月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった67 BL小説 ふと手にしていた携帯に気づいた響は、誰かの言葉が聞きたくなった。 酔っているのでためらいもなく、一つの番号を押した。 五回目のコールで、声が聞こえた。 「響さん? どうしたんですか? こんな時間に」 「なんかさ……深淵の底から俺が呼ばれて
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。傲岸不遜男×強気、野球選手×美形、業界、バンド、学園、学生、リーマン、イケオジ多。BL、ML。字書き、あきつ、絵描き、alyosha、松本悠莉で活動しております。
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back next top Novels 階段を上がろうとした時、何か声が聞こえて、千雪は襖を開けた。
back next top Novels 本谷和正は確か二十五歳、M大を卒業して営業マンをしていたとこ
back next top Novels 全く笑えてくる。 結局、体よく京助を利用してるだけや。
back next top Novels 近づいてきた足音に、気が付いたら良太は個室に入っていた。 「
back next top Novels 「え……犯人、渋谷さんの同期やったんか?」 「聞いてなかったの
back next top Novels 昨日までドラマロケで北海道にいた工藤とは、ここ数日顔を合わせ
back next top Novels 「何かあったんですか?」 良太が眉を顰めているのを見て、天野
back next top Novels 確か春先に一度、倉永さんに家に来てもらったはずだ。 大抵、
back next top Novels 高速に乗った頃、ハンズフリーにしている携帯が鳴った。 「コン
back next top Novels ACT 9 &
back next top Novels 「工藤が忙しいのはわかるけど、それで俺にほぼ丸投げって何だよっ
月夜の猫-BL小説です 花のふる日は51 BL小説 チャイムの音が聞こえた気がしたが、千雪はまだ夢の中を彷徨っていた。 再びチャイムが鳴った。 はっと現実に引き戻され、千雪はソファから跳ね起きた。 「菊ちゃん? どないしたん?」 てっきり菊子がまた戻ってきたものと思い込んで玄関を開けた千雪は、そこに立つ男に不意
back next top Novels 確かに旅費から何から金がかかるし、その前に、タレントのスケジ
back next top Novels 「やめてくださいよ、俺、俳優でも何でもないし、ファンなんて」
月夜の猫-BL小説です 花を追い1 BL小説 東京の桜は昨日の雨でほぼ葉桜になった。 開花は早かったが、気温が低い日が続いたためゆっくりと満開になり、長く人の目を楽しませてくれた。 四月も半ば、花が終わると気温が急上昇し、今度は厄介な花粉の季節がやってきたのである。 ここ乃木坂にある青山プロダクションでも、毎年花
月夜の猫-BL小説です 花を追い(工藤×良太) BL小説 厄介ごとは一つ終わったかと思うとまたどこかから別のものが湧いて出る。大物脚本家坂口に工藤が押し付けられたドラマ制作は何だか良太へと丸投げされているような気がする。最近工藤はアイドルタレントのドラマにかかりきりで、と思ったら今度はCF撮影のためにニュージー
back next top Novels 「ああ、あれはやな、ほんまは名探偵金田一耕輔目指したんやけ
back next top Novels 父親の一周忌以来、菩提寺の住職に任せきって墓参りすらしていな
back next top Novels 「中には既に奥様がいてる方など、不埒な! もちろん、塩をまいて
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)81まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)81、好きだから144、花のふる日は48 まで更新しました
back next top Novels 「よっしゃ、ブルーにします」 「ちょっ、俺、責任ものじゃないで
back next top Novels 俺はくだらない親切心とやらにそそのかされて、まんまと千雪にそ
back next top Novels ◇◇◇◇◇◇ 佐々木家の大掃除には朝から沢村が
back next top Novels ため息交じりにひとみは呟いた。 宣言通り、その日の天野は神
back next top Novels 確かに、寄ってくる女たちと適当に遊んだことがないとはいえない
back next top Novels 「はっきり言っておく。いいか、佐々木さんはもうずっとずーっと前
