月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった68 BL小説 完全に酔っぱらって口にしている言葉が理解できていないのが元気にもわかった。 「こんな田舎で、男同士で、教員同士で、リスクが高いって、まあ、そりゃそうだなって」 響はハハハと笑う。 笑うのだが涙がぽろぽろ零れるのを拭いもせずまた酒をマグカップに
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。傲岸不遜男×強気、野球選手×美形、業界、バンド、学園、学生、リーマン、イケオジ多。BL、ML。字書き、あきつ、絵描き、alyosha、松本悠莉で活動しております。
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back next top Novels 坂口の口車になど乗りたくもないし、工藤としても気は進まないの
月夜の猫-BL小説です 雪のデカダンス15 BL小説 「まあ、いいですけど……あ、でも二人乗ってるんで、ちょっと狭いっすけど、後ろに三人で」 そう良太が言うが早いか、「サンキュ、あ、あたしルミ、あいつはタカ」と女の子はさっさと後部座席に乗り込んだ。 タカの方はシビックの屋根からボードを積んでいるルーフキャリア
back next top Novels 会社の設立と同時にあれよという間にそれが実現してしまった。
back next top Novels 無論、後足で砂をかけるようにして逃げ去った自分などにもう用は
back next top Novels 「ったりまえだろ、ファンイベントってから。行くのか?」 稔が
back next top Novels 良太はこのまま中にいるという坂本を乗せたまま車を駐車場に置い
back next top Novels 「そこは一応、なんとなーく第二弾の話を宇都宮にも匂わせてあるし
月夜の猫-BL小説です 誰にもやらない10 BL小説 「お嬢様たちにぜひ味をみていただきたいとっときのワインがあるんだ」 わっと歓声が上がる。 女の子たちはすっかり藤堂の巧みな話術に手玉に取られている。 さやかは、大沢や土橋らの、さり気なく気を引いている。 「コースケくんもね。ほら、積もる話もあることだし?」
back next top Novels 「少なくとも兄と俺は仲たがいなんかしてないし、父親は嫌いだけど
back next top Novels 「はあ、車のほうがいろいろ動いてもらえるからって、千雪さんが」
back next top Novels それはこっちの科白だ。 そんな話を聞きたくなくて、天国から
back next top Novels ACT 10
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に2 BL小説 良太がプロデューサーとして名を連ね、土曜日の夕方放映されているドキュメンタリー番組『和をつなぐ』は地味に好評を得ており、仙台では俳人新田公博の取材を行うことになっている。 新田公博は四十五歳、仙台に住むその世界では若手になろう芭蕉を研究する俳人である。 もとも
back next top Novels 「しゃべらないとまともなんだよな、あいつ」 隣でカットを見て
back next top Novels act 3 &nbs
back next top Novels 「いや、まあ、そんなわけで、俺はやりたい放題させてもろてる。せ
月澄む空に(工藤×良太36)新規更新しました。 霞に月の、の後エピソードです。 季節が秋ですが、どうぞまたお付
next top Novels 八月が終わっても暑さはなかなか去らなかったが、夜ごと欠けていく月は煌々と
back next top Novels 「失礼ですけど、モデルさんとかじゃございませんの?」 女性は
back next top Novels 「あんたは、この部屋に似合いの、リッチでセレブできれいな女を相
「霞に月の」の後、「何となくクリスマス」の前になります。 相変わらず互いに忙しい日々を送る工藤と良太だが、大御
back next top Novels リフトで頂上まで登ると、「ちょっと休憩な」と、佐々木は積って
back next top Novels 楽しい遊びにどれだけ夢中になっていても腹は減るらしく、昼のレ
back next top Novels フィレンツェを二度目に訪れた時は友香と一緒だった。 もとも
back next top Novels 「腹へったぁ。なんかあったかな」 冷蔵庫を覗いても、期限切れ
