月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった80 BL小説 「うわっ! すみません、大丈夫ですか?」 我に返った井原は慌てて態勢を整えた。 「あ、ああ、平気」 「じ、ゃあ、よろしくお願いします」 飛び出すように部屋を出て行った井原だが、ジンジン痛む足の指もそっちのけで、そのまま洗面台まで行くと、バシ
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。傲岸不遜男×強気、野球選手×美形、業界、バンド、学園、学生、リーマン、イケオジ多。BL、ML。字書き、あきつ、絵描き、alyosha、松本悠莉で活動しております。
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月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ33 BL小説 以前、自分の書いた推理小説を一方的に千雪に送りつけてきたというか、おそらく自分でドアポケットに入れていったであろう、ペンネーム家図愛と書いてホームズラブがこの木村女史だったわけだが、自分より、相応の編集部に投稿した方がいいだろうとアドバイスをしていたが、千雪の
back next top Novels ここのところの猛暑には人間だけでなくウンザリしているようで、蝉
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ31 BL小説 「ああ、ええんや。まだ、やんの?」 「論文、明日までに提出だからな。お前はとっとと寝ろ。明日早いんだ」 そう言うと京助はまたパソコンの画面に戻る。 やから、忙しいのにわざわざ迎えなんかええ、言うたのに。 千雪は心の中で呟くが、確かに飲み過ぎて朝なかなか起きれなく
月夜の猫-BL小説です 春雷29 BL小説 「え………、アスカさん、どうかしたんですか?」 「いつもよりトーンが低かった」 さすが、工藤! 思わず良太は口にしそうになった。 伊達に鬼だのなんだの異名を取ってるわけじゃないんだ。 「そうなんですか? 秋山さん、何か言ってました?」 「いや、あいつもどこから
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ30 BL小説 「ほな、桐島にも言うとく。あいつもその頃、スケジュール入れずに帰国する言うてたし」 三田村がそう言った時、エレベーターが開いた。 二人の女性が最初に降りた。 千雪が、アレっと思ったのはその時だ。 去って行く女性の後ろ姿を見つめたが、何が引っ掛かったのかに気づい
月夜の猫-BL小説です 春雷28 BL小説 佐藤製作所は建設機械を扱う長野県では大手の企業だが、創業者二代目である社長の佐藤孝蔵が病に臥せっていて、娘婿で専務取締役の佐藤彰吾と取締役で社長とともに会社に尽くし、会社を大きくしたと言われている滝沢昭信が社長の椅子を争い、会社が二分していた、という内容だ。 ところが数
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ29 BL小説 「来はった」 辻が三田村にドヤ顔を向ける。 「まだ十時前やん」 携帯を見て千雪が言った。 「お前、明日朝イチだろうが」 ぶすっつらのまま、仕方なく千雪は立ち上がる。 「ほな、俺らも河岸変えるか?」 三田村が言った。 「せやな」 頷きながら研二も立ち上がる。
月夜の猫-BL小説です 春雷27 BL小説 「CM、アスカさんですか?」 四時半少し前に美聖堂の駐車場に入り、工藤のキャリーケースをトランクに入れ、工藤が後部座席に乗り込むと、良太はハンドルを切りながら聞いた。 アスカはこれまでも美聖堂のイメージキャラクターとして、幾度もCMの仕事をしてきている。 「ああ。プ
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ28 BL小説 「あれなあ、マジ、すごかったよな、周辺の学校の女子総出で体育館入りきらんかったもんな」 そんな昔のことまで持ち出して三田村は改めて感心したように言った。 「あんなあ、ほんまのアイドルやったはる人なんか、比べ物にならんで? いっぺん、工藤さんの車で通りかかった
