書棚の整理をしていると、障害や福祉の関連書籍が山ほど出てきた。 このブログで紹介したものも多い。そういうものを読み漁って参考にしたり子どもの行く末を考えたり福祉に関する知識を深めたり・・・ということはもちろん期待したし実際勉強にもなりました。 マニュアル頼みの世代、まず出産間もない頃は「医学的育児書」をあれこれ探した、 障害など夢にも思わない頃。有名人の子育て体…
最重度知的障害児育ての20年。大荒れ思春期からの記録になった「ドメスティックおたく日記」です。
昭和のインドアおたく女が、重度知的障害児を授かり意を決して外に出ました。障害児者の福祉や教育という未知の世界で嫌でも社交的になりつつ考えてきたいろいろなこと、そしてどーでもいいオタ話を続けています。
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書棚の整理をしていると、障害や福祉の関連書籍が山ほど出てきた。 このブログで紹介したものも多い。そういうものを読み漁って参考にしたり子どもの行く末を考えたり福祉に関する知識を深めたり・・・ということはもちろん期待したし実際勉強にもなりました。 マニュアル頼みの世代、まず出産間もない頃は「医学的育児書」をあれこれ探した、 障害など夢にも思わない頃。有名人の子育て体…
Kの初めての帰省の日が近づいている。彼が1年以上不在だった我が家の時間を戻さねばならない。 それほど大きな変化はないと思う。しかし壊されないように補強していたものをはずしたり、残しておいた絵本やDVDの置き場所が変わっていたりする。 半日程度とはいえ油断はできない。完全に、というのは無理だとしてもある程度の現場回復は必須なのだがこれが意外と難しい。 勝手に窓を開けないようにし…
Kが入所して二度目のゴールデンウィークは、淡々と過ごしながらもそれなりに充実していた。 弟君の帰省、そして一緒にKの施設訪問と面会、夫と日帰りドライブ。遠出してもKが同行しないので各種割引はもうないが、高速料金節約のルートを工夫し奇跡的に渋滞回避、混雑を避けた地味なコースで快適なドライブ旅行でした。 そして私的にはこれがメイン、の映画鑑賞。カレンダーでは平日にあたる日を選んでシネコンに…
ゴールデンウィークが盛り上がるさなか、Kの面会に行った。帰省していた弟君を連れて。 弟君が兄が暮らす施設の中に入るのは初めてだ。案内されて個室の前に立ち軽くノックしてからドアを開ける。いない。 トイレでした。 職員さんと共に現れたKが弟君をチラッと見た。特に変化も動揺もないように見えたけど、どうだったのだろう。 「K君、久しぶりだね。」と声をかける…
家の整理をしていた時、普段ほとんど開けることのない収納棚で裁縫箱をみつけた。丈夫な木製で引き出しがたくさんついている。引っ張り出して開けてみると、基本的な裁縫用具の他にさまざまな太さの編針、手縫いの針、ミシン針、端切れ、ボタン、チャコペン、しつけ糸、・・・なんだかよくわからないくらいカオスなものが出てくる出てくる。 棚のさらに奥に手を伸ばす。積まれていたのは手芸本。棒針、鍵針、レース編み、…
前回の続き。 たったひと月で3割の職員が退職、まずこれが尋常ではない。KSB瀬戸内海放送の方の詳しい記事ではパワハラがあったとか運営に関して内部告発があったとか書かれているが、そういったことの蓄積の結果なのだろう。 労働環境に不満が出やすい、でも辞…
「知的障害者支援施設 入所の継続求める保護者らが提訴」(NHK香川 NEWS WEB) このニュースの見出しを最初に見た時すぐには内容を把握できなかった。以下、リンク先記事の要点のみ引用です。 去年6月から7月にかけて職員のおよそ3割…
いつのまにか新年度になっていた。半リタイアの夫婦だけの生活になると季節も時間も単なる繰り返しになりがちだ。積極的に潤いを求めましょう。 ということで日常使いの食器を変えてみた。 …
前回の続き。 保護者会役員の改選、ということで進行役の役員さんが出席者に個別に問いかける。 「自分も高齢で」「持病があって」などの理由で辞退する人が2⁓3人続いた後で。 「そちらの方は・・・」と、なんだか私がいる方向に役員さん…
