月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった83 BL小説 豪も井原も身体の作りが違う人種じゃないかと思うくらい、ガッシリ体系だ。 「豪って、ジムかなんかで鍛えてるとか?」 自分の非力な上腕と目で見比べて、響は聞いた。 「え、俺? うーん、高校まで空手とかやってたくらいで。あとはガテンバイトとか? バン
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。傲岸不遜男×強気、野球選手×美形、業界、バンド、学園、学生、リーマン、イケオジ多。BL、ML。字書き、あきつ、絵描き、alyosha、松本悠莉で活動しております。
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back next top Novels シルビーは物怖じしない懐こい子で、ハスキー特融の隈取も愛嬌の
back next top Novels 今更だから何も言わないが、疲れているだろうに、迎えに来るとか
back next top Novels 十時にはテーブルの上は片付けられたものの、引き続き酒盛り中の
back next top Novels 「工藤だ。顔は合わせてるが」 「はい、存じ上げております。黒岩
back next top Novels それより、沢村と喧嘩とかしてませんよね? 良太は心の中で佐
back next top Novels 頭の中のもやもやが嫌で、残っていたグラスの酒を飲み干すと、千
back next top Novels 「へえ。しかし代々議員って、世襲議員とか日本の政治の最も恥じな
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ10 BL小説 やがてオーダーした酒とナッツやドライフルーツ、チーズやサラミなどが並ぶ皿がテーブルに置かれた。 スコッチを口に含んだ檜山が「美味しい」と呟いた。 「創作能も披露するって?」 「ええ。ニューヨークはいろんな人間が集ってて刺激的だっただけでなく、想像力も広がり
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ9 BL小説 「いやまあ、考えてみてもええけど、どないなるかわかれへんで?」 檜山にそんな期待に満ちた目を向けられたら、千雪も本当に考えてみようという気にもなる。 実際、次作のプロットが手詰まりのまま放ってあった。 ちょっと能について調べてみるのも面白いかも知れない。 観阿弥
月夜の猫-BL小説です 花さそう59 BL小説 身体が温まりそうなよく煮込んだ鶏肉のクリームシチュウ、鯛やアサリをつかったアクアパッツァ、サワークリームの乗ったボルシチと、柔らかいステーキの追加はその場で京助が焼いていく。 刺身の盛り合わせやぶり大根や肉じゃが、サバの味噌煮などの和食系のテーブルでは、熱燗や
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)58アップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)58アップしました。 かぜをいたみ(京助×千雪)8、 バレンタインエピソードが終わったので、久々、アップです
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ8 BL小説 「本来なら制作発表の時に原作者も顔を見せるところだ」 「冗談やない」 即座に千雪は工藤に対して反論する。 「フン。まあいい。ただし、第三弾はスポンサーとタイアップで準ヒロインのオーディションがあるから、そこには顔を出してもらうぞ」 「はあ? 第三弾とかそんな話聞
月夜の猫-BL小説です 花さそう58 BL小説 「お前、そういう発言、オフレコでもここだけにしとけよ。由々しいと思ったら、最近じゃオフレコ破りで記事にされるぞ」 良太は沢村を冷ややかに窘めた。 「俺がやめたって誰が困るもんかよ」 沢村はあくまでもひねくれた言い方をする。 「お前、自分を知らないわけじゃないよな?
