松浦理英子『ヒカリ文集』
「偽物でも本物でも、上手な笑顔には優しさが宿っているじゃないですか。それで十分ですよ。あるのかないのか証明できなくて伝わりもしない本物の愛より、偽物であっても目に見える笑顔の方が人の役に立つと思います。(後略)」(p.230) ヒカリという名の女性が、かつてとある学生劇団に所属していた。 ヒカリは、その劇団内の男女計六人と恋愛関係になる。 「サークルクラッシャー」という言葉が、実在人物をモデルにした作中劇の中の架空(おそらく)の人物から使われているけれども、どうもそうとは言いきれない。 なぜなら「サークル」は「クラッシュ」しなかったからである。 ヒカリの別れ際が鮮やかというか、独特すぎて、振ら…
2022/02/28 00:28