back next top Novels 「工藤さんの女性関係ですよ。やってくれましたよ、一番厄介な相手
back next top Novels 翌日は昨夜の吹雪がウソのように晴れ渡り、最高のスキー日和にな
back next top Novels 「もう、真剣に言ってんのに。それにせめてヘビメタと言って。あ、
月夜の猫-BL小説です 雪のデカダンス8 BL小説 アスカたちが山之辺芽久の噂をしたその三日後のことである。 福岡から戻った工藤は良太を連れてドラマのプロモーションのため、赤坂帝都ホテルに赴いた。 KBCから急遽、前々から決まっていた小林千雪の作品のドラマ化が早まったという連絡を受けたのは数日前だ。 一昨日打
月夜の猫-BL小説です 好きだから51 BL小説 壁の時計の針が午後三時に差し掛かろうという頃、オフィスササキには香しいコーヒーの香りが漂っていた。 スイーツが苦手だという男が多い中、佐々木の周りには佐々木を含めて比較的女子たちに混じってお茶の時間を楽しむ男の比率は高い方だ。 茶道をやっていると甘い菓子に免疫
back next top Novels 必然的に土橋の運転するワゴン車には男三人。 「しかし、ほんま
月夜の猫-BL小説です 雪のデカダンス7 BL小説 「彼女が戻ってくるんですか……これはひと波乱あるかもしれませんね」 秋山がうーんと唸る。 「やあね、秋山さん、やっぱりタヌキだわ。ちゃんと知ってるんだ、工藤さんとのいきさつ」 「タヌキはやめてください。一応、この業界で会社に関係あることは頭の中に入っています
back next top Novels 「親子は完全に縁が切れるものではないらしいが、状況的には財産放
back next top Novels この弱小広告代理店にはもったいない程の実力の持ち主と言われて
back next top Novels 「千雪さん、俺、仔猫、そのトラの方、もらいますから」 良太は
back next top Novels 朝がた鈴木さんが生けたバラが甘い香りをオフィスに漂わせていた
back top Novels 「むくれるな。こんなにお前を大事にしてやってるじゃないか」 「えっらそうに
back next top Novels act 1 年が明けてからの浮か
月夜の猫-BL小説です 雪のデカダンス5 BL小説 「どうしたんですか? この仔猫たち」 まだ生まれてひと月経っているかどうか、とてとてと動く小さな生き物を良太は見つめた。 「拾ってん。近くのゴミ置き場で」 「またお前はそんなもん拾ってきたのか」 工藤が千雪を咎めるように口を挟む。 「ニンピ人の工藤さんはだま
back next top Novels 「らしいね。その子が西村のパソコンに入っていた画像を携帯に送っ
back next top Novels 「俺が仕事放り出して、わざわざこんなところまでつれてきて、可愛
月夜の猫-BL小説です 誰にもやらない1 BL小説 ゴトンゴトンと規則正しい地下鉄の音が、もたれかかったドアから伝わってくる。 この路線もさすがに昼間はさほど混んではいない。 駅で停車するたび、開かない側のドアのガラスを見るともなく覗き込むと、灯やホームが映し出されていた。 そこには別の世界が広がっている
工藤と良太のエピソードに登場する、代理店プラグインの河崎と浩輔の出会いの頃からの話です。佐々木や藤堂も登場しま
back next top Novels 「まあ、お前と顔見知りじゃなかったら、俺なんかプロデューサーで
back next top Novels 沢村に関係しているかも知れないこともあって、小田にも連絡を入
back next top Novels 「離せよっ! バカやろ! いやだって……ば…っ」 ぐっと工藤
月夜の猫-BL小説です 雪のデカダンス3 BL小説 帰りがけ、佐々木に挨拶しようとちょっと水屋を覗いた良太は、一瞬信じられないものを見て、もう一度振り返る。 「え?」 大きなガタイの男が、着物の女性と笑いながら話をしていた気がした。 あんのやろう、ショーは四日だろうが、こんなとこで一体何やって…… その時
月夜の猫-BL小説です 好きだから46 BL小説 水波清太郎の覚醒剤事件でしばらくその陰に隠れていた事件が、ここにきて新局面を迎えたのは一昨日のことだ。 民自党の重鎮、現総理の懐刀とされる衆議院議員齋藤保志元国交大臣に東幹産業傘下の東幹建設から公共工事に絡んだ賄賂が流れたとされる事件で、齋藤保志議員と東幹建
back next top Novels 「あの、いきなりどうしたんですか? こんなとこ…」 つい口調
back next top Novels 翌二日からは帝都ホテル本館二階では大和屋主催の展示会を中心と
