月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった71 BL小説 「こないだ来たやつ、その酒くれたクラウスなんか、妻子あること隠してやがって、とどのつまり絶交したんだけど……俺が来るもの拒まずでつきあってたのが悪かったのかも………ほんと、ロクなことなかったな」 はああと響がため息をつく。 「そんなこんなで十年…
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。傲岸不遜男×強気、野球選手×美形、業界、バンド、学園、学生、リーマン、イケオジ多。BL、ML。字書き、あきつ、絵描き、alyosha、松本悠莉で活動しております。
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月夜の猫-BL小説です 鬼の夏休み15 BL小説 「フン、同類やん」 千雪がここぞとばかりに言い放つ。 「喜ばないでください。料理と言えば、宇都宮さんもできるんですよ、てきぱきとアクアパッツァとか」 「へえ、てか、宇都宮さんとそない親しいん?」 「え、いや、ドラマの合間に、宇都宮さんちで鍋やったんです。ひとみさ
月夜の猫-BL小説です 夏を抱きしめて21 BL小説 「俺が、誰といちゃつこうと、てめーの知ったことかよ!」 元気が声をあげると同時に、バン! と豪がまた叩くと、それが合図のようにエレベーターのドアが開く。 豪は言葉もなく、元気の腕を掴むと中に引っ張り込んだ。 「おい……」 エレベーターのドアが閉まるのと、何ご
月夜の猫-BL小説です 霞に月の17 BL小説 キスくらい幾度もしているけれど、良太は未だにこれ現実だよなとか、疑ってしまう。 一度離れたあとまたすぐに口づけられて、良太は少し震えた。 何だよ、まるで恋人のキスみたいじゃん。 キスは次第に深くなり、目を閉じた良太の脳内は次第に白濁していく。 唇が離れて良太は目を
月夜の猫-BL小説です 鬼の夏休み14 BL小説 ノースリーブのフレアーワンピースはシンプルな紺色だが、小夜子が着ると華やかでゴージャスに見えるから不思議だ。 ふわりとした可愛らしい雰囲気の女性だが、仕事はきっちりこなす、なかなか芯はしっかりしている。 さらに千雪の従姉にあたり、よく似た美女である。 「お忙しい
月夜の猫-BL小説です 夏を抱きしめて20 BL小説 「それより、幻のなんちゃらって、いったいなんだよ? みっちゃんはどうしたよ?」 元気は話題を無理やり変えた。 「フン、お前が冬に俺らとじゃねぇとこで、ギターなんか弾くからだろ」 一平が吐き捨てるように言う。 「まさか、ちょっと飛び入りしたくらいで、こんなこと
月夜の猫-BL小説です 霞に月の16 BL小説 「来年は前もって、平さんも誘っときましょうよ」 工藤は苦笑しながらグラスを持ってきてソファに座ると、ボトルを開けて酒をグラスに注いだ。 「軽井沢の桜はまだこれからですよね?」 良太は昨年の遅い春に、たまたま平造がぎっくり腰で入院したために急遽軽井沢に行くことにな
月夜の猫-BL小説です 鬼の夏休み13 BL小説 「顔だけ出してくれと言われてる」 にこりともせずに工藤は答えた。 「ええ? 俺、これかあとジャージかいつものくたびれたスーツしか持って来てないですけど、俺は遠慮してもいいですよね?」 良太は言外に嫌だと目いっぱい訴えた。 「明日も店は開いてるぞ」 事も無げに言う
月夜の猫-BL小説です 夏を抱きしめて19 BL小説 総ガラス張りのバーはビルの八階にあって、BGMも気づけば流れている程度に静かな店である。 「将清もこういう店に足を運ぶほどには大人になったか?」 きらびやかな夜の街を見下ろしながら元気は笑みを浮かべる。 「言ってろ。夜景も酒も折り紙つきだ」 「カップルばっか」
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ46 BL小説 綾小路家で食事会が行われたのは七月の最終土曜日のことだった。 夕方京助の車で綾小路に向かった千雪は、母屋のエントランスで車を降りた。 「いらっしゃいませ」 いつもながら慇懃無礼にこの家の執事藤原が千雪を出迎えた。 「お招きいただいてありがとうございます」 一応
月夜の猫-BL小説です 鬼の夏休み12 BL小説 駐車場で車のトランクにワインやプリンの袋を入れていると、「あ、良太やないか、と工藤さん」という声がして、振り返ると犬連れの小林千雪が立っていた。 「千雪さん、奇遇ですね」 案の定だと良太は笑う。 「狭い街で、大抵行くとこ決まっとおるし、そう奇遇でもないわな」
月夜の猫-BL小説です 夏を抱きしめて18 BL小説 すっかり夜のとばりがおりた湾岸線を一台の古いチェロキーが猛スピードで飛ばしていた。 今夜も関東地方は熱帯夜の連続記録を更新したらしい。 夜空は晴れ渡り、月はまだ熱の覚めやらぬ街を煌々と照らし出している。 雑誌に月イチで持っているページの撮影で、豪は四時頃から横
月夜の猫-BL小説です 霞に月の15 BL小説 「あ、はい」 戸外での夜宴で遅くまで騒いで、立ち並ぶマンションの住人など、周囲の迷惑にならないように配慮はしなくてはならない。 十一時前にはお開きにすると、タクシーを数台呼んで良太はみんなを送り出した。 既に奈々は十時を過ぎる頃にはもう谷川がタクシーで八王子の実家