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ27 BL小説 「いやいや、絶対、京助さん来はる」 「せやな、またふらっと行先も言わんとどこぞへ旅に出よったりされるとかなんし」 辻と三田村が妙に意見が合っている。 「いくら何でも、飲み会のあといきなりどこぞへ行ったりするか」 フンっとばかりに千雪はビールを飲む。 「せえけ
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)26までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)26までアップしました。かぜをいたみ(京助×千雪)26までアップしました。
月夜の猫-BL小説です 春雷26 BL小説 「ほかでもない、実は遠野に聞いて、君の知り合いで警護やなんかもやってくれる人たちがいると」 「はあ」 良太は驚いた。 「ただ、表立ってそういう仕事をしているわけではないと聞いたので、できれば君から打診してもらえればありがたいんだが」 「あ、はい、連絡は取れますが、実
月夜の猫-BL小説です 春雷25 BL小説 鈴木さんと弁当を食べ終えて、お茶を飲んでいるところへ、マックの袋を抱えて森村が戻ってきた。 「お帰りなさい」 「ただ今戻りました。ランチしちゃっていいですか? 腹減っちゃって」 森村は窓側のソファに陣取って、大きなハンバーガーとポテトを取り出した。 「コーヒー淹れるわね
back next top Novels 明日は撮影もないし、良太はデスクワークの予定なので、森村に動
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ26 BL小説 これからも研二とはこんな風に笑い合って行けたらいいと思うのだが、もし、研二に大事な人ができたら、俺の心はどうなるんや、と千雪はわからなくなる。 いやもう、匠の存在は、研二の中でそういう位置にあるのではないかという気がしないでもない。 匠の邪魔をする資格はないと
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ25 BL小説 周りからジロジロ見られるのは今に始まったことではないが、凝視されているのが千雪は気になった。 千雪が先に店を出てから五分と経たないうちに研二が出てきた。 「なあ、腹減った」 研二の顔を見るなり、千雪は甘えるように訴えた。 「マックでも寄ってくか?」 ふっと笑み
back next top Novels 「ねえ、秋山さんは?」 休憩に入ってっすぐ、アスカがやってき
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ24 BL小説 翌日、大学から戻ると、ユニフォームのように着ているオヤジジャージをデニムと黄なりのシャツ、麻の薄いブルーのジャケットに慌てて着替えて千雪は日比谷の芝ビルへと出かけて行った。 『やさか』が混んでいるかどうかは、ガラス張りの通路の方から行けばわかるだろうと、千雪は
月夜の猫-BL小説です 春雷22 BL小説 ってか、それが当然なんだけど。 個人情報っつか、プライバシーの問題だし、宇都宮さんも俺も知らなかったわけで。 いくら内輪だからっても、もちろん亜弓は口外するようなヤツじゃないとはいえ、何だかやたらいろんなこと亜弓の前で暴露されちゃったな。 あーあ、こうなったらもうなる
月夜の猫-BL小説です 春雷21 BL小説 「わかった。やっぱりお母さんたちの反応を見て、話してみるといいよ、お兄ちゃん」 「え、いや、だから………」 俺と工藤は違うんだとは、口に出してまたアスカや沢村に何か言われるも嫌だったので、良太は言葉を飲み込んで小さくため息を吐いた。 いずれにせよ沢村と佐々木さんのことは
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ(京助×千雪)23までアップしました BL小説 かぜをいたみ(京助×千雪)23までアップしました。春雷(工藤×良太)20までアップしました。「かぜをいたみ」は工藤と良太のシリーズとのリンクなどで、時系列的なことや、一部内容のすり合わせをしたため、修正してアップしていますが、
