枯木立枯木立他には空の青ばかり凍星や我の居場所を確かめるわだかまるもの溶けてゆく冬夕焼けにほんブログ村山茶花散り満たされぬ時埋め尽くす蜜柑かなひとりの時を握りしめざくざくと月日流れて冬の川様々な難問に囲まれている年の瀬は、何時もに増して、荒っぽく、怒涛のように日々が経つのが速かった。12月の調停は、あわやという所で、崖っぷちで留まった。本当に危ないところだった。相手方の弁護士が強硬なまでに頑なな態度...
駆け足で過ぎてしまう毎日に俳句の足跡を付けてきました。浮遊している思いを短文にし音楽も少々コラボ。
60代・主婦兼グラフィックデザイナー。在宅ワーカーです。 趣味は俳句・デザイン・音楽・手織り。
初夢初夢にごった返すや過去未来実南天昇りつめたる赤なりしかなしみに続いてをりぬ初御空今年の初空は、大きな悲しみに染まってしまった。年末には身を粉にして働いて整えた家で、心づくしのお節料理も用意して、久しぶりに会える子供や孫たちと和んでいたであろう時間。その大切な時間を襲った地震。晴れやかな一日のはずが、一転して大きな恐怖と悲しみのひと日となってしまった。同じ被害といっても、この寒さである。被災地の...
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枯木立枯木立他には空の青ばかり凍星や我の居場所を確かめるわだかまるもの溶けてゆく冬夕焼けにほんブログ村山茶花散り満たされぬ時埋め尽くす蜜柑かなひとりの時を握りしめざくざくと月日流れて冬の川様々な難問に囲まれている年の瀬は、何時もに増して、荒っぽく、怒涛のように日々が経つのが速かった。12月の調停は、あわやという所で、崖っぷちで留まった。本当に危ないところだった。相手方の弁護士が強硬なまでに頑なな態度...
冬の雨本日の一曲・Chet Baker - Autumn In New York - 1956冬の雨続く弦楽四重奏冬茜いつかはみんな物語いくつになっても、冬茜にばったり出会うと、心を奪われてしまう。めっきり寒くなって来ると、身の回りには淋しいものが多くなってくるけれど、あの深い濃紺から茜色への、ガレのガラスのような緻密なグラデーションは、いつ何時見てもしみじみ感動する。小さい頃好きだった「影絵」を思い出すからなのだろうか、冬茜を見ると...
秋の空深々と我を泳げり秋の空やっと秋らしくなってきた。まだ暑い日も混じるのだけれど。深海のような底なしの青い空が広がっている。思わず深呼吸をして、その青に飛び込んでみる。そこはもう、空なのか、私の中なのか、定かではない。秋になると私の俳句には、「我」という言葉がちょくちょく出てくるようになる。秋になると私は、私について行きたくなってくる。秋になると私は、私に声をかけたくなる。秋になると私は、人付き...
月明本日の一曲・We're all alone [日本語訳付] Boz Scaggs月明の夜を展きて進みをりなんという長い残暑だろう。九月ももう真ん中あたりまで来たというのに、どう考えてもこれは真夏という温度。クーラーを点けなくては眠れない。秋の季語を拾い集めようとしても、どうにも実感が湧かない。私の句は写生句ではないけれども、実物や実感によって、感性が刺激されて、様々な過去の体験と交感した後でなければ俳句を詠もうという気...
八月八月の何処を歩いていたものか一体全体、どのくらい歩いていたものだろう。何処をどう、歩いていたものだろう。何のために自分は歩いていたのだろう。誰のためにここまで来たのだろう。同じような淋しいことを繰り返し、同じような虚しい結果を繰り返し、全力で前から飛んでくる変化球を打ち返してはいたけれど、もう疲れてしまった。それでなくてもこの暑さだ。地球も何処へ行くのだろう。人々も、何処へ向かっているのだろう...
梅雨空梅雨空の天の睡りは長きかなハンカチの忘れてしまった物語噴水高く逃げてゆく日々ばかり踏み出せば青葉風四肢の中まで乳癌の検診が近づくと、俄かに自分の中に色んな人格が増殖する。疑い深い人格。最悪の展開ばかり想像する人格。なるようにしかならないと開き直る人格。きっと大丈夫と、信じる人格。取り越し苦労はもうやめようと、合理的に考える人格。これら様々な相反する考えを持った小人のような人格達が、入れ替わり...
新緑 / ラ・カンパネラ本日の1曲/ラ・カンパネラ(パガニーニによる大練習曲 S.141-3)(リスト)/フジコ・ヘミング新緑の繋いでゆきぬ街の風スクランブル交差点五月の真ん中聖五月素足で踏んで行くひかりにほんブログ村人々の影濃くなりぬ躑躅かな日傘開けば立ち上る小さき過去ラ・カンパネラ千の窓が朝焼ける2024年4月21日、フジコ・ヘミングが92歳の生涯を閉じた。冥福をお祈りしたい。まだ私が独身の頃、母の洋装店を手伝っ...
