月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった68 BL小説 完全に酔っぱらって口にしている言葉が理解できていないのが元気にもわかった。 「こんな田舎で、男同士で、教員同士で、リスクが高いって、まあ、そりゃそうだなって」 響はハハハと笑う。 笑うのだが涙がぽろぽろ零れるのを拭いもせずまた酒をマグカップに
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。傲岸不遜男×強気、野球選手×美形、業界、バンド、学園、学生、リーマン、イケオジ多。BL、ML。字書き、あきつ、絵描き、alyosha、松本悠莉で活動しております。
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back next top Novels 宇都宮が良太をかなり気に入っているのはわかっているので、この
back next top Novels 一方、家族である実の父親に対してともすれば訴訟すら辞さない構
月夜の猫-BL小説です 霞に月の143 BL小説 GWに挙式した良太のご学友、飯島肇とかおり夫妻が青山プロダクションを訪れたのは、公開された『大いなる旅人-京都』がランキング一位を維持した大型連休も終わり、相変わらず工藤も良太も忙しく飛び回っていた午後のことだった。 「あら、良太ちゃん、そろそろ戻るんじゃない
月夜の猫-BL小説です 残月66 BL小説 「何が怪しいんです?」 ほろ酔い加減の良太もへらっと返す。 「宇都宮さんと良太よ」 「へ?」 すると宇都宮がクククっと低く笑い、「紗英ちゃん、鋭いねぇ」と口にする。 「ああ、その目、絶対本気モード!」 日本シリーズも終わり、田園の要となるシーンの撮影も終わったこと
back next top Novels どちらかというと酒を飲む方の沢村に対して、八木沼は出てくる料
back next top Novels よってたかって人を悪者にしやがって。 まあ、それだけみんな
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)141更新しました。 BL小説 霞に月の(工藤×良太)141、 何となくクリスマス!4、 残月64、 好きだから25、 まで更新しました。
月夜の猫-BL小説です 好きだから25 BL小説 「お前が言うな! でも八木沼さん女性人気ダントツだし、昨今、プロ野球選手ってMLBでもない限りCMとか少ないんで、頑張って下さいよ」 沢村に抗議をしてから良太は八木沼に向き直る。 「ええ? 俺、良太がええのになぁ」 「お前、大体、良太、良太って馴れ馴れしすぎん
back next top Novels タイガースが有利な展開で進め、無失点で抑えてきた先発の原田が
back next top Novels 「お疲れ様でした~」 車を降りて、良太は、『トンネルを抜ける
月夜の猫-BL小説です 霞に月の141 BL小説 「考えたさ! どんだけ考えたって俺の答えはおんなじだから……。親は大事だけど、同級生が結婚しようが俺のことは俺のことだし」 良太は訥々と言葉を紡ぐ。 「あんたの邪魔はしたくないけど、あんたから離れるのは……やっぱ、嫌だ……」 良太の目からまたぽたっと涙が落ちた
back next top Novels 「このやろ、思い切りバカにしやがったな」 大澤は良太を軽く睨
back next top Novels 翌日、良太がプロデューサーとして名を連ねているスポーツ情報番
月夜の猫-BL小説です 残月63 BL小説 それから「大いなる旅人」の撮影陣をニューヨークへ送り出し、日本シリーズの取材に向けてパワスポも準備に入った。 残念ながら良太はゲームをリアルには見られず、タブレットでの観戦となった。 スポンサーの力が強くて、局のプロデューサーが工藤とも親しく、ディレクターの下柳を買
月夜の猫-BL小説です 好きだから23 BL小説 「袱紗捌きが違います!」 淑子に叱咤されて佐々木ははっと手元をみた。 「あ、ああ、すみません、濃茶でしたね」 佐々木は慌てて袱紗捌きをやり直した。 「何をぼおっとしているのです。綾小路さんの展示会での初釜は年明け早々なんですよ」 そうだった。 こうして居残り稽
back next top Novels 工藤がラム酒をグラスに注ぐのを見つめながら、すこしまだ湿り気