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ23 BL小説 工藤から電話が入ったのは、シャワーを浴びて短パン一つでタオルを首に引っ掛けたまま、冷蔵庫から炭酸水を取り出して飲んでいた時だった。 「大澤には釘を刺しといた。お前に絡んだら降ろすってな」 千雪が電話に出た途端、工藤は言った。 「あいつもやけど、安西とかいうヤツ
月夜の猫-BL小説です 春雷20 BL小説 少しは落ち着いたんだろうか、とアスカの顔を見て良太は思う。 「しょうがないなあ。ってか、パンツって……」 女性用のパンツをコンビニで買うというのはいささか抵抗があったが、仕方がないと良太は立ち上がる。 「秋山さんはすぐ買って来てくれるわよ」 「はあ、わかりましたよ。
月夜の猫-BL小説です 春雷19 BL小説 「ああ、いや、まだ、なんですけど」 その時、沢村が二本目の酒を開けようとしているのに気づいた良太は、「おい、もう、開けるな。その辺にしとけ」と忠告する。 「酒くらい飲ませろよ」 沢村は良太の忠告など無視して既にグラスに注いでいる。 「いったいなんだ?」 電話の向こうで
月夜の猫-BL小説です 春雷(工藤×良太)18までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)18までアップしました。かぜをいたみ(京助×千雪)22までアップしました。桜の季節も終わってしまいましたね~
月夜の猫-BL小説です 春雷18 BL小説 いや、佐々木とMLBを天秤にかけて、沢村は佐々木を取ったのだろう。 この話はおそらく、佐々木には伝えていないに違いないと良太は思う。 もし知っていたら、佐々木はとっくに沢村にMLB行きを勧めたに違いないのだ。 「だから行く気はないんだって。そうだ、お前、そのこと絶対
月夜の猫-BL小説です 春雷17 BL小説 「佐々木さんのお母さんにはまだお試し期間だろうが」 怖そうな佐々木の母親を頭に思い浮かべながら、良太は言い返す。 「大体、お前はそう軽々しく口にするな! 佐々木さんの立場ってものもあるんだからな。それに、沢村のオヤジさんに知られたらまずいだろう」 「んなこたわかってる
月夜の猫-BL小説です 春雷16 BL小説 「るせえな、こいつはとっくに俺を振ってオヤジに入れ込んでんだよ」 「おい、沢村!」 聞き捨てならない暴言を吐く沢村を、良太は睨み付ける。 工藤とのことは亜弓にははっきり言ったわけではないし、良太としてはしばらくは曖昧のままで行きたかったのだが。 「ちょっと、それっ
月夜の猫-BL小説です 春雷15 BL小説 「ここんとこずっと会えなかったし、今夜も撮り直しで、スタジオだって言うから、迎えに行くつもりだったのに」 沢村が案の定な不満を口にする。 「バカかお前は!」 思わず良太は沢村を詰る。 「何でお前まで佐々木さんと同じことを言うんだ」 ムッとした顔で、沢村は言う。 「当
月夜の猫-BL小説です 春雷14 BL小説 沢村はまたグラスに酒を注ぐ。 全くさっきのアスカの仕草を見てきたかのように、沢村は注いだ酒を飲み干した。 体格が違うとはいえ、水のように酒を流し込む沢村を、良太はある意味感心して見つめた。 「東洋グループのCMはもう終わったんだろ? こないだあのオバサン以外、誰も文句つ
月夜の猫-BL小説です 春雷13 BL小説 「アスカさん」 良太は少し驚いた。 「え、何コレ……」 アスカは指で拭うのだが、涙はあとからあとから溢れて落ちる。 その様子を見た亜弓がアスカにそっと寄り添うようにその肩を抱いた。 酒のせいもあったのだろうが、気が強いところしか見たことのないアスカがしばらくしゃくり上
月夜の猫-BL小説です 春雷12 BL小説 「良太が宇都宮さん振ったとこに、たまたま、出くわしたんだって。秋山さん」 アスカは秋山のことを一応弁明したつもりのようだが、良太としてはまさかこんなところで亜弓に知られるとは思いもよらなかった。 「ちょっと! お兄ちゃん! ほんとなの? 宇都宮さんに告られた?
