月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった66 BL小説 女性の方が結構年上でというだけで結婚なんてあり得ないとするようなこの街で、高校教師が、しかも男同士がつきあうとか、考えも及ばないに違いない。 先生なんて呼ばれるような人間じゃないと思っていた響だが、いつの間にかそう呼ばれることに慣れてしまった。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。傲岸不遜男×強気、野球選手×美形、業界、バンド、学園、学生、リーマン、イケオジ多。BL、ML。字書き、あきつ、絵描き、alyosha、松本悠莉で活動しております。
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お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡4 BL小説 以前、仕事で東洋商事に出向いた時に、佐々木や藤堂とともに良太も同行したのが、音楽を担当するミュージシャンで、人気バンドドラゴンテイルのボーカル、水野あきらは、知らない相手には不愛想と聞いていたが、佐々木には最初からフレンドリーな感じだ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡3 BL小説 「でも、来年の大和屋のイベント、去年ほど大掛かりじゃないから、まだよかったわ」 直子は本当に佐々木のことを心配しているのだ。 「そうだね。でも、佐々木さんの仕事は、クリエイターだけにとどまらないから、大変だよね、茶の湯の方もだから」
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡2 BL小説 ったく、ちょっとくらい減らしたって、また元の木阿弥じゃないかよ。 少しは年も考えろよな。 とは、良太の心の声なのだが。 工藤が休みをまともに取ったのは八月にタレントが風邪を理由にスケジュールに穴を開けた二日ほどと、今となってはま
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡1 BL小説 朝から冷たい風がビルの間を吹き抜け、太陽は分厚い灰色の雲の後ろにずっと隠れていて、今日は日中も気温が上がらなそうだ。 円安、物価高に加えて、殺伐とした世界情勢がじわりと、この重だる気に空を覆う雲のようにすぐそこまで歩み寄っているようだ
月夜の猫-BL小説です 月鏡(工藤×良太42) BL小説 「残月」の後、沢村と佐々木の「好きだから」と同時期でリンクします。 工藤も良太も相変わらず忙しい毎日を送っているが、沢村に問題が起こり、佐々木も無論、青山プロダクションの面々も巻き込んで、由々しき事態に。それと同時に、良太はハロウインパーティの夜、意外な人物と出くわして
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light28(ラスト) BL小説 ドラマの撮影は全て終了した。 長田プロの一件は、小田が間に入って和解という形で、青山プロダクションとしては不本意ながら落ち着いた。 しばし経ってから、どこからか一連の青山プロダクションに関する記事は他社の
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light27 BL小説 「やっと病院に駆けつけた時は、佐古は頭を打って意識がまだ戻ってないし、俺は携帯を落としたことにも気づかなかった」 工藤は帰国してから誰にも話していなかったようなことを、良太に吐露している自分を嗤う。 「工藤さん……」
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light26 BL小説 「良太、服は?」 落ちていたズボンだけ拾って良太に差し出すと、千雪はきいた。 「あのやろう、俺の服、ごみ箱に捨てやがった!」 慌ててズボンをはきながら、良太は頷いた。 すると工藤が上着を脱いで良太に引っ掛けた。
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light25 BL小説 スタジオを飛び出した工藤は、鴻池に直接会いに行こうとしていた矢先、ちょうど千雪から連絡が入り、車を飛ばしてここに来てみると、京助と千雪は既に到着して工藤を待っていた。 「長田プロの社長、奥さんに愛人のことばらすぞ、言う
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light24 BL小説 「だが、これで工藤も、お前みたいな薄汚いガキには愛想をつかすだろう。阿部とやっているところでも見せられればね。こう見えてもプロデューサーとしては一流だったんだよ。カメラもそうそうヘタじゃない」 鴻池の手にはハンディカ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light23 BL小説 どこだろ、ここ…… 頭が重いしガンガンする。 何だっけ、俺、どうしたんだっけ…? 目を開けると、外はまだ明るいようだが、分厚いカーテンが覆っていて部屋の中は薄暗い。 家具調度を見ると、半端でなく豪華な代物のよう