月夜の猫-BL小説です 好きだから22 BL小説 しゅんしゅんと釜の湯だけが静まり返った部屋の中で音をたてている。 名のある僧侶の作と云われる、月清千古秋、の文字の掛け軸が掛かる床の間には、その斜め前に唐物の篭に杜鵑や秋明菊などの茶花が生けられ、炉で焚かれている香が芳しい。 久々夜の時間が空いた佐々木は、茶道
back next top Novels ただし、鈴木さんの都合もあるわけで、いざとなればプロのシッタ
back next top Novels とはいえ、毎年、工藤の行きつけのバー、『オールドマン』にはオ
back next top Novels 良太は良太で、何やら重苦しい雰囲気で工藤が事故にあったという
月夜の猫-BL小説です なんとなくクリスマス(工藤×良太)アップしました BL小説 なんとなくクリスマス(工藤×良太)アップしました 霞に月の138 がまだ続いておりますが、同時進行でアップしていきます 残月61、好きだから21までアップしました
月夜の猫-BL小説です 好きだから21 BL小説 「すごぉい、見てきたようなドラマ仕立て! あたしと沢村っちの馴れ初めから、きゃあ、もう双方の両親に紹介済みとか書いてある!」 アスカが新聞の記事を見て嬉し気な声を上げた。 「そんなことで、はしゃがない」 秋山がアスカを窘める。 「だってぇ、この分だと挙式の日と
back next top Novels どのみち撮影が終わったら飲み会になるのは覚悟していたが、坂口
back next top Novels ロマンチックな展開なんか毛ほども期待しちゃいないけど、たまに
月夜の猫-BL小説です 何となくクリスマス!1 BL小説 師走に入ると、広瀬良太は今年も慌ただしくオフィスを出たり入ったりしていた。 来春放映予定で秋から撮影に入っている『検事六条渉―ひとりぼっちの烏』は、俳優陣のスケジュールに合わせながらなので歩みはゆっくりだが、重厚な作りになっていて、制作陣も気合が入って
★何となくクリスマス!(工藤×良太) 「霞に月の」がなかなか終わらなくてすみません、で、クリスマスに飛びます。
月夜の猫-BL小説です 好きだから20 BL小説 昼にはまだ早かったが、十一時は過ぎていた。 「何だ、一体これは!」 オフィスのドアが開くなり、入ってきた工藤高広は声を荒げ、持っていたスポーツ紙をテーブルに叩きつけた。 堂々と一面を飾っているのは人気俳優中川アスカと関西タイガースの四番打者沢村智弘とが腕を組ん
back next top Novels 自主トレはどうするのかと聞いてきた八木沼に沢村がうっかりその
back next top Novels 二十分ほどで人形町にある大森美術に着いた。 三階建ての住居
月夜の猫-BL小説です 好きだから19 BL小説 賑やかだったざわめきも消え、寂とした空気の中に、着ぬずれの音に混じって二つの吐息が甘やかな音を紡ぐ。 逸っているのは自分だけでなく佐々木も自分を欲しいと思っていることを沢村は疑ってはいない。 上気した頬だけでなく佐々木自身熱を帯びているのがわかると、埋み火のよ
back next top Novels 八木沼大輔は大阪出身の二十五歳で、関西の大学リーグでは大柄で
月夜の猫-BL小説です 霞に月の137 BL小説 下柳がそんなようなことを言った気はするが、工藤が事故と聞いて頭が真っ白になってしまったので、仕事のことも良太の意識から飛んでしまっていた。 「ちょっと高広! 良太ちゃん、心配して飛んできてくれたのに、もっと何か言いようがあるでしょ!」 ひとみは目を吊り上げて工
月夜の猫-BL小説です 好きだから18 BL小説 「佐々木さん、とにかくスケジュール、教えてくれよ。何か例のクスリで捕まった俳優の関係で、忙しいって?」 「まあな。このクソ忙しい時に、メンドイことしてくれよって」 沢村に顔を覗き込まれて、佐々木は眉を顰めつつ答えた。 「そっか、どっかで時間取れたら、またスキー
back next top Novels いろんな厄介ごとで頭を悩ませるばかりの毎日だが、こんなちょっ
back next top Novels 「今、高広、診察中。迎えに来るのとか無理よね?」 「どこですか
月夜の猫-BL小説です 好きだから17 BL小説 「え、まあ、うちは貧乏だけど、借金背負っても子供に高等教育受けさせてくれて、工場取られても、ほんわか生きていける親ですからね…ってか、俺のことなんかどうでも、とにかく、遠野さん情報だと、沢村の父親のお抱え弁護士事務所が雇ってる興信所の調査員で、元警官の五十がらみ
back next top Novels おっと、また二村とか、余計なことを考えている場合じゃなかった
back next top Novels 「高広、大丈夫?!」 むっくりと立ち上がった工藤は、腕を回し