月夜の猫-BL小説です 春雷11 BL小説 「何か最近、秋山さん、ちょっと変じゃないかなと思って」 良太に向き直り、アスカが言った。 「秋山さん?」 アスカの口から意外な方向の話が出たので、良太は聞き返した。 「そう。スキー合宿から帰ってから」 「ええ……?」 帰ってからまだ二週間も経っていないし、秋山と顔を合
back next top Novels 「うん……教員だから、彼女隠れたりしないって、毅然としてるけど
月夜の猫-BL小説です 春雷9 bl小説 良太は駐車場に車を入れると、亜弓とともにエレベーターで部屋に上がる。 「きゃあ、ナータン、わ、可愛い、ちびちゃん!」 ドアを開けるなり、まとわりついてきた二匹は亜弓にも物おじせず、ナアナアと鳴く。 亜弓がチビを抱き上げたので、良太がナータンを抱いて例のドアを気にしながら中
back next top Novels 千雪はそして大澤の手にあるのが自分の眼鏡だということも瞬時に
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ21 bl小説 あんなチャラ男でも演技ができれば俳優と呼ばれるわけや。 千雪が漠然とそんなことを思ったように、大澤と紹介されたあのチャラ男はプロデューサーや俳優たちに妙にちやほやされていた。 「あなた、どなたです?」 「んなこたどうだっていい!! どんだけ出せば、よかったっ
月夜の猫-BL小説です 春雷8、かぜをいたみ20までアップしました BL小説 春雷(工藤×良太)8、かぜをいたみ(京助×千雪)20までアップしました。 かぜをいたみ、で、act 2 から、少し変更がありました。工藤と良太のエピソードとリンクしているため、修正をしつつアップしております
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ20 BL小説 「先生、こちらへどうぞ」 先ほどのプロデューサーが千雪を促して工藤の横に座らせた。 それぞれの紹介がなされ、千雪は俳優陣を見渡したが、ほとんど知らない顔ばかりだ。 ただ一人、何となく見覚えがある顔があった。 映画では青山プロダクションの志村嘉人が演じている役
月夜の猫-BL小説です 春雷8 BL小説 「どうかしたの?」 コートを受け取ってやってきた亜弓が聞いた。 「先ほど山内様が、広瀬様の分もとおっしゃって」 良太はそれを聞いて、しまった、と思う。 あーあ、ひとみならやりかねない。 また、お礼しとかないと。 「車を取ってくるから、ちょっと待ってて」 二人を店内に待た
月夜の猫-BL小説です 春雷7 BL小説 「そうよね、お兄ちゃんって何にも考えないで直球ばっか投げるから、沢村のやつにいっつもホームランにされてたし」 「何言ってんだよ! 三振取ったことだったあるし、いっつもホームランなんかじゃないだろうが」 つい語気が強くなる良太に、亜弓は「これだもんね」と木村を見た。
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ19 BL小説 映画同様全面的に工藤に任せてあるので、千雪は脚本やキャスティングにも一切口を挟むことはしていない。 まあ、顔合わせに行くからには、脚本家の西村や監督の大秦らにも挨拶くらいはするつもりだが。 それにしても、工藤に押し切られて映画化された『花のふる日は』は千雪の
月夜の猫-BL小説です 春雷6 BL小説 「そりゃ、仕事で世話になっているからな。今のロケも宇都宮さんとうちの小笠原だし」 「え、そうなの?」 亜弓の声のトーンが上がる。 「あのさ、今は木村さんとお付き合いしますって話だろ? 木村さんに対して失礼だろ」 すると亜弓もちょっと肩を竦める。 ここで木村も仕切り直した
back next top Novels 「前にドラマにも出てたって言っただけよ。だって、ほんとのことで
月夜の猫-BL小説です 春雷4 BL小説 「うわ、ここ知ってる! 五つ星レストランじゃない?」 Blancという名前の通り、外装も内装も白を基調としたシンプルな造りで、テーブルや椅子も非常にシンプルなデザインだ。 「お兄ちゃん、大丈夫なの? ここ高いでしょ?」 店に入る前に亜弓が良太にこそっと耳打ちした。
月夜の猫-BL小説です 春雷3 BL 自分に紹介するということは、今までの経験から亜弓はおそらくこの男と付き合っているのだろうと良太は理解した。 ただ、ここ数年そういうことはなかったのは、やはり家のことで色々があったからだろう。 両親はまさしく能天気なだけあって、どんな環境にあっても二人で楽しく生きて行ける人達
back next top Novels 宇都宮も小笠原も気合が入っていて、ワンシーンの撮影ごとに、監
月夜の猫-BL小説です 春雷1 BL小説 金曜日は雨になった。 工藤は朝イチの新幹線で大阪へ向かったはずだ。 大阪に本社を置く製菓会社の会長と藤田を介して近年親しくなり、工藤はちょくちょく呼ばれて出向いている。 青山プロダクションに在籍する若手人気俳優南澤奈々を起用する予定でCMプロジェクトが動き始め、京都