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった71 BL小説 「こないだ来たやつ、その酒くれたクラウスなんか、妻子あること隠してやがって、とどのつまり絶交したんだけど……俺が来るもの拒まずでつきあってたのが悪かったのかも………ほんと、ロクなことなかったな」 はああと響がため息をつく。 「そんなこんなで十年…
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった70 BL小説 マグカップにコーヒーフィルターをセットし、お湯が沸くと、元気はゆっくりと湯を注ぐ。 「キッチンとバスルーム、増築して正解でしたね」 「まあ、そっちも狭いけど」 「そりゃ、ヨーロッパ辺りと比べるとウサギ小屋かもだけど、俺からすれば十分広い」 香
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった69 BL小説 「今度は、少しずつ間を詰めて、絶対ポカしないつもりだったんだ。でも、あの金髪野郎が現れて、俺、頭に血が昇っちまって、つい、告るの早まったのかも」 井原はやはり響しか見えていないらしい。 「お前さ、外野のことも少しは考えた方がいいんじゃね?」 「外
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった68 BL小説 完全に酔っぱらって口にしている言葉が理解できていないのが元気にもわかった。 「こんな田舎で、男同士で、教員同士で、リスクが高いって、まあ、そりゃそうだなって」 響はハハハと笑う。 笑うのだが涙がぽろぽろ零れるのを拭いもせずまた酒をマグカップに
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった67 BL小説 ふと手にしていた携帯に気づいた響は、誰かの言葉が聞きたくなった。 酔っているのでためらいもなく、一つの番号を押した。 五回目のコールで、声が聞こえた。 「響さん? どうしたんですか? こんな時間に」 「なんかさ……深淵の底から俺が呼ばれて
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった66 BL小説 女性の方が結構年上でというだけで結婚なんてあり得ないとするようなこの街で、高校教師が、しかも男同士がつきあうとか、考えも及ばないに違いない。 先生なんて呼ばれるような人間じゃないと思っていた響だが、いつの間にかそう呼ばれることに慣れてしまった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった65 BL小説 放課後は理科系の会議があるらしいし、今日は井原の顔を見ないで終わりそうだ。 もっとも響こそ、井原とどんな顔をして会えばいいかわらからなかったから、少し胸を撫でおろしていた。 ぼんやりしていたので、ドア口に人がいるのに気づかなかった。 「和田
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった64 BL小説 「へいへい。なんかこうこの部屋息が詰まりそうだから、ちょっと緊張をほぐそうとしただけじゃん」 お茶らかした寛斗のセリフを聞くと、響もこれは一息ついた方がいいかと立ち上がった。 「ようし、ちょっと休憩しよう。肩に力入り過ぎてる気もするから、寛斗、お
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった63 BL小説 何も聞かずに俺の手を握っていた井原の手はすごく温かくて。 ポトリとひとしずく、下を向いていた響の目から床に落ちた。 ほんとはすごく好きだった。 だから俺なんかといちゃいけないやつなんだって。 またひとしずく、落ちた。 もう何年も胸の奥に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった62 BL小説 だが所詮モラトリアムの中での思いの延長だ、お前の好きは自分と同じ好きではないかも知れない、響が口にしなかったのは、井原のためだと……。 いずれは井原も誰か愛する人に巡り合って、秀喜のように結婚するのだろうと。 十年越しの初恋なんかもう忘却の彼
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった61 BL小説 こいつらしくもなく何をそんな苦しそうな顔をしているんだ? 「響さん、告られたって、ほんとですか?」 「へ?」 響の方に顔を向けて、まじまじと見据える井原に、響はポケッとした顔になった。 「俺が? ああ、ひょっとして、寛斗のヤツのことか?」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった60 BL小説 三号に描かれたのはひまわりで、この店では初めて風景画以外の絵となるが、他の風景画と空気感が同じである。 「いいなあ、これベネチアの匂いがする」 「さすが、響さん、感覚的! これどの絵と取り替えたらいいと思います? これ以上飾ると窮屈そうだし」
