社会のせいとか、自分のせいとか。本当は、社会のせいにしたがる自分のせいとか、自分のせいにさせたがる社会のせいとか。本当は、対置していない社会と自分を正対させようとする、社会のせいとか、自分のせいとか。 ―― グロテスク/平井堅、安室奈美恵 ―― 平井堅 作詞、Matthew Tishler、Daniel J.Plante 作曲、2014、Ariola Japan >アイツの幸せ喜べますか? >あのコのもの欲しがってませ...
「社会」を意味する英語の「society」は、ラテン語で「親交、友愛」を表す societas や、「仲間、友人」を表す socius に由来する。日本での「society」の訳語には、「社会」のほかに、「人間交際(じんかんこうさい)」も候補に挙がった。「人間交際」は、福澤諭吉が「Society」に当てた訳語だ。例えば、SNS、Social Networking Service は、「社会の・通信網の・提供」よりも、「人間交際の・通信網の・提供」が意味に合う。社会...
才能があって、努力もできて、身近な人たちからも、やれると認められて、そうでなきゃスタートも切れないけれど。その後は、運、だろう。きっと、運不運だけがあるのだろう。半数の者の運が尽きたのではない!まだ運を持った者が半数も生存している! https://sogyotecho.jp/whats_sogyotecho/ 感じたことない気持ち 知らずにいた想い あの日踏み出して 初めて感じたこの痛みも全部 ―...
誰と出会うか、何を見つけるか、そんな運不運が先で、その後に、愛が育ったり、お金がついてきたりする。でなきゃ物語が作れない。 全てを賭けて描く 自分にしか出せない色で 朝も夜も走り続け 見つけ出した青い光 ―― 群青/YOASOBI ―― Ayase 作詞作曲、2020、YOASOBI...
【1分で診断!】燃え尽き症候群診断、ってのをやってみた。https://motifyhr.jp/blog/onboarding/diagnose-burnaut/ 青梗菜さんの点数は16/100点でした。 非常に悪いスコアです…。 既に燃え尽きている、或いは今後すぐに燃え尽きると言えるでしょう。 ご自身では改善出来ないかもしれません。 カウンセリングを受けることをお勧めします。16点しかないのは、非常に悪いスコアなのか、なんてネ...
2022年7月に、勢いに任せて独立して、2年が過ぎ、3年目に入った。 https://sogyotecho.jp/whats_sogyotecho/中小企業白書によれば、開業して2年後の、個人事業の生存率は50%を下回るらしい。年を追うごとに、緩やかに推移する倒産の割合。個人事業だからとりわけ危うい、ってこともなくなって行く。多くは望まない、3年目も生き残りだけを考える。 何回でも ほら何回でも 積み上げてきたこ...
>独身世帯にも、一見、無駄になりそうな投資をすること、そんな当てにもならない未来への投資で、おそらく僕たちは割を食う、損をする。割を食わされ続けた、損をさせられ続けた30年の果てで、僕たちに続く世代のために、どれだけ割が食えるか、損ができるか。それとも、知ったことではなくて、どうでもいいことか。 その理由は 人それぞれ 耐え抜くためには仰け反れ この街はとうに終わりが見えるけど 俺...
例えば、1995年の割合、非正規雇用率を2割に戻す。妊孕能を若い世代の常識にして、女子の文化を再構築する。一足飛びの、奇抜な政策よりも、一歩手前に戻すのがまともだと思う。失われた30年、というのなら、得られたものを捨ててみる。きっとよくないものが育っている。>例えば、一夫多妻制を導入するか、>遺伝子的に子どもを生み出すとか」石丸伸二のそんな頭の悪い発言も、僕にはよくないものに数え上げられる。一夫多妻制は...
非正規雇用の拡大は、結婚が困難な層の拡大で、人口が減って、可処分所得の総額も減って、内需も減って、そして、また非正規雇用を拡大して埋め合わせる未来になるのか。 >少子化対策、なんていうときには当然に、>子どもを増やす政策になるのはなぜだろう。増やす、って発想が前のめりになって、現在の子育て世帯に向けての手当や給付金や無償化は行うけれど、独身世帯にも、一見、無駄になりそうな投資をするこ...
