19世紀の 暖房(発酵以外)はどれも、何かを燃やして空気や水の温度を上げる方法です。ここでは、 温室にはやや不向きな方法が整理されています。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 様々な暖房方法 II ランプ パラ...
19世紀前後の園芸情報を集めています。 英国はビクトリア朝の頃なので、ブログタイトルは「ビクトリアンガーデニング」にしましたが、華麗なビクトリアンガーデン造りではなくて、当時の栽培方法をメモした地味ブログです。
Marigold(マリーゴールド、キンセンカ):「The Gardeners Labyrinth」第41章
マリーゴールドはアフリカンマリーゴールドやフレンチマリーゴールドのことではなく、キンセンカのことです。19世紀のミセス・ラウドンの園芸入門書でもマリーゴールド(キンセンカ)が取り上げられていますが、コテージガーデンでしか見かけないと書かれています。新しい花がどんどん取り入れられ...
Borage & Bugloss(ボリジ、バグロス):「The Gardeners Labyrinth」第40章
前章のソレル(スイバ)は食べすぎるとシュウ酸や腎臓結石の心配があるので、現在大量流通していないのでしょうね。酸っぱさを生かし、かつ健康に良い園芸種が将来出てくるといいなぁと思います。 さて、本章はどちらも青い花が美しいボリジ(ルリジサ)とバグロスについてです。“The Herba...
Sorrell(ソレル(スイバ)):「The Gardeners Labyrinth」第39章
ソレル(スイバ)とピンパーネルの章です。ピンパーネルはモリスの壁紙でお馴染みの小さくて愛らしい花ですね!一緒に描かれている大きい方の花は何でしたっけ? woman's redの意味を知らなくて、意味不明の箇所がございます。 第2部7章 ガーデンソレル(スイバ)の播種と栽培で必要...
Spynage(ホウレンソウ):「The Gardeners Labyrinth」第38章
第2部6章 ホウレンソウの播種や管理における技術や注意。 The Herbal, or General History of Plants by John Gerard (1597) and Thomas Johnson(1633) より。 「西洋ホウレンソウ」は丸葉タイプ、 「...
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19世紀の 暖房(発酵以外)はどれも、何かを燃やして空気や水の温度を上げる方法です。ここでは、 温室にはやや不向きな方法が整理されています。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 様々な暖房方法 II ランプ パラ...
温室の19世紀における最も特徴的な進歩は暖房技術でしょう。本書でも暖房について多めのページを割いています。しかし、自動制御は全然ないので、現代とは隔世の感があります。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 様々な暖房方...
ここでも雨水処理や湿気、滴下に対する注意が述べられています。雨どいは、現代では 金属製か樹脂製か、の選択になると思うのですが、19世紀は木製も有望だったんですね 。19世紀なら、すっかり金属製になっているかと思ってました。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By...
温室内は高温多湿なことが多いので、結露が着いたり水滴が落ちたりしやすくて、植物にとっても建物にとっても大問題。当時は防滴性の被覆フィルムも循環扇もなくて、ハウスも小さくて、今以上に湿度や水滴の管理が大変だったことでしょう。 HORTICULTURAL BUILDINGS. B...
通路は庭を楽しむ重要な要素ですよね。回遊式庭園とか、歩くだけで楽しいですものね。温室も通路の大切さは同様で、狭い温室だからこその工夫が解説されています。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 通路 園芸施設の内部の舗装...
温室の内側だけでなく外側の周囲にも縁取りのように回らす栽培床がボーダーらしいです。 虫の多い日本では外側のボーダーの害虫が温室内に入ってくるのではなかろうか、と心配になります。でも、縁取りの植栽は見映えしますよね。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. ...
促成栽培用ベッドは加温ができる栽培床のことです。加温方法はそれまでの堆肥発酵熱利用や煙道による加熱から温湯パイプによる加温に急激に移ったことがうかがえます。温湯パイプは堆肥発酵の手間や煙道に比べたら清潔度が格段に良いですもんね。 HORTICULTURAL BUILDINGS. ...
栽培に人工照明、LED ! が利用されているなんて、当時の人が知ったら驚きますよね。 ここでは、 電照栽培についての言及もなく、もっぱら人々が 夜の温室(コンサバトリーやウィンターガーデン)で過ごし、楽しむための照明について解説されています。現代でも植物園のナイトツアー。 HOR...
春は忙しくなるのが、なんだか嬉しい季節ですよね。 あれこれ花が咲きだす中、剪定の仕上げや芽かき、種まき・植え付け、病虫害の予防などなど、大慌て。 ”自然に還る”のキッチンガーデン、別名、単なるズボラ放任の庭でも朝の見回りをする気分になっています(笑)。 昨年の猛暑を乗り切ってくれ...
