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子犬ばりに元気な不登校中学生!WISC-IV 知覚推理(PRI) IQ:141/処理速度(PSI)104の凸凹のんびり屋。フォルケホイスコーレで人生を謳歌中!自作のショートショートや絵、写真でへんちくりんな心象風景を刻みます。

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2023/04/28

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  • 空はどこまで

    空、どこまでが空なのだろう。キリンよりも上だろうか。ヤシの木よりも上だろうか。富士山よりも上だろうか。富士山に登ってみる。まだ上に空はある。息が苦しいが、考える。どこまでが空だろうか。あそこのクマみたいな形をした雲のところまでが空だろうか。それより上の、亀のような形のよりも上だろうか。宇宙へ行く一歩て前までのところが空だろうか。でも、空と宇宙に境界線なんてないはずだ。宇宙も、空なのだろうか。息が苦...

  • 現実

    「おほしさまって、とってもキラキラ。きれいだなあ、欲しいなあ・・」「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」...

  • 宇宙石

    石を空へと投げる。それは一瞬消えて、また数秒後に帰ってくる。綺麗な宝石になって。また石を空へ投げる。それは地球を越え、宇宙へと飛び出し、アッポキン星へと届く。アッポキン星では、石を受け取って、届いた石の願いが強いほど輝く宝石を、地球へとまた投げる。地球にはその数秒後、宝石がことん、と落ちる。また石を空へと、宇宙へと、アッポキン星へと投げる。宝石がことん、と落ちた。...

  • 個性釘

    僕はDIYが好きで、よくホームセンターへ行く。そこでは、色々なネジや釘から、木を加工するためのすごい機械など、さまざまなものが揃っている。釘を買っておこうかと、釘コーナーへ行く。いつものを買おうとすると、その横に『反対釘』『反発釘』『逃亡釘』といった釘が置いてあった。(なんだそれ)でも、ちょっと面白そうだったので僕はその『反対釘』『反発釘』『逃亡釘』を買うことにした。というわけで、今から椅子を作るに...

  • まほうのきゅうり

    あるところに、きゅうりしかない貧しい家があったと。毎日毎日食卓に並ぶのはきゅうりばかり。子供達にはもっとおいしいものを食べさせてやりたい、そう母さんは思ったそうな。とうとう母さんは、また今日もきゅうりを刻もうとしている自分に、泣けてきてしもうた。その涙のしずくが、きゅうりに一粒落ちた。母さんは、泣いていても仕方ないと、目を擦り、きゅうりを切ったと。すると、なんということであろう。輪切りにしたきゅう...

  • 新種たち

    ミクレルなんて、いるはずないと思っていた。でも、僕は見てしまった。コップに頭を突っ込んでいるマグロを。コップに頭を突っ込むマグロ、それすなわち、ミクレルである。まあそれが砂に鼻を埋めるイタチだと、クパホンボになる。地球をかじって楽しむロバは、ユクリシアだったろうか。まあ僕はそのミクレルを、焼いて食べた。それから、ミクレルが頭を突っ込んでいたコップに麦茶を入れて飲む。なんだか魚臭かったので、レモネー...

  • 本当の友達

    寂しがりやの虫がいました。誰かがずっとそばにいてくれたらいいのに。寂し虫は毎日毎日そう思っていました。でも、ある時、寂し虫は自分にくっついている虫がいることに気づきました。自分が右に動くと右に動き、左に動くと左に動く。寂し虫がまさに望んでいたことです。寂し虫はとっても喜んで、それから二匹は友達になりました。でも寂し虫が「さあ、お昼にしようか」と言った時には自分の友達がとっても小さくなっていました。...

  • ひふかプロット

    ひふかにいった。「すみません、ここに毒を注入していただけますか」「あーはいはい」医者が注射をしたところには、早くも赤いぶつぶつが痛々しくできている。痛いが、これでいいのだ。「ありがと・・っつうございましたぁっ痛え」そして、そこから100メートルほど先の皮膚科に行く。「あのう、すみません・・」「あ、君ね。入って入って」医者は僕を検査すると、ニヤリと笑った。「君、これ重いねえ。治療費300万かかりますが」「...

  • 蝉は待つ

    蝉の命はせいぜい1週間である。でもこの蝉は、2週間も3週間も1ヶ月も、生き続けた。まるで誰かを待っているみたいに。ついにその蝉は鳴くのをやめた。そしてその場所で動かず、また1ヶ月が過ぎた。蝉の体はもうとっくに限界を超えているだろう。でも、その黒い目だけは、輝きを放っていた。それから1年過ぎて、夏がまた巡ってきても、まだその蝉は木に留まっている。と、その時、地面から一匹の蝉の幼虫が這い出してきた。蝉の幼虫...

  • 地球卵

    ある日、地球が殻に覆われていた。ちょうど卵のような形で、冷たく銀色に光っている。地球は真っ暗だった。(このままではだめだ、野菜も育たなくなるし木も光合成ができず、酸素がなくなってしまう)ある科学者は、人工太陽を作ろうとした。だが、それには莫大な費用と多くの犠牲が必要となった。何度も実験に失敗し、その周辺が焼き尽くされた。危険すぎる材料が運搬途中で漏れ出し、その周辺一帯焼け野原になった。だが、太陽が...