back next top Novels 「良太ちゃん、すみません、ちょっと」 大森美術の大森和穂がそ
back next top Novels 本格的に映画製作の始動に向けて動き出した工藤は、配給会社やス
back next top Novels アスカのことはわかっていたにせよ、やはり沢村が誰かと婚約かな
back next top Novels あたりの柔らかな小田の人柄もあっただろう。 その菊池がマネ
back next top Novels 「佐々木さん、着いた」 薬を飲んだせいもあって、ぐっすり眠っ
back next top Novels ACT 8
back next top Novels 「ただし、佐々木さんのことは論外だ!」 また八木沼が佐々木の
back next top Novels 「いいか、お前は、無自覚で人を蠱惑するくせに、無防備すぎる。だ
back next top Novels 「いいか、お前は、無自覚で人を蠱惑するくせに、無防備すぎる。だ
back next top Novels 「企画広報室は直訴されてから密かに我孫子やイーグルアイを調査し
back next top Novels 「お前も庭師ってことで出させてもらうか?」 すると藤田がまた
back next top Novels いや、別に紹介して欲しかったというわけでもないのだが。 千
back next top Novels 「えっらそうに!」 ふとサイドボードの上の飾り時計を見ると、
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)77まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)77、花のふる日は41、好きだから137 まで更新しました
back next top Novels 「あら、こんなとこで仏頂面を拝むなんて、満開の桜に恐れおののい
back next top Novels 「手塚からちょっと顔が知られてるやつが看病してるから往診してく
back next top Novels 晴久も、細君に、そうだったわね、とか、すごいわね、などと振ら
back next top Novels 「かしこまりました」 どうやらこの店のオーナーらしい男は笑み
back next top Novels 父親は愚弟賢兄などとよく言ったものだが、沢村が兄より成績で負
back next top Novels ACT 7
back next top Novels 「とにかく、いざとなったら母さんも切ってやる! もう冗談じゃな
back next top Novels ダイニングに来るまでに古伊万里の壺が壁際に飾ってあったのを見
back next top Novels 「それで俺に直接言うてきたわけか。物好きやな」 その時、工藤
back next top Novels ACT
back next top Novels 「明日早朝からでしたか? ゴルフ。あ、俺も一応ゴルフセット揃え
back next top Novels 「ただの執着や、京助のは。せやから往来でアホなこと……」 独
back next top Novels 浩輔は気が気ではない。 もしまた修正が入るとかになったとし
back next top Novels 「まさか、工藤さん、だから俺にゴルフやれって言うんじゃないだろ
月夜の猫-BL小説です 花のふる日は36 BL小説 「悪いな、小林先生はこれから俺と小説の映画化の打ち合わせがあるんだ」 工藤は後部座席のドアを開けると、千雪を促して乗せ、自分も後から乗り込んだ。 「俺は諦めたわけじゃないからな、千雪!」 ドアを閉める間際、呻くような京助の言葉が千雪の心に飛び込んだ。 バックミ
back next top Novels 坂下君江は箱根の別荘を管理している女性で、沢村とも子供の頃か
back next top Novels 「なんかさ、天野、すごいね」 今のシーンに出番がないひとみが
月夜の猫-BL小説です 花のふる日は35 BL小説 「自己防衛、するしかないし。大体、俺の人相風体がマスコミのお陰で勝手に一人歩きして、警察がそれに踊らされるやなんて、情けなさ過ぎですわ」 言葉に詰まる渋谷に、クールな笑みを浮かべて千雪はさらに辛らつな言葉を投げつけた。 そこへドアが開いて、西岡警部が入ってきた
back next top Novels 夏に佐々木を連れて信州に行く前に、山荘に置いていた古いランド
back next top Novels 「野球だったらいくらでもやるのになあ」 ほんと、もうずっとキ
月夜の猫-BL小説です 花のふる日は34 BL小説 「そら、名探偵のイメージは大事やし、ほんまいうと、高校の頃女の子に追っかけられすぎて嫌気がさしてたよって、これなら誰も寄ってこないだろう思て。わかりますやろ? 西岡警部」 不細工の代表のような面構えの西岡警部に千雪がわざとらしくそう言うと、警部はムッとした顔で
