一月六日 『正法眼蔵』最後の一巻について(令和7年版)
道元禅師の『正法眼蔵』は、数え方によっても違うけれども、最後の一巻が著されたのは建長5年(1253)1月6日であり、仏陀釈尊最期の説法を論じた「八大人覚」巻である。よって、今日はその一巻の一節を学んでいきたい。一には少欲〈彼の未得の五欲の法の中に於いて、広く追求せず、名づけて少欲と為す〉。仏言く、汝等比丘、当に知るべし、多欲の人、多く利を求めるが故に、苦悩も亦、多し。少欲の人、無求・無欲にして、則ち此の患い無し。直爾、少欲、尚応に修習すべし、何に況んや少欲、能く諸功徳を生ず。少欲の人、則ち諂曲にして、以て人の意を求めること無し。亦復、諸根の為に牽かれず。少欲を行ずる者は、心則ち坦然として、憂畏する所無し、事に触れて余り有り、常に不足無し。少欲有る者は、則ち涅槃有り。是を少欲と名づく。『正法眼蔵』「八大人覚...一月六日『正法眼蔵』最後の一巻について(令和7年版)
2025/01/07 09:46