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Balkan Folk Music Discography バルカン半島~黒海周辺地域の音楽と踊りを深掘りするブログ https://balkankokkaimusic.hatenablog.com/

バルカン南部~黒海沿岸地域のフォーク音楽、民謡、民族舞踊にはどのような背景があるのか、民族・宗教・言語・地理・歴史的な側面、歌詞、独特のリズム、伝統楽器の特徴、さらにはアーティストの人物像なども交えながら深掘りします。

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2022/08/14

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  • Na 'Tane To 21 ~ 誤解と確執のレベティコの大ヒット曲 ~(ギリシャ)

    今回紹介する曲はギリシャの「Na 'Tane To 21(ナ・タネ・ト・イコシエナ)」です。ギリシャの音楽ジャンルのレベティコの1970年代リバイバル期のヒット曲です。 Γιώργος Νταλάρας - Να 'Τανε Το 21George Dalaras YouTube Channel Giórgos Ntaláras, Na 'Tane To 21, MINOS-EMI 1970, Greece ギリシャのポピュラー音楽にレベティコ(Rebetiko / Rempetiko)と呼ばれる音楽ジャンルがあります。ギリシャのブルースと呼ばれることもある都市部の大衆歌謡で、アナトリア半島(…

  • Razgranala Grana Jorgovana ~プリズレンの銀細工~(セルビア民謡)

    今回のテーマは「Razgranala Grana Jorgovana(ラズグラナラ・グラナ・ヨルゴヴァナ)」、コソボのプリズレンにおける伝統的なセルビア民謡です。 最初の曲、演奏は民俗アンサンブルの一つの Ansambl Venac(アンサンブル・ヴェナツ)、歌はソリスト Tamara Kapetanović(タマラ・カペタノヴィッチ)です。 TAMARA Kapetanović - Razgranala grana jorgovanaTHE_VISION_GRACANICA (2022) 民俗アンサンブル Venac は、セルビアに二つ存在するプロ民俗音楽舞踊アンサンブルの一つ。コソボ共和国…

  • Itia ~緩々としたクラリネットのメロディと伝統舞踊ツァミコス~(ギリシャ)

    今回のテーマはギリシャのフォーク音楽 Itiá(イティヤ、イティヒャ)です。 最初の曲は、1955年にリリースされた Itia Moschoitia(イティヤ・モシホイティヤ)のレコード音源から。1930年代から1970年代の長きにわたりギリシャ民俗音楽の分野でプロの歌手として活躍した Giorgos Papasideris(ヨルゴス・パパシデリス)による歌の録音音源です。 Itia Itia Moshoitia Giorgos Papasideris, Dimotiki Anthologia, Greece (1976) 緩々と奏でられる3拍子のクラリネットのメロディが印象的な一曲。古代から…

  • はてなブログ タグ検索

    検索したいタグ名、キーワード等を入力してください。 # (新しいタブが開きます。) はてなブログではなぜかタグ検索がオフィシャルに用意されておらず、読みたい記事を見つけにくいので、ごくシンプルですがJavaScriptで検索機能を作ってみました。ご自由にお使いください。 よろしければ弊ブログ↓にもお立ち寄りを。 function inputChange(event){ window.open('https://d.hatena.ne.jp/keyword/' + keyword.value, '_blank'); } let keyword = document.getElementById(…

  • Mugur, mugurel ~19世紀の反逆の歌~(ルーマニア)

    今回はルーマニア・ムンテニア地方の音楽、Mugur, mugurel(ムグル・ムグレル)を取り上げます。 1曲目は、ルーマニア放送協会傘下のポピュラー音楽放送管弦楽団(Orchestra de muzică populară Radio、指揮:Paraschiv Oprea)による演奏から。 Mugur, Mugurel (original) Choir conducted by Paraschiv Oprea, Greetings From Romania Vol 2, 1994 Intercont Music, Romania. これぞルーマニアン・フォークという感じの、1拍目が2拍目より…

  • Osogovka ~山脈に響くバグパイプ・ガイダの音色~(北マケドニア)

    Short Notes、今回のテーマは北マケドニア東部の男性舞踊「Osogovka(オソゴフカ)」です。まずは踊りと演奏の動画から。 Ansambl Koco Racin so Osogovka vo Zakopane, 2021 Toni Bogdanovski, in Zakopane, Poland (2021) 北マケドニアの首都スコピエに拠点を置く民俗アンサンブル・コチョ・ラツィン(Kočo Racin)*1によるポーランド公演でのワンシーン。踊りは素速い足捌き、跳躍、スクワットと迫力があり、後半には一人のダンサーがもう一人を持ち上げるパフォーマンスも見どころです。 鮮烈な赤と白の象…