月夜の猫-BL小説です 春雷 BL小説 花さそう」の後になります。 早朝からドラマのロケの撮影があるというのに、夜中に工藤に強襲された良太は、出がけに鏡を見て首筋に痕を見つけると、とっくに出かけてしまった工藤に文句を言った。朝イチの新幹線で大阪に向い、週末はそのまま関西空港からCMプロジェクトのためにオーストラ
月夜の猫-BL小説です 花さそうラストまでアップしました BL小説 花さそうラストまでアップしました ちょっとまた長々となってしまいました。 最後までお付き合い頂き、ほんっとうに、ありがとうございました 次回からは、花さそう、の続きではありますが、新たに、春雷(工藤×良太)を予定しております。 また、途中で止ま
月夜の猫-BL小説です 花さそう78(ラスト) BL小説 それに、亜弓はどうやら良太と工藤との関係に気づいているようだ。 良太ももうごまかすつもりはないのだが。 けれどやはり、相手が工藤だということより、沢村と佐々木のような明確な恋人同士ではなく、微妙な関係だということが良太にとってはネックだった。 それを言葉に
月夜の猫-BL小説です 花さそう77 BL小説 竹野が小林千雪の小説のファンだということで実現したドラマ出演で、そのために急遽老弁護士シリーズ十周年記念番組などというサブタイトルを取ってつけられて今さらコケるわけにはいかず、さらに竹野の希望で原作者との対談が用意された。 ドラマの宣伝番組で十五分ほどだが、無論
月夜の猫-BL小説です 花さそう76 BL小説 絶対起きざるを得ないだろうヘビメタがジャカジャカ鳴り始めて割とすぐに、良太は目を覚ました。 かなりぐっすり寝た気がして頭も結構すっきりしている。 良太はトイレとシャワーを済ませると、そういえば工藤は夕べ隣に帰ってきたのだろうかと思いながら、バスローブのまま冷蔵庫
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ23(ラスト) BL小説 賑やかな夜宴はちょうど日が変わる頃にお開きになったが、折角きれいだからと、井上が朝までライトアップをそのままにしていったお蔭で、工藤の部屋からも桜を見おろすことができた。 風に舞い上げられた花びらはともすると七階のベランダまで飛んできている。 工藤は
月夜の猫-BL小説です 花さそう75 BL小説 「なんか、思ったんだけど、日本人てやっぱり礼儀正しいっていうか、なんかストイックですよね、恋人同士でも、小笠原さんと美亜さん、休憩時間に二人でいてもハグするとかキスするとかもなくて静かに話してるって感じだし」 美亜がスタジオにいたのは、坂口の妙案で急遽小笠原と接近
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ22 BL小説 青山プロダクションの裏庭で、仲間うちの花見が行われたのは、もう明日には花が散ってしまうかもという寸前の夜のことだった。 少し蔭になっていたからか、桜は開花が遅かった分、散るのも待ってくれたかのようだ。 撮影でいない小笠原と真中や軽井沢の平造を除く会社のほぼ全員
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)74までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)74までアップしました。花びらながれ(工藤×良太)21までアップしました。 花びらの囁き、ラストまでアップしました。
月夜の猫-BL小説です 花さそう74 BL小説 汐留にあるスタジオを出ると、森村は環二通りから六本木通りへとすっかり慣れたショートワゴンのハンドルを切った。 「今日は豪勢でしたね~。お陰で撮影も着々と進んだし」 真夜中を超えるだろうと思われた撮影は何と、十一時を過ぎるか過ぎないかのところで終わったのだ。 坂口や
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ21 BL小説 「市川さん!!!」 倒れている市川に駆け寄った良太が、ふと見上げると白髪交じりの年配の男が見おろしている。 「あんた上田?!」 幸い段数が多くなかったせいか、市川はすぐ良太に気づいて身体を起こした。 「広瀬さん!!」 良太にしがみつく市川を見おろしていた上田は
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった80 BL小説 「うわっ! すみません、大丈夫ですか?」 我に返った井原は慌てて態勢を整えた。 「あ、ああ、平気」 「じ、ゃあ、よろしくお願いします」 飛び出すように部屋を出て行った井原だが、ジンジン痛む足の指もそっちのけで、そのまま洗面台まで行くと、バシ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった79 BL小説 「おい、気をつけろよ、望遠鏡、高かったんだから」 「大丈夫っすよ」 「本かよ、この箱、えっらい重い」 やがて玄関が開いて、口々に言い合いながらそれぞれ荷物を手に豪、東、最後に井原が入ってきた。 「あ、響さん、貴重な休みにありがとうございます!」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった78 BL小説 面と向かってどんな顔をすればいいのだろうとは思うのだが、響はそれ以上に会えるかどうかが気がかりだったのだ。 多少ぎくしゃくするかもしれないが、少なくとも仲間としては付き合っていってくれると考えていいのだろうか。 元気には泣きついて、いい加