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light22 BL小説 俳優だけでなく、スタッフも文句を言っている。 ディレクターも怒り始めた。 「一体どうしたんだ、広瀬くんは?」 「あの、広瀬くんからメールが入ってます。何か、自分にはもうできない、とかって」 その時、唐突に阿部が言っ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light21 BL小説 「部類のコーヒー好きなんだよ。私は。しかも入れ方にはうるさい」 鴻池は言い訳のように言う。 「いただきます」 阿部が飲むのを見て、良太も紙コップに口をつけた。 「実は、君たち二人に、いい話がある」 ややあって徐に鴻
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light20 BL小説 千雪は着信履歴を調べ、鴻池がシャワーを終えるまでにできる限り自分の携帯に画像で保存すると、バスルームのガチャという音とともに携帯をポケットに滑り込ませた。 ところが鴻池と入れ替わりにバスルームに行こうとした千雪の腕
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light19 BL小説 一方、鴻池が執拗に良太にドラマ出演を促したというところに何か引っかかりを覚えた千雪は、鴻池のことをいろいろと調べていた。 そして妙な情報も入手した。 「言い忘れたんだが、鴻池はバイで特にきれいな少年が好きだから、千雪
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Summer Break35 BL小説 「やっぱ、お迎えの車って、サイレン付きだったんですか?」 良太はつい、思っていたことを口にした。 「サイレンは鳴らさんと帰ってもろたけどな」 「詳しいことはまた後で話す。腹が減った」 動きたくないという顔の千雪
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light18 BL小説 「室井はしたたかな女で、それこそ自分の地位をステップアップするために、鴻池と関係を持ったとかある筋では言われているらしいが」 下柳はそう言って鼻で笑う。 「鴻池さんと…」 「だから、良太ちゃん、あんまり世間の噂、気にす
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light17 BL小説 「へえへえ。それにしても工藤のやつ、ケツの穴の小ぃせーこと言ってねーで、俳優でも何でもやらせてやればいいだろーが、良太によ」 京助が言うと、「とか何とか、ユキがテレビに出るのだって文句言ってたくせに」とアスカが応酬する。
Summer Break(工藤×良太)34 2024Automneでアップしております、 Moon Light
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Summer Break34 BL小説 「ったく、これだからイケメンってやつは嫌いなんだ! 売れっ子女優が簡単に連れられて行くし」 耳の中でも加藤が地団太を踏んでいるように喚いた。 あーあ、お迎えの車って、サイレンのついてるやつだったりして。 良太が
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light16 BL小説 残っているあとワンカットは、他の俳優の都合上、翌週にならないと撮影できない。 そのシーンのセリフを思い出しながら、良太はパソコンの前に座っていた。 阿部とは二度ほど飲みに行ったが、それを知ったアスカに、あの男はゲイ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light15 BL小説 九月も中旬を過ぎ、燦燦と降り注ぐ太陽の光がその威力を落とし始めた頃。 ニューヨークテロ事件の余波もあってか、世情不安は募るばかりだ。 加えてたまに連絡が入るくらいの工藤と良太はそれこそずっと冷戦状態である。 良太
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light14 BL小説 その日、二人の出番はとりあえず終わり、傷心の良太は阿部に飲みに誘われた。 申し訳なさから良太はつき合うことにした。 「すみません、俺の役は、もともと阿部さんの役だったのに」 「お前が謝ることじゃないさ。俺はどんな役で
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Summer Break33 BL小説 ちょ、足止めって、適当な理由って言われたってっ! 「あ、橋田響子さん、ですよね? 私、青山プロダクションの広瀬と申します。『恋のカウントダウン』でご活躍の頃からずっとドラマなど拝見させていただいております」 良太
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light13 BL小説 良太の出るシーンはほんの数カットだ。 最初より増えたとはいえ、長いセリフもとっくに暗記しているのだが。 「学芸会じゃねーんだぞ」 だが、そんな文句にも良太は言い返すことができない。 どうにも棒読みに毛が生えた程度
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light12 BL小説 「一体どういうつもりなんだ? 鴻池さんは」 昔からテレビ関連仲間の行きつけとなっているバーのカウンターで、工藤は声を荒げた。 「んなもん、本人に聞いたらいいだろう?」 隣でカラリとグラスの氷を鳴らしたのは、これもMB