  • Inch Imanayi ~'70年代アルメニアのフォークソング~(アルメニア)

    今回のShort Note、テーマはアルメニアの1970年代のフォークソングの「Inch imanayi(インチマナイー)」です。 最初は、アルメニア公共ラジオで1972年に放送された「Inch Imanayi(Eench Eemanaee / インチマナイー)」の公式アーカイブから。作詞ローザ・メリキャン(Roza Melikyan)、作曲アルテム・メジニャン(Artem Mejinyan*1)の楽曲「Inch imanayi」。歌はラフィ・ホファンニシャン(Raffi Hovhannisyan*2)です。 Րաֆֆի Հովհաննիսյան/ Ինչ իմանայի/ Raffi Hov…

  • Chetvorno horo 〜Rachenitsaと異なるもう一つの7拍子〜(ブルガリア・ショプルク)

    前回(2024年1月18日)と前々回(同1月12日)はラチェニッツァの話題を取り上げてきました。しかし、ブルガリアの7拍子の踊りと音楽はラチェニツァだけとは限りません。今回はラチェニッツァとは異なるタイプの7拍子の踊りの一つ、チェトヴォルノ・ホロ(Chetvorno horo)を紹介します。 最初はガイダ奏者ニコラ・アタナソフ*1による1980年代初頭の楽曲「Chetvorno horo」から。 Четворно хоро Nikola Atanasov, "Chetvorno horo," Horos And Ruchenitsas, Balkanton ВНА-10891, Bulgari…

  • Zemenska Rachenitsa ~ブルガリア西部の刺激的なメロディ~(ブルガリア・ショプルク)

    前回に引き続き、ブルガリアの民俗舞踊・ラチェニッツァの話題を取り上げます。今回はアコーディオンによるラチェニツァ(7拍子)の楽曲、トライチョ・シナポフの「Zemenska Rachenitsa」を紹介します。 Земенска ръченица Traycho Sinapov, "ZEMENSKA RUCHENITSA", akordeon, Balkanton BHA-10165, Bulgaria (1978) ※民俗舞踊の「ラチェニッツァ」については前回(2024/1/12)の記事をご参照のこと。 楽曲タイトルの「Zemenska」は、ブルガリア中西部のゼメンという町にちなみます。 首都…

  • Rachenitsa ~ブルガリアで最もポピュラーな伝統舞踊・ラチェニッツァ~(ブルガリア)

    ブルガリア各地でとてもポピュラーな伝統舞踊にホロ(Horo / Хоро)があります。ホロについては、クリヴォ・サドフスコ・ホロ、ガンキノ・ホロ、パイドゥシュコ・ホロなど、これまでにも度々取り上げてきました。 今回はホロと並んでおそらく最もポピュラーな伝統舞踊とされるラチェニッツァ(Rachenitsa / Rǎčenica / Ръченица / ルチェニッツァ)*1 について取り上げます。 Ivan Mrkvichka - Rachenitsa (1894) *2 ラチェニッツァは、単純な2拍子のグループ2つと、3拍子のグループ1つで構成される、非対称な7拍子(2+2+3)に合わせて踊ら…

  • ブルガリアのキリル文字と翻字の話

    ブルガリア語の学習や、インターネットでの音楽や歌の検索をする際、ちょっと気になるのが「ブルガリアのキリル文字」。書籍やレコードアルバムなどの印刷物は、ロシア語式の角ばった書体とは一味違う柔らかな印象があります。パソコン、スマホ、インターネット上ではロシア式のキリル文字が今でも標準的ですが、最近このブルガリア式の柔らかいフォントの文章をインターネットで見る機会も少しずつ増えてきました。 標準フォント(ロシア式)とブルガリア式のキリル文字フォントの違い。上はロシア語版Wikipedeia (Википедия)、下はブルガリア語版Wikipedia (Уикипедия)。いずれも「リンゴ」の説明…

  • Manastır'ın Ortasında ~ マナストゥルの真ん中に ~(トルコ・ギリシャ・北マケドニア)