back next top Novels 「沢村が父親に、俺のことを口を滑らせたいうことか?」 いや、
back next top Novels ACT 4 乃木坂のオフィスでは、
霞に月の151、何となくクリスマス、ラスト、winter2024更新しました
霞に月の(工藤×良太)151(ラスト) 何となくクリスマス!14(ラスト) お付き合いいただき、ありがとうござ
next top Novels act 1 &
月夜の猫-BL小説です 雪のデカダンス(工藤×良太) BL小説 推理作家小林千雪原作のドラマにまた工藤とかつて騒がれたタレントが起用されることになり、工藤と良太の間に低気圧がでんと横たわっているのを所属俳優アスカやそのマネージャー秋山が危惧していた。そこへ千雪が小説が煮詰まっているので、ドラマのロケハンも兼ね
■雪のデカダンス(工藤×良太) ■誰にもやらない(河崎×浩輔) boys love novel Winter2
back next top Novels 「中川さんと佐々木さんは仕事でご一緒されていたようだし、スムー
back next top Novels 「俺はとにかく、今の仕事をもっとやっていきたい、それだけです。
back top Novels もっとあちこち歩いてみたいなどとは思うものの、もう帰りの時間が迫ってきて
back next top Novels 撮り直して即放映となった『スリリングレモン』とまでは行かなく
back next top Novels 「おどかすなよ、涼」 「さっきからずっと、千雪のこと見てるから
back next top Novels 「まだ業者が来てくれなくて、寒いんで覚悟してください。家具のク
back next top Novels 「アスカさんの話に適当に乗ってやればいいんだよ。それに、どうせ
back next top Novels ACT 3
月夜の猫-BL小説です 何となくクリスマス!12 BL小説 「仕事が入らなければそのまま休暇でいいか」 「ええ? それじゃ意味ないじゃないですか。休暇の時は携帯切っておくとか。坂口さんみたいな人がのべつ幕なしにかけてこないとも限らないし」 工藤はフン、とせせら笑い、「坂口なら俺がつながらなければお前にかけてくる
back next top Novels ACT 8
back next top Novels 「お前もでけぇな。お手」 良太がちょっとかがんで手のひらを出
back top Novels 工藤から聞いたところでは香坂にもいろいろ良太のことで言われていたらしく、
back next top Novels 「ユキだってさ、どうせ見ている人には小林千雪だなんてわかんない
back next top Novels 「稔さん?」 次にはドアに押し付けられて、温かいものが唇を塞
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)150まで更新しました BL小説 霞に月の(工藤×良太)150、清風9、好きだから39、何となくクリスマス!11 まで更新しました
back next top Novels 「仕事は明日だろうが。第一、ここまできて、その色気のないジャー
月夜の猫-BL小説です 霞に月の150 BL小説 青山プロダクションのオフィスに珍しい来客があったのは、数日後、良太がたまったデスクワークを急ピッチでやっている時だった。 「こんにちは」 ドアを開けて入ってきた長身の女性を見て、パソコンから顔を上げた良太は、えっとつい口にする。 「いらっしゃいませ。あら、加
back next top Novels 席に着く前に涼がみんなに良太を紹介してくれたところによると、
back next top Novels 「そうよ、あのデカいうちの裏門がたまたま開いてて、庭に俺がちょ
月夜の猫-BL小説です 何となくクリスマス!10 BL小説 「いいものがあるな」 工藤の声に良太は振り返った。 「飲みます?」 「おう」 風呂上がりの工藤はバスローブのままソファに腰を下ろした。 グラスを二つ工藤の前のテーブルに置いて、良太はラム酒のボトルを開けた。 鼻孔を擽る香りとグラスに注がれるコクコク
back next top Novels 「だったら、わざわざこなくてもいいんだ、あのバカ」 工藤の言
back next top Novels 「オフクロは別に俺らにあとを継げとかいわねぇし、浮気した婿養子
月夜の猫-BL小説です 霞に月の149 BL小説 「そういえば、大森さんの、すごくいい出来になったって、ヤギさん、喜んでましたよ」 「そうか」 「あ、そうだ、大森さんがちょっと情報くださったんですけど、表具師? やってる親子がいるって。ちょっと連絡してみようかと思って」 「表具師か。面白いかもな」 土曜日放映の