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)134まで更新しました BL小説 >霞に月の(工藤×良太)134 好きだから(沢村×佐々木)16 残月(工藤×良太)56 まで更新しました 残月が長すぎて、すみません。 ここだけ秋がなかなか終わりません。
月夜の猫-BL小説です 好きだから16 BL小説 「ああ、そう、だよねぇ……。あ、でも、パーティはね、藤堂さんに話したら、だったらいっそ盛大にやろうよってことになって、ほら、あの人根っからのイベンターだから。みんなもちょっと声かけたら、即この気合の入れよう、好きなんだよ、楽しいこと。それにほらスキーん時のメンバ
back next top Novels 「アスカさんもげんなりだって話してたわ」 良太の怒りを聞きつ
back next top Novels 「さあ」 京助は深くも考えずそう返すと、「シチューでも作るか
月夜の猫-BL小説です 好きだから15 BL小説 「お疲れ~、良太ちゃん、仕事の方は大丈夫?」 迎えに出た藤堂が良太を連れて戻ってきた。 「ええ、まあ。遅くなりました。何かすんごいロケーションですね」 眼前に広がる夜景を見てポツリと呟いた良太を見つけたひとみが駆け寄って抱きしめる。 「遅いじゃないの、良太ちゃ
back next top Novels 無事京都ロケを終わらせたら、中一日で撮影隊はニューヨークに発
月夜の猫-BL小説です 霞に月の133 BL小説 「千雪さん、すごいクソミソじゃないですか、鴻池さんのこと」 ちょっとあきれ顔で良太は千雪を見た。 「当たり前や! だいたいいくら仕事やからいうていまだに取引を続けとる工藤さんの気ぃがしれんわ! そこは俺からすると工藤さんの許せへんとこや!」 あまりの言われ
月夜の猫-BL小説です 好きだから14 BL小説 「そんなこと言われても、ドレスコードは黒をベースって………」 須永は口を尖らせてブツブツ言った。 「チーフをアクセントにするとか、そういうちょっとした機転が大事なのよ。だから彼女に振られるのよ」 「ほっといてください。だったらヤギさんなんかいつものまんまじゃない
back next top Novels 「三木原さん、いい感じだね。さすが良太ちゃん」 休憩に入った
back next top Novels 「ああ、俺らのお邪魔になるんやないかとか、いらん気ぃ回さんでも
月夜の猫-BL小説です 好きだから13 BL小説 「うわ、間に合った!」 「おや、可愛いね、浩輔ちゃん、グリフィンドール」 「悩みましたよ、黒を基調に品位を保ってとか。あれ、なんか、藤堂さん今日、胸から上、えらくデカくないですか?」 「ホテルの顰蹙をかわない程度にね」 一行は勝手に携帯のシャッターが押されたり
back next top Novels 「わかりました。二村さんの件はこれきりとしましょう」 そうい
back next top Novels 鎌倉市大磯に窯を持つ斎藤亜紀彦はアラフィフの陶芸作家であるが
back next top Novels ACT 3 &
back next top Novels 「でも代役オファーしたって?」 「ああ、二、三人、当たってみて
月夜の猫-BL小説です 霞に月の(工藤×良太)130まで更新しました BL小説 霞に月の(工藤×良太)130 好きだから11残月51 まで更新しました
back next top Novels 昨夜飲んだラム酒がいつになく美味くなかったとは口にせず、「ま
月夜の猫-BL小説です 好きだから11 BL小説 若手人気俳優の水波清太郎が覚せい剤所持で逮捕されたことで、出演していたドラマや映画やCMがかなりな損害を被ったというニュースは十月初めに日本中を駆け巡った。 なまじっか人気俳優だったために、CMは放映差し止め、ドラマや映画は撮り直しや映像差し替えなど関係者は大わ
月夜の猫-BL小説です 残月51 BL小説 「下山が勝手にやったことよ! あたしは知らない!」 二村がそう喚くと、下山もついに激高した。 「何言ってるんだ! あんたが俺にやれって言ったんだろ? 牧に拾わせて指紋がついた財布を牧のバッグに入れて来いって!」 今度は周りのみんなに向かって下山が声を上げた。 「それ
back next top Novels それにしても朝起きると朝食が準備されている生活ってすごい、と
月夜の猫-BL小説です 残月50 BL小説 工藤のように滅多に怒鳴り散らしたりしない良太が、大きな声を上げないだけ怖ろしく怒っていることを志村や小杉は感じたし、周囲も思わず息をのむ。 「牧さん、九時前後はどちらにいました?」 「食事のあと、八時頃から十時近くまで檜山さんの部屋にいました」 「檜山さんの部屋です