  • 野菜運動会

    さあ、野菜の運動会が始まりました!まずはリレーです。現在、レタスくんがリードしています。おお、きゅうりちゃんもいい勝負だ。うおっ、突然にんじんくんがごぼう抜き!ごぼうを次から次へと引っこ抜いています。や、もやしくんが本当にごぼう抜き!速い速い、レタスくんもきゅうりちゃんも追い越して・・もやしくんが一位ゴール!やっぱり足が早い野菜は強いですね。...

  • 便箋の犬

    便箋の隅にたびたび現れるこの犬は、いつも飢えている。その便箋に文を書くと、文字が全部食べられてしまう。特に、犬の好物であるハムやチーズ、肉などの食べ物を書いたときにはもう狂ったように文を取り込み始める。そいつを撃退しようと、ある男が立ち上がった。いや、立ち上がらなかった。座って、ただ便箋に文字を書き連ねていくだけで良いのだから。男は次々に書いた。犬の好物を。犬は勢いよく食べ始めるが、10個あたり文字...

  • ぎいぎい猿

    玄関の扉がギイギイ言うと思ったら、ぎいぎい猿がくっついていた。この時期は、ぎいぎい猿が増えて本当に困る。耳障りな音なので、外にほっぽり出そうかとも考えたがそうしたらまた誰かの扉でぎいぎい言うのだろう。僕はぎいぎい猿と同居することにした。相変わらず僕がドアを開けるとギイギイ。でも、いつもは誰も出迎えてくれない玄関でぎいぎいと言う声がするのはなんだか嬉しかった。僕は初めてぎいぎい猿にバナナをあげること...

  • 象石器時代

    眠たいぞうがいた。眠たいぞうは岩の隙間に、ほとんど落ちるようにして入り、眠った。だが、選んだ場所がいけなかった。段々とぞうに苔やキノコが生え出し、おまけに貝の類もくっつき出した。段々とぞうは硬く黒ずんできた。そうとも気づかずに、ぞうは眠りこけている。眠たいぞうがいた。眠たいぞうは岩の隙間に入ろうとしたが、もう埋まっていたので他の場所を探そうとした。でもぞうは歩く気力がなかったので、その場所でどすん...

  • ゆうふぎゅう

    ゆうふぎゅうというのが、巷で流行った。ゆうふぎゅうを飼うと、ゆうふくになれるらしい。でも、だんだんと有夫の人しか裕福にしないことがわかってきた。「独身の気持ちも考えなさい!」「全員を平等に裕福にしてよね」世間の声は冷たかった。ゆふーん、ゆふーんと悲しそうになくゆうふぎゅうは、すべて野に帰っていった。今でも、ゆうふぎゅうは、てんとう虫や熊たちの夫婦を裕福にしているかもしれない。...

  • 花との戦い

    「あの花が咲いたら、結婚しよう」そう言ったのは私の彼氏。いや、彼氏だった人。そして、その言葉は、今の彼女に向けて発せられていた。もちろん今の彼女は嬉しそうにしている。悔しい。くやしいくやしい!私は花に語りかけた。「お願い。咲かないで。お願いだから」毎日毎日、それを繰り返した。「お願い。咲かないで。私のために・・」「うーん、どうしよっかなー」「ええっ」蕾がしゃべった?「オイラのために、肥料をいっぱい...

  • バウムテスト

    精神科に通っている剛志は、いつもなんとなくで終わる先生との対話を半ば退屈に思っていた。でも、ある日通院すると「では今日はバウムテストをします」と言われた。(バウムテストって、なんか木を描くやつだっけ?)剛志は治療の進展に、少し心が躍った。だが、その予想を遥かに超えることを、先生はさらりと言った。「では、今からあなたに森で1週間暮らしてもらいます」「はいっ?」「ただし、その森には食料がありません。 ...

  • もの知りな祖母

    祖母が亡くなって、もう10年が経つだろうか。実家へ帰ってきた私は、少し歩いただけでも疲れてしまう。まあ、太り気味なのだ。お墓参り、仕事が忙しくなかなか来れなかった。花を備えて、線香をあげる。祖母は、私にとてもよくしてくれていた。明るくて物知りな祖母を私もまた好きだった。おばあちゃん・・顔を上げると、祖母のお墓に何やら模様が浮かび上がっていた。なんだこれ。旗か。いや、ただの三角形?何か祖母からのメッセ...

  • 人面アルマジロ

    私は、アルマジロの中でも一番幸福なアルマジロだと思う。生まれた時は、人面アルマジロだと言われ、家族からも大事にされなかった。でも家を出て、一人で生きていくと決めた私は、会社へ通い始めたの。人間の会社に。アルマジロが人間の会社へ行くなんて、おかしいかもしれない。でも、服を着れば私は人間になれるわ。ちょっとふくれた人間に。昼間は会社へ行き、家へかえったらアルマジロになる。人生を二倍楽しめるってものよ。...

  • 貝の成長

    ...