月夜の猫-BL小説です 花さそう57 BL小説 「しょうがないじゃないですか。竹野さん、今度のドラマのゲスト主役なんですから。竹野さんが出演するってことで、記念番組にしたんで、やっぱそれに合わせた企画も必要なんですよ」 「フン、何のかの言っても工藤さんの肩持つんだから、良太は」 アスカはプンスカ怒って口を尖らせ
月夜の猫-BL小説です 花さそう56 BL小説 「あ、すみません!」 ペコリと頭を下げた良太を千雪はその腕を掴んだままキッチンを出て行く。 「ほんまにうるさいんや、京助。キッチンは神聖やとか、おかしなとこ研二と共鳴しよってからに」 千雪はブツクサ文句を並べる。 「まあ、お二人ともほんと料理人って感じですよね~。研
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)55アップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)55アップしました。バレンタインバトル(工藤×良太)23(ラスト)までアップしました。 尚、はっぴぃばれんたいんの一部とバレンタイバトル18話のアドレスが間違っており、大変失礼いたしました。 修正いたしましたので
月夜の猫-BL小説です 花さそう55 BL小説 そういえば、研二の撮影はまだ先になるが、手元の動き、指先のひらりひらりと何とも優雅な動きを少しじっくり撮らせてもらわないとな、と良太は一切れ一切れ花びらか何かのように重なっていく様を思わず見つめていた。 いつの間にかドキュメンタリー番組の構想に思いが飛んでいる。
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル23(ラスト) BL小説 家具がガラリと変貌した日、キッチンに備え付けの戸棚には、それまでマグカップやコンビニでもらったような不揃いな皿くらいしかなかったのが、コーヒーカップが数客、それにいくつかの皿やカトラリーが増えていた。 おそらく平造がそんなところまで気を利かせ
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル22 BL小説 明け方、ぼんやり目を開けた良太は工藤に擦り寄って眠っているのに気づいて、夢うつつにも安堵感を覚えながらまた目を閉じた。 再び目を覚ました時には、もう工藤の姿はなく、既に十時を回っていた。 良太はベッドに起き上り、胸に覚えのある切ない痛みを感じながら少し
月夜の猫-BL小説です 花さそう54 BL小説 休養してほしいとは思うのだが、無理に休養することがストレスになっては元も子もない。 そういえば、沢村と佐々木はどこに行ったのだろう。 まあ、いい大人なんだし、俺が心配するようなことはないか。 「さてそろそろ行くか」 最初に立ち上がったのは京助だ。 夕食の準備がある
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル21 BL小説 寝返りをうとうとして、硬いものにぶつかった良太は、今度は逆へ寝返りを打ったものの、そのまま足がベッドから落ちた。 ひやりと冷気を感じた良太はむくりと起き上がり、のたのたとトイレに向かった。 これも模様替えされた時に、平造が取りつけてくれたのだが、フットラ
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル20 BL小説 「ま、いっか、明日の夜は日映のパーティだから否が応でも顔を合わせるんだし……」 沢村が送ってきた日本酒は辛めだが飲みやすかった。 「やっぱ、あったまるぅ」 おでんをつつきながら弁当を半分ほど食べたところで、身体がほんわか温まってきた良太は、うつらうつら
月夜の猫-BL小説です 花さそう53 BL小説 「あの………怒鳴りつけてた人って、もしか綾小路の………」 「ご存じなんですか? 京助さんです」 「やっぱり。だってこのあたりじゃ有名な一族だし……」 綾小路ってやっぱそんなに知られてるんだ。 良太は見解を新たにした。 「そうなんですか? あ、今、その綾小路さんの別
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル19 BL小説 荷物を置いてスニーカーを脱ぐと、パタパタと駆け寄ってきた猫たちを抱き上げて、エアコンを入れる。 「寒いよな~、イイコにしてたか?」 猫用に炬燵の温度を弱にしてつけているので、猫たちは炬燵の中でくっついて寝ているようだ。 猫のトイレを掃除したり、ご飯や水を
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル18 BL小説 ネットでもテレビでも、朝から航空便に遅れや欠航が出ているという情報を流していた。 良太は工藤の乗るはずだった新千歳空港からの便が欠航になったことを確認すると、ついつい、あーあ、と口にする。 「ってことは、今日も札幌泊まりってことか」 やっぱり山之辺芽久や黒
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル18 BL小説 ネットでもテレビでも、朝から航空便に遅れや欠航が出ているという情報を流していた。 良太は工藤の乗るはずだった新千歳空港からの便が欠航になったことを確認すると、ついつい、あーあ、と口にする。 「ってことは、今日も札幌泊まりってことか」 やっぱり山之辺芽久や黒
