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一千石を投げ捨てても ~阿波徳島・阿波踊りにまつわる昔話 <トラキチ旅のエッセイ>第10話
「もう我慢ができぬ」 男はそうつぶやいて立ち上がると、やにわにその顔を藍染の頬被りで隠し、家人や女中らに気付かれぬよう、ひそかに屋敷を抜け出た。 夏。うだるような暑さの夜。 伸びきった庭草が、周囲を蒸し殺さんばかりに青臭いニオイを辺りに放っている。 阿波蜂須賀25万7千石。徳島城下。 すでにくるりと裾をまくり上げ、尻からげになってしまっている男の行き先は、決まっていた。 男は、賑やかな鉦や三味線の音がひびく城下の町人町へ向け、静かに駆け出すと、やがて行く手に灯(ほ)明かりを見た。 一団の男女が、楽しげに踊り歩いている。 男は足早に進み、これに近づくと、 「御免」 と、踊りの列に加わった。 怪し…
<徳島城(特別編)第2弾夏恒例のお城巡り3城目> 徳島藩主蜂須賀家墓所”興源寺墓所”
すでに「速報」でお届けしていますように、第二弾「夏好例のお城巡り一人旅」8/18(木)~19(金)の一泊二日です。訳あって少し中断していましたが、この旅3城目…