back next top Novels 「いいか、これからお前がこっちに来るんなら、俺は大事な用がある
back next top Novels ソフィと森村はようやくオフィスを出ると、軽くキスをしてソフィ
月夜の猫-BL小説です 花のふる日は33 BL小説 「ほう? 別荘ね。どんなしのぎで手に入れたのやらな」 もっとキモいのはこのおっさんや! 何様や思うとんのや! 千雪はまた心の中で毒づいた。 工藤のエロやろうの肩持つわけやないけど、このアンコウオヤジはすかん! 「西岡さん、別荘は工藤さんが曽祖父から譲り受けられ
back next top Novels 「周平の場合、疲労だけじゃねぇからな」 ドラッグストアで、パ
back next top Novels 「サラが」 「さら?」 良太が訝し気に聞き返すと、森村はよう
月夜の猫-BL小説です 花のふる日は32 BL小説 「今、西岡警部がおっしゃいましたよね、屈強な刑事を『油断させておめおめと殺してしまった』のが犯人ですよ。俺以外のね。渋谷さん、俺用に使てたメルアド、他に知っている人はいてへんのですか?」 すると渋谷は一瞬何かを思いついたような顔で考え込んだ。 「いい加減御託を
back next top Novels 「お前……!」 掴んだ腕が熱いのに気づいて、稔は片方の手を佐
back next top Novels 外は朝から少し肌寒く、冷たい風が通りを吹き抜けていた。 「た
back next top Novels 「実はこのことは公表していないんだが……」 今度は今にも掴み
back next top Novels 佐々木はソファに腰をおろして、しばらくぼんやりしていたが、思
back next top Novels 「おい、そんなとこ真似するんじゃないぞ、君塚」 紺野が少し焦
月夜の猫-BL小説です 花のふる日は30 BL小説 昼前には東京に入り、乃木坂にある工藤の会社で一緒に降りた千雪は、タクシーを拾ってアパートに帰り、慌てて着替えて研究室に出向いた。 「おお、小林くん」 そこでちょうど廊下の向こうからやってきた宮島教授に出くわした。 「探していたんだよ、君を。実は警察が来てね…
back next top Novels 「疲労の極致で、タクシーで行こう思て」 「お前何考えてんだよ、
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)67まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)67、 好きだから125、 花のふる日は29、 まで更新しました ■久々新刊のお知らせです。 お前にだけ狂想曲7、 お前にだけ狂想曲8
back next top Novels 「だって悔しいじゃないですか! いつまであの人の言い成りになっ
月夜の猫-BL小説です 花のふる日は29 BL小説 名探偵というキーワード、さらに容疑者が、ぼさぼさ頭に黒渕メガネ、ダサいジャージという、どこかで聞いたような人相風体に、千雪はのんびり別荘で休養しているわけには行かなくなった。 どうしても気になった千雪は、佐久間の携帯を呼び出してみた。 「あ、先輩! 今、どこ
back next top Novels 「あれ、稔さんやったら空いてるかと」 「…るさいな!」 佐々
back next top Novels 部下には無理難題を吹っ掛ける代わりに力のある者の前では平気で
back next top Novels 平造がお茶を持ってきてくれた頃、千雪はあと一息というところま
back next top Novels 「藤堂さんが調べてくれたんですけど、佐々木さんがベリスキーやっ
back next top Novels 十時からのミーティングはMBC本社会議室で行われた。 工藤
back next top Novels ACT 6
back next top Novels ACT 17
back next top Novels 「うーん、そうか、まあ、一人で抱え込んでるんだったらよくねぇぞ
back next top Novels 強盗殺人で死刑囚となった犯罪者と話をしたこともあるのだが、そ
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった67 BL小説 ふと手にしていた携帯に気づいた響は、誰かの言葉が聞きたくなった。 酔っているのでためらいもなく、一つの番号を押した。 五回目のコールで、声が聞こえた。 「響さん? どうしたんですか? こんな時間に」 「なんかさ……深淵の底から俺が呼ばれて