    今月トルコは共和国建国100周年を迎えます。100年前の1923年10月29日、ムスタファ・ケマル(Mustafa Kemal)指導の下、近代国家を目指した共和制トルコがスタートしました。 今回はそのムスタファ・ケマルにちなんで、〈Manastır'ın Ortasında〉(マナストゥルン・オルタスンダ(マナストゥルの真ん中に))という民謡を取り上げます。〈Manastır Türküsü〉(マナストゥル・テュルキュスュ(マナストゥルのバラード))とも呼ばれます。この民謡は、童謡として、またムスタファ・ケマル・アタテュルク(Atatürk = 建国の父)が愛した歌として、トルコ国民に共有され…

  • Devoiko Devoiko Mome ~ ピリンの山麓の民謡 ~(ブルガリア)

    今回はブルガリアの〈Devoiko Devoiko Mome〉(デヴォイコ・デヴォイコ・モメ)という民謡を取り上げます。 はじめに、ブルガリアの民俗音楽を集めた1964年リリースの2枚組レコードアルバム《FOLK MUSIC of BULGARIA》の〈Devoiko Devoiko Mome〉をお聴きください。 Devolko Devolko Mome (Dance Song)Gruevi Sisters, FOLK MUSIC of BULGARIA, TOPIC-12T107(1964), -TSCD905(1994), UK 注意:タイトルが「Devolko Devolko Mome」…

  • Dirlada - ギリシャ・カリムノス島の漁歌

    前回の投稿からだいぶ間があいてしまいました。気がつけばもう夏。毎日暑いですね。 そこで今回は暑い夏と海をイメージして、エーゲ海に浮かぶカリムノス島のとても陽気な歌のDirlada(ディルラダ / Ντιρλαντά (Ntirlanta))を紹介します。 最初は1969年~70年頃にギリシャ国内外で大ヒットしたディオニシス・サヴォプロスのDirladaからスタートです。 Διονύσης Σαββόπουλος - Ντιρλαντά - Official Audio Release Dionýsis Savvópoulos, Ntirlantá (Dirlada), To Perivóli …

  • Tsaghkats Baleni - 桜 (Armenia)

    今年もいよいよ春本番。桜の見ごろの季節になってきました。しかし今週末はあいにくの雨模様。気温も低く花見はいったんお預けでしょうか。 今回のテーマはずばり「桜」。アルメニアのフォークからTsaghkats Baleni(ツァハカツ・バレニ)を紹介します。「木の温もりと哀愁」とも評される民俗楽器ドゥドゥク(duduk)の素朴で味わい深い音色がとても印象的な一曲です。 まずは次の音源を聴いてみましょう。ハチャトゥール・アベティシャン(Khachatur Avetisyan, 1926 - 1996)*1作曲のTsaghkats Baleni、1970年代後半頃の作品です。演奏は名門エレバン・コミタス…

  • 【音源紹介】Ciganski Orijent (Serbia)

    今回はセルビア(旧ユーゴスラビア)の1960年代の曲、ツィガンスキ・オリイェントを紹介します。 www.youtube.com Bata Kanda - Ciganski orijent - (Audio 1965) HD 映像提供 :PGP RTS(セルビア公共放送)公式チャンネル ライセンス:Videomite Music(PGP RTSの代理) 演奏 :Vladeta Kandic - Ansambl Vladete Kandića Solist: A. Šišić アルバム :Kola レーベル :PGP-RTB 14347 (1965, ユーゴスラビア) ツィガンスキのツィガン(Ci…

  • 【深掘り】Gankino Horo (Severnyashka, Bulgaria)

    今回はブルガリア北部の民族舞踊およびその音楽として知られるガンキノ・ホロ(Gankino Horo、Ганкино Хоро)を取り上げます。 最初にブルガリア、ではなく、チェコのボタン式(クロマチック)アコーディオン奏者、ミラン・ジェハーク(Milan Řehák)が演奏するガンキノ・ホロから始めます。 www.youtube.com Gankino Horo (Bulgarian Suite by V. Semionov) Milan Řehák - accordion [OFFICIAL VIDEO] 演奏 :Milan Řehák タイトル:Bulgarian Suite: III…