  • ことば医院

    「今日はどうされましたか」「胸がキリキリ痛むんです・・・」「それは大変、今すぐ、キリを吐き出しましょう」「おえっ、はあ、ふう、キリがでたあ」「さあ、もう一本」「なぜですか」「だってあなた、さっき『キリキリ』って言いましたよね。 だから、キリはもう一本あるんです」「わかりました・・おげえぇ、はあっはっ、もう一本でたあ」「これでもう大丈夫」「はあ、楽になった」「これから、くれぐれも気をつけてくださいね...

  • ナンパにゃー

    よおよお、ねえちゃん、時間あるかい。俺に付き合・・・なんだって!マグロの大安売り!?...

  • 哀れな虫

    なんということだろう。気づいたら魂と体が離れていて「このままだとあなたはほんとうに黄泉の国へ行ってしまいますよ」早く次の体を見つけないと、と栗とネズミが合体したような者に言われたものだから俺は焦ってそばにいた物に乗り移ったのだが・・・・まさか、芋虫だとは。しかも、こいつも魂と体が離れているようだ。これが自分の体になったのか・・・その頃なんてことだろう!僕は水が足りなくて干からびそうになっていて、気...

  • 入れ替わり

    会社に、歩行者用信号機の緑のが出社してきた。「や、おはようござっす、今日もよろしくおねげえっす」あまり丁寧とは言えない口調で緑のやつは言った。みんな、驚きを通り越して逆に冷静になっている。まあ、害はなさそうだし、このまま放っておくか、と栗杉部長が思ったのは、間違いだった。「あ、コーヒーこぼしちまいましたぁ、すんませーん」「あ、すんませーん、データ全部消しちまいましたー」「え、そんなこと頼まれてたっ...

  • 懐中電影

    人間は、暗いと物がよく見えないため、懐中電灯を使う。もぐらは、明るいと眩しくて見えないため、懐中電影を使う。影を放出し、見えやすくするのだ。でも最近では、人間でも薄暗いところでゆったりと過ごしたい者もいるらしく懐中電影をもぐらに貸してもらうらしい。でも最近では、もぐらでも明るくパーッといきたいもぐらもいるらしく懐中電灯を人間に貸してもらうらしい。...

  • すかすかサランゲデル

    サランゲデルは内臓が一つもない口から取り込んだデソギミはまるで風船のような体の中にぽとんと落ちてそのままためられてためられてデソギミは溢れ出しています...

  • 毛づくろいDAY

    うーん、落ちないにゃあ、ぺろぺろぺろ足の先までぺろぺろぺろぺろぺろぺ・・ん・・もう朝・・!...

  • 自分だらけ

    朝起きると、何かいつもと違うような気がした。顔を洗い、歯を磨き、服を着替え、テレビをつけると、そこには自分が映っていた。目を擦り、もう一度顔を洗い、テレビを覗き込む。うん。僕だ。僕がニュースを報道し、その後、僕が天気予報を言いそして僕が僕とおしゃべりをしている。「・・・・・・・・・・」これは夢か?自分の脳が信じられない。まあとにかく、早く仕事に行かないと遅刻になってしまう。僕は頭の中の「?」を振り...

  • 脳内フラペンツ

    きんきろくんが、かんかろくんにデツチツユをした。そんな言葉を、一人の男がつぶやいていた。意味がわからず、なんだそれは、という人が最初こそいたもののもう今では誰もそのことに触れず、この人はこういう人なのだなと、理解するようになった。でも実は、その男の脳内は、フラペンツ星と一体化していたのだ。今日もフラペンツ星では、きんきろくんが、かんかろくんにデツチツユをしている。...

  • にゃーの告白

    「あのな、俺な・・実はな・・・・・・・・昨日・・・おねしょしちまったんだ・・・!」...

  • 納豆ブーム

    世の中に、納豆ブームが訪れた。それも、ただの納豆ではない。『ブルー納豆 これで健康!』その納豆のパッケージには、そう書かれていた。中を開けると、溢れんばかりの青カビをまとった納豆が顔を出す。どうやら、その青カビが美味しいらしく健康にもいいらしいため、ブームになっているというわけだ。『売り切れました』その札が置かれるのはまだ太陽がてっぺんに昇る前。そのため、人々は我先にと、納豆売り場へと向かう。そし...

  • 人間素材

    「世界もだいぶ出来上がってきましたね。さあ、この世界の人間達の材質はどうしますか」「うーん、木製はどうだろうか」「うーん、なんかしっくりこないなあ。 もうちょっと柔らかめな素材・・・そうだ。水製がいいんじゃないか」「あああ、溶けていってしまった」「次はどうしましょうか」「うーん、視点を変えて糸製とか」「うわああ、ミイラみたいになってしまった。やめやめ。 うーん、なんかどれもしっくりこないなあ」「自...

  • き、お、く、が、

    段々と、人間の記憶力がなくなってきていると気づいたのは、剛須第一学校の先生だった。生徒に教えているとき、ふと何を言おうとしていたのかを忘れてしまうのだ。先生は自分だけかと思って焦ったが、いつもは成績優秀な子が、暗記テストで低い点数を取ったりしていてこれは全員なのだと実感した時には、ほっとしたようなほっとしないような気持ちになった。1月1日「じゃあ、これから・・えっと、んー・・・ああ、算数の授業を始め...