桜柔らかく時間が止まっている桜桜の周りではいつも、時間が止まっているように見えるのは何故だろう。ぎゅうぎゅう詰めな時間も、重たい時間も、賑やかな時間も、軽やかな時間も、人々の持っている様々な時間が、桜の樹の下で桜を見上げた途端に、柔らかく、しかしぴたりと、停止してしまうのである。桜は風に揺らいでいるし、絶えず陽の光を集めたり、ほどいたりして動いているのだけれど、そこではありとあらゆる時間というもの...
春の海春の海過去よりできるだけ遠く春光や瞳の中の風車ヘアピンを全部はずして春の月ある日やっと夜の家事を終えてベランダへ出ると、ふくよかな紺色の闇に春の三日月が浮いていた。それが正真正銘春の月だということは、きっと誰にでもわかるだろう。浮いていたというのがぴったりな軽さ儚さで、まだまだ気温は持ち上がらないのに、何故月だけがこうも先駆けて春の様子に変わっているのかが、如何にも不思議だと思った。冬の三日...
鬼やらい本日の1曲・Bill Evans - B Minor Waltz (Official Audio)声しばし闇にとどまる鬼やらい長年不思議に思っていることがある。節分の豆撒きのことである。コンビニやスーパーに売っている節分用の豆は、当日の深夜にもなれば、もうどこにも無い。すっからかんに売り尽くしている状態だ。となれば当然、かなりのパーセンテージで、節分の豆撒きが各家庭で正々堂々と行われているのだと考えていいだろう。しかし、私は生まれて...
初夢初夢にごった返すや過去未来実南天昇りつめたる赤なりしかなしみに続いてをりぬ初御空今年の初空は、大きな悲しみに染まってしまった。年末には身を粉にして働いて整えた家で、心づくしのお節料理も用意して、久しぶりに会える子供や孫たちと和んでいたであろう時間。その大切な時間を襲った地震。晴れやかな一日のはずが、一転して大きな恐怖と悲しみのひと日となってしまった。同じ被害といっても、この寒さである。被災地の...
山茶花山茶花の風振りほどく月日かな寒月やしだいに闇に隙間無く冬に入るひとの睡りの集まりて冬になると・・・。人の睡りは一気に重さが増すような気がする。どんよりと肉厚な長い夢。相変わらず荒唐無稽な筋書き。夜中にトイレに起きると、体中が痛くてまるで難破船のようであるし、朝、起床後も家事をして体を慣らしていくのに、えらくまた時間がかかる。冬の眠りは重い。けれども、冬の眠りは生きるものにとって、必要不可欠な...
初紅葉吉報は突然来たり初紅葉車の後部座席の窓からぼんやりと外を見ていたら、いきなり何か晴れ晴れとしたものを通り過ぎた。余りにも一瞬の出来事だったので、あたかも晴れ晴れとした自分の気持ちの方が先に来て、一体何故そうなったのか良くわからなかったような気がしたのだが、すぐに同じことが繰り返されたので、なるほどと思った。それは車道の縁の並木の、紅葉の鮮やかさだった。次から次へと同じ木を繰り返し通り過ぎて、...
秋夕暮本日の1曲・Feels Like Home - Edwina Hayes物音の底まで落ちる秋夕暮がっくんがっくん、と階段を二段跳びか三段跳びするような具合で、いきなりの秋となった。半袖から、七分袖を通り越していきなり長袖になる、そんな妙な季節の進行である。クローゼットを開けると、やはり着るチャンスの無かった服が色々と眼に着き、あら、この服を飛ばしてこっちに行っちゃうの、と何か納得いかない気持ちである。確実にひと月ほどの初...
明月本日の1曲・Definitely Maybe・Jeff Beck明月のひかりの水の如きかな深夜ベランダへ出たら、おやまあ、という凄みのある月だったので、しばしの間我を忘れて見とれていた。その光は遮るもの無く晴れ晴れと、それでも決してかしましいところ無く、あくまでも静かに、透徹とした光で、周囲の闇を洗っている。一瞬で日常の色々な芥のようなものも、洗われるようだ。コロナは相変わらず猛威を振るっていて、ついに息子も感染してし...
踊り本日の1曲・STAND BY ME. (Ultimate Mix, 2020) - John Lennon 回りつつ地球も溶ける踊りかなただ事ではない暑さである。しかしこんな日がやって来るのはわかっていたことだし、恐ろしいのは年々もっとエスカレートしていくであろうということだ。一体何をどうすればいいのか。日が落ちてもムンムンと蒸し暑い中を家へ向かっていると、いきなりの大音響に腰を抜かしそうになる。「月がぁ―出た出た、月が出たぁ」ああ、あ...
炎天本日の1曲・Dana Winner - One Moment In Time live炎天に我と我が影ひとつづつ汗拭いて笑顔も拭いてしまゐたり問ふてみる我の背丈の向日葵ににほんブログ村七夕の交差点にひとは行き交ふ近い記憶遠い記憶も夏帽子持ち歩くハンカチほどの不安かな万緑や洗濯物も盛大ににほんブログ村白粉花に夕風の巾広くなり洗い物終われば窓に涼しき灯爪伸びて髪伸びて凌霄花咲きぬにほんブログ村言葉みな洗い晒しに夏の海やっと体調が良くな...