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった77 BL小説 元気のきつい言葉は井原の身に染みたが、響のお断りが、荒川のせいだと思いたかった。 今度こそ、失敗はしない。 第一、引っ越しにしても、要は響と二人で会いたいという単純な目的のためといっても過言ではなかった。 それを言ったら、元気に鼻で笑われ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった76 BL小説 「響さんが荒川先生に理不尽なことを言われているのをたまたま瀬戸川と青山が聞いて、怒った彼女たちが寛斗も巻き込んでクラスでウエーブやらせて、荒川先生をとっちめたんだよ、響さんのために」 元気は淡々と続けた。 「響さんは荒川先生の言ったことを真に受け
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった75 BL小説 「しかし今の子はすごいねぇ」 元気はハハッと笑う。 「紀ちゃんがいたら、ジジクサって言われるぞ」 東が肩眉をあげて忠告した。 「高校生から見たらオッサンだろ、俺らなんか」 「まあな。それより、俺肝心なこと聞いてないっつうか、荒川先生キョー先生に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった74 BL小説 「あ、荒川センセ」 引き留めた寛斗をそれでも荒川は振り返る。 「あんまし、深く考えない方がいいよ。新任への手荒な洗礼ってよくあることだし、ただのいたずらだから! 俺先生の授業わかりやすくて好きだし」 こいつはどこでもうまく生きて行けるやつの
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった73 BL小説 「そうですね、それは思いました」 整然と瀬戸川が言った。 「でも、寛斗に話したら、じゃあ、ウエーブやろうぜって言うのに、咄嗟にそれ以外思いつかなくて、賛同しました」 「あ、俺はさ、クラスのみんなに、キョーちゃんがどうのとか話したわけじゃなくて、
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった72 BL小説 響や東の在学時にもウエーブの伝説は伝えられていたが、もどきをやったクラス数名がいたくらいで、それもサボりたいだけの動機だったから、相手にもされなかった。 「ウエーブって、マジで?」 意外過ぎる出来事に響も唖然となった。 「らしいです。ちょっと職
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった71 BL小説 「こないだ来たやつ、その酒くれたクラウスなんか、妻子あること隠してやがって、とどのつまり絶交したんだけど……俺が来るもの拒まずでつきあってたのが悪かったのかも………ほんと、ロクなことなかったな」 はああと響がため息をつく。 「そんなこんなで十年…
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった70 BL小説 マグカップにコーヒーフィルターをセットし、お湯が沸くと、元気はゆっくりと湯を注ぐ。 「キッチンとバスルーム、増築して正解でしたね」 「まあ、そっちも狭いけど」 「そりゃ、ヨーロッパ辺りと比べるとウサギ小屋かもだけど、俺からすれば十分広い」 香
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった69 BL小説 「今度は、少しずつ間を詰めて、絶対ポカしないつもりだったんだ。でも、あの金髪野郎が現れて、俺、頭に血が昇っちまって、つい、告るの早まったのかも」 井原はやはり響しか見えていないらしい。 「お前さ、外野のことも少しは考えた方がいいんじゃね?」 「外
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった68 BL小説 完全に酔っぱらって口にしている言葉が理解できていないのが元気にもわかった。 「こんな田舎で、男同士で、教員同士で、リスクが高いって、まあ、そりゃそうだなって」 響はハハハと笑う。 笑うのだが涙がぽろぽろ零れるのを拭いもせずまた酒をマグカップに
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった67 BL小説 ふと手にしていた携帯に気づいた響は、誰かの言葉が聞きたくなった。 酔っているのでためらいもなく、一つの番号を押した。 五回目のコールで、声が聞こえた。 「響さん? どうしたんですか? こんな時間に」 「なんかさ……深淵の底から俺が呼ばれて