  • 【深掘り】Martesa / Kosovo

    ひさびさの【深掘り】テーマです。 今回はコソボのフォーク・ソング〈Martesa〉(マルテサ)という曲を紹介します。 最初はアメリカのレコード会社EMG*1のMundoレーベルからリリースされたコンピレーション・アルバム《Kängät Dhe Vallet E Shqiperice -Songs and Dances of Albania-》(誤記アリ*2)の〈Martesa E Lumtun〉(マルテサ・エ・ルムトゥン)から始めます。 www.youtube.com Martesa E Lumtun 作 :Gazmend Zajmi 演奏 :Narodni Orkestar Radio Pr…

  • 【音源紹介】Dedo Mili Zlatni (Macedonian region)

    今回はバルカン半島南部・マケドニア地域の民謡〈Dedo Mili Zlatni〉(デド・ミリ・ズラタニ)を取り上げます。 www.youtube.comМария Чакърдъкова - Дедо мили, златни 歌手:Mariya Chakŭrdŭkova 制作:Produtsentska kŭsha "NIE" メディア:Folklor TV HD 最初の動画はブルガリアのFolklor TVの公開映像です。〈Dedo Mili Zlatni〉は、マケドニア地域(北マケドニア、ピリン・マケドニア(ブルガリア)、エーゲ・マケドニア(ギリシャ))の民謡として広く知られています。 …

  • 【音源紹介】Chiribim Chiribom (Yiddish / USA)

    今回は東欧のユダヤ人(アシュケナジム)の歌、〈Chiribim Chiribom〉(チリビム・チリボム)を紹介します。 ユダヤ人の歌と言っても、ヘブライ語ではなく、イディッシュ語で歌われます。この歌はイディッシュの古典に位置づけられます。 しかし広く知られるようになったのは、古典音楽としてではなく、アメリカのジャズ・エンターティナーのザ・ベアリー・シスターズ(The Barry Sisters)による1961年の歌とされています。 www.youtube.com Chiribim Chiribom アルバム:The Barry Sisters, Their Greatest Yiddish H…

  • 【音源紹介】Şımarık (Turkey)

    今回は、1990年代トルコ・ポップス界の巨星タルカンのŞımarık(シュマルク)の音源紹介です。 www.youtube.com TARKAN - Şımarık 歌 :Tarkan 作詞作曲:Sezen Aksu アルバム:Ölürüm Sana レーベル:Istanbul Plak (Turkey, 1997) タルカンは1972年ドイツ生まれのトルコのシンガーソングライターです。1990年代初頭からアルバムの売れ行きが好調で、トルコ国内だけでなく世界的に認知されたポップミュージックの著名人です。 空前のヒットを飛ばした理由は、トルコ音楽史上はじめて”スラング”を歌詞に持ち込んだことが、…

  • Karoun, Karoun (Armenia - Lebanon)

    ブログ1周年記念の音楽紹介は、レバノン生まれのアルメニア人歌手 アディス・ハルマンディアンのKaroun, Karoun(カルン、カルン)です。Garun(ガルン)とも言います。どちらも同じ「春」という意味です。 www.youtube.com Karoun, Karoun 作詞作曲:Anonym 編曲 :Jacques Kodjian 歌 :Adiss Harmandian レーベル:Adisc Records, Lebanon, 1972 Karoun(またはKarun)とGarunの違いは、それぞれ西アルメニア語と東アルメニア語の発音および翻字法の違いです。アルメニア文字で書けばどちらも…

  • 祝・ブログ1周年

    ブログを始めて1年が経ちました!! 毎夜寝る前のわずかな時間で稿を書き溜めながら、気がつけばなんとか1年続いています。 さて1周年とのことですが、なかなか投稿数が増やせません。 書きたいことはまだまだ山ほどあります。が、山ほどあり過ぎて一つの記事ですら原稿がどんどん膨らんでしまい、内容を削る作業に時間がかかっているとも言えます。 ボツ記事も実はたくさんあります。様々な国や地域の伝統音楽や民謡をテーマにしているので、詳しく調べてみると矛盾にぶつかることが多々あります。 7月はボツだらけで、ついに一つも投稿に至りませんでした。 これ以上投稿のペースを上げるのは厳しいなと感じる今日この頃。 そこでこ…

  • マリア・イ・マグダレナ・フィラトヴィ(Maria i Magdalena Filatovi)

    今回はブルガリアのフォーク・デュオ、マリア・イ・マグダレナ・フィラトヴィ(Mariya i Magdalena Filatovi、Sestri Filatovi)にスポットを当てます。多数のレパートリーの中から厳選して3曲紹介したいと思います。 最初に紹介する曲は、ブルガリア民謡のイズグリャラ・エ・メセチンカ(Izgryala e mesechinka)です。 www.youtube.com 2015年の映像です。イズグリャラ・エ・メセチンカは「お月さまが昇った」の意味。普通はブルガリアン・ボイスの合唱で緩やかに歌われることが多いと思いますが、上の動画では軽快なアレンジになっています。 バック…