昨年の夏は暑かった。。。温暖化でこの傾向が続くなら、遮光(ひよけ)はますます重要ですね。 本項では主に温室の外部に遮光カーテンを設置する方法が述べられています。外部遮光は暑熱対策の理に適う方法ですが、台風が来る日本では安易な付けっぱなしに要注意ですね。 HORTICULTUR...
ここでの 換気はもっぱら、機械式の換気扇を使わない自然換気を指しています。そのため、換気装置として、開閉するガラス窓や換気筒、換気口があげられています。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 換気 一般原則 植物は主...
本項は英語で"Staging"となっています。植物の栽培や鑑賞用の置き台のことのようですが、現代風に「栽培ベンチ」としました。観賞用だと「ステージ」の方がぴったりくるのかもしれませんが。。。 各種栽培ベンチの寸法まで事細かに書かれていて、当時の意匠的なこだわりが感じられます。 H...
現代の換気窓の開閉は自動制御可能で、ガラス温室だとラックアンドピニオンのギア、プラスチックフィルムのトンネルハウスだとくるくる巻き上げ機、家庭用の小さなハウスだと形状記憶のウィンドウオープナー、が浮かびます。150年くらい前の本書に書かれている“セットオープン”は形状記憶な...
現在のトマト栽培の商業温室では誘引してつるおろしをしていく温室独自の仕立てが確立されていますが、19世紀の温室では庭での方法を素直に持ち込んだようで面白かったです。当時、温室独自と呼べるのはガラス面近くに誘引する点でしょうか。ガラス面近くだと温度変化が激しそうですが、受...
体に悪い鉛白から体に良さそうな亜麻仁油まで、いろいろな材料を使って温室に塗装がされていたことを知りました。今も温室の部材の維持管理は大切ですが、それよりずっと手入れの手間がかかってそう。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES....
建物へのガラスの取り付け、特に優美な曲線の建物ではいろいろな留め方が工夫がされていたことがわかりました。が、結局、当時、温室はパテが1番といった結論になっとります。 100年後の1980年頃のガラス温室はパテ(融着物質)と留め具(クリップ)の併用で、ガラス板同士の重なりはあ...
やってきました。ビバ、蚊のいない世界! ナメクジに悲鳴をあげることもないし、雑草との戦いも一時休戦。 にぎやかさは去り、すっかり落ち着いた庭で、暖かいお茶を飲むひと時、サイコーです。 寒いとはいえ、霜柱も立たない地域なので、風が止み 陽がさせば居心地が良いです。 柿や桑の木をどう...
温室では大きな割合を占める、本丸、ガラス材料の登場です。ガラスは重いし、割れるので、今はプラスチックフィルムが主流でしょうが、半永久的に使えて見た目の質感が良くて、断然趣がありますよね。 そういえば、庭のトンネルに早くフィルムを張らないと・・・ HORTICULTURAL BU...
自然に帰るのキッチンガーデンでは、 とっても簡単に組み立てることができて、かつ自然に帰りやすい枯木ハウスがあるといいなと思います。ここでは乾燥や防腐処理を施した本格的な園芸用木材について解説されていました。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. ...
レンガ積みの温室はいかにも英国風の温室って感じがします。福岡市美術館の建物のレンガは、表面にレンガを貼っただけの安っぽいものではなく、イギリス積みという積み方で、とても丈夫なんですよと、学芸員の先生からお聞きしたことがあります。 HORTICULTURAL BUILDINGS. ...
温室どころかトンネルの一つもなかなか実現しない怠惰者ですが、当時の豪華な温室や園芸用の付帯施設の組み合わせは空想するだけで味わい深いです。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 栽培温室 園芸施設の組み合わせ 建物の組...
“ウォールツリー(壁木)プロテクター”はこんな感じの壁木に、それを覆うようなカバーがかけてあるものをイメージすればいいのかな?と思います 。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) ウォールツリー(壁木)プロテクター 壁...
梅雨で雑草がさらにパワーアップしている“自然に還る”のキッチンガーデンです。もう収拾がつかない😞 しかし、アーティチョークの花は背高く咲いてくれて、そこだけ!イングリッシュガーデンです。 ちょっと遅れ気味でしたが、つぼみを食べてみました。西洋のタケノコ?といった味で、...
日本の戦前の商業温室といえば木骨ガラス温室と言えるでしょう。今も木造ハウスはあり、味わい深いものですが、メンテナンスを考えると 商業温室としては 主流からは完全にはずれた状況となってます。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1...
切妻で樋のある(RIDGE&FURROW) タイプの現代の代表的温室は、軒が4〜5mと高く、10〜20以上の連棟のフェンロータイプですね。1ha以上の大規模ハウスなので、中に入ると100m位先までずっと作物が栽培されていて、 壮観です。 フェンロータイプの温室。 切妻の屋根が...