back next top Novels 「でもそういえば綾小路さんとこの新年会って、前に行ったことある
月夜の猫-BL小説です 霞に月の128 BL小説 良太のスケジュールを確認すると、檜山匠の撮影の後も鎌倉の陶芸家と大森美術の大森和穂と撮影が続いている。 良太の仕事が一段落するのはその翌日だ。 工藤自身もこれからしばらくは紺野のドラマ関連のスケジュールが詰まっているが、そのあたりで良太を捕まえないことには、話
月夜の猫-BL小説です 残月49 BL小説 実際やってみると、荷物も多いし、プライバシーに関わるものもないとはいえないので、本人にバッグを開けてもらったり、クローゼットの中も見せてもらったりした。 木村は手袋をはめて確認したり、ざっと見て回ったが、それらしいものは見当たらなかった。 荷物チェックなど、当然嫌な
back next top Novels 「まあねえ、沢村っち人気者だし、親も心配してるんじゃないの?
back next top Novels 東洋グループも傘下の東洋商事も青山プロダクションにとっては重
月夜の猫-BL小説です 残月48 BL小説 「二村さんは、危険なことがあるかもしれませんし、しばらくここで待機していてください」 そう言いおいて良太は応接室を出てロビーに行くと、小杉と日比野に連絡を入れ、窃盗事件があったかも知れないので部屋にいるようにとの通達を頼むと、谷川の携帯を呼び出した。 「すみません、
back next top Novels だが、次に山名が余計なことを言いさえしなければ、沢村もじっと
back next top Novels 何とか撮影は終わったものの、クルーも奈々や谷川も工藤のそんな
月夜の猫-BL小説です 残月47 BL小説 カットがかかると、良太は日比野に歩み寄って現場を離れた。 ほかの者に聞こえない場所で、良太は要点をかいつまんで日比野に話した。 「はあ、やっぱりね。結論的に二村を降ろすことには変わりないな」 日比野は肩を落とした。 「ええ、一件だけでなく、まあこれは事務所側がやったこ
back next top Novels 日本シリーズも終わった一週間ほど前のことだ。 沢村が東京で
霞に月の(工藤×良太)125 残月46 好きだから6 クリスマスの空13(ラスト) まで更新しました。
月夜の猫-BL小説です 霞に月の125 BL小説 「あーらら」 千雪はちょっと呆けたように良太を見つめた。 「なんかこの頃、酒飲むと涙腺が狂っちゃって、ハハハ」 泣き笑いの良太は涙を手で拭う。 「狂っちゃってやないやろ、あかんがな、ほんまにこの子は」 はあ、と千雪はため息を吐く。 「人をガキみたいに言わないで
back next top Novels 「確かなスジからの情報だから、信用していいよ」 藤堂は断言し
back next top Novels 「万が一沢村宗太郎氏の行為があなたや佐々木氏のプライバシー侵害
back top Novels 「コーヒー、飲むか」 佑人がバスルームを出ると、既に散歩から戻っていた力
back next top Novels 「ちょっと気分転換です」 「どこ行くん?」 「どこって………」
back next top Novels 晴天の元、貴船神社方面に移動した撮影隊は、再び檜山のシャープ
back next top Novels それがここにきて、つまらないことでまた佐々木に距離をあけられ
back next top Novels 嫌だ、やめろと声を上げながらも、たやすく追い上げられて、佑人
back next top Novels 薬だけ飲み下してあの朝オフィスに降りていくと、まだ就業前だっ
back next top Novels 「でも二村、いずれどこかで業界から干されるわね」 電話の向こ
back next top Novels ACT 2 佐々木が乃木坂の青山
back next top Novels 「まあ、いいさ、期待なんかしなくても。俺がお前に、色々、見せて
back next top Novels 檜山匠のスケジュールに合わせると、今が一番いいだろうというこ
back next top Novels 「え、そのシリーズあたしも欲しい! 良太、確保しといてよ!」
back next top Novels 彼女との別れは佐々木に痛みを残したが、時の流れとともに新たな
back next top Novels 「そうじゃない……俺……、てっきりやっぱり力は女の子の方がいい