back next top Novels 「うーん、ごめん。何かあったってわけじゃないんだけど、やっぱ心
back next top Novels 藤原の後ろから出てきた若い男が、「あけましておめでとうござい
月夜の猫-BL小説です 好きだから36 BL小説 さらに、直子を固まらせたのは、いきなりドアが開いて男が入ってきたからだ。 「よう、なかなかいいオフィスじゃねぇか。暇なんで来ちまった」 声は確かにあの男だった。 しかし人相風体が、先日の白衣の熊五郎とは似ても似つかない。 「あれ、稔さん、えらくさっぱりしたやない
back next top Novels 「うーん、ほな、部屋でクリスマスディナーとか、どや? 良太が作
月夜の猫-BL小説です 清風6 BL小説 日曜日は朝からすっきり晴れ上がり、絶好の初釜日和というところだろうか。 空気が冷たいせいか一層清清しい青空を車の窓越しに見ながら、もう一本煙草をくわえようとして、工藤はやめた。 「あのバカ、まさか寝てるんじゃないだろうな」 待ち合わせは十時、会社の駐車場、そういっておい
月夜の猫-BL小説です 霞に月の148 BL小説 「俺もうアラサーですよ」 良太が言っても、「年齢じゃないのよねえ」とおかみは笑う。 隣では工藤がフンと鼻で笑う。 良太は工藤を軽く睨み、「またそうやってバカにする」とブツブツ口にする。 「バカにしてるとか勝手に思うのはお前だろう」 確かに年じゃないな、こいつは
月夜の猫-BL小説です 好きだから35 BL小説 太陽の日差しはあるが、真冬並みの北風が街を吹き抜けていた。 午後になると少しは風も和らいで、かつ佐々木の仕事もどうやら目途がつきそうになってきた。 「直ちゃん、ここ数日のお礼もかねて、近いうちに夜ごはん、食べ行こか。コースでもかまへんで。直ちゃんの行きたいとこ
back next top Novels ぽっと出の『和泉秀也』に対する世間の評判がどうあろうと、工藤
back next top Novels 「わ、ケーキも美味そう!」 和洋折衷のクリスマスディナーを堪
back next top Novels 淑子の言うように、仮にもし直子と佐々木が結婚するようなことに
back next top Novels 見るな、と釘を刺したにも関わらず、妹の亜弓も両親もしっかり、
霞に月の147(工藤×良太)まで更新しました。 ★お正月エピソード、追加いたしました。 清風(工藤×良太、かな
月夜の猫-BL小説です 霞に月の147 BL小説 なんか今夜、疲れてんのかな、うらぶれてっぽいし。 良太は工藤の横顔を見てこっそりそんなことを心の中で呟きながら、工藤の横に座った。 「いらっしゃい」 おかみがカウンターの中から良太におしぼりを渡してくれる。 「肉じゃが美味しそうですね。俺、生ビールお願いします
月夜の猫-BL小説です 清風3 BL小説 青山プロダクションは現在、志村嘉人、中川アスカ、南澤奈々と、三人のタレントを抱えているが、当分は小笠原のマネージメントも志村のマネージャーでベテランの小杉に兼任してもらうことになっている。 その小杉が帰ってくるまでは、良太がやらざるを得ないだろう。 小笠原本人とはまだ
back next top Novels 「直子さんは一生懸命なだけやのうて、何でも卒なくこなさはるし、
back next top Novels しかも、工藤と良太が恋人関係だというのは、社内及び近しい人間
next top Novels ACT 1
◇工藤と良太 エピソード7 割と初期のエピソードになります。(Winter Timeの後) 年明け早々、青山プ
■清風(工藤×良太) ■お正月(京助×千雪) boys love novel お正月 2024 以前のエピソー
back next top Novels 出張以外、ここ数日工藤は大抵隣の部屋に戻っているので、良太は
back next top Novels 「あ、それでは私たちはこれで失礼します。どうぞごゆっくり召し上
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった68 BL小説 完全に酔っぱらって口にしている言葉が理解できていないのが元気にもわかった。 「こんな田舎で、男同士で、教員同士で、リスクが高いって、まあ、そりゃそうだなって」 響はハハハと笑う。 笑うのだが涙がぽろぽろ零れるのを拭いもせずまた酒をマグカップに