月夜の猫-BL小説です 花さそう52 BL小説 「町中知ってるんじゃないのか? オヤジが俺を勘当したことなんか」 「だけどもう結構時間が経ってるんだし、お父さんも許してくれるんじゃないの?」 「許すって、俺は何も許されなくちゃならないようなことをした覚えはないし、あの人たちとはむしろこちらから縁を切った。地元に
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル17 BL小説 小笠原はコーヒーを飲み終えた紙コップをくしゃりと潰してゴミ箱に投げる。 「お! ストラーイク!」 小笠原が一人遊びをしているうちに良太はファイルをプリントアウトすると、それを揃えてクリップで留める。 「あんな女ども、言ってやればいいじゃん。工藤には決ま
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん9 BL小説 用意しようと向かう浩輔を横目に、河崎は浩輔が見つめていた鍋のふたを取る。 「…そうだな。こいつ食うか」 浩輔はぱっと表情を明るくする。 「金目だいの煮つけもありますよ」 浩輔はいそいそと皿にのせた金目だいの煮つけと、温めたポトフをスープ皿に盛りつけ、河崎
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル16 BL小説 突然、家や工場を取られ、父母が温泉街で小さなアパートを借りて暮らすようになってからも、盆暮れ正月に良太や亜弓が行けば、そこにもごく普通の家族の日常が戻ってくる。 工藤にしても中学の時から家族といえば平造だけで、まあ、平造の料理の腕はプロ並みなので、そこの
月夜の猫-BL小説です 花さそう51 BL小説 「怪我しない程度にやれよ」 リフトを降りると、工藤は良太にそう言いおいて、シュバっとあっという間に滑り降りた。 「くっそ!」 ああ、そうだよな、いっつも死なない程度に動けってやつだろ? ったく、労わりも何もありゃしない。 良太は基本に忠実に、コブコブを乗り切って滑
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん8 BL小説 「だから聞いてるんですってば」 「じゃ、耳かして」 恐る恐る藤堂の口元に耳を向ける浩輔に藤堂が言った。 「コースッケちゃん♪」 へ、と一瞬意味がわからなかった浩輔だが、「お先に~」ととっとと出て行く藤堂の背中を見ながら、やっと理解して、途端、カーーーッと
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル15 BL小説 こそこそとまず電話で呼び出したのは、真帆のマネージャーで、いつぞや工藤にどやしつけられた石倉である。 真帆がまたオフィスに来て、しかも芽久と言い争いを始めたと聞くと、石倉は焦りまくって近くにいるのですぐに伺いますと言って切った。 滅多なことでは動じない鈴
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん7 BL小説 「お前がほしいといったんだろ?」 ジロリと河崎の鋭い眼差しが浩輔に向けられる。 「…………」 だからって、だからって、まさかそんな――― 「なんか文句があるのか?」 「い…え…」 なんだ、と藤堂が浩輔の指差した窓から外を眺める。 「おんやー、雪の中に黄色い
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル14 BL小説 最初に飛び込んできたのは、女優の黒川真帆だった。 帰り支度を始めていた鈴木さんは、結構強くドアが開いたので顔を上げた。 「いらっしゃいませ。あの、お約束でしょうか?」 鈴木さんが立ち上がって応対した。 「工藤さんはいらっしゃらないの?」 「はい、工藤は出張
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル13 BL小説 「はあ、しかもさっき工藤さんからのお達しで、工藤さん宛てのものは全部開けて、みんな分けろって。あ、でも鈴木さんとか、小夜子さんからとか内輪の方からものはちゃんと自分で食べたりしてますから、社長室のデスクに置いておきましょう」 「まあ、だって、個人的なものもあ
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん6 BL小説 「えっと、モデルさんですか?」 良太はしげしげとさやかを眺める。 「あら、そんな風に見える?」 思わず背筋を伸ばすさやか。 「ほんとだ、んまいー!」 浩輔も丸いチョコをほおばって、感嘆の声を上げる。 「三浦くんもいらっしゃいよ」 さやかによばれて、はあ、と
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル12 BL小説 「あいつ、佐々木さんに一生懸命なんです。のぼせて周りが見えなくなっているんじゃないかとか、心配されるかもしれないけど、あいつの場合、見る必要のないものは見ないんです、昔から」 佐々木もじっと良太の話を聞いていた。 「今朝、直ちゃんがオフィス寄ってくれた時
back next top Novels そこへ雪の中を走ってきた沢村と秋山が戻ってきた。 「そろそろ
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん5 BL小説 雪で電車が止まると困るから、帰るねー、と直子が出て行くとすぐ、浩輔と藤堂はこれはうまい、これはちょっと、とチョコレート談義を始める。 と、また玄関が開いた。 「あっらー、先を越されたみたいね」 ピンクの帽子や尖ったヒールのブーツでヴォーグのモデルのよう