back next top Novels 坂口と工藤、それに溝田と宇都宮が酒を酌み交わして笑っている。
月夜の猫-BL小説です 好きだから2 BL小説 そのあり得ないことはハロウィンの一夜限りのラブアフェアに終わらず、未だに現実として歴然と、仕事以外の佐々木の大部分を支配していると言っても過言ではない。 沢村のことは、初めは鷹揚で達観している大人で、佐々木を今の仕事に引き込んだジャストエージェンシーの社長春日
back next top Novels 実際斎藤も二村がここまで自己中で空気を読めないとは思っていな
back next top Novels 朝から東京では急激に気温が下がり、夕暮れになると傍らを吹き抜
霞に月の120(工藤×良太)まで クリスマスの空8 恋ってウソだろ?!83(ラスト) 残月41 までアップしま
月夜の猫-BL小説です 好きだから1 BL小説 今年は暖冬といわれているが、十月も末ともなれば枯れ葉も舗道に舞うし、ビル風も明らかに冷たく耳のそばを吹き抜ける。 「う、さむ……」 佐々木周平は思わずカーコートの前を掻き合わせた。 スキーもやるし、吹雪の北海道へ仕事で行くこともある。 だが、このビル風が昔から佐々
月夜の猫-BL小説です 好きだから BL小説 「恋ってウソだろ?!」「限りなく傲慢なキス(工藤×良太)」「好きなのに」などの後日談になりますm(__)m。(R18) 沢村は出会ってちょうど1年となるハロウィンに佐々木と会おうと画策しているのだが、佐々木はとにかく忙しい。そんな時、ただでさえ敬遠したい父親らの
back next top Novels 「ひよわそうなやつが来て、なーんだって思ったとか?」 良太は
back next top Novels この映画のメインスポンサーの一つである大手化粧品会社美聖堂の
back top Novels 「もう、俺から離れようなんて思わないよな?」 「……ああ…」 何かシャク
back next top Novels やっぱり、俺だけのんきに坂本と遊んでいるわけにはいかないな。
back next top Novels 「ドキュメント、頑張ってるみたいだけど、頑張り過ぎないようにね
月夜の猫-BL小説です 残月40 BL小説 家か。 この会社に入ってからがむしゃらにやってきたが、金銭的にも家なんかのことまで考えたことはなかった。 だが、自分の家がというより、両親に家を取り戻してやりたいというのはずっとある。 元の家でなくとも、せめてちゃんとした家かマンションか。 ま、そんなの、借金がある身
back next top Novels 「あ、いや、……せやなくて……ちょっと事情あって」 歯切れが
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった68 BL小説 完全に酔っぱらって口にしている言葉が理解できていないのが元気にもわかった。 「こんな田舎で、男同士で、教員同士で、リスクが高いって、まあ、そりゃそうだなって」 響はハハハと笑う。 笑うのだが涙がぽろぽろ零れるのを拭いもせずまた酒をマグカップに
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった67 BL小説 ふと手にしていた携帯に気づいた響は、誰かの言葉が聞きたくなった。 酔っているのでためらいもなく、一つの番号を押した。 五回目のコールで、声が聞こえた。 「響さん? どうしたんですか? こんな時間に」 「なんかさ……深淵の底から俺が呼ばれて
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった66 BL小説 女性の方が結構年上でというだけで結婚なんてあり得ないとするようなこの街で、高校教師が、しかも男同士がつきあうとか、考えも及ばないに違いない。 先生なんて呼ばれるような人間じゃないと思っていた響だが、いつの間にかそう呼ばれることに慣れてしまった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった65 BL小説 放課後は理科系の会議があるらしいし、今日は井原の顔を見ないで終わりそうだ。 もっとも響こそ、井原とどんな顔をして会えばいいかわらからなかったから、少し胸を撫でおろしていた。 ぼんやりしていたので、ドア口に人がいるのに気づかなかった。 「和田
