いつもありがとうございます。突然ですが「こあのみずたまり」はこちら↓に引っ越しをしました。https://note.com/coaqua/これからもよかったら覗きにきてください!...
子犬ばりに元気な不登校中学生!WISC-IV 知覚推理(PRI) IQ:141/処理速度(PSI)104の凸凹のんびり屋。フォルケホイスコーレで人生を謳歌中!自作のショートショートや絵、写真でへんちくりんな心象風景を刻みます。
なんということだろう。気づいたら魂と体が離れていて「このままだとあなたはほんとうに黄泉の国へ行ってしまいますよ」早く次の体を見つけないと、と栗とネズミが合体したような者に言われたものだから俺は焦ってそばにいた物に乗り移ったのだが・・・・まさか、芋虫だとは。しかも、こいつも魂と体が離れているようだ。これが自分の体になったのか・・・その頃なんてことだろう!僕は水が足りなくて干からびそうになっていて、気...
会社に、歩行者用信号機の緑のが出社してきた。「や、おはようござっす、今日もよろしくおねげえっす」あまり丁寧とは言えない口調で緑のやつは言った。みんな、驚きを通り越して逆に冷静になっている。まあ、害はなさそうだし、このまま放っておくか、と栗杉部長が思ったのは、間違いだった。「あ、コーヒーこぼしちまいましたぁ、すんませーん」「あ、すんませーん、データ全部消しちまいましたー」「え、そんなこと頼まれてたっ...
人間は、暗いと物がよく見えないため、懐中電灯を使う。もぐらは、明るいと眩しくて見えないため、懐中電影を使う。影を放出し、見えやすくするのだ。でも最近では、人間でも薄暗いところでゆったりと過ごしたい者もいるらしく懐中電影をもぐらに貸してもらうらしい。でも最近では、もぐらでも明るくパーッといきたいもぐらもいるらしく懐中電灯を人間に貸してもらうらしい。...
サランゲデルは内臓が一つもない口から取り込んだデソギミはまるで風船のような体の中にぽとんと落ちてそのままためられてためられてデソギミは溢れ出しています...
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うーん、落ちないにゃあ、ぺろぺろぺろ足の先までぺろぺろぺろぺろぺろぺ・・ん・・もう朝・・!...
朝起きると、何かいつもと違うような気がした。顔を洗い、歯を磨き、服を着替え、テレビをつけると、そこには自分が映っていた。目を擦り、もう一度顔を洗い、テレビを覗き込む。うん。僕だ。僕がニュースを報道し、その後、僕が天気予報を言いそして僕が僕とおしゃべりをしている。「・・・・・・・・・・」これは夢か?自分の脳が信じられない。まあとにかく、早く仕事に行かないと遅刻になってしまう。僕は頭の中の「?」を振り...
きんきろくんが、かんかろくんにデツチツユをした。そんな言葉を、一人の男がつぶやいていた。意味がわからず、なんだそれは、という人が最初こそいたもののもう今では誰もそのことに触れず、この人はこういう人なのだなと、理解するようになった。でも実は、その男の脳内は、フラペンツ星と一体化していたのだ。今日もフラペンツ星では、きんきろくんが、かんかろくんにデツチツユをしている。...
「あのな、俺な・・実はな・・・・・・・・昨日・・・おねしょしちまったんだ・・・!」...
世の中に、納豆ブームが訪れた。それも、ただの納豆ではない。『ブルー納豆 これで健康!』その納豆のパッケージには、そう書かれていた。中を開けると、溢れんばかりの青カビをまとった納豆が顔を出す。どうやら、その青カビが美味しいらしく健康にもいいらしいため、ブームになっているというわけだ。『売り切れました』その札が置かれるのはまだ太陽がてっぺんに昇る前。そのため、人々は我先にと、納豆売り場へと向かう。そし...
「世界もだいぶ出来上がってきましたね。さあ、この世界の人間達の材質はどうしますか」「うーん、木製はどうだろうか」「うーん、なんかしっくりこないなあ。 もうちょっと柔らかめな素材・・・そうだ。水製がいいんじゃないか」「あああ、溶けていってしまった」「次はどうしましょうか」「うーん、視点を変えて糸製とか」「うわああ、ミイラみたいになってしまった。やめやめ。 うーん、なんかどれもしっくりこないなあ」「自...