月夜の猫-BL小説です #post_titleBL小説 「ああ、どうだった? 撮影は」 「はい、順調に終わりました。小木さんて、作家さんなのに声がよくて、気さくな人で、よくわかるように説明してくれて、俺も伊万里焼きのレクチャーなら任せとけって感じです」 良太は案外穏やかな工藤の声にほっとしたらしく、幾分声を弾ませた。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった59 BL小説 「あたしも聴きたい! 本物のピアノ!」 紀子が言った。 「アップライトなら、入らないか?」 「え、ここにか?」 井原の発言に元気は考え込んだ。 「お前無茶なこと言うなよ」 響は呆れたが、元気はうーんと唸ってから、「何とかなるかも」と言う。 「
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった58 BL小説 かぐわしい香りのコーヒーが鼻孔をくすぐると響は全身がほっとするような気がした。 「一日の仕事上がりに元気のコーヒーって、ほっとするよなあ」 隣で井原が響が考えたようなことを口にした。 「そういえば元気、相談って何?」 一口温かいコーヒーを飲ん
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった57 BL小説 エチュードの一番から三番を弾いたあと、響はスケルツォの三番を弾き始める。 細かな音が目に見えぬドレープを作り広がってゆく。 古いピアノは時折響の耳にかすかな歪みを感じさせるが、それもまた音の羅列に表情を与えていく。 最後の音を弾いてからふ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった56 BL小説 確かに青山は技巧的には巧い。 だが、曲の理解度でいえば、この曲に関わっている時間が長いだけ寛斗の方が高いだろう。 それに。 瀬戸川は寛斗と一緒にコンクールに出たいに違いないのだ。 「技巧を取るか、曲の理解度を取るかでいえば、多少下手でも
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった55 BL小説 そして忘れていたシーンの中に井原がいた。 喜怒哀楽がはっきりしていると生徒が言っていたが、すぐに思い浮かぶのは笑っている井原で、怒ったり泣いたりと言ったシーンも思い出されて、そういえば忙しいやつだったと響は苦笑する。 そんな昔の思い出に浸
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった54 BL小説 遅かれ早かれ、そうなることはわかっていたさ。 黒板消しを置くと、響は手をぱんぱんと払い、準備室に入った。 考えごとをしていたので、あっという間にガツガツと弁当を平らげた響は弁当のからをビニール袋に突っ込みゴミ箱に放ると、音楽室を出た。 そ
月夜の猫-BL小説です 夢見月32 BL小説 せっかく珍しくこのあとの予定がないのにな。 工藤がそんなことを考えていると、電話が鳴った。 結局、鈴木さんが帰っていくまで、何件かの電話で時間が潰された。 秋山とアスカは、その間に工藤と夕食を一緒にする約束をして、次の打ち合わせにテレビ局へと向かった。
月夜の猫-BL小説です ぶなの森12 BL小説 「ああ、えっと『ぶなの森』無事オールアップです。あ、俺、明日、ヤギさんと『知床』の打ち合わせで……」 とっとと立ち去りたいばかりの良太は適当なことを並べ立てる。 「今夜はあいてるんだろう。メシでも食うか」 良太の言葉を遮るように、工藤が言った。 「……長い
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に151 BL小説 「ああ、はい、えっと、カリカリもレトルトも冷蔵庫の上のかごに入れておくので、まあこのくらいずつ」 この人ほんとに世話してくれるつもりなのか。 良太はまだ半信半疑で工藤を見た。 良太が猫たち用のテーブルの上に器に盛ったカリカリを置くと、猫たちははぐはぐと
月夜の猫-BL小説です ぶなの森11 BL小説 「お疲れ様でした~」 スタジオを出たところで、良太に声をかけてきたのは花束を抱えた菜摘だった。 スタジオでの撮影も無事クランクアップし、良太もやっと肩の荷が下りたはずだが、どうも気分の方は上昇する気配がない。 「菜摘さん、お疲れ様でした。またドラマの打ち上げ
back next top Novels まあ、器にカリカリを入れるくらいだから、工藤にもできないこと
back next top Novels 「よかったに決まってるだろ。さっきの見たろうが。ここについたの
月夜の猫-BL小説です 夏が来る43(ラスト) BL小説 「だから、何で去年より人数が増えてるんだ!」 元気が溜め込んでいた鬱憤を晴らすかのように声を上げたのは、中央道をしばらく走ったところの諏訪湖サービスエリアでのことだった。 「まあまあ、俺ら車別なんだからいいじゃん」 井原が頭が沸騰しそうな元気を宥め