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった64 BL小説 「へいへい。なんかこうこの部屋息が詰まりそうだから、ちょっと緊張をほぐそうとしただけじゃん」 お茶らかした寛斗のセリフを聞くと、響もこれは一息ついた方がいいかと立ち上がった。 「ようし、ちょっと休憩しよう。肩に力入り過ぎてる気もするから、寛斗、お
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった63 BL小説 何も聞かずに俺の手を握っていた井原の手はすごく温かくて。 ポトリとひとしずく、下を向いていた響の目から床に落ちた。 ほんとはすごく好きだった。 だから俺なんかといちゃいけないやつなんだって。 またひとしずく、落ちた。 もう何年も胸の奥に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった62 BL小説 だが所詮モラトリアムの中での思いの延長だ、お前の好きは自分と同じ好きではないかも知れない、響が口にしなかったのは、井原のためだと……。 いずれは井原も誰か愛する人に巡り合って、秀喜のように結婚するのだろうと。 十年越しの初恋なんかもう忘却の彼
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった61 BL小説 こいつらしくもなく何をそんな苦しそうな顔をしているんだ? 「響さん、告られたって、ほんとですか?」 「へ?」 響の方に顔を向けて、まじまじと見据える井原に、響はポケッとした顔になった。 「俺が? ああ、ひょっとして、寛斗のヤツのことか?」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった60 BL小説 三号に描かれたのはひまわりで、この店では初めて風景画以外の絵となるが、他の風景画と空気感が同じである。 「いいなあ、これベネチアの匂いがする」 「さすが、響さん、感覚的! これどの絵と取り替えたらいいと思います? これ以上飾ると窮屈そうだし」
月夜の猫-BL小説です #post_titleBL小説 「ああ、どうだった? 撮影は」 「はい、順調に終わりました。小木さんて、作家さんなのに声がよくて、気さくな人で、よくわかるように説明してくれて、俺も伊万里焼きのレクチャーなら任せとけって感じです」 良太は案外穏やかな工藤の声にほっとしたらしく、幾分声を弾ませた。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった59 BL小説 「あたしも聴きたい! 本物のピアノ!」 紀子が言った。 「アップライトなら、入らないか?」 「え、ここにか?」 井原の発言に元気は考え込んだ。 「お前無茶なこと言うなよ」 響は呆れたが、元気はうーんと唸ってから、「何とかなるかも」と言う。 「
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった58 BL小説 かぐわしい香りのコーヒーが鼻孔をくすぐると響は全身がほっとするような気がした。 「一日の仕事上がりに元気のコーヒーって、ほっとするよなあ」 隣で井原が響が考えたようなことを口にした。 「そういえば元気、相談って何?」 一口温かいコーヒーを飲ん
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった57 BL小説 エチュードの一番から三番を弾いたあと、響はスケルツォの三番を弾き始める。 細かな音が目に見えぬドレープを作り広がってゆく。 古いピアノは時折響の耳にかすかな歪みを感じさせるが、それもまた音の羅列に表情を与えていく。 最後の音を弾いてからふ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった56 BL小説 確かに青山は技巧的には巧い。 だが、曲の理解度でいえば、この曲に関わっている時間が長いだけ寛斗の方が高いだろう。 それに。 瀬戸川は寛斗と一緒にコンクールに出たいに違いないのだ。 「技巧を取るか、曲の理解度を取るかでいえば、多少下手でも
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった55 BL小説 そして忘れていたシーンの中に井原がいた。 喜怒哀楽がはっきりしていると生徒が言っていたが、すぐに思い浮かぶのは笑っている井原で、怒ったり泣いたりと言ったシーンも思い出されて、そういえば忙しいやつだったと響は苦笑する。 そんな昔の思い出に浸
