手塚治虫『火の鳥6 望郷編』
でも たいていの人は 後悔してると思うわ だれだって地球へ帰りたがってるのよ…… 宇宙の生活 ほんとにつらいもの…… (p.89) これまで、過去、未来、過去、未来と交互に描かれてきたけれど、前作の『火の鳥5 復活編』に続いて本作の舞台も「未来」である。 そしてなんと、語り手は火の鳥自身が務めている。 もちろん作中にも火の鳥は登場するが、縁の下の力持ちといった感じで、前面には出てこず、プロデューサー的に物語に関わっている。 火の鳥が見つめた、とある星における歴史のはじまりと終わり。 それはいったい、どのようなものだったのか。 これって、「黎明」から「未来」までを描く長大な『火の鳥』が、 『望郷…
2022/01/30 00:05