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった67 BL小説 ふと手にしていた携帯に気づいた響は、誰かの言葉が聞きたくなった。 酔っているのでためらいもなく、一つの番号を押した。 五回目のコールで、声が聞こえた。 「響さん? どうしたんですか? こんな時間に」 「なんかさ……深淵の底から俺が呼ばれて
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった66 BL小説 女性の方が結構年上でというだけで結婚なんてあり得ないとするようなこの街で、高校教師が、しかも男同士がつきあうとか、考えも及ばないに違いない。 先生なんて呼ばれるような人間じゃないと思っていた響だが、いつの間にかそう呼ばれることに慣れてしまった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった65 BL小説 放課後は理科系の会議があるらしいし、今日は井原の顔を見ないで終わりそうだ。 もっとも響こそ、井原とどんな顔をして会えばいいかわらからなかったから、少し胸を撫でおろしていた。 ぼんやりしていたので、ドア口に人がいるのに気づかなかった。 「和田
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった64 BL小説 「へいへい。なんかこうこの部屋息が詰まりそうだから、ちょっと緊張をほぐそうとしただけじゃん」 お茶らかした寛斗のセリフを聞くと、響もこれは一息ついた方がいいかと立ち上がった。 「ようし、ちょっと休憩しよう。肩に力入り過ぎてる気もするから、寛斗、お
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった63 BL小説 何も聞かずに俺の手を握っていた井原の手はすごく温かくて。 ポトリとひとしずく、下を向いていた響の目から床に落ちた。 ほんとはすごく好きだった。 だから俺なんかといちゃいけないやつなんだって。 またひとしずく、落ちた。 もう何年も胸の奥に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった62 BL小説 だが所詮モラトリアムの中での思いの延長だ、お前の好きは自分と同じ好きではないかも知れない、響が口にしなかったのは、井原のためだと……。 いずれは井原も誰か愛する人に巡り合って、秀喜のように結婚するのだろうと。 十年越しの初恋なんかもう忘却の彼
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった61 BL小説 こいつらしくもなく何をそんな苦しそうな顔をしているんだ? 「響さん、告られたって、ほんとですか?」 「へ?」 響の方に顔を向けて、まじまじと見据える井原に、響はポケッとした顔になった。 「俺が? ああ、ひょっとして、寛斗のヤツのことか?」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった60 BL小説 三号に描かれたのはひまわりで、この店では初めて風景画以外の絵となるが、他の風景画と空気感が同じである。 「いいなあ、これベネチアの匂いがする」 「さすが、響さん、感覚的! これどの絵と取り替えたらいいと思います? これ以上飾ると窮屈そうだし」
月夜の猫-BL小説です #post_titleBL小説 「ああ、どうだった? 撮影は」 「はい、順調に終わりました。小木さんて、作家さんなのに声がよくて、気さくな人で、よくわかるように説明してくれて、俺も伊万里焼きのレクチャーなら任せとけって感じです」 良太は案外穏やかな工藤の声にほっとしたらしく、幾分声を弾ませた。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった59 BL小説 「あたしも聴きたい! 本物のピアノ!」 紀子が言った。 「アップライトなら、入らないか?」 「え、ここにか?」 井原の発言に元気は考え込んだ。 「お前無茶なこと言うなよ」 響は呆れたが、元気はうーんと唸ってから、「何とかなるかも」と言う。 「
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった58 BL小説 かぐわしい香りのコーヒーが鼻孔をくすぐると響は全身がほっとするような気がした。 「一日の仕事上がりに元気のコーヒーって、ほっとするよなあ」 隣で井原が響が考えたようなことを口にした。 「そういえば元気、相談って何?」 一口温かいコーヒーを飲ん
