“不妊治療だけが妊娠に至る道ではない”をモットーに、カウンセリング等を通して妊娠を希望される方に寄り添いつつ、より自然に近い形で妊娠するためのお手伝いを続けています。妊活中のあなたの力になるような記事を書き綴ります。
赤ちゃんを望んでいるのに、 なかなか妊娠できないという状態は、 夫婦どちらにとっても ストレスを感じるものです。 ましてや 不妊治療を受けるとなると、 ふたりの上には相当強い ストレスがのしかかってきます。 「不妊は夫婦二人の問題ですから 夫婦二人で取り組みましょう」 と、よく耳にします。 正論のように聞こえます。 しかしながら 不妊治療はその実際において、 検査や治療のほとんどを 女性が受けなければならない、 極めて女性の負担の多い医療なのです。 こうした現実に 男性側の理解が十分でないと、 不妊治療を継続していく過程で、 男女間の温度差を生むことに なっていきます
「妊活に漢方薬は有効ですか?」 そう問われたら、 「妊娠を望む女性の半数以上に漢方薬は有効です」 と私は答えます。 そもそも私が漢方薬に関心を持ったのは、 医学生の時代に遡ります。 特別講義で漢方を専門とする医師のお話があり、 それにとても興味を持ったのです。 西洋医学の薬というのは、 レセプターに対するターゲットセラピー という形を取るのがほとんどです。 例えば胃潰瘍であれば、 胃酸分泌の亢進が原因となることが 多いわけですが、 それに対してH2レセプターという 胃酸を分泌するターゲットに対して、 それをブロックする薬を用いてきました。 ミサイル攻撃のようなもので
妊活に向けて 何か行動を起こそうと思った時、 女性はよくサプリメントを摂取する という人が多く見られます。 その場合に葉酸サプリメントが 筆頭に挙げられるのではないでしょうか。 それはネットなどを見れば 葉酸サプリメントに関する情報は たくさんありますし、 あたかも葉酸サプリメントをとれば、 すぐにでも妊娠できるような気が してしまうものです。 私は葉酸サプリメントを 自己判断で摂取している方の 採血をしばしば行うのですが、 ほとんどの場合で、基準値上限を 大幅に超えていることが多いのです。 過ぎたるは及ばざるがごとしで、 葉酸値が高すぎると、 妊娠を阻害してしまいますし、 食
私はこれまでずっと本などを通して、 紙の基礎体温表を推奨してきました。 確かに紙に書くと一覧性がありますし、 とても見やすいのです。 ガラケー時代にも 基礎体温表のソフトがありましたが、 とっても見るに耐えないものでした。 ところが、 スマートフォンの時代になって、 基礎体温表のアプリがたくさん 揃ってきました。 そしてこのスマホの基礎体温表を 利用することによって、 妊娠を呼び込むだけではなく、 自分の健康管理、ストレスチェック などにも役に立つのではないか、 そんなことを思うようになっています。 グラフ化も簡単で、排卵日を教えてくれる アプリがあったり、いろいろなこと
Sさん(37歳)から、 妊娠報告をいただきました。 彼女の場合、検査所見からは、 50歳近い卵巣の状態と考えられました。 しかし、そうした状態にあっても、 その卵巣の中にスター選手のような 卵子が混じっている場合があるのです。 その卵子がうまく排卵し、 そして人工授精でミートして、 ハッピーな結果になったのだと考えられます。 検査所見というものを そのまま鵜呑みにしないようにしましょう。 Sさんから届いたメールをご紹介します。 「あなたは医学の域を超えている!もってるよ」 とクリニックで言われました。 ホルモン注射をせずに育った天然の卵胞で、 20ミリ近くになるまでに
昨年11月に新刊 『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』を 出版しました。 私の予想以上に 好意的に受け止められており、 ほっとしています。 中には、 「妊活のバイブル本です」 などというコメントもあり、 大変嬉しく思っています。 今回の執筆の動機は、 不妊治療の保険適用拡大が案内され、 人工授精はもとより、体外受精を含めた 高度生殖医療も保険診療になることが わかっていました。 そして2022年4月より 実施されたわけですが、 時間とともに、いろいろな 問題も見えてきました。 私はこうした事情を踏まえ、 妊娠を望むカップル全員に、 新しい情報を提供する必要性を 感じていた
カルテの整理をしていると、 ひょっこりMさんのカルテが出てきました。 10年前に「不妊ルーム」で、 47歳で妊娠、48歳出産の最高齢の方です。 カルテを振り返ってみてあらためて驚いたのは、 彼女は当院に来る前に4年間の不妊治療歴があり、 タイミング法の後、 人工授精を実に16回も行い、 その後体外受精を6回行うも、 移植に至ったのは1回のみでした。 当院の初診時のデータですが、FSHが35.6。 これは、閉経していてもおかしくない数字です。 さらに驚いたのはDHEAの値が279で、 これは60代後半の数字です。 長期間の不妊治療により、 年齢以上に卵巣が老化してい
昨年の暮れに出版した 拙著『ポジティブ妊娠レッスン』では、 32ページに「妊活の木」を イラストに描きました。 この本はこの「妊活の木」を 理解していただくために書いた と言っても過言ではありません。 妊活の木の1本の「幹」から 4つの枝が出ています。 それぞれの枝は、 ①自然妊娠、 ②タイミング法、 ③人工授精、 ④体外受精 です。 どれを行うにしても、 大切なことは「木の幹を太くする」ことです。 木の幹が太くなれば、 それぞれの枝も太くなりますから、 どのようなコースを辿っても 妊娠しやすくなるわけです。 それでは幹を太くするためには、 何が必要でしょうか?