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった66 BL小説 女性の方が結構年上でというだけで結婚なんてあり得ないとするようなこの街で、高校教師が、しかも男同士がつきあうとか、考えも及ばないに違いない。 先生なんて呼ばれるような人間じゃないと思っていた響だが、いつの間にかそう呼ばれることに慣れてしまった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった65 BL小説 放課後は理科系の会議があるらしいし、今日は井原の顔を見ないで終わりそうだ。 もっとも響こそ、井原とどんな顔をして会えばいいかわらからなかったから、少し胸を撫でおろしていた。 ぼんやりしていたので、ドア口に人がいるのに気づかなかった。 「和田
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった64 BL小説 「へいへい。なんかこうこの部屋息が詰まりそうだから、ちょっと緊張をほぐそうとしただけじゃん」 お茶らかした寛斗のセリフを聞くと、響もこれは一息ついた方がいいかと立ち上がった。 「ようし、ちょっと休憩しよう。肩に力入り過ぎてる気もするから、寛斗、お
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった63 BL小説 何も聞かずに俺の手を握っていた井原の手はすごく温かくて。 ポトリとひとしずく、下を向いていた響の目から床に落ちた。 ほんとはすごく好きだった。 だから俺なんかといちゃいけないやつなんだって。 またひとしずく、落ちた。 もう何年も胸の奥に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった62 BL小説 だが所詮モラトリアムの中での思いの延長だ、お前の好きは自分と同じ好きではないかも知れない、響が口にしなかったのは、井原のためだと……。 いずれは井原も誰か愛する人に巡り合って、秀喜のように結婚するのだろうと。 十年越しの初恋なんかもう忘却の彼
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった61 BL小説 こいつらしくもなく何をそんな苦しそうな顔をしているんだ? 「響さん、告られたって、ほんとですか?」 「へ?」 響の方に顔を向けて、まじまじと見据える井原に、響はポケッとした顔になった。 「俺が? ああ、ひょっとして、寛斗のヤツのことか?」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった60 BL小説 三号に描かれたのはひまわりで、この店では初めて風景画以外の絵となるが、他の風景画と空気感が同じである。 「いいなあ、これベネチアの匂いがする」 「さすが、響さん、感覚的! これどの絵と取り替えたらいいと思います? これ以上飾ると窮屈そうだし」
月夜の猫-BL小説です #post_titleBL小説 「ああ、どうだった? 撮影は」 「はい、順調に終わりました。小木さんて、作家さんなのに声がよくて、気さくな人で、よくわかるように説明してくれて、俺も伊万里焼きのレクチャーなら任せとけって感じです」 良太は案外穏やかな工藤の声にほっとしたらしく、幾分声を弾ませた。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった59 BL小説 「あたしも聴きたい! 本物のピアノ!」 紀子が言った。 「アップライトなら、入らないか?」 「え、ここにか?」 井原の発言に元気は考え込んだ。 「お前無茶なこと言うなよ」 響は呆れたが、元気はうーんと唸ってから、「何とかなるかも」と言う。 「
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった58 BL小説 かぐわしい香りのコーヒーが鼻孔をくすぐると響は全身がほっとするような気がした。 「一日の仕事上がりに元気のコーヒーって、ほっとするよなあ」 隣で井原が響が考えたようなことを口にした。 「そういえば元気、相談って何?」 一口温かいコーヒーを飲ん
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった57 BL小説 エチュードの一番から三番を弾いたあと、響はスケルツォの三番を弾き始める。 細かな音が目に見えぬドレープを作り広がってゆく。 古いピアノは時折響の耳にかすかな歪みを感じさせるが、それもまた音の羅列に表情を与えていく。 最後の音を弾いてからふ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった56 BL小説 確かに青山は技巧的には巧い。 だが、曲の理解度でいえば、この曲に関わっている時間が長いだけ寛斗の方が高いだろう。 それに。 瀬戸川は寛斗と一緒にコンクールに出たいに違いないのだ。 「技巧を取るか、曲の理解度を取るかでいえば、多少下手でも