  • ディナタ/ホームカミング(Dynata / Homecoming)【後編】

    前回はギリシャの歌手エレフセリア・アルバニターキ(Eleftheria Arvanitaki)が歌うディナタ(Dynata)という曲を紹介しました。アテネ・オリンピック 2004の閉会式でも歌われたこのディナタの、その歌詞に秘められた想い、そしてどこか”異国”の雰囲気を醸し出す音楽演奏について触れました。 今回は、その演奏に使われているインストゥルメンタル楽曲、アラ・ディンクジアン(Ara Dinkjian)のホームカミング(Homecoming)に焦点をあててみたいと思います。 前回の記事はこちらを参照のこと。 balkankokkaimusic.hatenablog.com ホームカミング…

  • ディナタ/ホームカミング(Dynata / Homecoming)【前編】

    今回はちょっと趣向を変えて、最初に アテネ・オリンピック 2004 の閉会式のワン・シーンから始めます。閉会式のオフィシャル動画がありましたので、まずはそのシーンを見てみましょう。 閉会式の最終盤、オリンピック旗降納、聖火消灯に続いて、ギリシャを代表する6人の歌手がスタジアム中央に登場、そして今回のテーマの歌のシーン(2:31:20あたり)が始まります。 www.youtube.com 「ディナター、ディナター」の歌声に合わせて、会場周囲に無数の花火が打ち上ります。このシーンだけでもなかなか見ごたえがあります。 お待たせしました。今回のテーマはディナタ(Dynata または Dinata)です…

  • カンドロ(Kandoro / Serbia)

    今回はセルビアの曲から選んでみました。といってもまだユーゴスラビア*1時代の曲なのでちょっと古い(いつものこと?)ですが、カンドロ(Kandoro)というアコーディオンの曲を掘り起こします。 www.youtube.com Bata Kanda - Kandoro - (Audio 1973) HD 演奏:Bata Kanda (Vladeta Kandić) 作曲:Vladeta Kandić 収録レコード:Šiljkan, Srce Šumadije / B面 レーベル、他:PGP RTB – S 10 153 (ユーゴスラビア, 1973) カンダラ~!! めちゃめちゃあやしい。 セルビ…

  • クリヴォ・サドフスコ・ホロ(Krivo Sadovsko Horo / Bulgaria)

    今回のテーマはクリヴォ・サドフスコ・ホロです。 ブルガリアです。 と言いつつ、まずはバルセロナ・ジプシー・バルカン・オーケストラ(Barcelona Gipsy balKan Orchestra、BGKO) によるクレズマー風アレンジの曲から。 www.youtube.com Krivo Sadovsko Horo - Barcelona Gipsy BalKan Orchestra (Live at Mittelfest, Italy) (2018) 音楽:Barcelona Gipsy BalKan Orchestra アルバム:Avo Kanto レーベル:Satélite K – SA…

  • イスパンダム(İspandam)/トルコのカラデニズ音楽

    今回はトルコのカラデニズ音楽の中から、イルクヌル・ヤクポオルの楽曲イスパンダムを深掘りします。 「カラデニズ(Karadeniz)」は、「カラ」は「黒」、「デニズ」は「海」、すなわち「黒海」という意味です。が、黒海地方の特に東部のフォーク音楽スタイルのことも「カラデニズ」と呼ばれることがあります*1。 カラデニズの音楽はテンポの速い2拍子または変拍子で、ホロン(Horon)という地元の独特な舞踊と結びついています。 楽曲紹介 歌詞とその意味 ケメンチェとヤクポオル おまけ:イスパンダムと地名 楽曲紹介 ここで紹介する楽曲のイスパンダム(ispendan)は、オリジナルはトラブゾン南西部周辺に伝…