段々と、人間の記憶力がなくなってきていると気づいたのは、剛須第一学校の先生だった。生徒に教えているとき、ふと何を言おうとしていたのかを忘れてしまうのだ。先生は自分だけかと思って焦ったが、いつもは成績優秀な子が、暗記テストで低い点数を取ったりしていてこれは全員なのだと実感した時には、ほっとしたようなほっとしないような気持ちになった。1月1日「じゃあ、これから・・えっと、んー・・・ああ、算数の授業を始め...
ある女の子が、おとぎ話に夢中になっていた。「うふふ。あたしもお姫様になってみたいなあ」そう呟く女の子の周りには、絵本がたくさん散らばっていた。「ヘンゼルとグレーテル」「人魚姫」「赤ずきん」・・・「そんなおとぎ話みたいなこと言ってないで、ご飯にするわよ」「はぁい」置いていかれた絵本たち。「赤ずきん」の絵本の中では・・・・赤ずきんは、おとぎ話に夢中になっていた。「はあ、あたしも『しゃかいじん』になって...
この橋はブラスチックで出来ている。プラスチックじゃないよ、ブラスチック。何かプラスチックと違うわけでも、同じわけでもない。この橋は、ブラスチックなんだ。...
あれがあたしの未来の姿か。あたしも、星みたいに最後は小さく圧縮されて終わるのかな。・・いや、終わらない。星だって、小さくなった後、ブラックホールになるんだ。あたしも、きっと・・その数年後地球は、突如現れた茶色いブラックホールに吸い込まれていったという。...
「もうすぐ13月だね」隣の虎が言う。そうだね、としか僕には言いようがなかった。「僕はもうすぐ13歳だから、そっちの世界に行くんだね」僕が言う。さみしいわけではなかったけれど、自分と別れるのは嫌だった。「大丈夫。ぼくがいるさ。」虎が言う。いつもは頼りない虎だけど、なんだか今日は頼もしい。「うん。」僕は、体からぺりぺりと剥がれていく、もう一人の僕にさよならを言って13月の世界へと、一歩を踏み出した。...
玉ねぎ詐欺にご注意を!玉ねぎ詐欺とは、玉ねぎの皮を剥いている人に凶悪な玉ねぎの精が取り憑いて、もう皮は剥き終わっているのに、残っている貴重な果肉をもどんどん剥いてしまう催眠術をかけられてしまう詐欺。おかげで、ただでさえ高い玉ねぎが全く無駄になってしまうのです。ですので、玉ねぎを剥くときは特に用心してくださ・・・・なんだって。えー、ただいま、とうもろこし詐欺が多発しているとの速報が入りました。どうや...
「必ず、またたび星を見つけて帰ってきます。」...
ある日を境に、人の目は音を聞くものになり耳は物を食べるためのものになり、口は見るためのものになりました。つまり、耳をすますには目を見開かなくてはならず何かを食べるには耳の中へ運ばなくてはならずよく物を見るためには、口を開かなければならなくなってしまったのです。人々は困りました。でも、いく年も過ぎ、もうそれが普通となってしまってからは、もう何も違和感を持たなくなったのです。ところが、またある日を境に...
いつも使っているほうきの先。そこにはちゃんと一本一本、「ホンキー」という職業の生き物がゴミを捕まえて食べているのです。そして、その生き物のお腹が空くと、ホンキーというアルバイトをするのです。ほうきになれば、お腹いっぱいホコリを食べられます。でも、これよりもっともっとお腹が空いているホンキーは、掃除機の口に取りついて、もっとお腹いっぱい食べられるのです。ここだけの話、ホンキーは、昔のほうきの先祖らし...
火星へ行った時に、持ち帰ったチンアナゴのような石は、今でも、水槽の中でひょこひょこしている。水槽に同居している、僕の髪の毛から生えてきたキノコのようなヒトデは相変わらず、チンアナゴを体に取り込もうとしている。そして、僕は、時計のようなうさぎの鼻から出てきたんだとか。...