「あなたは37歳ですが、 AMHの値は43歳です。 ですから、すぐに体外受精を行わないと お母さんになれませんよ」 こういうふうに言われた人は、 何人もいるのではないでしょうか。 AMHは、卵巣年齢などとも呼ばれ、 卵の数の指標にされています。 私はAMHというのは、 数の指標ではあっても、 卵の質の指標ではないこと、 そして生理周期によって変動することを、 皆さんに知っていただきたいのです。 こちらの表を見てください。 これは37歳の女性のデータなのですが、 なぜか1年間に8回も、AMHの測定がされています。 D3とありますが、D3は生理3日目の意
漢方薬が効く人には本当によく効きます。 それでは「漢方薬はなぜ効くのですか?」 と問われれば、 正確に答えるのは医師でも難しいと思います。 それですから、 漢方薬に対する医師の評価は、 賛否両論、2分してしまうのです。 漢方薬のほとんどすべてが、 6種類も7種類もの生薬の合剤です。 一つ一つの生薬の効果は わかっているのですが、 そうした複数の生薬が、 いわば相乗効果を発揮するわけです。 ですから西洋医学の評価のような 土俵には乗っかりにくいのです。 それでも 私が漢方薬を使おうと決めたのは、 患者さんに使って実際に効果があり、 そして副作用が出なければ、 問題
「不妊ルーム」で 43歳の女性が妊娠されました。 この方の経過は大変興味深いものです。 彼女は当院を訪れる前に、 不妊治療のクリニックで 体外受精を経験されていました。 4回採卵するも、 移植できたのは1回のみで、 妊娠には至りませんでした。 それで当院に相談に見えたわけです。 彼女のお話しを聞いたのちに、 「とりあえず、頭も、心も、 身体も休めましょう」 とアドバイスしました。 「不妊ルーム」は、 自然妊娠と不妊治療の間に位置する ベースキャンプです。 リセットを勧めたわけです。 ベースキャンプというのは、 登山で言えば、そこから頂上を 目指すため
1年前から婦人科に通っていた女性が 当院に相談に見えました。 現在フォローアップしていますが 最近、彼女から届いたメールにこんなことが書いてありました。 「婦人科は白か黒でグレーは無い。 だから次行くときには また何を言われるんだろうという気分になります。 でも、こまえクリニックの場合は、 グレーも有りで、数値的にすぐに判断せず、 じっくり向き合ってくれるから気分が楽になります。」 当院は内科なので、婦人科と違って内診台がありません。 そして、患者さんに対するアプローチも異なります。 そのことも気分的に楽だとおっしゃっていました。 不妊治療にストレスは大敵で
サプリメントというと、 クスリに比べて、ワンランク下のイメージを 持つ方も多いのではないでしょうか。 確かにサプリメントの多くは、 ドラッグストアなどで手に入りますし、 服用に際して、注意されることもないので、 そう思うのでしょう。 しかしながら、 私は妊活に関してサプリメントは、 クスリ以上に効果を発揮することを いつも実感しています。 その中でも特に強調したいのが、 ビタミンDとDHEAサプリメントです。 DHEAサプリメントは、 2018年まではインターネット等で、 誰でも簡単に購入することができました。 その後法律が改訂され、 医師の指導のもとでの使用にな
人工授精の問題点は、 何よりも妊娠率が5%〜8%と低いことです。 ではなぜ、 人工授精の妊娠率が低いのでしょうか? これには2つの理由が 以前より指摘されてきました。 1つ目は、 人工授精は精子の洗浄、濃度調整を行いますが、 このプロセスが精子のストレスとなり、 授精能力を弱めるという指摘です。 2つ目は、 人工授精は精子の一部を注入するだけですから、 女性側に性的興奮は全くありません。 そのことも低い理由ではないか とも言われてきました。 妊娠というのは、 精子と卵子が出会うことが大前提になります。 通常のセックスでは、 膣内に放出された精子が子宮内に移動し、 さ
2022年4月から 不妊治療の保険適用が実施されました。 これにより、 不妊治療に対するハードルが 非常に低くなったと思います。 また通院者は心情的に、 「病院に通いやすくなった」 「治療受けるのに抵抗が少なくなった」 などといったポジティブな声が 聞かれるようになりました。 経済的な負担の軽減に加え、 患者さんの心理的な抵抗が 少なくなったことが、 とても重要ではないかと思います。 要するに不妊治療というものが、 「市民権」を得たと思うのです。 人工授精に関しては、 一回あたりの治療費(3割負担)が、 5460円と格安になったのみならず、 年齢制限も回数制限もないことは、
DHEAサプリメント(以下、DHEAサプリ) を使用してから、「不妊ルーム」において、 37歳以上の女性の妊娠が増加しました。 このDHEAサプリの劇的な効果を 実感したケースをお話しします。 Nさんが最初「不妊ルーム」に 来院されたのは、32歳の時でした。 前医でタイミング法を行うも 妊娠しないということで来院しました。 ホルモンチェックをしてみたところ、 女性ホルモンの値が低いこと、 そして生理中のFSHが年齢の割に高い ことがわかりました。 念のためDHEAの値を調べてみたところ、 ”370 NG/ML”でした。 これは、40代後半の女性の数値です。 そこで、
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