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった66 BL小説 女性の方が結構年上でというだけで結婚なんてあり得ないとするようなこの街で、高校教師が、しかも男同士がつきあうとか、考えも及ばないに違いない。 先生なんて呼ばれるような人間じゃないと思っていた響だが、いつの間にかそう呼ばれることに慣れてしまった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった65 BL小説 放課後は理科系の会議があるらしいし、今日は井原の顔を見ないで終わりそうだ。 もっとも響こそ、井原とどんな顔をして会えばいいかわらからなかったから、少し胸を撫でおろしていた。 ぼんやりしていたので、ドア口に人がいるのに気づかなかった。 「和田
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった64 BL小説 「へいへい。なんかこうこの部屋息が詰まりそうだから、ちょっと緊張をほぐそうとしただけじゃん」 お茶らかした寛斗のセリフを聞くと、響もこれは一息ついた方がいいかと立ち上がった。 「ようし、ちょっと休憩しよう。肩に力入り過ぎてる気もするから、寛斗、お
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった63 BL小説 何も聞かずに俺の手を握っていた井原の手はすごく温かくて。 ポトリとひとしずく、下を向いていた響の目から床に落ちた。 ほんとはすごく好きだった。 だから俺なんかといちゃいけないやつなんだって。 またひとしずく、落ちた。 もう何年も胸の奥に
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった62 BL小説 だが所詮モラトリアムの中での思いの延長だ、お前の好きは自分と同じ好きではないかも知れない、響が口にしなかったのは、井原のためだと……。 いずれは井原も誰か愛する人に巡り合って、秀喜のように結婚するのだろうと。 十年越しの初恋なんかもう忘却の彼
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった61 BL小説 こいつらしくもなく何をそんな苦しそうな顔をしているんだ? 「響さん、告られたって、ほんとですか?」 「へ?」 響の方に顔を向けて、まじまじと見据える井原に、響はポケッとした顔になった。 「俺が? ああ、ひょっとして、寛斗のヤツのことか?」
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!6 BL小説 「良太、どうかしたか?」 いきなりドアを開けられて、良太は慌てて洗面台の湯を出すとバシャッと顔を洗う。 「何でもないです」 泣き顔を見られたのが恥ずかしくて、良太はタオルでごしごし顔をこすりながら工藤の横を通り抜けた。 寝室のベッドにふてくさ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Buon Viaggio!5 BL小説 何だよ、チクショ! 夕べはエロっぽいことばっかやりやがったくせに! ずっと撮影が続いていたし、険悪状態だったから、工藤に触れられた途端、良太はあっけなく力を吸い取られたみたいになって、泣かされどおしだった。
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!4 BL小説 あちゃ~ 良太は思わず天を仰ぐ。 隣で工藤も苦笑いを隠せない。 「工藤さんまで笑うことないだろ」 良太も携帯を取り出して、数枚写真を撮った。 「まあ、お前に芸術的な観点からものを言えなんて言わないさ」 「バカにして!」 荘厳な雰囲気の中
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!3 BL小説 良太とスーツケースじゃ、どっちを取るかなんて聞くまでもないだろう。 残念ながら工藤のそんな心の呟きは良太には聞こえないらしい。 それにしても工藤の身の回りのものといって、ちょっとやそっとのシロモノではないだろうに。 それに鈴木さんへの土
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!2 BL小説 そこへちょうど現れたエンツォが空港へ行くなら送っていくと言ってくれたので、渡りに船と、良太はエンツォの車で空港に着いたのだ。 ところがジェノバの空港へ慌てて良太を追いかけてきた工藤は良太と一緒にいたエンツォを殴り倒した。 どうせならと、秋山ら
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!1 BL小説 ぷりぷりしながらホテルの部屋に戻ってきた良太は、思わずベッドに蹴りを入れる。 ミラノでも超一流のホテルの一室。 一人だったら到底泊まるなんてこと考えもつかないだろう、広い寝室やリビング、それにバスルーム。 これでいわゆるデラックスツインだ