  • おとぎの国のおとぎ話

    ある女の子が、おとぎ話に夢中になっていた。「うふふ。あたしもお姫様になってみたいなあ」そう呟く女の子の周りには、絵本がたくさん散らばっていた。「ヘンゼルとグレーテル」「人魚姫」「赤ずきん」・・・「そんなおとぎ話みたいなこと言ってないで、ご飯にするわよ」「はぁい」置いていかれた絵本たち。「赤ずきん」の絵本の中では・・・・赤ずきんは、おとぎ話に夢中になっていた。「はあ、あたしも『しゃかいじん』になって...

  • ブラスチック

    この橋はブラスチックで出来ている。プラスチックじゃないよ、ブラスチック。何かプラスチックと違うわけでも、同じわけでもない。この橋は、ブラスチックなんだ。...

  • とびの穴

    あれがあたしの未来の姿か。あたしも、星みたいに最後は小さく圧縮されて終わるのかな。・・いや、終わらない。星だって、小さくなった後、ブラックホールになるんだ。あたしも、きっと・・その数年後地球は、突如現れた茶色いブラックホールに吸い込まれていったという。...

  • 13月の世界

    「もうすぐ13月だね」隣の虎が言う。そうだね、としか僕には言いようがなかった。「僕はもうすぐ13歳だから、そっちの世界に行くんだね」僕が言う。さみしいわけではなかったけれど、自分と別れるのは嫌だった。「大丈夫。ぼくがいるさ。」虎が言う。いつもは頼りない虎だけど、なんだか今日は頼もしい。「うん。」僕は、体からぺりぺりと剥がれていく、もう一人の僕にさよならを言って13月の世界へと、一歩を踏み出した。...

  • 玉ねぎ詐欺

    玉ねぎ詐欺にご注意を!玉ねぎ詐欺とは、玉ねぎの皮を剥いている人に凶悪な玉ねぎの精が取り憑いて、もう皮は剥き終わっているのに、残っている貴重な果肉をもどんどん剥いてしまう催眠術をかけられてしまう詐欺。おかげで、ただでさえ高い玉ねぎが全く無駄になってしまうのです。ですので、玉ねぎを剥くときは特に用心してくださ・・・・なんだって。えー、ただいま、とうもろこし詐欺が多発しているとの速報が入りました。どうや...

  • 宇宙船

    「必ず、またたび星を見つけて帰ってきます。」...

  • 耳で食べましょう

    ある日を境に、人の目は音を聞くものになり耳は物を食べるためのものになり、口は見るためのものになりました。つまり、耳をすますには目を見開かなくてはならず何かを食べるには耳の中へ運ばなくてはならずよく物を見るためには、口を開かなければならなくなってしまったのです。人々は困りました。でも、いく年も過ぎ、もうそれが普通となってしまってからは、もう何も違和感を持たなくなったのです。ところが、またある日を境に...

  • ホンキー

    いつも使っているほうきの先。そこにはちゃんと一本一本、「ホンキー」という職業の生き物がゴミを捕まえて食べているのです。そして、その生き物のお腹が空くと、ホンキーというアルバイトをするのです。ほうきになれば、お腹いっぱいホコリを食べられます。でも、これよりもっともっとお腹が空いているホンキーは、掃除機の口に取りついて、もっとお腹いっぱい食べられるのです。ここだけの話、ホンキーは、昔のほうきの先祖らし...

  • へんてこ

    火星へ行った時に、持ち帰ったチンアナゴのような石は、今でも、水槽の中でひょこひょこしている。水槽に同居している、僕の髪の毛から生えてきたキノコのようなヒトデは相変わらず、チンアナゴを体に取り込もうとしている。そして、僕は、時計のようなうさぎの鼻から出てきたんだとか。...

  • しっぽ

    「誕生日プレゼントに何が欲しい?」私の問いかけに、3歳の息子は「しっぽが欲しい。」と答えた。「わかった。なんとかするよ。」私は答えて、後悔した。いくら調べても、他人に聞いても、しっぽを生やす方法などない。息子は「ねえ、しっぽはまだ?」と仕切りに聞いてくる。そこで私は、「たくさんお手伝いをしたら、しっぽが生えてくるんだよ。」と言った。息子はその日から、たくさんお手伝いをしてくれるようになった。一年経...

  • ヘチマからの脱出

    くっそ、何がヘチマ王国だ!俺は一生ここから出られないのか・・・!ゆうべ、身なりのいいヘチマ星人にヘチマ料理を進められて、断れなかったのが行けなかった。食べているうちに、意識がぼやっとしてきて・・・「ヘチマ王国へようこそ。」気づいたらここにいたんだ。どうやって脱出しろってんだ!どうやって・・・・「ガラガラガラガラ」「私、先風呂入るねー」ハッ、誰か入ってきた!おおっ、俺のヘチマを掴んだぞ。うわああ、何...

  • おふろん

    お麩は、いつも体が汚いのです。なぜかというと、お風呂に入ると体が溶けてしまうからです。溶けなかったとしても、この後の生活がとても大変になるのです。ふにゃふにゃで、よろけて、ぶつかって、凹んで、千切れて・・それでも、たまにいるふにゃふにゃのお麩は、潔癖症なのかもしれません。...