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル11 BL小説 「じゃあ、これ、良太ちゃんに。最近はまってるんだ、ここのケーキ。今日はチョコばっかもらうだろうから、あえてレアチーズケーキにしてみたんだ。みんなで食べるといいよ」 藤堂がパティシェリーの紙袋を良太に差し出した。 「ありがとうございます。あの、じゃ、俺、
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん4 BL小説 二月十四日の東京は近来まれに見る大雪になった。 マンションのある麻布から会社まで、何かあれば河崎の車に乗せてもらうのだが、河崎は出張中で、今日の午後に沖縄から帰ってくる予定だ。 浩輔は冬用のトレッキングシューズをクローゼットの奥から引っ張り出し、地下鉄で
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル10 BL小説 良太は三万数千円也をスタッフに支払い、心は逃げるように、ただしあくまでも歩調は穏やかに店を出た。 自分のものならそんな大金だしてまで買おうとは思わないが、工藤にやるとなると、これでもまだ足りないような気がする。 外の風に吹かれて、思わずほっとしたのも
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ7 BL小説 恵美と三田村の婚約を知ったのはこの時期だ。 「やっと俺も報われる」 感涙もので告白する三田村に、「まあ、これからやな」と訳知り顔の研二がまだ不安でいっぱいの三田村をさらに不安にさせた。 付き合っていたものの、ヨーロッパを中心に演奏活動を続けているピアニストの恵美
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)49までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)49までアップしました。かぜをいたみ(京助×千雪)6、 バレンタインバトル(工藤×良太)9、はっぴぃばれんたいん(河崎×浩輔)3、アップしました。
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん3 BL小説 浩輔の家族構成は当然、兄の浩一の勤め先が城南大学だということまで。 「何で、兄のメガネの好みなんか、知ってるんですか」 メガネのブランドを言われて、浩輔が思わず問いただすと、「こないだ来てくれただろ?」と藤堂は言う。 たった一度会っただけの浩一のメガネの
月夜の猫-BL小説です 花さそう49 BL小説 小笠原と美亜は相変わらず二人の世界で楽し気に微笑み合っている。 美大仲間以外に対しては割と人見知りだった悠だが、大や公一とは話が合うようだと、藤堂が保護者のように喜んでいた。 京助と研二はまるでこの合宿の司令官と副司令官のように息が合っていて、良太はちょっと不思議
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル9 BL小説 かといって高級ブランドのスーツやらなんかはとても手が出ないし、手が届きそうなネクタイは工藤からはもらったことはあるが、自分が、しかもバレンタインなんかに贈った日には、つけてくれたら嬉しいが、それはそれで何やら気恥ずかしい。 自分が買えるそこそこのもので、
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ6 BL小説 工藤はそれ以上何も聞かなかったが、すかさず狩野流と言う言葉が工藤の口から出てきたことで、檜山匠が工藤も一目置いているような存在なのだと千雪は理解した。 「その人、留学中に知り合ったんなら、素の千雪さんで付き合ってる人?」 他の人間が聞いたら妙な聞き方だが、万里子の
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん2 BL小説 もう二月に入ったんだ。 巷の賑わいはバレンタインデーが近いせいだったんだ。 そういえば、去年はちょうどジャスト・エージェンシーはC社の仕事で大わらわで、何しろ、英報堂の河崎さんたちがヨコヤリ入れてきたりしたんで、みんながあたふた飛びまわっていて、夜遅くに
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル8 BL小説 「佐々木ちゃんにもお花にしようと思ったら、沢村っちに先越されちゃって、今回はチョコとお酒にしたんだ。今朝、も、すんごいカサブランカの花束が届いちゃって、もちろんチョコとそれ以外にD&Gのジャケットとかワークシューズとか。絶対佐々木ちゃん似合いそう。でもって、
月夜の猫-BL小説です 花さそう48 BL小説 綾小路に戻ると、既に朝食を済ませた面々はリビングのソファでコーヒーを飲んだりしていたが、「今日は雪除けやってもらったから、朝飯は九時までだ」と京助が声を大にしていた。 「わあ、よかった、間に合った!」 スウエットの上下で階段を降りてきたアスカが言った。 「お前、雪
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル7 BL小説 「はい、何とか、例の二人がまた見解の相違とかで三十分ほど中断した程度です」 むしろいろいろあり過ぎて電話なんかでは話せないというのが本音だが。 「フン、あんまり長引かせるなよ。これから釧路に移動して今夜はそっちに泊まる。何かあったら携帯に入れろ」 すぐに切