月夜の猫-BL小説です ぶなの森9 BL小説 良太の心にわだかまりを残したまま、工藤は東京に戻ってしまった。 だが良太は最後のパーティが終わるまでここにいなくてはならなかった。 海棠役の流とヒロインを慕う青年佐原が森でヒロインを探すシーン、ヒロインが池に浮かんでいるのを見つけるシーンの撮影が終わり、ロケ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に149 BL小説 そしてどうも工藤としても鈴木さんには頭が上がらないらしいことも良太は知っている。 「でもさ、あのオフィスで、平然としていられる鈴木さんこそ、人格者だと思わない?」 「それ、俺も昔思たわ。鈴木さん、何があっても動じないって感じで、美味しいお茶とか出してくれ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森8 BL小説 現れたのは工藤だった。 監督と話をしながら、良太と菜摘がこちらに歩いてくるのを工藤は見ていたのである。 そこへ、男が現れた。 「へえ、あんたが噂の工藤か。なるほど、社長が社長だからな、その大事な部下に女優のコマシ方でも教え込んでいるわけだ」 「あいにく忙し
back next top Novels 「京助ってば、ちょっとマジ過ぎない?」 香坂が肩をすくめる。
月夜の猫-BL小説です ぶなの森7 BL小説 どうせ良太がイタリアにいくことは当分ないのだから、余計なことを考えなくて済むだろう、と。 だが、よもや案外早く良太にそれが知れることになろうとは、工藤も思っていなかった。 「嫌だ…いやだってば! バカやろ…」 「何が、嫌だって?」 そんな工藤の言葉が合図のように
back next top Novels 「研修は四月からやろ? スキーは行けるな」 千雪が良太に聞い
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)146まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)146、夏が来る42 まで更新しました 2024Summer、 夏にちなんだエピソードを順次アップしています ぶなの森(工藤×良太22)6 夏のエピソードです。 かぜをいたみ87(ラスト) 最後までお
月夜の猫-BL小説です ぶなの森6 BL小説 「あいつ……、よほど、お前がキモイといっていた小林千雪だって言いたかったですよ」 戻ってきた千雪に思わず良太はぶちまける。 「あの子、工藤さんにベッタリなんやて? 良太、それで面白くないわけや」 「誰に聞いたんですか~そんなこと。わかった、アスカさんだな」
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に146 BL小説 「そうだ、良太さん、ニューヨーク行く前、壮行会やりましょうよ」 天野が語気を強めて言った。 「そんな大げさな。たかだか三か月なのに」 「壮行会という名を借りた飲み会」 真面目にそんなことを言う天野に、良太はまた笑った。 「わかりました」 「約束ですよ」 「そ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森5 BL小説 「あの女とは何でもない」 工藤は言うのだが、どうやら今はそうだとしても昔はよろしくやっていたらしい。 まだほかにもあちこちに工藤の女がいるに決まっている、と言ったのは、青山プロダクション所属のイケメン俳優、小笠原だ。 そんなことをいわれると、良太としては工藤がイタ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森4 BL小説 「良太ちゃん、お弁当食べよ」 菜摘が弁当を手に良太に声をかけた。 「あ、はい。ちょっと待ってください」 良太が手配したロケ弁をスタッフが配ってくれて、みんな各々アウトドア用のストーブの周りに陣取っている。 夏とはいえ、東京の暑さとはうって変わってここは別世界のよう
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に145 BL小説 「え、でもオフとかに帰ってくるんでしょ?」 浩輔が思い切り端折って佐々木に聞いた。 「俺にはオフとか、ないで?」 すかさず佐々木がシャープに返答する。 「あ、いや、そのう、盆暮れ正月?」 暗に沢村のオフの時には一緒に帰るのだろうという質問を、浩輔は言い直した
月夜の猫-BL小説です ぶなの森3 BL小説 小林千雪といえば、時折警察にも知恵を貸して解決した事件も多々あるミステリー作家として巷では知られているが、助教としてT大法学部に在籍している。 その彼を一躍有名にしたのが、分厚い黒渕メガネとぼさぼさの髪、超ダサダサのファッションセンスで、学内の女子学生の間では、ダサ
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に144 BL小説 良太の周りで、何か大きな波がやってきて全てを流してしまうような、そんな思いが徐々に大きくなっていくような気がしていた。 そして良太自身もまたその波にのまれようとしている。 その波は工藤やこの青山プロダクションにとっても何かしら変化をもたらすのだろうと思われ