>経済弱者といっても、生活保護を要するほどでもなく、>恋愛弱者の面からは、制度設計による救済にはなじまない。>その救済は、救済が不要/不能なカテゴリーの救済、>問題は、問題とされないクラスターの問題である。常識的に考えて、子ども、高齢者、女性、男性、救済ならそんな優先順位になる。弱者男性なんてカテはいちばん最後でいいけれど、でも、もしかしたら、このクラスターが、すべてを好転させるカテなのかもしれな...
人口は、あっという間に増えて、その後に、瞬(またた)く間に減る。過去100年と未来100年の人口は、そんなフェーズであるらしい。 1組のカップル2人から、3人が発生するとき、2+3+4.5+6.75+10.125=26.375人、4世代後には13.188倍になる。4世代前を退場させたら、24.375人、12.188倍。1組のカップル2人から、1人が発生するとき、10組のカップルとして、20人から10人が発生するとき、20+10+5+2.5+1.25=38...
平均なので、寿命、と言うには語弊がある。昔は40代で寿命が来たわけではなくて、乳幼児の死亡率が高かったから。このグラフも一方的に右肩上がり。 働けるうちは、働ける分だけ働こう。きっと昔もそうだったし、今もそうだし、これからもそうしよう。ドナルド・トランプは、78歳の後期高齢者。銃撃事件でのふるまいには圧倒された。彼を好きか嫌いかはさて置き、認めざるを得ない気がしてくる。 https://ma...
雇用が不安定なゆえに、結婚が困難なクラスターがある。非正規雇用率はほぼ一方的に右肩上がり。 総務省の「労働力調査」に基づくグラフでは、非正規雇用は全雇用労働力の4割近くに達する。なぜ2020年に微減したのかといえば、それが不安定の証左、COVID-19の流行により解雇されたからである。このクラスターが増え続けている限り、少子化が解決するとは思えない。「弱者男性論、その一歩手前 ―― 6/6」 に戻る。>弱者男性...
石丸伸二氏が固まり目線下に「あの、なので…」泉房穂氏ブチ切れ、論客らが「政策」に総ツッコみhttps://news.yahoo.co.jp/articles/364c60bd6c830e9a09fffbf9b8152bd6dcd998b8>「いまの社会の規範では無理。>先進国は人口減少を克服できていない。>例えば、一夫多妻制を導入するか、>遺伝子的に子どもを生み出すとか」石丸伸二のそんなプランも、僕は頭から否定はしないけれど、こんな人に構っていても仕方がないと思う。...
青空に星条旗、前面に女子、完璧な構図。 https://mainichi.jp/graphs/20240714/mpj/00m/030/016000f/20240714mpj00m030017000p...
文化、の問題なんだと思う。文化史的な、思想史的な出来事。 30年前に「29歳のクリスマス」(フジテレビ系、1994年)って連ドラが放映されたり、20年前に「負け犬の遠吠え」(酒井順子、講談社、2003年)が出版されたりしながら、1975年に女子に壁が立ち塞がっていた24歳の壁を、29歳にまで押し退けてきた歴史的な出来事。手当や給付金や無償化とは文脈が異なる。...
>少子化対策、なんていうときには当然に、>子どもを増やす政策になるのはなぜだろう。>もういい加減に、増やすことを考えるのはやめて、>この流れが与件であることを思い知るべきだ。子どもを増やす政策は現実逃避的。人口増大の局面のままの社会制度を維持させるため、いわば、なろう系のチート能力を発揮して、制度を変えずに局面を変えようとしている。減少局面になったときは制度のほうを変えなきゃ。...
厚生労働省、人口動態統計のグラフ。すべて一方的に右肩上がりで、短期的にも、一度も下がったことがなく、晩婚化、少子化は止まらない。 1975年では2人の子どもがいる年齢なのに、2017年ではまだ結婚もしていない。1975年には3人の子どもがいたのに、2017年ではやっと1人が生まれようとしている。少子化対策、なんていうときには当然に、子どもを増やす政策になるのはなぜだろう。もういい加減に、増やすことを考えるのは...