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった54 BL小説 遅かれ早かれ、そうなることはわかっていたさ。 黒板消しを置くと、響は手をぱんぱんと払い、準備室に入った。 考えごとをしていたので、あっという間にガツガツと弁当を平らげた響は弁当のからをビニール袋に突っ込みゴミ箱に放ると、音楽室を出た。 そ
月夜の猫-BL小説です 夢見月32 BL小説 せっかく珍しくこのあとの予定がないのにな。 工藤がそんなことを考えていると、電話が鳴った。 結局、鈴木さんが帰っていくまで、何件かの電話で時間が潰された。 秋山とアスカは、その間に工藤と夕食を一緒にする約束をして、次の打ち合わせにテレビ局へと向かった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった53 BL小説 「キョー先生は井原先生よりなんか年齢超えてるって感じ」 「ええ?」 瀬戸川の言葉に響は首を傾げる。 「だって、制服着てそこにいてもおかしくないっていうか」 「何、俺ってオッサンになってもガキっぽいってこと?」 くすくす笑いながら瀬戸川は、「顔
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった52 BL小説 いつもの井原だ。 土曜日、急にクラウスが現れて、しかも井原といる時に、響は内心焦り、イラついた。 井原は響の説明を額面通り受け取ったわけではないような気がした。 何か言いたげな顔をしていたが、今日のあのようすではさほど気にもしていないのだ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった51 BL小説 「すみません、後ろの人、静かにしてください」 響が説明をいったん切ったところで、最前列に座っていた青山という女生徒がきりりとした声で後ろでふざけ合っている男子生徒を注意した。 一瞬シーンと静まり返ったあと、響は何ごともなかったかのように黒板に
月夜の猫-BL小説です ぶなの森9 BL小説 良太の心にわだかまりを残したまま、工藤は東京に戻ってしまった。 だが良太は最後のパーティが終わるまでここにいなくてはならなかった。 海棠役の流とヒロインを慕う青年佐原が森でヒロインを探すシーン、ヒロインが池に浮かんでいるのを見つけるシーンの撮影が終わり、ロケ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に149 BL小説 そしてどうも工藤としても鈴木さんには頭が上がらないらしいことも良太は知っている。 「でもさ、あのオフィスで、平然としていられる鈴木さんこそ、人格者だと思わない?」 「それ、俺も昔思たわ。鈴木さん、何があっても動じないって感じで、美味しいお茶とか出してくれ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森8 BL小説 現れたのは工藤だった。 監督と話をしながら、良太と菜摘がこちらに歩いてくるのを工藤は見ていたのである。 そこへ、男が現れた。 「へえ、あんたが噂の工藤か。なるほど、社長が社長だからな、その大事な部下に女優のコマシ方でも教え込んでいるわけだ」 「あいにく忙し
back next top Novels 「京助ってば、ちょっとマジ過ぎない?」 香坂が肩をすくめる。
月夜の猫-BL小説です ぶなの森7 BL小説 どうせ良太がイタリアにいくことは当分ないのだから、余計なことを考えなくて済むだろう、と。 だが、よもや案外早く良太にそれが知れることになろうとは、工藤も思っていなかった。 「嫌だ…いやだってば! バカやろ…」 「何が、嫌だって?」 そんな工藤の言葉が合図のように
back next top Novels 「研修は四月からやろ? スキーは行けるな」 千雪が良太に聞い
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)146まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)146、夏が来る42 まで更新しました 2024Summer、 夏にちなんだエピソードを順次アップしています ぶなの森(工藤×良太22)6 夏のエピソードです。 かぜをいたみ87(ラスト) 最後までお
月夜の猫-BL小説です ぶなの森6 BL小説 「あいつ……、よほど、お前がキモイといっていた小林千雪だって言いたかったですよ」 戻ってきた千雪に思わず良太はぶちまける。 「あの子、工藤さんにベッタリなんやて? 良太、それで面白くないわけや」 「誰に聞いたんですか~そんなこと。わかった、アスカさんだな」
