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  • イタリア・ポジターノ 天国の夏を過ごす <トラキチ旅のエッセイ>第12話

    ナポリの南、あの「ポンペイ」を灼熱の灰にうずめた有名なヴェスヴィオ火山の裾を抜けると、ソレント半島が横たわっている。 その半島の南岸、断崖を削って進む狭い幹線道路は、ルパン三世がフィアットで疾走しそうな景色。 高所恐怖症の人は、車の窓を覗くのは控えたほうがいい。 切り立つ崖のはるか眼下、吸い込まれそうなほどに青い地中海の海面を望んでしまうことになるからだ。 そんな風景の中、ポジターノの町は突然現れる。 パステルの家並み。光を浴びてかがやく木々。入り江に停泊する無数のクルーザー、ヨット。白い飛行機雲。 ハリウッド・スターが夏の隠れ家とし、優雅なリゾートファッションがここから発信される。 ソレント…

    地域タグ:イタリア

  • イタリア・アマルフィ 栄光の記憶はまどろみの中に <トラキチ旅のエッセイ>第11話

    日本の商船は、日の丸=日章旗をかかげて海をゆく。商船旗――Civil ensign が、日本の場合、国旗と同じであるからだ。 しかし、そうではない国もある。たとえばイタリア。国旗は緑・白・赤、おなじみの三色旗だが、船は少し違う旗を掲げる。 見ると、緑と赤にはさまれた真ん中の白い部分に、紋章が描かれている。 さらに、この紋章、どうやら4つの別々の紋章らしきものがひとつに組み合わされたものらしい。 実は、これらはある4つの国の「国旗」だ。 国の名は、ヴェネツィア、ピサ、ジェノバ、そしてアマルフィ。 9世紀より連続してイタリア半島に現れた、4つの海洋貿易都市国家の旗が、いまも誇らしげにここに縫い込ま…

    地域タグ:イタリア

  • 一千石を投げ捨てても ~阿波徳島・阿波踊りにまつわる昔話 <トラキチ旅のエッセイ>第10話

    「もう我慢ができぬ」 男はそうつぶやいて立ち上がると、やにわにその顔を藍染の頬被りで隠し、家人や女中らに気付かれぬよう、ひそかに屋敷を抜け出た。 夏。うだるような暑さの夜。 伸びきった庭草が、周囲を蒸し殺さんばかりに青臭いニオイを辺りに放っている。 阿波蜂須賀25万7千石。徳島城下。 すでにくるりと裾をまくり上げ、尻からげになってしまっている男の行き先は、決まっていた。 男は、賑やかな鉦や三味線の音がひびく城下の町人町へ向け、静かに駆け出すと、やがて行く手に灯(ほ)明かりを見た。 一団の男女が、楽しげに踊り歩いている。 男は足早に進み、これに近づくと、 「御免」 と、踊りの列に加わった。 怪し…

    地域タグ:徳島市

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