  • むいてむいて

    手の爪を剥がすと、さらに爪がある。さらにはがすとさらにある。さらにさらにはがすとさらにさらにある。さらに剥がすと、木が生えてくる。木の皮を剥がすと、木の皮がある。さらにさらに剥がすと、豚が飛び出す。豚の尻尾を抜くと、振り出しに戻る。...

  • 美味しい雨

    ある子供が、空に浮かぶ雲を、わたあめにしたいと思った。その子供はやがて大きくなり、資金を集めて巨大わたあめ機を作った。その機械からどんどん、大空に向かってわたあめが放出されて行く。これでよし、と、子供のような大人は喜んだ。「ポツン」「ん?雨か?」何やら冷たいものが・・「コツン」「いてっ」なんだと思った瞬間、「コツン、コツコツゴアーーー」大ぶりだ。あたりが霞んで見えなくなった。「痛っいたい痛いいい」...

  • 痩せたいゴシック

    ある、太ゴシックのフォントの文字がいた。その太ゴシックは、ダイエットをしたがっていた。「うう〜ん、私も細い明朝みたいになりたいなあ・・」それで、太ゴシックはジムに通い、ものすごく頑張って少しずつ痩せていった。ーーやがて、全ての図書館の本から、太ゴシックが明朝へ変わってしまったとか。...

  • ハダカネズミ特急

    僕はセールスマンをやっている。それも、洋服の。「うちの会社で作るジーンズは伸びが良く履き心地が・・・」・・・・疲れた。多く売れ残った洋服の重みが肩にくる。僕が駅のホームで電車を待っていると、ピンポンパンポンとアナウンスが聞こえてきた。「ただいま、ハダカネズミ特急が通ります。お急ぎの方は申し訳ありませんが、少々電車の到着が遅れると・・」そう言い終わらないうちに、がたんごとんと音がして、車両が近づいて...

  • 虫ではないもの

    この虫なんだろう。びっくりするくらい大きくてとっても優しい目をしてる。かりんとうをあげたら喜ぶかな。・・でもバレたら、飼育員さんに怒られちゃう。ーーこれは虫ではない。...

  • カツオカカオ

    ある、チョコレート工場で、カカオが入った容器がひっくり返ってしまった。ある、おかか弁当がバッグの中でひっくり返ってしまった。それが、同時に・・これでは「まさかさ現象」が起こってしまう。ひっくり返すとお互いになる言葉、たとえば「カカオ」と「おかか」が同時に逆さまになると、お互いにに入れ変わってしまうのだ。そのチョコレート工場で作ったチョコはカツオブシ臭かったとか。そのおかか弁当は、妙に苦かったとか。...

  • ベントーザンカ

    日曜日。久しぶりに、ブロッコリー山に登ろうかな。今は冬。道は雪だらけだから、色々対策をして行こう。いつもの登山用グッズを身につけ、さあ出発だ。・・でも、昼までには戻らないとだな。道は滑るが、そのスリルがまたいい。息を切らし、山頂へやっと着いたときには、もう12時になりかけていた。急いで戻らないと!何度も道を滑り落ちながら、猛スピードで降りて・・そのとき、足元がぐらっと揺れた。・・ああ、間に合わなかっ...

  • ネギ星人

    スーパーでネギを買おうとして、私は手を止めた。そうか。もうすぐアレがやってくる。今のうちにできるだけ他の野菜を買っておかなくては。いや、買ったところでだめなんだ。事の起こりは5年前・・私はいつものようにスーパーで買い物をしていた。トマトを買おうとして手を伸ばすと、それがネギに変わった。私はびっくりして顔を上げた。・・すると、あたりはネギだらけになっていたのだ。もやしがあったところもネギ。醤油があっ...

  • 世の中もじゃじゃ

    世の中のものの全ては、拡大するとこれになるらしい。なぜかはわからないのだけれど、これが全ての原点になっているものなのかもしれない。空気さえも、拡大するとこれが見える。顕微鏡のレンズに、これがくっついているだけかもしれないけどね。...

  • かぼちゃん

    草花は花粉を受粉することで、実を作ります。でも、ある時、植物が好きな女性が自分は植物と結婚して、植物との子供を作りたいと思いました。そこで、まず自分のタイプのカボチャに、プロポーズをして、指輪をはめました。そして、女性は自分の耳垢を、耳かきの先についているポンポンでくっつけそれをかぼちゃの大きい花に擦り付けたのです。何週間か後。そこには、これまた大きなカボチャができていました。見るからに美味しそう...

  • 便利な木々

    木にマスクがたわわに実っているのを見つけた人は、最初どう思っただろうか。このご時世、マスクがたくさん必要。だから、見つけた人はきっと喜んで収穫しただろう。でも、よく見ると、マスクが実としてついているのではなく木の葉がマスクに変化したもののようだ。しかも、どの木にも、どの植物にも、マスクが実っているのだ。人々はたくさん収穫し、木に残ったマスクは枯れて、土に還った。すると、木にメガネが今度はどっさりつ...