  • コトリャレフスキーへの鎮魂歌

    現在厳しい状況に置かれているウクライナに少しでも関心を寄せてもらえればと、今回はウクライナの伝統楽器バンドゥーラと、それを演奏するウクライナ出身のバンドゥーラ奏者、ナターシャ・グジー(Natarya Gudziy)さんの歌に注目します。 急ごしらえですが、今少しでも自分にできることとして、私なりに紹介します。 www.youtube.com 題名:コトリャレフスキーへの鎮魂歌(レクイエム)詩 :タルス・シェフチェンコ(1838)作曲:ナターシャ・グジー タルス・シェフチェンコ(Taras Grigorovich Shevchenko)は19世紀のウクライナの国民的詩人です。時代背景は19世紀の…

  • コツァーキャ(Kotsákia)

    今回はギリシャです。エーゲ海に浮かぶナクソス島のコツァーキャを紹介します。 先に場所を示しておきましょう。ナクソス島は、エーゲ海中央に位置するキクラデス諸島の中で最も大きな島です。ギリシャ神話では、ナクソス島のザス山の洞穴で最高神ゼウスが幼少期を過ごしたと言われており、アポロ神殿跡やディミトラ神殿跡など島の各地に有名な史跡があります。 今回の舞台はナクソス島中央の山岳部の村、アピランソス付近です。下に地図を示します。地図右下の+をクリックして拡大していくとアピランソス村の位置がわかります。 それでは、コツァーキャの音楽を一つ紹介します。いくつか異なるバージョンがありますが、次の動画はナクソス島…

  • ブルゥル・ぺ・シャセ(Brâul pe Șase)

    前回はモルドバのモダンなフォークだったので、今回はお隣ルーマニアのトラッドなフォークで。ルーマニアの伝統楽器ナイを用いた楽曲を紹介します。 楽曲紹介 下のYouTubeはルーマニアのナイ奏者ラドゥ・シミオン(Radu Simion, 1940-2015)による「ブルゥル・ぺ・シャセ(Brâul pe Șase)」(1970年代)です。(曲が古いせいか動く映像は見つかりませんでした。) www.youtube.com もともとテンポの速い曲でバックのバイオリンも超絶なのですが、マシンガンのように繰り出されるナイの超絶タンギングになんとも圧倒されます。とても真似できません。 Brâul pe Șa…

  • ホラ・ディン・モルドバ(Hora din Moldova)

    前回ベーナズ(Behnaz / Arash)の話の中で、2009年のユーロビジョンソング・コンテスト(Eurovision) の話題にちらっとだけ触れました。ヨーロッパおよびその周辺国では各国代表によるこのイベントが毎年行われています。2009年の大会(Eurovision 2009)はロシア共和国のモスクワで開催、43か国の各代表で競われました。前回話題のアイセル&アーラシュのアゼルバイジャン共和国代表は第3位に輝きました。 今回は、そのEurovision 2009出場者の歌から一曲、モルドバ共和国代表、ネリー・チョバヌの「ホラ・ディン・モルドバ」を紹介したいと思います。他の国の代表たちと…

  • ベーナズ(Behnaz/マオリャン、Maor'yan)

    「隊長は普段こういう軽いノリの曲も聴いたりするの?」と訝しがられそうなヒップホップ系のポップスですが、もちろん普段は聴かないです(笑)。ときどき周りで見かける機会があったので今回取り上げてみました。 この曲が日本国内のメディアに流れていたかどうかは把握していませんが、イスラエルのモダン・ダンスとして踊っている人たちは結構いるようですので、せっかくだから楽曲の出どころを紹介しておこうかなと思います。 youtube.com 音楽ジャンルで言うとヨーロッパのポップスです。しかしダラブッカのリズムにシンセストリングスの旋律がオリエンタルな雰囲気をぷんぷん醸し出しています。それもそのはず。この曲、実は…

  • 軍隊の踊り(Razmakan Pareri Sharan)

    先日(2022/1/11)公開されたばかりの、アルメニアのダンス・アンサンブル BERT による「軍隊の踊り(ラズマカン・パレリ・シャラン)」を紹介します。副題は「シュニク地方・スパラペティ・ベルド」。 まずは映像を見てみましょう。 www.youtube.com アルメニア南部の山岳地帯の雄大な景色に、ズルナ(リード楽器、Armenian Zurna、トルコのより小型)とドール(大太鼓、Dhol)の強烈な音が鳴り響きます。そして、一風変わった独特の民族衣装を着た若者たちが伝統的な一連の軍隊の踊り(何種類か混合)を勇壮に踊ります。とにかく景色が素晴らしいですね。 シュニク地方とはアルメニア最南…

  • 小さな少女(Malka Moma)