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん1 BL小説 広告代理店プラグインのオフィスがある表参道のビルから浩輔が出てきたところへ、ピカピカの濃いブルーの車が停まった。 「お出かけかな? 浩輔ちゃん」 ドアが開いて降り立ったのは、ラクダ色のコートに渋いモスグリーンのマフラーをきっちり巻いているが、雰囲気の華やかな
月夜の猫-BL小説です はっぴぃばれんたいん(河崎×浩輔) BL小説 船出したばかりのプラグインで浩輔は仕事に追われていた。プラグインを構成するのは四人。全員が元大手広告代理店英報堂の社員で、代表の河崎は浩輔の上司だったし、藤堂のことも知っているつもりでいたが、いざ一緒に仕事をしていると、二人に関してあまりにも
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ5 BL小説 番組で取り上げる原夏緒のいくつかの絵について、ここでは彼女の息子である小林千雪に語らせることになっていた。 ミステリー作家としてだけでなく、警視庁に協力してこれまで幾度となく難事件解決に貢献し、そちらの方が有名になってしまったせいで、千雪はテレビ出演など時折依頼さ
月夜の猫-BL小説です 花さそう47 BL小説 良太と森村は朝飯前とばかりに、早朝森村の車で慌てて工藤の別荘に向った。 「やっぱり平さん、もう雪除けしてるし」 別荘に着くと、シャベルで門のあたりの雪を避けている平造がいた。 「平さん、俺らやりますから」 良太が降りて平造に声を掛けると、「これしきの雪、お前さんらの
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル6 BL小説 良太は一呼吸置いてから監督と脚本家を振り返った。 年代もキャリアも似通っているこの二人は、まさしくああいえばこういうで、原作の解釈の違いとかの段階などではなく、ただ互いを貶しあっているだけなのだ。 一応双方の言い分を聞き、二人を宥めすかして数カットを撮り
月夜の猫-BL小説です 花さそう46 BL小説 「くっそ、俺負けてるぜ!」 小笠原が喚いた。 「俺もちょっと鍛えないとな」 人と比べても仕方がないとは思うのだが、良太にしてみればかつては野球少年だったとかこれでは口にできたものではない。 沢村や森村の鍛え方は生半可なものではないとは思うが、アラフォーなんてとても
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル5 BL小説 「ちょっと、今井、どこ?!」 ただし、休憩中時折聞こえる芽久のヒステリックな声は、スタッフの精神状態にも悪影響を及ぼしそうだった。 「はい! ただ今!」 コーヒーを手に慌てて芽久に駆け寄ったのは彼女のマネージャー、今井だ。 「どこ行ってたのよ!」
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ4 BL小説 「にしてもあの工藤の下でやっていこうやなんて、一体どんな猛者が入ったんや?」 ほんまの試練は入った後やで? 工藤が中山組組長の甥や、でビビっとるくらい大したことやないて思い知らされるで。 何せ鬼の工藤、横暴、パワハラ、且つ策士やからな。 千雪は密かにその新入社員が
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル4 BL小説 良太は翌日の早朝から『花の終わり』の横浜ロケに同行し、仕事はまたフル回転となった。 「考えてみればこの仕事、あくまでも工藤がプロデュースで、俺はアシスタントなんだからな」 なのに、特別なことがない限りお前の判断で動け、だもんな。 ったく! 工藤がこの仕事を
月夜の猫-BL小説です 花さそう45 BL小説 「サプライズ、よかったで? しんみりし過ぎず騒ぎ過ぎず、平造さんも喜んでたし」 「ありがとうございます」 佐々木にそう言われると、良太もホッとする。 「なあなあ、俺ン時はどんなサプライズやってくれんの?」 小笠原がウキウキと聞いてくる。 「サプライズつきはアラフォー
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル3 BL小説 さらに暮れには、まるで小公女セーラかってくらい、良太の部屋が豪華に一掃されていた。 パイプベッドなんかまだ使えるのに勝手に捨てるなんてと口喧嘩になってしまったものの、一応礼は言ったし、工藤の誕生日やクリスマスには、前田の店に工藤の好みの酒を置いてもらうこと
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル2 BL小説 外に出るとびゅうびゅう刺すように冷たい風が吹きつけ、あっという間に体温をさげてしまう。 「うう、寒ぅ…………」 良太はマフラーで口元辺りまで覆った。 短いダウンジャケットではあまり防寒対策にならないくらいだ。 数センチ積もった雪は、影になっているところには
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)44までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)44までアップしました。バレンタインエピソードアップしています。小草生月某日(京助×千雪)、バレンタインバトル(工藤×良太)1までアップしました