  • 毛のひみつ

    猫という生き物は、全身の毛を引っ込めたり伸ばしたり、赤くしたり青くしたりできるのです。だから、夏には人が見ていないところでこっそり丸裸になり、冬には姿が見えなくなるくらい毛を伸ばすのです。毛がないへアレスキャットは、普通の猫が夏に毛を引っ込めた時に、もどし方を忘れてそうなったそうだとか。毛の色も変えられるので、ひまわり畑で敵に見つかった時は、全身を黄色に染め、擬態します。草むらの時は、緑色です。ま...

  • 歯ウス

    今日も、気持ちの良い朝だ。朝ごはんを食べようとしていると、チャイムが鳴り、隣に住む藤原さんが入ってきた。「これ、いっぱい手に入ったからよかったら食べて。」お礼を言い、それを受け取る。さあ朝ごはんだ。うちで採れたものも美味しいが、お裾分けの品も美味い。お腹が膨れたら、さあ活動開始。家を溶かして・・黒くして・・ーー「ぎゃいい!痛い!」僕はほっぺたを押さえる。「甘いものばかり食べてるからよ。」お母さんに...

  • ワンコインランチ

    「ワンコインランチ」そう書かれた看板を見て、男のお腹がキュルルとなった。そう、男は今とてつもなくお腹が空いているのだ。「ワンコインなら、いいだろう。」男はそういい、導かれるようにレストランに入っていった。ほとんど無意識でランチを頼み、運ばれてきたものを無我夢中でがっつく。それは、ワンコインにもかかわらず、極上の味だった。ほとんど飲むようにそれを平らげ、口のまわりを舐め回しながら、男は会計をした。「...

  • ハエの出演料

    テレビなどで、出演者に出演料を払うことがあるだろう。でも、そこに写っていたハエや、野菜や、木。そのようなものにも出演料を払わなくてはおかしいではないか。誰かの発言はどんどん広がっていき、ついにそれが当たり前の時代になってしまった。まず、撮影中に写り込んできたハエ。そのハエに、千円札をやる。でも、ハエは見向きもせずどこかへいってしまった。次に、畑を写したときに植わっていた白菜。そこに千円札を置く。で...

  • よこしまな王様

    ある所に、とても横縞の模様が好きな王様がいた。国民には全員、横縞の服を着るように命じ、少しでも違う柄の服を着てしまうと、島流しの刑にする。影では、縦縞や無柄、水玉模様などの服を密売している者もいるらしく、王様は、国民の中から横縞以外の服を着ている者を見つけ出すための係を作った。その係を「横縞取締係」と名づけ、王様はニンマリと笑う。横縞取締係は優秀で、毎日一人は必ず連れてくる。連れてこられた無様な国...

  • レンジャーの決意

    これは蓮華の花の中に住むレンジャーと言うお姫様の話だ。レンジャーは、とってもお淑やかで優しくて、美しい女の子だった。でも、レンジャーは、気に入らないことが一つあった。それは、名前だ。レンジャーと聞くと、大抵はアカレンジャーやスーパーレンジャー・・・戦隊モノにつける名前だ。レンジャーは、戦うことが大嫌いなのに、なぜこんな名前が・・・レンジャーはしくしくしくしく、なん億年も泣き続けた。すると、長いこと...

  • 幸せを運ぶきゅうり

    こ、こ、これは幸せきゅうり・・!これが育った畑の土の下には、とんでもないお宝が埋まっているんだとか。そして、これを食べた人は一生いいことばかりが起こる。そしてそれに関係なくとにかく美味しいらしい・・・でも、気をつけなくてはいけない。これによく似たきゅうりで、この模様が逆の色のきゅうりがある。それは・・・不幸きゅうりだ。それを食べてしまうと、一生その人は貧乏で病気がちで不幸になってしまうらしい。でも...

  • 消費期限

    「ふわあ〜終わった・・」俺は大きく伸びをした。仕事が夜遅くまで終わらなかったのだ。とその時、俺の腹がキュルルと音をたてた。時計を見ると、もうすぐ12時になるところだった。こんな時間に食べるのもどうかと思うが、腹が減って仕方がない。散らかった部屋の中から俺は食パンを見つけ出し、口に入れようとしたその時。「うわああああ!なんだこれは!」急にカビがブワッと生えたではないか。あまりびっくりして俺は食パンを落...

  • 悪循環

    今から3年後・・地球の半分が原始時代、半分が未来・・になってしまった。未来では機械が溢れすぎていた。人間に出会う方が難しいほど、世の中はAIまみれだった。原始時代では、まだ当然機械など無かった。ある時、未来では、全自動椅子に座った政治家が、空中ディスプレイを通じて全市民に訴えていた。「このままでは、私たちはロボットに世界を乗っ取られてしまいます。 さあ、思い切って機械を全部捨てましょう!」世間は賛成...

  • 輪ゴム街

    輪ゴム王国へようこそ!ここは、輪ゴムだけでできた街でございます。また、私たちも皆、輪ゴムでございます。あ、申し遅れました。私、ワンゴと申します。さあ、では、街をご案内しまs・・なんだって。お前はゴムーンだな。あ?お前んとこの街の方が、ゴムの伸びが良くて美しいと。・・やんのかコラ。ヤァっ!とやっ!!ボカスカッ、きえーい、バンバン!ババン・・・・ブチッああっやられた。・・ふん。醜い姿だ。輪を断ち切って...

