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七瀬先生は、30半ばくらいに見える髪をシニヨンにまとめた小柄な女性であった。 「初めまして。七瀬です。五藤先生からお話は伺っています」 七瀬先生と対峙して、何か話そうとしたら、まず涙が流れてきた。 先生は黙ってティッシュを差し出した。 「私は… 私は…」 それから私は涙と共に、今までの苦しみを途切れることなく吐き出していった。 気持が落ち込み、体も重くて疲れて毎日辛かった事。育児や家事が十分できなくて 夫や子供に申し訳なくて仕方がなかった事。死にたい気持ちで苦しくて 仕方がなくなることがあること。悲嘆、焦り、自責、絶望、苦悶… ずっと抱えてきて、かつ外に出すことができない感情だった。 五藤先生…