キューガーデンのパームハウスのような曲線形の温室はいかにも19世紀ビクトリア〜ンですよね。現代の温室はシンプルで機能的。温室の変遷は、コルセットやクリノリンを着けた当時の装飾いっぱいのドレスから現代のユニクロファッションへの変化に通じる? でも、機能を求めず愛でるだけなら、ビクト...
5月前半は新緑美しく、過ごしやすい日も多かったです。 2年越しでようやく咲いたナデシコ、ヤクルトさんからいただいた矢車草、名残のビオラを楽しみました。 桑の実(マルベリー)も収穫できました。しかし、雨の日に見たら桑の木はナメクジのパーティー会場になっていて 😱 、恐ろしくて生食...
静岡の高級マスクメロンは スリークォーター(4分の3スパン)ハウスで生産されていて、新幹線からも見ることができましたが、今でも見かけるでしょうか?栽培が大規模化してフェンローハウス(比較的幅の狭いスパンの 多連棟両屋根ハウスで軒高いタイプ)に置き換わっているのでしょうか? ...
現代でも最も一般的な 温室屋根形状である両屋根タイプのハウス(スパンハウス)の記事です。現代の商業温室ではこれ を大きく、かつ多連棟化して大面積にしています。それ に比べると、19世紀の両屋根ハウスは面積も高さもかなり小さめで、今で言うところのホビー用温室、家庭菜園用温室といった...
温室の1種、LEAN-TO House。 LEAN-TOって、 差し掛け?壁掛け? ここでは立て掛けにしました。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 栽培温室 立て掛け式ハウス この形式のハウス(温室)の存...
2015年ごろ、メイソンジャーで瓶詰めサラダ、流行りましたよね〜。 私は10年遅れで空前の瓶詰めブームです(笑) ガラス瓶に肉や野菜やハーブ、スパイスなどなど、何でもかんでも詰め込んで、電気鍋で湯煎・スチームしています。庭から収穫できた柿(干し柿)、イタリアンパセリ、チャービル、...
雨の多い日本、小さなハウスでもフレームでも畝でも庭づくりでも排水は大事ですよね。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 排水 一般的な注意事項 土地の排水性に関して知るべきことはたくさんあります。 排水性に関...
傾斜のある庭に小さなハウスや小屋を作る際にも参考になりそうな解説でした(経験のある人には至極当然な事でしょうが)。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) レベリング(水平の出し方) レベリング(水平の出し方)は園...
春めいてきたなぁと思っていたら、まもなく桜の開花宣言が出て、春真っ盛りです。 ここ福岡では4月中旬には蚊が出てきて、4月末には初夏の装いになります。行く春の早いこと!虫ガードせずに庭に出れるのもあと半月のお楽しみです。 ビオラ。冬から楽しませてくれてます。 クリスマスローズ。今年...
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) ハウスの周囲と場所 まずは、ここで取り上げられているハウスは次の3タイプです。 立て掛け式ハウスの例 3/4スパンハウスの例 両屋根ハウスの例 園芸用のハウスは通常、太陽光を最...
HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) によれば、温室のガラス屋根面の角度を太陽光に対して直角にすれば最大の光量が得られるということなので、 ******************** 西日本に適したガラス面の傾斜角度(福...
温室に太陽光を出来るだけ多く取り入れるにはガラス屋根の傾斜角度が肝心とされています。温室は値段が高くて手が出ませんが、手作りのコールドフレームに応用しようと思案中。 HORTICULTURAL BUILDINGS. By F. A. FAWKES. (1881) 屋根の傾斜 ...
太陽光が最も多く透過するガラス温室の屋根勾配について丁寧かつ論理的に解説されています。今はガラスよりもプラスティックフィルムが主流です。透過原理は同じでしょうが、フィルムは柔軟性があるので、ここまでシビアに屋根勾配を気にする人は少ないかも。 HORTICULTURAL BUIL...
今晩は新月。我が家の新月メニューはお粥です。 福岡は7時半過ぎだった夜明けが7時になり、日暮れも18時にのびています。 庭もすっかり春めいてます。慌てて柿の木を剪定しました。とにかく背伸びせずに手が届く高さに切り詰めるだけですが。 コールドフレーム内ではビオラに花が咲いていました...
光としての太陽光、熱としての太陽光、そして太陽から来る電磁波について一通り解説されています。この後の温室の設計のための基礎知識になっています。 18世紀までの書物に比べて、さすが19世紀! ぐっと科学的な記述になっていて、科学が一般の人に身近になったことが感じられます。 HOR...