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light11 BL小説 「だって工藤さん! 良太だって鴻池さんに言われてよかれと思って!」 鬼の怒号にも屈しないアスカが良太に駆け寄って、工藤に抗議する。 「撮影が終るまで、他の仕事はしなくていい。言っておくが、失敗なんてことは金輪際許さない
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light10 BL小説 JAL〇〇五便十三時三十分ニューヨークジョンFケネディ空港発、翌十六時三十分成田着予定。 やっと、工藤が帰ってくる。 「これでようやく枕を高くして眠れるわ、良太ちゃん」 鈴木さんもほっとしたようすでオフィスの花を
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light9 BL小説 以前あのフリーライターの土方もかぎつけたことだ。 CMなんかに出たら、他にも良太の過去を掘り起こして、それをマスコミに流そうという者がいる可能性も十分考えられるのだ。 そんなことをされたら、今度はCMの放映のみならず
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light8 BL小説 近くの喫茶店に入り、鴻池の話を聞いた良太は仰天した。 「俺が、ドラマに? そんなの無理に決まってます」 ピアニストの青年役が気に入らないから、鴻池は良太にやれというのだ。 実は夏に撮影予定だったCMを怪我で降板した長
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Summer Break32 BL小説 ようやくカウンターに辿り着いた良太は、ラム酒と自分にはモヒートを作ってもらい、紫紀が飲んでいたコニャックもオーダーして、左手にラム酒とモヒートを、右手でコニャックのグラスを持とうとした。 「あ、お持ちします」 そ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light7 BL小説 叩きつけるように受話器を置いた良太は、まだ怒りがおさまらない。 「長田プロが裏で糸を引いてるとしても、こいつはなかなか尻尾をつかませてはくれないな。良太、カッカくるだけ損だぞ。とにかく調べてからだ」 谷川に諭され、その
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light6 BL小説 工藤から千雪とこの京助が付き合っていると聞いた時は良太も驚いた。 だがこの際、良太は工藤とのことで千雪を妬いたことも京助が嫌味なやつだということも、そんなことはどうでもよかった。 りりりりり――――――――― 「青山
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light5 BL小説 「良太、ちょっと休みなさいよ。夕べっから寝てないんでしょ? ここは私たち、いるから」 自分のデスクで電話と携帯を並べてを睨みつけている良太に、タブレットでニューヨークの記事を探る秋山とともに大テーブルに陣取っているアス
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light4 BL小説 翌日もパソコンの前に座って書類作成やメールチェックをする以外、良太はあちこち飛び回って終った。 九時を過ぎて、オフィスに鍵をかけ、良太はエレベーターで自分の住居である七階へと向う。 部屋のドアを開けると、三毛猫のナー
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light3 BL小説 先月末、CM撮影でイタリアに同行した工藤は良太とともに一旦帰国したのだが、ほとんどとんぼ帰りのように再びローマ、リヴィエラに飛び、イタリアロケが終るとその足で一人ミラノからニューヨークに渡った。 そちらはLA、ニューヨ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light2 BL小説 弱小とはいえ数名のタレントを抱えたこの会社の社長工藤高広は、自身は敏腕プロデューサーとして業界に名を馳せ、手掛けた仕事は必ず当たるとまで言われた男である。 この夏公開された、工藤プロデュースによるベストセラー作家小林千
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light1 BL小説 九月に入っても、酷暑の夏は依然続いていた。 そんな中、 絶好調! そんな言葉をついつい口にしそうなほど、広瀬良太は調子がよかった。 ミラノから帰ってきた良太は、張り切っていた。 「ハイ、それでは明後日の午後三時に
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light(工藤×良太7) BL小説 昭和なオヤジ工藤と、部下で秘書兼プロデューサー元野球少年で直球な良太のすったもんだラブ。ドタキャンした俳優の代役で良太がCMに出る出ないで工藤とひと悶着のあとイタリアでのロケを終えて会社に戻ってきていた良太は
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です ほんの少し届かない33(ラスト) BL小説 とりあえずナータンを肩に、良太はしばし呆然と自分の部屋を見回した。 炬燵は、ある。 ナータンのトイレやご飯の器やトレー、窓際にはネコタワーもある。 だが、それ以外の全てがまるで嘘のように変貌していた。