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!(工藤×良太6) BL小説 良太を追ってきた工藤は、空港で動きを邪魔するトランクをほっぽり出して良太を探し、良太を誑かそうとしていたエンツォを殴り、良太とともにミラノにやってきた。 働きすぎだから、二人で休暇を楽しむようにとチケットを用意した部下の秋山
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog4(ラスト) BL小説 物心ついた頃から、家には犬もネコもいろいろいた。 良太が拾ってきたのもいるが、日がな一日野球にかまけている良太より、大概ご飯をやる母親に懐いていたものだ。 もう今はない自分の家を思い出して、しばし感慨にふける。 良太が学生のとき、大学でクラ
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog3 BL小説 意固地になってろくに口も聞いていない。 どんどん、遠くなる気がする。 工藤…… その時また、加絵が飲み物を持って工藤に寄り添うのが見えた。 工藤のバッキャロ!! 「良太ちゃーん、そろそろラスト行くよ」 「ハイッ!」 キショーメ、こうなったら、せめて
月夜の猫-BL小説です ぶなの森16(ラスト) BL小説 ゆらゆらと揺れるベッドの上で良太は素っ裸でぼんやりとあたりを見回した。。 「飲むか」 シャワーを浴びて、腰に一枚タオルを巻いただけの工藤が差し出したボトルを受け取ると、ちょっと身体を起こして半分程飲んでからそれがビールだと分かる。 「人非人! 腐れ
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog2 BL小説 「お~~い、良太ちゃ~~ん」 なんてすぐ傍で呼ぶ声に頭を上げると藤堂がにこにこと振っている。 「疲れたかな? あと一分張りだからね。もう、バッチシだよ、良太ちゃん。特にこのリヴィエラに入ってから、神がかり的! 飲み物は?」 「あ、いえ、もう……冷たくてオイ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森15 BL小説 工藤についてクルーザーに乗り込むと、「あの、どなたの接待なんですか」と良太はあらためて聞いた。 だがコックピットの工藤は、「出すぞ」と言っただけで、クルーザーはあっという間に沖へ出て行った。 いきなりの青い眩しさに良太の視界が一瞬とぎれる。 やがてエンジ
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog1 BL小説 アイスカフェラッテ、暑い夏の日にはぐいっと一杯、思わず、く~~~~~~~~~っつと言いたくなるくらい、とっても美味いんだけど…。 「OK! ちょっと休憩しよう。あとワンカットね、良太ちゃん」 ディレクターのその言葉に、広瀬良太はふ~~~~っとひとつ大きく
■Cat&Dog(工藤×良太5) 工藤×良太、初期のエピソードです。(R18) 良太はカフェラッテのC
月夜の猫-BL小説です ぶなの森14 BL小説 いや前田はやや年をとった感があるが、その分この店自体が﨟長けた雰囲気を醸し出している。 子どもの頃、曽祖父に連れられて入った横浜の古いバーに似たところがあってこの店に足を向けるようになったのだが、工藤にとっては思いのほかいつ来ても落ち着ける場所のひとつになっ
月夜の猫-BL小説です 花火(工藤×良太37) BL小説 八月に入って最初の土曜日、広瀬良太は後部座席にさっきから携帯で明らかに不機嫌そうな声で相手とああだこうだと話している工藤高広を乗せ、首都高速都心環状線を江戸橋ジャンクションから首都高速六号線に乗り、ジャガーを走らせていた。 ほとんど良太仕様のように
back next top Novels 「なーんか、変よね」 つんけんしているわけでもなく、良太は実
月夜の猫-BL小説です ぶなの森12 BL小説 「ああ、えっと『ぶなの森』無事オールアップです。あ、俺、明日、ヤギさんと『知床』の打ち合わせで……」 とっとと立ち去りたいばかりの良太は適当なことを並べ立てる。 「今夜はあいてるんだろう。メシでも食うか」 良太の言葉を遮るように、工藤が言った。 「……長い
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に151 BL小説 「ああ、はい、えっと、カリカリもレトルトも冷蔵庫の上のかごに入れておくので、まあこのくらいずつ」 この人ほんとに世話してくれるつもりなのか。 良太はまだ半信半疑で工藤を見た。 良太が猫たち用のテーブルの上に器に盛ったカリカリを置くと、猫たちははぐはぐと
月夜の猫-BL小説です ぶなの森11 BL小説 「お疲れ様でした~」 スタジオを出たところで、良太に声をかけてきたのは花束を抱えた菜摘だった。 スタジオでの撮影も無事クランクアップし、良太もやっと肩の荷が下りたはずだが、どうも気分の方は上昇する気配がない。 「菜摘さん、お疲れ様でした。またドラマの打ち上げ