明け易し本日の1曲・Firefly / Hiromi Uehara閉じた目のその中までも明け易し 夜が明けるのが早くなってきた。最近寝るのは、大抵午前三時半ころであるが、ちょっと眠れずに四時過ぎになってしまうと、もう空の色が青々としてくるので、慌てる。その後次第次第に淡く透明になって来る未明の空の色を見てしまうと、それは白々とした意識そのもののように眼裏に棲みついてしまって、容易には取れなくなってしまう。そしてこわごわと...
新緑本日の1曲・The Beatles - Instrumental新緑の風を着ているひと日かなちょっと昼間外出しなかったら、見慣れた街の街路樹達も、眩いばかりの新緑の噴水と化していて、公園の中の大木などは今が盛りと、燃えるような若草色を惜しみなく氾濫させている。しかし今年の春は風が強い。気温はさほどでもなくても、風が冷たくて強いために、まったりした「春」という感じの日が、あまり無かった。まあ、昨今の異常気象はどうにもなら...
桜本日の1曲・David Fray and Esa-Pekka Salonen - Ravel, Piano Concerto in G Major抜けて来し風の湿りて桜かなひとの背を見ているひとや花冷えぬ夜桜に幾千万の瞳のありぬ桜というものは、なにか巨きなものに、繋がっている。それが何なのか、一口にいう事は難しいのだけれども、巨きな静謐、巨きな溜息、巨きな安らぎ、巨きな悲しみ、巨きな歓び、それは一人の溜息ではない。それは一人の安らぎではない。それは一人の悲しみで...
山茶花山茶花の風振りほどく月日かな寒月やしだいに闇に隙間無く冬に入るひとの睡りの集まりて冬になると・・・。人の睡りは一気に重さが増すような気がする。どんよりと肉厚な長い夢。相変わらず荒唐無稽な筋書き。夜中にトイレに起きると、体中が痛くてまるで難破船のようであるし、朝、起床後も家事をして体を慣らしていくのに、えらくまた時間がかかる。冬の眠りは重い。けれども、冬の眠りは生きるものにとって、必要不可欠な...
初紅葉吉報は突然来たり初紅葉車の後部座席の窓からぼんやりと外を見ていたら、いきなり何か晴れ晴れとしたものを通り過ぎた。余りにも一瞬の出来事だったので、あたかも晴れ晴れとした自分の気持ちの方が先に来て、一体何故そうなったのか良くわからなかったような気がしたのだが、すぐに同じことが繰り返されたので、なるほどと思った。それは車道の縁の並木の、紅葉の鮮やかさだった。次から次へと同じ木を繰り返し通り過ぎて、...
秋夕暮本日の1曲・Feels Like Home - Edwina Hayes物音の底まで落ちる秋夕暮がっくんがっくん、と階段を二段跳びか三段跳びするような具合で、いきなりの秋となった。半袖から、七分袖を通り越していきなり長袖になる、そんな妙な季節の進行である。クローゼットを開けると、やはり着るチャンスの無かった服が色々と眼に着き、あら、この服を飛ばしてこっちに行っちゃうの、と何か納得いかない気持ちである。確実にひと月ほどの初...
明月本日の1曲・Definitely Maybe・Jeff Beck明月のひかりの水の如きかな深夜ベランダへ出たら、おやまあ、という凄みのある月だったので、しばしの間我を忘れて見とれていた。その光は遮るもの無く晴れ晴れと、それでも決してかしましいところ無く、あくまでも静かに、透徹とした光で、周囲の闇を洗っている。一瞬で日常の色々な芥のようなものも、洗われるようだ。コロナは相変わらず猛威を振るっていて、ついに息子も感染してし...
踊り本日の1曲・STAND BY ME. (Ultimate Mix, 2020) - John Lennon 回りつつ地球も溶ける踊りかなただ事ではない暑さである。しかしこんな日がやって来るのはわかっていたことだし、恐ろしいのは年々もっとエスカレートしていくであろうということだ。一体何をどうすればいいのか。日が落ちてもムンムンと蒸し暑い中を家へ向かっていると、いきなりの大音響に腰を抜かしそうになる。「月がぁ―出た出た、月が出たぁ」ああ、あ...
炎天本日の1曲・Dana Winner - One Moment In Time live炎天に我と我が影ひとつづつ汗拭いて笑顔も拭いてしまゐたり問ふてみる我の背丈の向日葵ににほんブログ村七夕の交差点にひとは行き交ふ近い記憶遠い記憶も夏帽子持ち歩くハンカチほどの不安かな万緑や洗濯物も盛大ににほんブログ村白粉花に夕風の巾広くなり洗い物終われば窓に涼しき灯爪伸びて髪伸びて凌霄花咲きぬにほんブログ村言葉みな洗い晒しに夏の海やっと体調が良くな...