月夜の猫-BL小説です お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Summer Break(工藤×良太)31まで更新しました BL小説 Summer Break(工藤×良太)31 ほんの少し届かない32 まで更新しました 長い酷暑の夏がようやく終わるのでしょうか 10月です 今年は暑い夏だっ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Summer Break31 BL小説 「まあ、千雪くんも良太ちゃんを危ない目に合わせるようなことはしないはずですから、そこのところは信用していただいて」 工藤が良太のことを気にかけているのだと、紫紀にはインプットされているようだ。 それがどういう意味
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です ほんの少し届かない32 BL小説 「メリークリスマス」 藤堂が言うと、良太も「メリークリスマス」とドアを閉じた。 「このワインもさっきいただいたけど、美味しかったですよ」 機嫌よさそうにひょこひょこ歩く良太の腕を掴み、工藤はタクシーを拾う。 「お前の猫
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です ほんの少し届かない31 BL小説 グラスを前に、工藤はひとみの隣でそんな藤堂と良太のようすを面白くもなさそうに見やる。 「ちょっと、せっかくのクリスマスパーティにそんな仏頂面、やめてよね、高広」 ひとみの辛らつな声が工藤の眉間にまた一つ皺を刻む。 「せ
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった66 BL小説 女性の方が結構年上でというだけで結婚なんてあり得ないとするようなこの街で、高校教師が、しかも男同士がつきあうとか、考えも及ばないに違いない。 先生なんて呼ばれるような人間じゃないと思っていた響だが、いつの間にかそう呼ばれることに慣れてしまった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった65 BL小説 放課後は理科系の会議があるらしいし、今日は井原の顔を見ないで終わりそうだ。 もっとも響こそ、井原とどんな顔をして会えばいいかわらからなかったから、少し胸を撫でおろしていた。 ぼんやりしていたので、ドア口に人がいるのに気づかなかった。 「和田
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった64 BL小説 「へいへい。なんかこうこの部屋息が詰まりそうだから、ちょっと緊張をほぐそうとしただけじゃん」 お茶らかした寛斗のセリフを聞くと、響もこれは一息ついた方がいいかと立ち上がった。 「ようし、ちょっと休憩しよう。肩に力入り過ぎてる気もするから、寛斗、お
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった63 BL小説 何も聞かずに俺の手を握っていた井原の手はすごく温かくて。 ポトリとひとしずく、下を向いていた響の目から床に落ちた。 ほんとはすごく好きだった。 だから俺なんかといちゃいけないやつなんだって。 またひとしずく、落ちた。 もう何年も胸の奥に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった62 BL小説 だが所詮モラトリアムの中での思いの延長だ、お前の好きは自分と同じ好きではないかも知れない、響が口にしなかったのは、井原のためだと……。 いずれは井原も誰か愛する人に巡り合って、秀喜のように結婚するのだろうと。 十年越しの初恋なんかもう忘却の彼
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった61 BL小説 こいつらしくもなく何をそんな苦しそうな顔をしているんだ? 「響さん、告られたって、ほんとですか?」 「へ?」 響の方に顔を向けて、まじまじと見据える井原に、響はポケッとした顔になった。 「俺が? ああ、ひょっとして、寛斗のヤツのことか?」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった60 BL小説 三号に描かれたのはひまわりで、この店では初めて風景画以外の絵となるが、他の風景画と空気感が同じである。 「いいなあ、これベネチアの匂いがする」 「さすが、響さん、感覚的! これどの絵と取り替えたらいいと思います? これ以上飾ると窮屈そうだし」
月夜の猫-BL小説です #post_titleBL小説 「ああ、どうだった? 撮影は」 「はい、順調に終わりました。小木さんて、作家さんなのに声がよくて、気さくな人で、よくわかるように説明してくれて、俺も伊万里焼きのレクチャーなら任せとけって感じです」 良太は案外穏やかな工藤の声にほっとしたらしく、幾分声を弾ませた。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった59 BL小説 「あたしも聴きたい! 本物のピアノ!」 紀子が言った。 「アップライトなら、入らないか?」 「え、ここにか?」 井原の発言に元気は考え込んだ。 「お前無茶なこと言うなよ」 響は呆れたが、元気はうーんと唸ってから、「何とかなるかも」と言う。 「