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社会のせいとか、自分のせいとか。本当は、社会のせいにしたがる自分のせいとか、自分のせいにさせたがる社会のせいとか。本当は、対置していない社会と自分を正対させようとする、社会のせいとか、自分のせいとか。 ―― グロテスク/平井堅、安室奈美恵 ―― 平井堅 作詞、Matthew Tishler、Daniel J.Plante 作曲、2014、Ariola Japan >アイツの幸せ喜べますか? >あのコのもの欲しがってませ...
デカルトから始まって、ヒューム、カントまでは、まず自己が在って、そこから他者との関係が生じるけれど、ヘーゲルは、私が私であるためには、まず私は、私たちの一部でなければならない、と考える。自己は常に他者と共に在って、その関係の中で生きている。「客」のない世界に生まれて、「主」は有り得るか。つながりのない世界で生きて、「個」に成り得るか。 ―― 優しい歌が歌えない/槇原敬之 ―― 槇原敬...
ふわふわと、社会、なんて言うから、自分の外側に社会があると思って対立してしまうけれど、自分という現象が、社会現象の寄せ集めであり、自分は、世の中の現象をあれこれ抱え込んでいる。愛や、自由や、希望や、夢は、社会に見つけても、或いは、自分の足下に転がっていても、どちらに在っても同じこと、在ればいいんだ。 ―― 名もなき詩/Mr.Children ―― 桜井和寿 作詞作曲、1996、TOY'S FACTORY ...
自らの内に道徳法則を。自らの内に価値判断の基準を。自らの内に考える自らを。 ―― SIMPLIFY/槇原敬之 ―― 槇原敬之 作詞作曲、2000、Warner Music Japan >He's gonna be responsible >to simplify his own life. >ややこしく生きてるように見えても >彼は単純に自分を信じてるのさ >誰かのせいにしながら >生きるつもりはないだけなんだ >She's g...
誰のせいにしたっていいけれど、自らの意思によって道徳法則、―― それは、自分の外にあるモラルではなく、内にあるエティカ ―― を立てよう。知恵の実を食べたから、意思決定ができるようになったんぢゃない。楽園を追放されたから、考えて歩けるようになったんだ。自分で立って、どこにだって行こう。 ―― やさしい哲学/椎名林檎 ―― 椎名林檎 作詞、冨田恵一 作曲、2013、TOSHIBA-EMI >ついに自由を...
Xで誰かの悪口を書き連ねても、インスタで映え画像を並べても、ブログで陰謀論を拡散しても、それだって、自分らしい、というのなら、他人を黙らせる役には立つ。 ―― Ordinary Days/槇原敬之 ―― 槇原敬之 作詞作曲、2000、Warner Music Japan >当たり前さ それが普通さ >嬉しいことがないと >幸せと感じれないような >君のままじゃ疲れるだけさ >嬉しいこと 大事...
自分らしく、ってのは、もしかすると、底意地が悪いやつは意地悪のままに、意気地なしは意気地なしらしく、嘘つきは嘘つきらしく、ってことなのか。ことさらに、何も言ってないくせに、いいことを言ってる感だけで言ってないか。空疎なのに、中身がないのに、或いは、空疎であるゆえに、心地よく行き交うフレーズにしていないか。 ―― 太陽/槇原敬之 ―― 槇原敬之 作詞作曲、2000、Warner Music Japan ...
自分の心に正直に生きよう、とか、自分らしく生きよう、なんて、ポジティブなメッセージが飛び交っているけれど、そんなのは、何かを言ったつもりで、何も言っていないようなものか。 ―― I ask./槇原敬之 ―― 槇原敬之 作詞作曲、2000、Warner Music Japan >I ask myself 僕は問いかける >I ask myself 僕の中に >I ask myself 僕の知らない僕がいて >慣れたはずの悲しみを...
或いは、荘子が言う「樸(あらき)」は、人為が加わる前の切り出してきたばかりの木。サルトルがよく例に挙げるペーパーナイフ以前の木。あるがままの素朴さを備えているものが持つ生来の力、何にでもなれる可能性を奪われる以前の木。しかし、一度は可能性を失ってみないと、可能性があったことにも気づけないのが僕たちではある。 ―― 名もなき詩/Mr.Children ―― 桜井和寿 作詞作曲、1996、TOY'S FACTORY...