  • 涙の秘訣

    俺は映画監督で、俳優の演技を毎日見ている。でも、俺は湯崎という俳優の演技が気に入らなかった。・・いや、全部がと言うわけではない。むしろ、ほとんどはいい方なのだ。だが・・涙を流すシーンがどうもいかんな。いつも自力で涙を流すことが出来ないので、目薬をさすのだが、それもなんだか不自然になってしまう。それに比べて、浅倉は泣き方がうまいな。本当にうまい。自分で悲しいことでも思い浮かべているのだろう。湯崎も目...

  • ふよんすは秋に

    1年 1月5日 ふよんすは、クチキンテミンス族の一人だった。ふよんすには、足が6本しかなかった。クチキンテミンス族の特徴といえば、足が38本あること。逆に言うとそれしか特徴がないような一族だったのだ。でもその代わり、ふよんすには大きな特徴があった。羽があるのだ。クチキンテミンス族には、羽がない。ふよんすは、飛べる。地球にユセリン星が追突した時、仲間は全員38本ある足をちょこまかと動かして逃げようとしたが、...

  • 奇跡の薬

    「やっと完成したぞ・・」新田博士は、薬品を前に喜びの声をあげていた。そう、これは不老不死の薬。今までに誰もが挑戦して失敗に終わった薬だ。「これをあたりへ撒けば、世界中の人間が不老不死となるだろう。」ニュースでも取り上げられ、たちまち博士は有名人となった。そして、さあ巻こうとした瞬間。勢いよくドアを開ける音がして、赤ん坊を抱えた母親が飛び込んできた。「はあ、はあ、あの!その薬、本当に不老不死になるの...

  • 食物連鎖の罠

    あるところに、とても頭のいい農家がいた。どんなふうにいいかというと・・・農家はまず畑に、家にうろちょろしていたネズミをたくさん放した。するとタカがやってきて、ネズミを捕まえようとするが、そこでタカが罠にかかる。空へ無数に貼っておいた透明の糸に引っかかったのだ。タカは身動きが取れなくなり、気絶する。それを、ネズミやスズメ避けにするのだ。そして、畑へ食料を取りに来たネズミやスズメは、タカを見つけ逃げよ...

  • 逆転

    家に帰り一息ついたところで、男はカバンを忘れたことに気がついた。焦った男は、藁にもすがる思いで忘れ物センターに電話をすることにした。プルルル・・プルルル・・「はい。こちらは忘れ物センターでございます。」自動音声だった。〇〇の場合は1を、などということをさせられるのだろう。そう思った男だったが、意外な答えが返ってきた。「何をお忘れでしょうか。」それを機械に言っても、わかってくれるというのだろうか。男...

  • 二人の神

    まだ何十億年と昔・・二人の神様が上空で話し合っている。「パキンシ神。いよいよ世界が世界らしくなって来ましたね。さあ、最後の仕上げは空の色です。何色にするのですか」「そうだなあ、ジポンチ神。俺は絶対に赤がいいぞ。赤とは情熱の色でなあ、激しく、力強く、そして美しく・・」「はいはい。わかりましたよ、パキンシ神。私は何色でもいいですから、赤にしましょう。」とそこに、足が長い小さなカエルがだっだっだとやって...

  • 服装検査

    あ、まずい。今日は服装検査だ。うわあああ、よりによって、今日ネイルして来ちゃったよ。まずいまずい、先生が来る。えっと、えと・・...

  • 愛の壁

    ここは、どこだ・・見ると、四方、ガラスのようなもので覆われている。おまけに、寒い。俺は歯をガチガチ言わせながら、壁を壊そうとした。と、壁の外が目に入った瞬間、俺は「あっ」と声を漏らした。外にいるのは、妻ではないか。妻も閉じ込められているらしく、小さく震えながら、こちらに気づいて口をパクパクしているが、声は聞こえない。俺はなおさら一刻も早く壁を壊そうとして、ゲンコツを作った。「ガンッ」鈍い音が響いた...

  • 棒付き星

    地球が棒つき飴だと言ったら、誰が信じてくれるだろうか。地球の地軸が棒で、それをくるくる巨人が回しながら舐めていると言ったら。寒い夏の日は、巨人の歯が痛くて舐めるのをやめた時で、暖かい冬の日は、口の中にまでキャンディーを押し込んで舐めまわしている時だと言っても、やはり誰も信じてはくれないだろう。でも、これだけは言える。巨人の虫歯がずっと治らなかったら地球は凍えてしまう。ーーとてつもなく大きい歯医者を...

  • 巨人とゴマ

    ある日、地球に巨人がやってきた。巨人といっても、「大きい人」というのとは少し違う。全く人の姿ではないのだ。全身が真っ黄色で、口が腹のあたりにある。とにかく、機嫌を損ねたら一発で地球は滅びるだろう。政府は、必死で巨人の機嫌を取った。「なんと美しいお体でございましょう。」「お腹がお空きではありませんでしょうか。」「こんな所にようこそいらっしゃいました。」腹にある口の上の、目らしきものを見ながら、喋りか...