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に146 BL小説 「そうだ、良太さん、ニューヨーク行く前、壮行会やりましょうよ」 天野が語気を強めて言った。 「そんな大げさな。たかだか三か月なのに」 「壮行会という名を借りた飲み会」 真面目にそんなことを言う天野に、良太はまた笑った。 「わかりました」 「約束ですよ」 「そ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森5 BL小説 「あの女とは何でもない」 工藤は言うのだが、どうやら今はそうだとしても昔はよろしくやっていたらしい。 まだほかにもあちこちに工藤の女がいるに決まっている、と言ったのは、青山プロダクション所属のイケメン俳優、小笠原だ。 そんなことをいわれると、良太としては工藤がイタ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森4 BL小説 「良太ちゃん、お弁当食べよ」 菜摘が弁当を手に良太に声をかけた。 「あ、はい。ちょっと待ってください」 良太が手配したロケ弁をスタッフが配ってくれて、みんな各々アウトドア用のストーブの周りに陣取っている。 夏とはいえ、東京の暑さとはうって変わってここは別世界のよう
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に145 BL小説 「え、でもオフとかに帰ってくるんでしょ?」 浩輔が思い切り端折って佐々木に聞いた。 「俺にはオフとか、ないで?」 すかさず佐々木がシャープに返答する。 「あ、いや、そのう、盆暮れ正月?」 暗に沢村のオフの時には一緒に帰るのだろうという質問を、浩輔は言い直した
月夜の猫-BL小説です ぶなの森3 BL小説 小林千雪といえば、時折警察にも知恵を貸して解決した事件も多々あるミステリー作家として巷では知られているが、助教としてT大法学部に在籍している。 その彼を一躍有名にしたのが、分厚い黒渕メガネとぼさぼさの髪、超ダサダサのファッションセンスで、学内の女子学生の間では、ダサ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に144 BL小説 良太の周りで、何か大きな波がやってきて全てを流してしまうような、そんな思いが徐々に大きくなっていくような気がしていた。 そして良太自身もまたその波にのまれようとしている。 その波は工藤やこの青山プロダクションにとっても何かしら変化をもたらすのだろうと思われ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森2 BL小説 良太も業界内では彼女の不倫の噂は耳にしていたが、今のところ噂どまりなのは、相手の父親である代議士からの圧力と局側による彼女の所属する大手事務所Aプロへの忖度もあり、マスコミやスポンサー側へはもらさぬよう関係者に厳重に緘口令がしかれている所以だった。 昨今、不倫には
月夜の猫-BL小説です ぶなの森1 BL小説 青森県と秋田県にまたがって数千年前から存在しているぶなの原生林は、世界最大級といわれている。 世界遺産に登録されたこの白神山地には、貴重な動植物が生息しており、手つかずの自然が広がっており、真夏というのにひんやりとした空気は動きを止めていた。 数日前からこの地で
月夜の猫-BL小説です ぶなの森(工藤×良太22) BL小説 良太は海外出張中の青山プロダクション社長工藤の命により、小林千雪原作のドラマ『ぶなの森』のロケで青森にいた。ロケの間中、良太はヒロイン役の人気俳優田辺菜摘に懐かれて、不倫話の相談を受けたりしているうちに、スタッフの間で二人のことを邪推した噂が広
月夜の猫-BL小説です 2024Summer BL小説 2024夏始■夏が来る(井原×響&元気)■Blue Moon(工藤×良太)boys love novel初夏にちなんだエピソードを順次アップしています 以前のエピソードに少し手を加えたり、新しいエピソードもアップする予定です。
back next top Novels 「ちょっと羨ましいかなと」 「え、天野さん、ひょっとしたら直ち
月夜の猫-BL小説です 夏が来る42 BL小説 江藤先生と秀喜のウエディングパーティは、集まったみんなが暖かく二人を祝福し、大盛況といえるうちに、最後みんなに送り出された二人は終始笑顔だった。 「幸せそうだったな、江藤先生」 パーティのあと、にゃー助の世話をしてから井原の家に来た響はぼそりと言った。 「先生