    ブルガリアのフィリップ・クテフ国立フォーク・アンサンブルで20年以上にわたって主席ソリストを務めるネリ・アンドレエヴァ(Neli Andreeva)の代表曲「マルカ・モマ(Malka Moma)」。 「小さな少女(Little Girl)」という意味のこの曲は、伝承曲かと思ったらネリ自身がブルガリアン・フォーク風に作詞した歌でした。作曲はネリと、この映像で指揮を担当しているゲオルギ・ゲノフ(Georgi Genov)です。

  • バルカン・ダンス・メドレー・PART 2 / A Balkan Dance Medley! • PART 2 • (World Dance Series - Special) Vasílis

    バルカン地方の様々な踊りをYouTubeで紹介するアーティスト・ユーチューバーのヴァシリス・ペトロプロス(Vasílis Petropoulos)の、2022年最初の動画作品です。 ヴァシリス・ペトロプロス氏はこれまでに44の地域の踊りを、一人で何役もこなして大人数で踊る動画を制作し、YouTubeにアップしてきました。今回の作品では、ギリシャ、アルバニア、セルビア、北マケドニア、ブルガリア、モンテネグロ、コソヴォ、ボスニア&ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、ルーマニア、トルコ、スロヴェニアの12各国にまたがるバルカン諸地域の踊りを扱っています。 いくつ踊りを踊っているかは数えていません。残り少な…

  • 心が泣くとき (Kshehalev Bokhe / Shma Erohai)

    今回は、イスラエルで今もっとも活気のある音楽ジャンルであるミズラヒ音楽の中から、少し古いですが、歌手サリット・ハダッド(Sarit Hadad)の2001年の曲「クシェハレヴ・ボヘ(Kshehalev Bokhe)」に注目します。 モダンイスラエルダンスでも、シュムリク(Shumlik Gov-Ari)の「シュマ・エロハイ(Shma Erohai)」で使われていますので、ご存知の方も多いかと思います。 今回はこの曲の歌詞を深掘りします。

  • Mona Mona (No.5)

    前回は、クリスティナ・サハキャン(Kristina Sahakyan)が歌うトゥン・サリ・マゼド・サリが、ハムシェンの歌手ギョハン・ビルベン(Gökhan Birben)の曲のカバーであったこと、その歌詞をアルメニア語に訳したのが民族誌学者のセルゲイ・ヴァルダニャン(Sergey Vardanyan)だったこと、そして「マドモネド・モナ(Madmoned Mona)」が、実は人名ではなく、「紡錘を回せ」すなわち「イリケド・マニル(Ilikd Mani’r)」と同じ意味であるということを突き止めました。 今回はいよいよ最終回、モナ・モナの第1段落にあったストーリーの飛びの謎に迫ります。

  • Mona Mona (No.4)

    4回目になりました。モナ・モナ、なかなか深いですね。 前回はクリスティナ・サハキャンの「トゥン・サリ・マゼド・サリ(あなたブロンド、髪はブロンド)」を紹介しました。ヘムシン女性の装束(ヘムシン・プシスィと呼ばれるスカーフ)を考慮すると、このタイトルにも深い意味が潜んでいることがわかりました。 また、サハキャンのYouTube動画トゥン・サリ・マゼド・サリの説明欄の最後に ハムシェン方言のホパ下位方言での歌の記録と翻訳:セルゲイ・ヴァルダニャン(Sergey Vardanyan) という一文がありました。今回はこの歌の出どころに迫ります。

  • Mona Mona (No.3)

    モナ・モナの3回目です。前回はヘムシン方言で歌われるこの歌の日本語訳に挑戦し、その意味を読み解きました。しかし謎はまだまだ深そうです。今回は残りの謎解きをしてみます。 歌詞とその意味については、前回の記事をご覧ください。 balkankokkaimusic.hatenablog.com 前回この歌には何か別の背景がありそうだと書きましたが、何があるのでしょうか。 その手掛かりが次の動画に隠れていました。アルメニアのフォーク歌手のクリスティナ・サハキャン(Kristina Sahakyan)のYouTube動画トゥン・サリ・マゼド・サリ(tun sari mazed sari)という曲です。

  • Mona Mona (No.2)