「誕生日プレゼントに何が欲しい?」私の問いかけに、3歳の息子は「しっぽが欲しい。」と答えた。「わかった。なんとかするよ。」私は答えて、後悔した。いくら調べても、他人に聞いても、しっぽを生やす方法などない。息子は「ねえ、しっぽはまだ?」と仕切りに聞いてくる。そこで私は、「たくさんお手伝いをしたら、しっぽが生えてくるんだよ。」と言った。息子はその日から、たくさんお手伝いをしてくれるようになった。一年経...
くっそ、何がヘチマ王国だ!俺は一生ここから出られないのか・・・!ゆうべ、身なりのいいヘチマ星人にヘチマ料理を進められて、断れなかったのが行けなかった。食べているうちに、意識がぼやっとしてきて・・・「ヘチマ王国へようこそ。」気づいたらここにいたんだ。どうやって脱出しろってんだ!どうやって・・・・「ガラガラガラガラ」「私、先風呂入るねー」ハッ、誰か入ってきた!おおっ、俺のヘチマを掴んだぞ。うわああ、何...
お麩は、いつも体が汚いのです。なぜかというと、お風呂に入ると体が溶けてしまうからです。溶けなかったとしても、この後の生活がとても大変になるのです。ふにゃふにゃで、よろけて、ぶつかって、凹んで、千切れて・・それでも、たまにいるふにゃふにゃのお麩は、潔癖症なのかもしれません。...
手の爪を剥がすと、さらに爪がある。さらにはがすとさらにある。さらにさらにはがすとさらにさらにある。さらに剥がすと、木が生えてくる。木の皮を剥がすと、木の皮がある。さらにさらに剥がすと、豚が飛び出す。豚の尻尾を抜くと、振り出しに戻る。...
ある子供が、空に浮かぶ雲を、わたあめにしたいと思った。その子供はやがて大きくなり、資金を集めて巨大わたあめ機を作った。その機械からどんどん、大空に向かってわたあめが放出されて行く。これでよし、と、子供のような大人は喜んだ。「ポツン」「ん?雨か?」何やら冷たいものが・・「コツン」「いてっ」なんだと思った瞬間、「コツン、コツコツゴアーーー」大ぶりだ。あたりが霞んで見えなくなった。「痛っいたい痛いいい」...
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「私がセロトニンジャです」「ほう、ヒドロキシトリプタミンジャよりも優れているところは?」「はい。あやつ、ヒドジャよりも、俊敏生に長けていると思う所存でございます」「ほうほう。だが、あやつは身を隠すのが上手いぞ」「ええ、ですので、私、水の中で四半時、息を止めていられるようになりました」「ほうほうほう」「どうでしょうか。どうか、師匠の弟子にさせてください!」「ほほっほ。私はな」「?」「トリプトファンジ...
『鳥に羽が来ふふぬ湯』ここは異常な温泉。「わあ、ここが噂の温泉か」「お湯がとっても気持ちいいらしいわよ」「ちょっと!体を洗ってから入らないとじゃない?」「え、別にいいじゃない?」「すごく素敵ね、ここは」「そうね。また来ましょう」「コーヒー牛乳売っているわ」「飲みましょうよ!」ここは異常な温泉。誰もこの看板名を指摘しない。この温泉に入っている間、人間たちの脳は、異常になってしまうのである。...
その珈琲店では、ある決まりがあった。一つ。一人、必ずどこかの国の王を連れて来て、珈琲店で働く王たちの中に加えなければいけない。二つ。自分が連れてきた王の非、短所を、どこか言わなければならない。それをしないと、美味しい 珈琲 はできあがらないのだ。...
太陽電球が発明されました。太陽をえぐりとって、一つの電球を作るのです。それは、いつまでも使えて、普通の電球の何倍も明るいのです。ぜひ、それを世界中の皆さんに一つずつお配りしたいと考えております。ただ、そうなると、太陽はちょうどなくなってしまうのですが。...
ここはどこだ?あたりが真っ白だ。見渡す限り全て真っ白。出口がない。少し歩いてみると、何やら遠くに、小さく赤いものが見える。それの近くに歩いていく。なんだこれ?赤い玉だ。中に浮いている。自分の何倍かほどの大きさの赤い玉が浮いている。そこで僕は、あることに気づく。そうか、ここは日本国旗の中だ。...