入所施設の保護者会に参加した。Kが入所してほぼ1年、コロナ対策緩和後は少しずつこういう会合が再開されている。 保護者、といっても既にご両親共に他界している入所者も多く、ご兄弟かと思われるような年代の人も見かけた。入所者の中でKはかなりの若手なのだ。 で、最重要議題。「役員改選」。 これはもう子育てをしていれば小学校の頃から何度も直面する問題で、全無視して逃亡という手…
私が映画を観に行くのは大抵公開翌週の平日朝イチだ。田舎のシネコン、人気作品であってもチケット購入や物販で行列に並ぶことはほぼないし、早朝は観客も10人前後でディスタンスも十分。そんな環境に慣れ切っていた。 しかし「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」が公開された時はどうしても翌週の都合がつかず、それより後に回すと上映時間が限定されるかもしれないので仕方なく公開初日…
以前ここで大江氏が障害児を授かった経験を小説にした「個人的な体験」を読み感想を書いた。(過去記事 出生直後の障害受容と純文学・・「個人的な体験」を読む ) 「個人的な体験」は初めて授かった子が重度の障害を持っていたと知った時の混乱とその後のお話。 …
Kの面会に行く。今回は本人が生活しているユニットや個室まで行って様子を見ることができた。 室内は以前見た時とあまり変わらず整頓されている。事前にいつもより念入りに清掃しているのだろうな、とは思うがそれでもしっかり管理が行き届いているように見える。 担当の職員さんに最近の様子を聞く。特に変化はなく、食事も入浴も排泄も順調とのことで基本的な部分はひと安心。 Kはベッドに座って「おかあさんと…
支援学校の頃から保護者会やPTA活動で交流があったお母さん数人とよくカラオケやランチに行っていた。さすがにコロナ禍では控えていたが、最近少しずつ再始動しつつある。 この3年くらいでメンバー4⁓5人(固定していない)の子のうちKを含めて3人が施設入所した。施設や他の利用者に影響はほぼない、ということで入所保護者組はランチ交流再開。通所保護者も以前ほどの警戒は要求されなくなったものの油断はできな…
自宅から少し離れた規模の大きい書店で書類整理用のファイル等を買い込み、ついでに新刊や雑貨をあれこれ眺めてきた。その時に思ったどうでもいいことあれこれ。 ◎「ザ・ファブル The second contact」の完結巻を買う。帰宅して読もうとしたらページの間から「カイジ」…
最近、書類整理に燃えている。 弟君や夫(私が先立つとして)が後で困らないようにと、市販のエンディングノートに預金や保険のことなとをぽちぽちと書き込んでいた。Kが入所してあちこち整理整頓している時にただひとまとめにしてあるだけの保険やら年金やらの書類を見て「これではいかん」「ここも整理しなければエンディングノートだけではわからないかも」と感じて一念発起。 クリアファイルやクリアホル…
ハートネットTV 能登半島地震 障害者の避難生活はいま を見た。 障害者の入所施設も被災して建物も壊れ、断水でまともな食事もとれない。 利用者は安全のため個室から体育館へ集められる。いつもと違う、環境変化に敏感な人達はそれだけで不安定になる…
先日Kの面会に行ったところ、やや表情が暗く以前にもよく見られた自傷の痣があった。これまで割と表情がいいことが多かったのでちょっと不安になる。 おおむね落ち着いているのだが時々自傷がみられるという。発熱して行動制限されたこと、そして何より最近の天気や気温の変化。Kがイライラする原因としては充分すぎる。そういう時によく痣を作っていたものだ。 やはりこういうのを見ると少し切なくなる。以前もよく…
なんとなくこのブログのトップページを見て気付いた。URLの隣の鍵マークに、あの不穏な 〓マークが付いている。クリックすると、「このページの一部(画像など)は安全ではありません」・・・はぁ? 調べてみるとバナーやアイコンのどれかが「http://」のまま利用されておりHTTPS配信のこのブログでは「安全ではない」と判断…
入所施設からKが発熱していると連絡があった。前日から咳をしており手がいつもより温かいので体温を測ると38度、嘱託医のところで検査をしたところインフル・コロナともに陰性。しかし発熱後少し時間をおくと陽性判定になることもあるので完全シロとは言い切れず、念のため自室でずっと過ごしているという。 熱は38度くらいであまり苦しそうでもなく、食事も完食。施設内では完全に陰性と判定された風邪症状の人はいたが…