>あるがままの心で生きられぬ弱さ>知らぬ間に築いてた自分らしさの檻の中まるでサルトルが言いそうなフレーズだ。本質の檻に囲い込まれた実存が逃走を企てる。実存が先立つのなら、あるがままの心は檻の外にいる。例えば、西田幾多郎なら、「主客未分」の中にいて、自分の人為が加わる前の、自分らしさの外に在る。 ―― 名もなき詩/Mr.Children ―― 桜井和寿 作詞作曲、1996、TOY'S FACTORY >ある...
変わろうとしても変われない、変わろうとしなくても変わる。そう考えるのなら、人は、変化を事後に追認するほかはないもの。それは、誰のせいであっても、或いは、誰のせいでもなくても、人もまた、自(おの)ずから然(しか)るもの。 ―― 名もなき詩/Mr.Children ―― 桜井和寿 作詞作曲、1996、TOY'S FACTORY >あるがままの心で生きられぬ弱さを >誰かのせいにして過ごしてる >知...
動的な平衡系においては、留まって動かないのは罪、時が止まってしまう罰。 ―― Mr.Children/Sign ―― 桜井和寿 作詞作曲、2004、TOY'S FACTORY >緑道の木漏れ日が君にあたって揺れる >時の美しさと残酷さを知る...
>何年もやせさせないのは、>自分が悪い、って気がしてくる。太ったことによる不都合、苦労、弊害と、やせるための不都合、苦労、努力と、どちらを選ぶのかは自分の責めに任される。 ―― センス・オブ・ワンダー/sumika ―― 片岡健太 作詞作曲、2020、Sony Music Records...
いくつもの例外があり、それぞれの事情があり、自分でもすぐに反論が思いつくけれど、唐突に、雑で強引に書き投げよう。肥満は社会のせい、といえる。つまり、自分を太らせる社会が悪い。しかし、太ってしまった自分を、何年もやせさせないのは、自分が悪い、って気がしてくる。 ―― アドレナリン/山崎まさよし ―― 山崎将義 作詞作曲、1997、Polydor Records >早めに治しましょう >こじらせ...
>生死は移りゆくひと時の位相。言うなれば、時間と生死は同語反復で、季節が巡るようなもの。 ―― 彗星/槇原敬之 ―― 槇原敬之 作詞作曲、2000、Warner Music Japan >あの桟橋から首を突き出して >訳もなく2人でながめていた >汚れていて 止まって見える >あの川は確かに流れていた >そんな風に僕らが >いくら抗っても >仕方がない程 時は流れ ...
身体は動的な平衡系。言うなれば、身体は仮のもの。常に入れ替わるパーツ。喩えれば、身体は借りもの。ひいては、生命は仮のもの。つまりは、生命は借りもので、生死は、移りゆくひと時の位相。 ―― 獣ゆく細道/椎名林檎、宮本浩次 ―― 椎名林檎 作詞作曲、2018、TOSHIBA-EMI >無けなしの命がひとつ >だうせなら使ひ果たさうぜ >かなしみが覆ひ被さらうと >抱きかゝ...
そのままのあなたでいてほしい、そんな願いも、また、動的な平衡系。変わることを願うのではないけれど、変わらないことを望むのでもない。変わることも、変わらずにいることも、そのままに、あなたの平衡状態を維持させる、そんなふうに、そのままのあなたでいてほしい。 ―― 卒業写真/荒井由実 ―― 荒井由実 作詞作曲、1975、TOSHIBA-EMI >人ごみに流されて変わってゆく私を >あなたはとき...
>時はいつの日にも 親切な友達都合よく何かを抽象して伏線を作り、いいとこ取りに他を捨象して回収する。而(しか)して、春は優しい、夜は優しい。 ―― 12月の雨/荒井由実 ―― 荒井由実 作詞作曲、1974、TOSHIBA-EMI >時はいつの日にも 親切な友達 >過ぎてゆくきのうを 物語にかえる...