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった55 BL小説 そして忘れていたシーンの中に井原がいた。 喜怒哀楽がはっきりしていると生徒が言っていたが、すぐに思い浮かぶのは笑っている井原で、怒ったり泣いたりと言ったシーンも思い出されて、そういえば忙しいやつだったと響は苦笑する。 そんな昔の思い出に浸
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった54 BL小説 遅かれ早かれ、そうなることはわかっていたさ。 黒板消しを置くと、響は手をぱんぱんと払い、準備室に入った。 考えごとをしていたので、あっという間にガツガツと弁当を平らげた響は弁当のからをビニール袋に突っ込みゴミ箱に放ると、音楽室を出た。 そ
月夜の猫-BL小説です 夢見月32 BL小説 せっかく珍しくこのあとの予定がないのにな。 工藤がそんなことを考えていると、電話が鳴った。 結局、鈴木さんが帰っていくまで、何件かの電話で時間が潰された。 秋山とアスカは、その間に工藤と夕食を一緒にする約束をして、次の打ち合わせにテレビ局へと向かった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった53 BL小説 「キョー先生は井原先生よりなんか年齢超えてるって感じ」 「ええ?」 瀬戸川の言葉に響は首を傾げる。 「だって、制服着てそこにいてもおかしくないっていうか」 「何、俺ってオッサンになってもガキっぽいってこと?」 くすくす笑いながら瀬戸川は、「顔
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった52 BL小説 いつもの井原だ。 土曜日、急にクラウスが現れて、しかも井原といる時に、響は内心焦り、イラついた。 井原は響の説明を額面通り受け取ったわけではないような気がした。 何か言いたげな顔をしていたが、今日のあのようすではさほど気にもしていないのだ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった51 BL小説 「すみません、後ろの人、静かにしてください」 響が説明をいったん切ったところで、最前列に座っていた青山という女生徒がきりりとした声で後ろでふざけ合っている男子生徒を注意した。 一瞬シーンと静まり返ったあと、響は何ごともなかったかのように黒板に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった50 BL小説 元気は鮎をつつきながら、「パーティは俺の店でやるんだが」と付け加えた。 「元気の店でか? またライブやる?」 井原は俄然目を輝かせた。 「お前は! まあ、やる予定だけどまだ詳細は未定だ。今度みんなで話すことになってる」 「わかった、俺も混ぜろ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森8 BL小説 現れたのは工藤だった。 監督と話をしながら、良太と菜摘がこちらに歩いてくるのを工藤は見ていたのである。 そこへ、男が現れた。 「へえ、あんたが噂の工藤か。なるほど、社長が社長だからな、その大事な部下に女優のコマシ方でも教え込んでいるわけだ」 「あいにく忙し
back next top Novels 「京助ってば、ちょっとマジ過ぎない?」 香坂が肩をすくめる。
月夜の猫-BL小説です ぶなの森7 BL小説 どうせ良太がイタリアにいくことは当分ないのだから、余計なことを考えなくて済むだろう、と。 だが、よもや案外早く良太にそれが知れることになろうとは、工藤も思っていなかった。 「嫌だ…いやだってば! バカやろ…」 「何が、嫌だって?」 そんな工藤の言葉が合図のように
back next top Novels 「研修は四月からやろ? スキーは行けるな」 千雪が良太に聞い
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)146まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)146、夏が来る42 まで更新しました 2024Summer、 夏にちなんだエピソードを順次アップしています ぶなの森(工藤×良太22)6 夏のエピソードです。 かぜをいたみ87(ラスト) 最後までお
月夜の猫-BL小説です ぶなの森6 BL小説 「あいつ……、よほど、お前がキモイといっていた小林千雪だって言いたかったですよ」 戻ってきた千雪に思わず良太はぶちまける。 「あの子、工藤さんにベッタリなんやて? 良太、それで面白くないわけや」 「誰に聞いたんですか~そんなこと。わかった、アスカさんだな」
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