ついつい感傷的なことばかり書いてしまったが、当日はさまざまな手続きや申し送り事項の確認もありました。そりゃそうですよね。 それまでに何度か支援員さんを交えて施設側やKを直接担当してくださる職員さんと話し合いをしていた。荷物も大きなものから少しずつ運び込み、Kが慣れている配置をお願いしてある。(まだコロナ対策で室内には入れない)当日持ち込んだのは本当に簡単な荷物、そしてK本人が背負う愛用のリュ…
朝、スマホの画面に予定管理アプリの通知で「K 入所」の文字が表示されていた。 一緒に食べる朝食も歯磨きも、すべてが特別な日。 出発の時、近所に住む義姉が見送りにきてくれたので親子三人の記念写真を撮ってもらった。車に乗り込むその時も多分Kはいつものドライブくらいに思っていただろう。 入所カウントダウンに入る頃桜が咲き始め、夫は地元でも桜の名所と言われる場所にKを連れ出して…
明日はいよいよ入所、という日。 夕食はテイクアウトの特上寿司にKが好きなネタをプラスして食べ放題。お風呂や着替えの介助も今後しばらくはないだろう。夫が「次にK君の体を洗ってやるのはいつになるのかな」と呟いた。 入所が決まった日からその準備を始めた。ここしばらく自分の衣類や整理箱が散乱していた家の中を見て、もしかしたらK本人も何かを感じていただろうか。今思うとそんな気がする…
Kが利用していた通所施設から事務的な処理に関する書類が郵送されてきた。書類一覧と送り状の他に可愛い柄の一筆箋が同封されている。 顔なじみの事務職員さんの直筆で「Kさんの姿が見えなくなって寂しいです。お元気ですか。」と書かれていた。 よく事務室のドアを勝手に開けてしまうKにも優しかった。迷惑をかけたことの方が圧倒的に多いのに、こんな言葉を伝えてくれるのか。社交辞令かもしれな…
施設入所への最後の関門、それは・・・・「PCR検査」。 入所日の3日前、すぐに結果と証明書を出してもらえる医院で検査を受けることになった。駐車場で待機していると防護服で完全防備の看護師さん登場。 唾液採取は無理とわかっていたので鼻孔から検体を採取する。以前同じ方法でインフルエンザの検査もすんなり受けてくれた・・・・それなのに。 全力で…
さて、お気づきのことと思うがKは既に我が家にいない。 ちょうど桜が満開の頃に入所していきました。あっけなかったな。 一足先にやはりお子さんを送り出したお母さんの言葉はすぐに理解できた。「魂が抜けたようだ」。 夕食の下拵えは午後4時過ぎてから始めてもいい。夜中にたたき起こされることもないから、ゲームで夜更かししてもいい。機嫌が悪くなるから、と必ず外出する必要もないので休…
通所施設利用最後の日が来た。 この日はバスを利用せずに直接送って行き、帰りはご挨拶も兼ねて夫と一緒に迎えに行った。 私物を受け取る。こだわりのおもちゃや絵本は、既にボロボロになっているものもある。着替えの衣類は大半が失禁に備えた大量の下着。手続きを終える頃、Kの担当の職員さんが来て最後のお別れをした。 名残を惜しんで車に乗り込もうとした時、担当ではないがいろいろな場面でお世話になった…
一昨年、洗濯機を買い替えた。なにかと汚すKを含めた汗っかきの男3人の大量の洗濯物を考慮して、容量10㎏・完全乾燥機能付き。 これからの我が家には完全にオーバースペックだな。もったいないことをした。 思えば去年の今頃はまだ弟君は一人暮らしを考えていなかったし、Kの入所だって遠くない将来、くらいの感覚だった。たった1年後、子は二人とも家からいなくなり家族は夫と二人だけになる、なんて全…
Kが入所した後、私はどうなるのだろう。毎日やらねばならないことの大半が必要なくなる、ある日を境に一気に。ストレスも減るだろうが生活のメリハリというものをどう作っていけばいいのか。Kより少し前に入所した人のお母さんは、「魂が抜けたようだ」と言った。 パートや習い事、それとも自身の老化メンテナンスをしつつ終活の仕上げ・・・などとぼんやり考えていたらいきなり超特大ニュース(私にとっ…
衣類の他に持ち込めるものを確認し、以下のもの用意する。 ・おもちゃや絵本を入れておくカラーボックス ・愛用していた椅子 ・小型のブティックハンガー おもちゃや絵本はお気に入りのものに新品を少し買い足した。椅子もポールハンガーも自宅で見慣れたもの。 ブティックハンガーには上着やリュックの他にマグネットボードを下げる。そしてそこに好きなキャラクターのポストカードを貼…