  • 便利な助手

    ある、刑務所から逃げ出してきた強盗が、江口博士の家を狙っていた。ドアを蹴破り家に押し入ると、強盗は言った。「おい、俺はたった今ムショから脱獄してきたんだ。逆らうと撃つぞ。」江口博士の家は、いろいろな実験器具がそこらじゅうごちゃごちゃしており、助手らしき青年がいた。「俺はここに当分隠れさせてもらう。お前らは、一人一つ何かを持って、出ていくんだ!」拳銃を向けられた博士と助手は、時計とペンチを持ってすご...

  • 数字の家

    数字の世界には、数字が住む家があります。そして、その住む家も、数字の形をしているのです。例えば、「4」「6」「8」「9」「0」。共通点は何なのかですが、これらは囲われたところがあるのです。そこの空間が、家になるのですね。でも、空間がない数字たちは、面白くありません。例えば、「2」。もう少し頭が長かったら、家になれたのに!「2」の口癖です。ん?8は2個空間があるじゃないかって?そう、8は、シェアハウ...

  • ミルピム社会

    僕が友達と道を歩いていると、歩道と歩道の間が少し空いていた。僕が構わずまたごうとすると、友達から止められた。「だめだよ!赤信号じゃないか!」赤信号?信号なんてないじゃないか。「下を見てごらんよ」下を見ると、小さい信号機と、小さい横断歩道、そして・・・・「あれはミルピム様だよ。」「ミルピム?あいつらが・・・」「しーっ!ミルピム様に聞こえたらどうするんだよ。あいつらなんて言っちゃだめだ。」ますます分か...

  • サビたち

    サビが発生すると、元気のいいサビは歩き出してどこかへいきサビがいつまでも出ないのだが、元気のないサビは、その場から動けないので、たちまちその金属は、錆びてしまうのだ。だからもし、あなたの家に錆びているものがあったら、そのサビたちに元気を与える必要がある。きゅうりやごぼうなどを与えると良いらしい。...

  • 四大珍味

    これは最近、世界三代珍味に加わった、とても高価なものだ。そのためこれからは、四代珍味と呼ばれることだろう。これはトキフというものであり、よく考えると今までの三代珍味の頭文字を取っただけのものである。そして味のほうも・・・学者が、トリュフ、キャビア、フォアグラをかけ合わせて作ったのが、トキフなのだ。まあ、結局クローンが作られたというわけだから、倍になって六代珍味となるか、そんな馬鹿げたことをしでかし...

  • 利口な貨幣

    これは、ウキムチュンム共和国の貨幣である。これが銀色に光るほど価値は高く、輝いていないものはほとんど価値はない。心の優しい人のところにこの貨幣が渡ると、銀色にひかり、悪い人の手に渡ると、その輝きを失う。おかげで、ウキムチュンムは、いい人ばかりの国なのだ。...

  • イガピン

    僕は知ってしまったのです。喉痛の正体は、イガピンという虫。僕はこの痛い喉から、どのようにしてイガピンを引き摺り出すか、考えています。まず、コーヒーを飲んでみた。苦くて出てくるかと思ったんです。次に、レモンをかじってみました。酸っぱくて降参するかと思ったから。それでもダメだったので、うがいを熱心にしてみました。それでも、やはりイガピンを引き摺り出すのは無理だった。そこで、僕はさりげなく、妹に口を開け...

  • ラクダ山脈

    いつも見ている山。それは、全部ラクダなのです。とっても大きいラクダが、地球に張り付いているのです。昼間は暑いので、ラクダは大変だとか。だから、ラクダの活動時間は夜。夜のうちに動いて、朝には元通り。でもたまに、元の場所へ帰らないラクダがいるのです。朝、窓を見たら、いつもの山がなくなっているかもしれませんね。...

  • 筒からの景色

    「外の景色は、素晴らしいなあ。」僕は、日光に当たってはいけない病気で、外には出れないんだ。でも、お父さんが作ってくれたこの筒で、外の世界を見ることができる。僕はいつもこの筒を使って外を見ていた。うちには窓もない。日光が入ってきてしまうから。ある日、いつものように筒から外を見ていると、変なものが写っていた。人に似ているが、何か違う。僕は好奇心を抑えきれなくなって、家を飛び出した。後ろで、地空人に捕ま...

  • ギラギラブーム

    時は2070年。世の中にはスパンコールブームが訪れていた。それもかなり大きな。人々は服もバッグも、家も、全部スパンコールでギラギラにした。最初は、納得のいかないお年寄りもいたが、今ではもう、スパンコールに溺れている。街を眺めると、・・いや、眩しくて見ることができないが、どこの家も銀色に輝いている。そんな人たちの、1日の終わりの最大の楽しみ・・それは、夕焼けを見ることだった。そんな人々が、夕焼けなんぞに...

  • 夜の正体

    「あ、UFOだ!」誰かの声で、人々は一斉に空へと視線を移した。確かに、そこには、怪しく光る飛行物体があった。人々がUFOの様子を見守っていると空にドアらしき物が見え、中から宇宙人が降りてきた。「ヤア、コンチハ。ボクラハ12ジカンゴトニチキュウヘキテ、ヨウスヲカンサツシテタンダ。」人々はびっくりして、唖然としているばかり。「デモ、モウニンゲンガ、イヤニナッチャッタ。ボクラ、カエリマス。」宇宙人はまた、空にあ...

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