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった57 BL小説 エチュードの一番から三番を弾いたあと、響はスケルツォの三番を弾き始める。 細かな音が目に見えぬドレープを作り広がってゆく。 古いピアノは時折響の耳にかすかな歪みを感じさせるが、それもまた音の羅列に表情を与えていく。 最後の音を弾いてからふ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった56 BL小説 確かに青山は技巧的には巧い。 だが、曲の理解度でいえば、この曲に関わっている時間が長いだけ寛斗の方が高いだろう。 それに。 瀬戸川は寛斗と一緒にコンクールに出たいに違いないのだ。 「技巧を取るか、曲の理解度を取るかでいえば、多少下手でも
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった55 BL小説 そして忘れていたシーンの中に井原がいた。 喜怒哀楽がはっきりしていると生徒が言っていたが、すぐに思い浮かぶのは笑っている井原で、怒ったり泣いたりと言ったシーンも思い出されて、そういえば忙しいやつだったと響は苦笑する。 そんな昔の思い出に浸
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった54 BL小説 遅かれ早かれ、そうなることはわかっていたさ。 黒板消しを置くと、響は手をぱんぱんと払い、準備室に入った。 考えごとをしていたので、あっという間にガツガツと弁当を平らげた響は弁当のからをビニール袋に突っ込みゴミ箱に放ると、音楽室を出た。 そ
月夜の猫-BL小説です 夢見月32 BL小説 せっかく珍しくこのあとの予定がないのにな。 工藤がそんなことを考えていると、電話が鳴った。 結局、鈴木さんが帰っていくまで、何件かの電話で時間が潰された。 秋山とアスカは、その間に工藤と夕食を一緒にする約束をして、次の打ち合わせにテレビ局へと向かった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった53 BL小説 「キョー先生は井原先生よりなんか年齢超えてるって感じ」 「ええ?」 瀬戸川の言葉に響は首を傾げる。 「だって、制服着てそこにいてもおかしくないっていうか」 「何、俺ってオッサンになってもガキっぽいってこと?」 くすくす笑いながら瀬戸川は、「顔
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった52 BL小説 いつもの井原だ。 土曜日、急にクラウスが現れて、しかも井原といる時に、響は内心焦り、イラついた。 井原は響の説明を額面通り受け取ったわけではないような気がした。 何か言いたげな顔をしていたが、今日のあのようすではさほど気にもしていないのだ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった51 BL小説 「すみません、後ろの人、静かにしてください」 響が説明をいったん切ったところで、最前列に座っていた青山という女生徒がきりりとした声で後ろでふざけ合っている男子生徒を注意した。 一瞬シーンと静まり返ったあと、響は何ごともなかったかのように黒板に
back next top Novels 「よかったに決まってるだろ。さっきの見たろうが。ここについたの
月夜の猫-BL小説です 夏が来る43(ラスト) BL小説 「だから、何で去年より人数が増えてるんだ!」 元気が溜め込んでいた鬱憤を晴らすかのように声を上げたのは、中央道をしばらく走ったところの諏訪湖サービスエリアでのことだった。 「まあまあ、俺ら車別なんだからいいじゃん」 井原が頭が沸騰しそうな元気を宥め
月夜の猫-BL小説です ぶなの森9 BL小説 良太の心にわだかまりを残したまま、工藤は東京に戻ってしまった。 だが良太は最後のパーティが終わるまでここにいなくてはならなかった。 海棠役の流とヒロインを慕う青年佐原が森でヒロインを探すシーン、ヒロインが池に浮かんでいるのを見つけるシーンの撮影が終わり、ロケ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に149 BL小説 そしてどうも工藤としても鈴木さんには頭が上がらないらしいことも良太は知っている。 「でもさ、あのオフィスで、平然としていられる鈴木さんこそ、人格者だと思わない?」 「それ、俺も昔思たわ。鈴木さん、何があっても動じないって感じで、美味しいお茶とか出してくれ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森8 BL小説 現れたのは工藤だった。 監督と話をしながら、良太と菜摘がこちらに歩いてくるのを工藤は見ていたのである。 そこへ、男が現れた。 「へえ、あんたが噂の工藤か。なるほど、社長が社長だからな、その大事な部下に女優のコマシ方でも教え込んでいるわけだ」 「あいにく忙し