「あれは月のじゅうすだね」「月のジュース?」「ううん、月のじゅうす」「何それ」「四角形なんだけど、三角形で、ざらざらしていて滑らかなんだよ」「それが月のジュース?」「ううん、月のじゅうす」...
蠅は、自分の中から一つずつ何かが失われていくような気がした。初めに、楽しいという概念が自分から抜け落ちた。野原を飛び回ったり、素敵な雄蠅を見つけても何も感じなかった。次に、美味しいと言う概念がなくなった。大好物のはずの、地面に落ちたパンも、機械的に咀嚼するだけとなった。そして、飛びたいと思わなくなった。その概念も同じように抜け落ちてしまったのか、それとも。生きたいと思わなくなった。体が動かなくなっ...
どこまでも続く草原、その真ん中に、卵がひとつたたずんでいた。「これは、一年ごとに殻が一枚ずつ割れるのですよ」「殻は一枚ではないのですか?」「ええ、何枚、何十枚、何千枚、もっとたくさんだったでしょうね」「だった、と言うのは?」「はい、大昔、そのまた昔、ここには地球と同じくらいの大きさの卵があったのでした。それが一年ごとにどんどん小さくなっていき、今はこのくらいなのです」サッカーボールほどの大きさの卵...
眠い。眠くて仕方がない。眠いと言うことすら考えられないくらい眠い。そんな時の対処療法をお教えします。まず、「いむくおむくいむくおん」と唱えます。すると脳みそが耳の穴から出てくるので、それを引っ掴んで全てを引きずり出します。脳を空っぽにしたら、耳に蚊の足を3本入れます。すぐに頭の中で蚊が育ち、子を産んで、頭の中は羽音でいっぱいになります。あとは戻すだけです。もう一度「いむくおむくいむくおん」と唱える...
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ぽつりぽつりと本音を漏らす人。そう言う人を、ぽつりぽつり星人は狙います。「実はな、俺な、本当はな・・・ぽつり、ぽつ、ぽつぽつり!」本音を漏らす人の脳みそを食べて生きながらえているぽつりぽつり星人はたちまち人間の脳を占領してしまうのです。「ぽつり、ぽつ、ぽっつり、ぽぽぽつり、ぽつぽぽつ、ぽつり!」そうなるともう、ぽつりぽつり星人は歯止めが効かなくなり脳だけでなく心臓や肺なども蝕んでいきます。「ぽつり...
ぽんぽーん、ぽん、ぽぽぽぽん、ぽんぽぽぽぽ、ぽぽーん、ぽん、ぽぽぽぽん、ぽんぽんぽんぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽぽん、ぽんぽんぽん、ぽぽーんぽぽーーん、ぽんぽん、ぽん、ぽぽっ、ぽん ぽ ぽぽんぽんぽん、ぽぽっ、ぽん、ぽん、ぽぽーーんぽぽーぽぽぽぽっぽんぽぽぽぽぽぽぽ、ぽぽーん、ぽぽーんぽぽーぽ、ぽぽぽぽぽぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽぽーぽーぽぽぽぽ、ぽ、ぽ、ぽっ、ぽ、ぽ、...
ほくろでできた人間が生まれた。一年たつごとにそのほくろは一粒ずつ減っていき、50年ほど経つと体の半分からほくろがなくなった。でも、それからほくろは何年経っても一粒も消えることがなかった。仕方なくそのまま生活していると、周りから、新しいファッションと人気者になりほくろを増やす人が続出してきた。居心地が良くなったほくろ人間は、自分のほくろが愛おしくなったのだが。次の日、起きて鏡を見ると体から全てのほくろ...
「人魚姫なんか、絶対にいないよ」「何でそう思うんだい?」「だって、人魚姫なんかおとぎ話にしか出てこないじゃないか」「でも、いつかどこかで人魚姫と会えるかもしれないよ」「だって、僕たち人魚男しか、この世界にはいないじゃないか」「そうだな、やっぱり、人魚姫なんか、おとぎ話なのかもな」...