歩くことも、また、動的な平衡系。平衡を崩しながら、平衡を保つこと。矛盾する二つのベクトルを同時に存在させて、動的な平衡状態を維持させる。川のせせらぎも、僕たちの足音も。 ―― 足音 ~Be Strong/Mr.Children ―― 桜井和寿 作詞作曲、2014、TOY'S FACTORY >夢見てた未来はそれほど離れちゃいない >また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ! >時には灯りのない 寂しい夜が来たっ...
淀みに浮かぶうたかたの、今、今、今に推移する過去と未来。現在がなければ、どこにも結びつけられない過去と、ばらばらに解(ほど)けてしまう未来を繋ぐ、今、今、今だけが、明日に続いている。 ―― 本能/椎名林檎 ―― 椎名林檎 作詞作曲、1999、TOSHIBA-EMI >約束は 要らないわ >果たされないことなど 大嫌いなの >ずっと繋がれて 居たいわ >朝が来ない窓辺を 求めている...
>高度経済成長期から昭和の終わり頃までは、男女の賃金格差は今よりも顕著で、女性の収入は不当に低く抑えられ、その分、男性に振り向けられていた。>この国では、男であるだけで性別ガチャ当たり。皆婚は、女性が男性に依存しなければ、生きて行くことが難しかった時代の現象で、今となってはそっちのほうが異常だったと思える。もっと早くに是正されるべきだったと思える。...
国ガチャ、なんて言い方をするのなら、高度経済成長期から昭和の終わり頃までは、日本人であるだけで国ガチャ当たり。性別ガチャ、なんて言い方をするのなら、この国では、男であるだけで性別ガチャ当たり。日本人で男性ならシード権が得られた。たとえそれ以外に誇れるものが何もなくても。...
もしかしたら、生まれつき努力ができない人がいる、そう仮定するのなら、努力できるもできないもガチャ。努力が可能な努力族は、運命論的に成功を収めやすく、対して、非努力族は、失敗が運命づけられている。努力族は、努力するな、と禁じられても努力を止めないし、非努力族は、努力しろ、と命じられても努力ができない。自らコントロールができるものごとについては、自己責任論的に、自分で責任を負うことになるけれど、さて、...
小説でも、映画でも、日常は捨象されている。主人公は、小銭を数えたり、コンビニに行ったり、洗濯ものを干したり、ときにはうんちを漏らすとしても、日常=つまらないから、物語からは省かれる。日常=つまらないのは必然だから、おもしろい=物語から省かれるのは自然だ。どちらも、必ず然(しか)る、自ずから然ると言える。...
美味しかった、おもしろかった、楽しかった、なんて感想には、日常に戻される寂しさが混じっている。日常=つまらない、ってのとトレードオフにはなるけれど、でも、少し離れたら、日常もまた悪くないと思えてくるから不思議。結局、僕たちは、何をしても、いつかは楽しくなくなるんだ。...
身をもって知っている、そう言い合っている、日常=つまらない、このテーゼは事実らしい。つまらないから、僕たちは旅に出る、レストランを予約する、人に会いに行く。対価を支払って、期待通りにものごとを受け取って、それだけでも非日常ではあるけれど、さらには、もっと予期しない展開で、思いもかけない景色や味や思考と出会うときには、稀有な僥倖、軽々と僕たちの日常を超えてくる。 ...
所謂(いわゆる)、つまらない日常。つまらない、を日常の枕詞のようにして、おおよそ、日常はつまらない。所謂、同じことの繰り返し。繰り返されるから同じことになり、同じことでないのなら、即(すなわ)ち、非日常である。つまらなくないのなら、即ち、非日常である。...
>そう考えると、何を選んだとしても、おおよそは、>今の自分でしかあり得なかったような気がしてくる。そんなふうに、自分の選択の失敗を許容できた気になると、選択の及ばない、そもそもからの失敗に視点が移る。例えば、選ぶことさえできなかった親ガチャや、大きくは、他の選択肢の在りようも見つからない資本主義や、さらには、都合のいい異世界を仮想することで色褪せて映る日常や。...
>どんな選択も、ただの日常になり行く。>そう考えると、何を選ぶか、ってことは、>たいして重要ではないと思われる。何を選択したとしても、重要なのは、繰り返される日常の過ごし方にある。>まだ少しも報われない日常に耐え続けること。大きな決断は、ついつい先延ばしになり、長期的な計画は、なし崩しに短期的な快楽に負けて、そう考えると、何を選んだとしても、おおよそは、今の自分でしかあり得なかったような気がしてく...
