chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
Pithecanthropus Erectus https://squeezeme.hatenablog.com/

本、映画、音楽、ラジオ、ムーミン、スポンジ・ボブが好きです。レゴも。読んだ本などの感想をブログに書いています!

kazuki_shoji
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2022/01/25

arrow_drop_down
  • 手塚治虫『火の鳥6 望郷編』

    でも たいていの人は 後悔してると思うわ だれだって地球へ帰りたがってるのよ…… 宇宙の生活 ほんとにつらいもの…… (p.89) これまで、過去、未来、過去、未来と交互に描かれてきたけれど、前作の『火の鳥5 復活編』に続いて本作の舞台も「未来」である。 そしてなんと、語り手は火の鳥自身が務めている。 もちろん作中にも火の鳥は登場するが、縁の下の力持ちといった感じで、前面には出てこず、プロデューサー的に物語に関わっている。 火の鳥が見つめた、とある星における歴史のはじまりと終わり。 それはいったい、どのようなものだったのか。 これって、「黎明」から「未来」までを描く長大な『火の鳥』が、 『望郷…

  • 手塚治虫『火の鳥5 復活編』

    フェニックス きいてくれ ぼくはもうふつうの人間じゃないんだ 人工的につくられた つくりものの生命なんだ!! これが復活なら ぼくはもう ごめんだっ!! (p.161) 舞台は西暦2482年。 前回の未来パートの『宇宙編』が2577年のおはなしだったので、 『復活編』はそこから95年、現在に近づいたということになる。 とは言え、『復活編』じたいが、未来の時間を行ったり来たりして描かれている。 始まりは2482年だけど、3009年に飛んだり、2484年に戻ってきたり。 最後は3344年で終わっている。 時代を行ったり来たりで頭がぐわんぐわん揺さぶられて、「時空酔い」とでも呼べそうな酩酊感を覚える…

  • トーベ・ヤンソン『たのしいムーミン一家』山室静訳

    「ねえ、スナフキン。ぼくらがパパにもママにも話せないひみつをもったのは、これがはじめてだねえ」 と、ムーミントロールはしんけんな顔でいいました。 (p.75) 「はじめに」と題された短い文章で、ムーミントロールたちが冬眠に入る日のことが描かれている。 ムーミンたちって冬眠するんだ! と私は驚いた。 たしかに言われてみると、なんだか冬眠しそうな生き物っぽさがある。 彼らは長い眠りにつく。 そして春が来て、物語が始まる。 ムーミントロールとスナフキンとスニフは、山のてっぺんで黒いシルクハットを見つける。 この帽子が魔法の帽子で、この帽子のせいでムーミントロールたちは様々な騒動に見舞われる。 船に乗…

  • 手塚治虫『火の鳥4 鳳凰編』

    おれは生きるだけ生きて…… 世の中の人間どもを生き返らせてみたい気もするのです (p.355) 時は奈良時代。 東大寺にどでかい大仏が建立されたころの話である。 茜丸という男前な彫刻師と、 我王という鼻のでかい男、の二人を中心にして物語は描かれる。 『鳳凰編』での火の鳥は、その名の通り鳳凰という伝説上の鳥として語られる。 登場人物たちには、あんまりぐいぐい関与してこない。 いわばひとつの「天啓」のように存在している。 『鳳凰編』で特徴的なのは、みんなあまり「永遠の命」にこだわっていないという点である。 なので、 死にたくない! 永年に生きたい! だから火の鳥の生き血を飲みたい! という風にはな…

  • 手塚治虫『火の鳥3 ヤマト編・宇宙編』

    あなたの顔は永久に見にくく…… 子子孫孫まで罪の刻印がきざまれるでしょう (p.318) 『ヤマト編』は『黎明編』の続きの話になっている。 続きといっても、『黎明編』の最後に出てきたタケルという若者が、 かなり年老いて村の長老みたいな感じで登場するくらいの時間が経過している。 私はあのタケルがヤマトタケルになるのだろうと思ったけど、違った。ぜんぜん違った。まったくもって的外れだった。 ヤマトタケルになるのは、違う人物だった。 で、火の鳥が登場するわけなんだけれど、私は、今回の火の鳥の反応にけっこう戸惑った。 いや、そっちの味方するの!? しかも理由がそれ!? って感じなのである。 下心まる出し…

  • トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の彗星』下村隆一訳

    「ぼく、スニフをさがしにいかなくちゃ。まにあうように、とけいをかしてね」 「いけない。この人を外へやらないで!」 と、スノークのおじょうさんはさけびましたが、ムーミンママはいいました。 「これは、しなくちゃならないことよ。いそいで、できるだけ早く」 (p,227-228) この地球のどこかに、ムーミン谷という美しい場所があって、そこでは、ちょっと変わった色んな人たちが暮らしている。 そしてそこ目がけて、地球をほろぼす巨大な彗星が迫って来ていた…。 第1章では、ムーミン谷の自然の美しさがたくさん描かれている。 川、野原、森、そして海。 ムーミントロールが海にもぐる場面なんて、挿絵の効果も相まって…

