骨と人魚11 -九月の人魚-(番外)
骨と人魚11 -九月の人魚-(番外)ある九月の 月明かりが海の底に届きそうに眩しい夜のことでございました しじまがだけが果てしなく呼応し広がる冷たい水底で珍しい貝の卵から孵ったばかりの小さな人魚は魚の尾ではなく二本の人間の足を持っていましたあれはまだケアラシが海面に立ちこめる凍てつく冬のことでした汚れた人間の世界を疎い悲しんだひとりの若い女はこれから生まれてくる愛しい我が子にはどうか陸(くが)とは違う...
2022/09/01 21:34
メインカテゴリーを選択しなおす
#骨と人魚
のブログ記事