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その扉は、開けると自分の髪の毛の中に出る。時折毛根につまずきながら、進んでいくと、また扉がある。それを開けると、自分の腸の中に出る。地面のひだに足を取られながら歩くと、胃に出る。そこで半分溶けかかった扉をこじ開けると、オポリン星に出る。なぜか、そこには扉がないのだ。すると、オポリン星人が群がってきて、自分の手足についている吸盤を貸してくれる。それを受け取り、その吸盤で、自分の髪の毛の中を探る。ドア...
アルキョプ粒子というものが集まると、巨大なアルキョプが出来上がるのだ。人間の耳の中から、海の底から、木のほらから、卵の中から。集まれば集まるほど、大きな大きなアルキョプが出来上がる。アルキョプが出来上がったら、それを細かく刻んで、ご飯にかけて食べよう。よだれを垂らす僕の耳の中からも、アルキョプ粒子はどんどん放出されている。...
ある広い原っぱで、太陽がもう少しで消えてしまう時原っぱは真っ赤になる。原っぱの真ん中に一本佇む木は、真っ青になる。その木はとてもとても綺麗だから、じっと見つめてしまう。たちまち真っ青な木に吸い寄せられて、原っぱの真ん中へ歩いていく。そうすると、もう木に触れたくなって、自分の手先が真っ青になっているのにも気づかず。ぺたりと触れる。体の中が、真っ青に染まっていく。染まって染まって、木に吸収される。ゆっ...
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あるところに、五角形の星がいた。五角形の星には悩みがあった。周りを見ると、全部の星が、丸い形をしているのだ。五角形の星は不安になった。どうしよう、5個もトゲがあるのは僕だけだ。でも、五角形の星は、絵本を読んで、安心した。なあんだ、星はみんな、五角形じゃないか。僕は普通なんだ。でも、それから何人も何人も、いろんな者たちがやってきて「うわあ、これが、五角形の星か」「本当にあるんだねえ」「あるわけないで...
野次馬は、やじうまを取り囲んでいた。ねえ、あれ、馬だよね。なんか汚えの。どこどこ。見せて見せて。やじうま・とこりんぷすは野次馬たちに囲まれて、まんざら嫌でもなさそうだった。やじうま、野次馬、やじうま、野次馬。野次馬は、やじうまを敵だと思った。やじうまは、野次馬を仲間だと思った。やじうま、野次馬、やじうま、野次馬。だって、仲間じゃないか。やじうまはそう言うようにヒヒーンと嘶いた。そこにいるのは、ただ...
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5時37分41秒に水道の蛇口を開くと、チミチミムがぞろぞろ出てくる。5時37分42秒に水道の蛇口を開くと、ムミチミチが数人出てくる。それに噛まれると、自分もチミチミムになってしまうらしい。...
世の中には、世界一長いミミズがいる。そいつの全長は、地球の周りほどだという。でもまあそれだけ長ければ、何度も千切れたことだろう。でもそのおかげで、よく見る短いミミズができた。短いミミズは、みんな世界一長いミミズの一部なのだ。おっと、世界一長いゾウの話をしていなかった。鼻はそのままで、耳も、目も、そのまま。でも、胴体だけが・・・・・長長動物園には、とにかく長い動物がたくさんいる。世界一長いゾウや、ミ...
やはり友人の言は当てにならない。無人島なんか行くから、こんなことになるんだ。「おい、おめら、我をじょここ、じょここじゃ」無人島には、くさび色をした毛布を首から下げているカエル人がいた。何か必死の目で訴えかけてくるが、僕はじょここの意味を追求する気にもならなかった。「おい、早く行こうぜ」僕が言うと、友人は「おい、おめ、我はじょここぱー」そう言って何やら嬉しそうである。やられたか、と僕は思った。ちらり...
大きい岩を持てるのは、人間しかいない。だからと言って、アリを見下すんじゃない。地面の細かい砂、それを一粒だけ持てるのは、アリしかいないのだ。...