入所前には健康診断を受けさせ、その結果を提出しなければならない。療育病院で血液と尿の検査、肺のレントゲン撮影をする。 一通りの検査を終えた後、担当の先生が言った。 「本当に、頑張りましたね。」 Kに対するいたわりの言葉と思ったら。 「ご両親、30年近くお疲れさまでした。素晴らしいです。」 私達へのものだっ…
見てきた。 はぁ? 入所準備で忙しいんじゃなかったのか、何やってんの・・・・と自分でも思う。実際もう少し落ち着いてからと思っていたのだけど。 あらゆる方向から怒涛のようにネタバレとか印象が固まるような情報が襲い掛かってくるんですもの。このご時世、ネット遮断して見ざる聞かざるを決め込むのは無理だ。ずっと準備に奔走しているしちょっと息抜きするくらいいいでしょ、ということで。 以下の感想も多…
施設に持っていくKの衣類を選んで整理する。親心としては全部しっかりした新品を持たせてやりたいが、新しい生活で戸惑わないように本人が着なれているものに新しい物を足すくらいがいいと聞いた。また、施設では大量の洗濯物が出て大型乾燥機も使われるから「高級ブランド品とかはやめた方がいいし、あまりに安物だとすぐダメになるよ。」と、先輩お母さんのアドバイス。 少し高価で丈夫で品質重視のも…
入所日が決定した。充分とも足りないともいえないくらいの期間に、気持ちの整理と様々な準備をしなければならない。 事前の準備について書かれた資料をもらう。衣類等の生活用品の他、保険証や療育手帳、健康診断書とコロナワクチンの接種証明書。入所直前にPCR検査をして陰性証明を受ける。 無症状だが証明書が欲しい、という場合のPCR検査は実費有料(これが結構なお値段)で予約制。かかりつけの療育病院で健康診断も…
今だから冷静に書ける。実は我が家にもコロナの波は到達していました。 昨年末、夫の職場で複数の感染者が出たため数日の間業務が停止された。 Kが通所している施設では、家族が濃厚接触者になったり学校や職場で感染者がでたりした場合は本人も通所をお休みしてほしい、と通達されていたので即連絡。そして、当然のように夫発熱、からの陽性確認という流れになった。田舎だからなのか発熱外来の検査はほぼ抗原検査。…
春一番が吹き、日差しはやわらかく空気は生暖かくなる。私はこの季節があまり好きではない。 私は花粉に関しては現在に至るまでほぼノーダメージなので、そこではない。油断はできないと聞いたのでコロナ前からこの時期にマスクは付けているけれど。 Kの情緒不安定が続くからだ。眠りは浅くなり深夜に覚醒してトイレを出たり入ったり。昼夜関係なしに足音高く室内を駆け回り壁や床を手足で叩く。幼児…
支援員さんからメールが届く。これは「次ですよ」の意だ。 ずっとスタートラインで深呼吸しながら「いつでも来い」と体勢を整えていたが、とうとうスタートの号砲が鳴った。 いろいろ考えて決めた入所申し込みだし、覚悟もできていたはず・・・だった。「コロナ禍」という想定外の状況を除いては。 入所したって面会にも行けるし帰省すれ…
漫画「父を焼く」を書店で手に取ったのは、ちょっとドキッとするタイトルもさることながら作画を手掛けているのがあの「どんぐりの家」の山本おさむ氏だったから。原作は宮部喜光氏。「親を焼く」とは火葬の点火のことだ。 故郷で一人暮らしをしていた父が孤独死した、という知らせを受けて主人公は妻子とともに帰郷する。警察とのやり取り、ほとんど交流していない親類縁者への対応などに奔走するわけだが、とに…
Kが入所を申し込んで待機している施設はしばらく前から新築・移転工事がすすめられていた。このたび完成、内覧会が行われました。混雑を避けるため、事前申し込みの上小さいグループに分かれての説明&見学会。 パンフレットの写真と比べながら最新の設備を見ていく。「ウィズコロナ」を見据えてというわけでもないだろうが全体的に広々した感じだ。 これまでは、こういう施設にありがちなのだが市街地からかなり離れた…
批判ではない、凄いという意味で怖かったもの。 少し前、「タローマン」を全話一挙放送で見た。見てしまった(笑)。 あの岡本太郎氏の作品がヒーローと敵キャラになって大暴れ、というものだがそれ以上の説明は私には不可能だ。見ていて脱力、というより魂が抜ける。 1970年(そう、太陽の塔そびえ立つ万博開催の年)に制作された作品だがリバイバルで・・・ということになっているらしい…