例えば、資格試験を受験する、って選択の先には、例えば、半年で、例えば、300時間の勉強を要するのなら、毎日1時間半の勉強をする日常が始まろうとしている。選択は一時的なこと、日常は継続的なこと。まだ少しも報われない日常に耐え続けること。...
何を選んだとしても、例えば、どんな仕事に就いたとしても、選んだ後には、日常が待ち受ける。どんな選択も、やがては日常になり行く。そう考えると、何を選ぶか、ってことは、たいして重要ではないと思われる。選ばれなかった選択の先にも、繰り返される日常が待っているはずだ。どれが正しいのかが分かっていて、結果まで見通せるようなときには、選ぶ、ということはない。決める、ということはない。なぜ結果まで見通せないかと...
きっと、今日も、誰かの優しさが、優しさの価値を引き上げている。優しい人は、きっと、明日も優しい。優しい人にとっては、この世界は優しい。僕の今日が、少し荒(すさ)んだ一日だったとしても、その間にも、誰かの優しさが、僕に気づかれないうちに、僕に届けられているのなら、優しくなれない僕にとっても、やはり、掛け値なしに、この世界は優しい。...
考える人は、今日も考え続ける。優しい人は、きっと明日も優しい。読みかけの本のページをめくるように、人は、日常の経験によって、来たるべき日常を規定して行く。もしも、今夜、僕が、ていねいに、生まじめに書くのなら、それは、今夜の文章はもちろん、昨夜までの文章のていねいさと、生まじめさを説明してくれる。自分が正しいと決めてかかる人は、今日も執拗に他人を責め続け、自分を棚に上げる人は、明日になっても下ろさな...
自分が言われて傷つくことは、他人にも言わない。そんなのは多くの人が、日頃からできていると思う。自分が言われて傷つくことは、自分にも言わない。それは僕たちには、上手にできないことらしい。 ―― ダヴ:リアルビューティー スケッチ あなたは自分が思うよりもずっと美しい ―― 2013、ユニリーバ...
>誰かのために考えて、言葉にして、>さらには、伝えようとする工夫が、誰かの本来の美しさを言い当てる。 ―― ダヴ : リアルビューティー スケッチ あなたは自分が思うよりもずっと美しい ―― 2013、ユニリーバ...
自分のために考えることなら、夢見がちでも、曖昧なままでも、語尾を濁して言い切らなくても、さらには、言葉にしなくてもいい。誰かのために考えて、言葉にして、さらには、伝えようとする工夫が、表現を豊かにさせるのだろう。...
日常のちょっとした選択も、未来を変えるような選択も、同じ脳みそを使っているとするのなら、日常をナメちゃいけないな、なんて思ったりもするけれど、そんなことを考える脳みそ自体が、今夜も、僕を正気に戻してくれている。...
幸福な生活、なんてパッケージがあって、そのセットを揃えようとするのは、たぶん、得策ではない。セットを揃えて生活している人がいても、きっと、日々の生活は淡々と過ぎて行く。繰り返される日常は、当たりまえの日常で、幸不幸の埒外の、ただの日常である。...
どのようなものであっても、関係など持ちたくない、って思うときには、ブロックは、逆説を連れ立たせる。ブロックなんてことをしていると、ブロックしている/されている、という関係を作ってしまう。本当は、それさえも作りたくない。 人間の形をして 生まれたからといって 人間らしく生きているなんて 限らないと今は思う ―― 君が教えてくれるもの/槇原敬之 ―― 槇原敬之 作詞作曲...
大人になって、もうずいぶん経つから、誰だって分かりやすい優しさを丸出しにして、おためごかしに提示してくることはない。僕たちは、詐欺師でもホストでもヤリモクでもない。それが拾い上げられるのを待っているようなものなら、足下の泥に埋もれたいくつもの優しさを、僕たちは、毎日、踏み潰しているのかもしれない。 「泥沼でもきれいに咲ける花が あるなら君はどうする」と 真っ白い蓮の花が...