かえるがこの植物、すなわちオピキ草に飛び乗るとかえるの小さな体はズブズブと吸収されてしまう。そして、完全に吸収された時、葉が一枚増えるのである。そうしてたくさんのカエルを飲み込んだオピキ草が枯れると一斉にかえるの大群が溢れ出してくる。あ、やめなさい、そこは・・・ああ、遅かったか。かえるさん、またオピキ草が枯れるまで、しばしさようなら。...
服のボタンが取れた。代わりに、うちの猫を丸めてくっつけておこう。おかげで仕事中も、うちの可愛い猫の寝息を聞いていられる。と、また服のボタンが取れた。しょうがない、うちの猫を丸めてくっつけておこう。おかげで仕事中も、うちの2匹の可愛い寝息を聞いていられる。と、また服のボタンが取れた。しょうがないしょうがない、うちの猫を・・またボタンが取れた。あ、また。また。ぶち、ぶちぶち。僕はうちの猫たちを、みんな...
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鉛筆、突然むくりと起き上がり、線を描き始めた。すると、消しゴム、むくりと起き上がり、線を描き始めた。しゃーしゃーしゃー、ゴシゴシゴシ。二人は書いて消して書いて消して、まるで追いかけっこのよう。何年も何年も、二人は追いかけっこをしてる。そんなある日、ついに消しゴムが消えた。ケースだけになった消しゴムは、鉛筆が書いた線、消すことはなかった。しゃーしゃーしゃー。しゃーしゃーしゃー。鉛筆、消しゴムが帰って...
僕たちはコンマ虫。昔、この水槽には、僕らの仲間が、溢れ出すくらいにたくさんいたんだ。でも、世界中でコンマが使われるごとに、一匹ずつ減っていくんだ。,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ほら、そうやって無駄にコンマを使うと!みんながどんどん黒ずんでいく。誰かにコンマを使われると、黒くなって、消えるんだ。・・残ったのは僕を入れて二人だけか。...
にんじんを切ろうとしていると、うちの子に声をかけられた。「ねえママ、それ、にんじんじゃないよ」「ええっ」何をいうのだろうか。これはどこからどう見てもにんじんだ。「これはにんじん。いつものにんじんじゃない」「ううん、これ、デカガメの巣。中には卵がたくさんだよ」何かのアニメだろうか。「あのねぇ、これは、に、ん、じ、ん、なーのっ」さあ、にんじんを切ろう。「ザクッ」...
ようこそおいでくださいました。どうぞ、どうぞ。えっ、でもぉ・・・まあまあ。恥ずかしがらずに。えええええ・・・っそんじゃ、どうも。...
「おい、それ、触っても大丈夫なのか」俺は友人の幹夫とキャンプに出かけている。「大丈夫だってばぁー」幹雄はとにかく自由奔放だ。自由奔放すぎて、なんでもやってしまう。今も、変なキノコを触ろうとしているところだ。「ほらぁ、なんともないだろぉ」「いや、今はなんともなくとも後から発症する可能性もあるし・・・」その瞬間、幹雄の体から煙が出てきた。プシュープシューと音を立てて、あたり一面煙である。やっと煙が晴れ...
...
空、どこまでが空なのだろう。キリンよりも上だろうか。ヤシの木よりも上だろうか。富士山よりも上だろうか。富士山に登ってみる。まだ上に空はある。息が苦しいが、考える。どこまでが空だろうか。あそこのクマみたいな形をした雲のところまでが空だろうか。それより上の、亀のような形のよりも上だろうか。宇宙へ行く一歩て前までのところが空だろうか。でも、空と宇宙に境界線なんてないはずだ。宇宙も、空なのだろうか。息が苦...
「おほしさまって、とってもキラキラ。きれいだなあ、欲しいなあ・・」「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」...
石を空へと投げる。それは一瞬消えて、また数秒後に帰ってくる。綺麗な宝石になって。また石を空へ投げる。それは地球を越え、宇宙へと飛び出し、アッポキン星へと届く。アッポキン星では、石を受け取って、届いた石の願いが強いほど輝く宝石を、地球へとまた投げる。地球にはその数秒後、宝石がことん、と落ちる。また石を空へと、宇宙へと、アッポキン星へと投げる。宝石がことん、と落ちた。...
のち、赤の世界。...