  • 手塚治虫『火の鳥2 未来編』

    「動物はどんどん滅びさっていき…… 人間たちの進歩も ばったりとまりました 地上に目に見えない死のかげがただよいはじめ…」 「わかった だがどうすればなおる? わしになおせないだろうか?」 「あなたにでもむりでしょう 地球をなおせる人間は ひとりしかいません その人間はもうすぐここへきます!」 (p.51 火の鳥と猿田博士の会話) 舞台は西暦3404年。 『火の鳥1 黎明編』の時代(西暦200年頃?)からすれば、気が遠くなるほど先のお話である。 ところで、とうとつですが、私はこの、『黎明編』と『未来編』が、いつ書かれたのか気になったので調べてみた。 Wikipediaによると、 『黎明編』が1…

  • 手塚治虫『火の鳥1 黎明編』

    「わたしは あとなん年 生きられるだろう 十年……? 五年かしら… それとも 三年………? 死にたくない‥ ……死にたくない死にたくない!! 火の鳥の血がほしい!! 永遠の命がほしい!! ほしい ほしい ほしい」 (p.233 ヒミコの嘆き) どこかのおおきな火山が、大噴火するところから物語は始まる。 それはまるで、映画が上映される前のブザーのようでもあるし、 徒競走でのスタート合図のピストルのようでもあるし、 手塚治虫さんの「はじまるぞーうおーっ」という鬨の声のようでもある。 舞台は「黎明期」の日本。 神話に片足を突っ込んでいるような時代である。 その生き血を吸えば永遠の命を得られるという「…

  • 永井均『子どものための哲学対話』内田かずひろ 絵

    ペネトレ:(前略)なんにも意味のあることをしていなくても、ほかのだれにも認めてもらわなくても、ただ存在しているだけで満ちたりているってことなんだよ。それが上品ってことでもあるんだ。根が暗いっていうのはその逆でね、なにか意味のあることをしたり、ほかのだれかに認めてもらわなくては、満たされない人のことなんだ。それが下品ってことさ。 (p.22-24) 小学五年生から中学一年生くらいの年齢の「ぼく」と、「ぼく」の家にすみついている「ペネトレ」という猫の、対話の記録。 「ぼく」の疑問にたいして、「ペネトレ」が答える。 「ぼく」の問いはあくまで素朴だ。夏休みこども電話相談、みたいな番組に寄せられそうなも…

  • メーテルリンク『青い鳥』堀口大學訳

    チルチル (驚いて)あなたたち、どうして泣いてるの? (他の「喜び」たちを見回して)おや、みんな泣いてるの? どうしてみんな、目にいっぱい涙をためてるの? 光 黙って、ね、いい子だから。 (p.178) クリスマスの夜。 チルチル(兄)とミチル(妹)は眠れずに、部屋の中で話をしている。 サンタのおじいさん、うちには来ないらしいよ、みたいな話である。 向かいの家には金持ちが住んでいる。 二人は部屋の窓から、その金持ちの家を覗いてみると、子供たちが豪勢なパーティーを開いている。お菓子もオモチャも溢れている。 お菓子、おいしそうだなー楽しそうだなーいいなーいいなーと二人は眺めている。 そんな二人の部…

  • モーリス・ルブラン『続813』堀口大學訳

    彼はすすり泣いた、彼はわなないた、深い絶望感におそわれて、咲いたかと思うとその日の中(うち)に凋(しお)れてしまう遅咲きの花のように、彼の心は優しさで一杯だった。 老女が跪いた、そしてわななく声で言った、(後略) (p.346) 『813』の最後で捕まってしまったルパンだが、かくかくしかじかで、なんだかんだの末に、とりえあず牢からは脱出し、それでいよいよ真犯人&ケッセルバック計画の秘密に迫ろうとするのだけれど…。 ルパンが核心に迫れば迫るほど、話のスケールはどんどん巨大になり、そして同時に、ルパンは真犯人から静かに追い詰められてゆく。こんな感じに物語は展開する。 こんなの、面白いに決まってるじ…

  • モーリス・ルブラン『813』堀口大學訳

    「(前略)ジュヌビエーブの良心は潔白で最高のものです……それなのにあなたときたら……」 「わしの良心がどうだというのだ?」 「あなたときたら、心の正しい人ではない」 (p.139) ホテルの一室で事件が起こる。 「ダイヤモンド王」と呼ばれる大富豪・ケッセルバックが殺された。 死体の上には「アルセーヌ・ルパン」と書かれた血まみれのカードがピンで止めてあり…。 この殺人事件の捜査にあたるのはルノルマンという超やり手の保安課長である。 ルノルマンは即座に、この事件はルパンの手によるものではないと看破し、真犯人を追う。 ルパンもまた、真犯人の逮捕に協力するよーみたいな公開状を新聞に送り付けつつ、その一…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、kazuki_shojiさんをフォローしませんか?

ハンドル名
kazuki_shojiさん
ブログタイトル
Pithecanthropus Erectus
フォロー
Pithecanthropus Erectus

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用