    前回は、アラム・モヴシシャン(Aram Movsisyan)が歌うモナ・モナ(Mona Mona)(またはマドモネド・モナ(Madmoned Mona))というアルメニアの曲を紹介しました。演奏はノライル・カルタシャン(Norayr Kartashyan)率いるヴァン・プロジェクト(VAN Project)です。 カルタシャンによってアンサンブル用にアレンジされたこの曲は、オリジナルは中世以前のアルメニア人をルーツに持つヘムシン人(ハムシェン人、ハムシェン・アルメニア人)によって歌い継がれてきた民謡でした。しかし、歌詞の内容はアルメニア人にもよくわからいようだということも話題にしました。 今回…

  • Mona Mona (No.1)

    画像出典:YouTube / Aram Movsisyan ft. Norayr Kartashyan and Van project Mona Mona いい写真^^今回はアルメニアン・フォークでいきます。 アルメニアの音楽というとピンとこない人もいるかもしれませんが、旧ソ連時代の代表的な音楽家アラム・ハチャトゥリャンや、アルメニア近代音楽の父コミタス・ヴァルダペットの音楽ならば、どこかで一度は聴いたことがあるかもしれません。でも今回は、民族音楽学者でもあったコミタスでさえも知らなかったであろう、アルメニアのフォークロアのちょっと深いところを攻めます。

  • Pesna za Ovcharani / Ovčarani

    今月の頭の8月2日は、北マケドニアでは共和国の日で祝日でした。この日はまたイリンデンとも呼ばれ、預言者聖エリヤの記念日でもあります。しかしマケドニア地域のスラブ民族(ここではスラブ=マケドニア人と呼ぶことにします)にとっては、むしろオスマン帝国に抗った1903年のイリンデン蜂起にちなんで、民族アイデンティティを深める日になっています。 そして、7月下旬(7/20あたり)からこの祝日までの間は、マケドニア地域の各地でイリンデンを祝うフェスティバルが開催されます。ちょうど日本のお盆行事(仏教信仰よりはむしろ終戦や戦没者の鎮魂のための行事)と夏祭りというような感じでしょうか。 イリンデンのフェスティ…

  • Bilhenov Čoček / Feruzovo, etc.

    前回は北マケドニアのロマ(ジプシー)音楽の“Queen”、Esma Redžepova(エスマ レジェポヴァ)をフィーチャーしましたので、今回は“King”でいきます。といってもフラメンコのGipsy Kingsではありません。今回はサックス/クラリネット奏者の“King” Ferus Mustafov(フェルス ムスタフォフ)の曲を取り上げます。 まずはFerus MustafovのBilhenov Čoček(ビルヘノフ チョチェク)から www.youtube.com クラリネットのスピード感ある旋律と間奏の即興がとてもFerusっぽい(?)かっこいい1曲です。拍子は前回のNa Stru…

  • Na Struga Duḱan Da Imam

    初投稿はこのブログの方向性だけでしたので、今回は楽曲紹介の初投稿。北マケドニアの民謡から始めます。 今回紹介するのは、Na Struga Duḱan Da Imam(ナ ストゥルガ ドゥキャン ダ イマム)という、古くからある民謡です。まずはYouTubeの動画をご覧ください。 www.youtube.com とても軽快で明るい曲です。この曲またはリズムをご存知の方ならば体が自然に動いてしまうかもしれません(実際バルカンダンスで踊られています)。一方、耳馴染みの薄い方だとこの不思議なリズムに戸惑ってしまうかもしれません。 この曲は8分の9拍子という、いわゆる変拍子と呼ばれるリズムになっています…

  • ブログはじめました

    練習を兼ねて、初投稿。 ブログ初心者につき、ブログの書き方や投稿の仕方にまだ慣れていませんが、ひとまずやりながら覚えていこうと思います。 このブログでは下記のような感じで話題を提供していこうと考えています。 このブログについて バルカン半島南部~黒海南沿岸地域の音楽、特に東欧や中東諸国の民族舞踊などで耳にするような音楽には実際どんな背景があるのかを、民族・宗教・言語・地理・歴史的な側面、歌詞の意味、地域独特のリズム、民族楽器の特徴、さらにはアーティストの人物像なども時折交えながら、具体的に深掘りしていこうと思います。 音楽ジャンル フォーク、ポップフォーク、バルカンブラス、ロマ音楽、クレズマー…

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バルカン南部~黒海沿岸地域のフォーク音楽、民謡、民族舞踊にはどのような背景があるのか、民族・宗教・言語・地理・歴史的な側面、歌詞、独特のリズム、伝統楽器の特徴、さらにはアーティストの人物像なども交えながら深掘りします。

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