【八つ墓村埋蔵金伝説の研究④】村のモデルは津山にあらず
ここからは「八つ墓村」のモデルとなった実在の土地や事件、伝説などを紹介し、創作の裏側に迫っていくことにしよう。 横溝正史がこの小説を構想するにあたって、かつて岡山県で発生した大量殺人事件から多大なインスピレーションを受けたことは、ミステリーファンなら知らぬ者がいないくらい有名な話だ。 その事件とは、いわゆる「津山三十人殺し」(別名・津山事件)である。 横溝正史を戦慄させた津山事件 日中戦争開戦の翌年にあたる1938年(昭和13年)の5月21日未明、岡山県北部の旧西加茂村(現在は津山市の一部)の山間集落で、都井睦夫なる21歳の青年が猟銃や日本刀を使って民家を次々と襲撃。一夜に
2023/10/20 19:13