを送って欲しいとあって、かなりの枚数のIRCを同封してありました。 インド洋沖にあるモーリシャス島での電子部品の調…