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった58 BL小説 かぐわしい香りのコーヒーが鼻孔をくすぐると響は全身がほっとするような気がした。 「一日の仕事上がりに元気のコーヒーって、ほっとするよなあ」 隣で井原が響が考えたようなことを口にした。 「そういえば元気、相談って何?」 一口温かいコーヒーを飲ん
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった57 BL小説 エチュードの一番から三番を弾いたあと、響はスケルツォの三番を弾き始める。 細かな音が目に見えぬドレープを作り広がってゆく。 古いピアノは時折響の耳にかすかな歪みを感じさせるが、それもまた音の羅列に表情を与えていく。 最後の音を弾いてからふ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった56 BL小説 確かに青山は技巧的には巧い。 だが、曲の理解度でいえば、この曲に関わっている時間が長いだけ寛斗の方が高いだろう。 それに。 瀬戸川は寛斗と一緒にコンクールに出たいに違いないのだ。 「技巧を取るか、曲の理解度を取るかでいえば、多少下手でも
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった55 BL小説 そして忘れていたシーンの中に井原がいた。 喜怒哀楽がはっきりしていると生徒が言っていたが、すぐに思い浮かぶのは笑っている井原で、怒ったり泣いたりと言ったシーンも思い出されて、そういえば忙しいやつだったと響は苦笑する。 そんな昔の思い出に浸
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった54 BL小説 遅かれ早かれ、そうなることはわかっていたさ。 黒板消しを置くと、響は手をぱんぱんと払い、準備室に入った。 考えごとをしていたので、あっという間にガツガツと弁当を平らげた響は弁当のからをビニール袋に突っ込みゴミ箱に放ると、音楽室を出た。 そ
月夜の猫-BL小説です 夢見月32 BL小説 せっかく珍しくこのあとの予定がないのにな。 工藤がそんなことを考えていると、電話が鳴った。 結局、鈴木さんが帰っていくまで、何件かの電話で時間が潰された。 秋山とアスカは、その間に工藤と夕食を一緒にする約束をして、次の打ち合わせにテレビ局へと向かった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった53 BL小説 「キョー先生は井原先生よりなんか年齢超えてるって感じ」 「ええ?」 瀬戸川の言葉に響は首を傾げる。 「だって、制服着てそこにいてもおかしくないっていうか」 「何、俺ってオッサンになってもガキっぽいってこと?」 くすくす笑いながら瀬戸川は、「顔
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった52 BL小説 いつもの井原だ。 土曜日、急にクラウスが現れて、しかも井原といる時に、響は内心焦り、イラついた。 井原は響の説明を額面通り受け取ったわけではないような気がした。 何か言いたげな顔をしていたが、今日のあのようすではさほど気にもしていないのだ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった51 BL小説 「すみません、後ろの人、静かにしてください」 響が説明をいったん切ったところで、最前列に座っていた青山という女生徒がきりりとした声で後ろでふざけ合っている男子生徒を注意した。 一瞬シーンと静まり返ったあと、響は何ごともなかったかのように黒板に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった50 BL小説 元気は鮎をつつきながら、「パーティは俺の店でやるんだが」と付け加えた。 「元気の店でか? またライブやる?」 井原は俄然目を輝かせた。 「お前は! まあ、やる予定だけどまだ詳細は未定だ。今度みんなで話すことになってる」 「わかった、俺も混ぜろ
月夜の猫-BL小説です 夢見月31 BL小説 「真岡が?」 工藤は聞き返した。 「前回の誓約を破らはったいうことですわな」 厳しい顔をしている工藤に、千雪は軽い口調で言った。 「偽のスクープで、沢村とアスカさんのことすっかり信じ込まはったんやな、沢村の父親も真岡弁護士も」 「だからあんなバカげたマネをした
月夜の猫-BL小説です ぶなの森8 BL小説 現れたのは工藤だった。 監督と話をしながら、良太と菜摘がこちらに歩いてくるのを工藤は見ていたのである。 そこへ、男が現れた。 「へえ、あんたが噂の工藤か。なるほど、社長が社長だからな、その大事な部下に女優のコマシ方でも教え込んでいるわけだ」 「あいにく忙し
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月夜の猫-BL小説です ぶなの森6 BL小説 「あいつ……、よほど、お前がキモイといっていた小林千雪だって言いたかったですよ」 戻ってきた千雪に思わず良太はぶちまける。 「あの子、工藤さんにベッタリなんやて? 良太、それで面白くないわけや」 「誰に聞いたんですか~そんなこと。わかった、アスカさんだな」
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