back next top Novels 「京助ってば、ちょっとマジ過ぎない?」 香坂が肩をすくめる。
月夜の猫-BL小説です ぶなの森7 BL小説 どうせ良太がイタリアにいくことは当分ないのだから、余計なことを考えなくて済むだろう、と。 だが、よもや案外早く良太にそれが知れることになろうとは、工藤も思っていなかった。 「嫌だ…いやだってば! バカやろ…」 「何が、嫌だって?」 そんな工藤の言葉が合図のように
back next top Novels 「研修は四月からやろ? スキーは行けるな」 千雪が良太に聞い
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)146まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)146、夏が来る42 まで更新しました 2024Summer、 夏にちなんだエピソードを順次アップしています ぶなの森(工藤×良太22)6 夏のエピソードです。 かぜをいたみ87(ラスト) 最後までお
月夜の猫-BL小説です ぶなの森6 BL小説 「あいつ……、よほど、お前がキモイといっていた小林千雪だって言いたかったですよ」 戻ってきた千雪に思わず良太はぶちまける。 「あの子、工藤さんにベッタリなんやて? 良太、それで面白くないわけや」 「誰に聞いたんですか~そんなこと。わかった、アスカさんだな」
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に146 BL小説 「そうだ、良太さん、ニューヨーク行く前、壮行会やりましょうよ」 天野が語気を強めて言った。 「そんな大げさな。たかだか三か月なのに」 「壮行会という名を借りた飲み会」 真面目にそんなことを言う天野に、良太はまた笑った。 「わかりました」 「約束ですよ」 「そ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森5 BL小説 「あの女とは何でもない」 工藤は言うのだが、どうやら今はそうだとしても昔はよろしくやっていたらしい。 まだほかにもあちこちに工藤の女がいるに決まっている、と言ったのは、青山プロダクション所属のイケメン俳優、小笠原だ。 そんなことをいわれると、良太としては工藤がイタ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森4 BL小説 「良太ちゃん、お弁当食べよ」 菜摘が弁当を手に良太に声をかけた。 「あ、はい。ちょっと待ってください」 良太が手配したロケ弁をスタッフが配ってくれて、みんな各々アウトドア用のストーブの周りに陣取っている。 夏とはいえ、東京の暑さとはうって変わってここは別世界のよう
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に145 BL小説 「え、でもオフとかに帰ってくるんでしょ?」 浩輔が思い切り端折って佐々木に聞いた。 「俺にはオフとか、ないで?」 すかさず佐々木がシャープに返答する。 「あ、いや、そのう、盆暮れ正月?」 暗に沢村のオフの時には一緒に帰るのだろうという質問を、浩輔は言い直した
月夜の猫-BL小説です ぶなの森3 BL小説 小林千雪といえば、時折警察にも知恵を貸して解決した事件も多々あるミステリー作家として巷では知られているが、助教としてT大法学部に在籍している。 その彼を一躍有名にしたのが、分厚い黒渕メガネとぼさぼさの髪、超ダサダサのファッションセンスで、学内の女子学生の間では、ダサ
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月夜の猫-BL小説です ぶなの森2 BL小説 良太も業界内では彼女の不倫の噂は耳にしていたが、今のところ噂どまりなのは、相手の父親である代議士からの圧力と局側による彼女の所属する大手事務所Aプロへの忖度もあり、マスコミやスポンサー側へはもらさぬよう関係者に厳重に緘口令がしかれている所以だった。 昨今、不倫には
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月夜の猫-BL小説です 2024Summer BL小説 2024夏始■夏が来る(井原×響&元気)■Blue Moon(工藤×良太)boys love novel初夏にちなんだエピソードを順次アップしています 以前のエピソードに少し手を加えたり、新しいエピソードもアップする予定です。