月夜の猫-BL小説です 花さそう44 BL小説 平造にはこの軽井沢で吉川や杉田らとたまに顔を合わせながら野菜作りをしたりして安穏に暮らすのが一番いいのだろう。 工藤は平造の胸中を思いやる。 「平造は自分から何がしたいとか言わないからな。お前でも何か聞いたらまた教えろ」 「……はあ………」 良太は良太で
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル1 BL小説 小林千雪に誘われた軽井沢のスキー合宿から良太が戻ったのは昨日の夕方だったが、オフィスの上に住居があるお陰で、合宿に行っている間猫たちの世話をしてくれた鈴木さんに、お土産のお菓子をお礼に持って行った。 ついでに、気になっていた仕事があり、結局夜八時頃までオ
月夜の猫-BL小説です バレンタインバトル(工藤×良太) BL小説 良太が京助が主催するスキー合宿に初めて参加したすぐ後のエピソードです。沢村に散々振り回されたものの楽しかった休暇が終われば、またてんこ盛りの仕事が待っていた。一段落するとを終えて外に出ると、バレンタインデーなる文字が目に入る。そう言えばそろそろ
■小草生月某日(京助×千雪) ■バレンタインバトル(工藤×良太) boys love novel Valent
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ3 BL小説 空き巣、引っ越し騒動、その他もろもろですっかりつむじを曲げた千雪に、なんとかドキュメンタリーへの出演を承諾させるべく、工藤はあの手この手でそうでなくてもマスコミへの露出を嫌う千雪を揺さぶった。 今回のドキュメンタリー番組では、そもそもが原夏緒の作品を語るというの
月夜の猫-BL小説です 花さそう43 BL小説 今夜は戸川には工藤の別荘に泊ってもらうよう、杉田が部屋を用意していた。 和やかな中で会はお開きとなり、出席者の車はそのままに、タクシーに乗り合わせて帰っていく。 平造と戸川は工藤と一緒にタクシーで別荘まで行くと、工藤は平造に明日からの二泊三日の温泉旅行のクーポンを
月夜の猫-BL小説です 花さそう42 BL小説 「何せこの平造ってやつは、中学を卒業するとふいっと水戸を出て行ってそれっきり。もともとむっつり一人でいるようなやつで、まあ、両親を早くに亡くして親戚を転々としてたらしくて、捻くれてもしょうがないかってとこだったんですが、とにかくかわいげのないやつで、それでも野良猫を
back next top Novels 前々から空いているから越さないかと京助だけでなく、京助の兄の
月夜の猫-BL小説です 花さそう41 BL小説 平造は誕生日の食事会に工藤や良太、それにアスカや小笠原ら社員が集ってくれているとだけ秋山から聞いて、ジャケットを羽織っただけでやってきた。 「お誕生日おめでとうございます!」 だからドアを開けた途端、大勢の歓迎を受けるとは思ってもみなかった。 拍手の嵐にしばらく呆
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ1 BL小説 青山プロダクション社長の工藤から電話が入ったのは、小林千雪が午前の講義を終えて腹が減ったことを漠然と思い出した、その時だった。 「は? やからテレビなんかに俺が出るとかほんまに思うたはります? ギャラなんかその辺のタレントさんにバラまきはったらええんちゃいます
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ(京助×千雪) BL小説 京助と千雪、そして研二の思いが絡むエピソード。 「メリーゴーランド」から数年後になります。 二年間のアメリカ留学から帰ってきた京助と千雪。 また懐かしいアパートで暮らしていくのだ、と思っていた千雪だが、千雪を出迎えた部屋はとんでもないことになっていた。 工藤と青山
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)40までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)40までアップしました。今回、モブシーン? が多くてすみません。 時々、誰がここにいるのか、わからなくなりそうです。
月夜の猫-BL小説です 花さそう40 BL小説 二人のコートを受け取ると、吉川はクローゼットへ持って行く。 「工藤さん、平さんへのプレゼント、どうしました?」 所在なく二人は入り口近くのソファに座ると、良太が聞いた。 「いつもと同じだ。明日から温泉二泊三日。あんまり遠くない方がいいっていうから、蔵王の温泉旅館の
月夜の猫-BL小説です 花さそう39 BL小説 良太は工藤を振り仰いだ。 「だから、工藤さんも一緒に驚いてくださいよ。時間まであと少しなんですから」 フン、と工藤は鼻で笑う。 「驚くって言っても、そんな驚くような企画じゃないんですよ。まあ、平さんから以前ちょっと聞いた話を思い出して」 良太は言った。 「杉田さん
back next top Novels 「おい、良太!」 つい、イラついて工藤は良太を呼びつけた。
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)37までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)37までアップしました。氷花(京助×千雪)24(ラスト)までアップしました。 氷花、お付き合い有難うございました。 次回、ペンディング中の『かぜをいたみ』(京助×千雪)に向いたいと思います。 以前とは多少人物な
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった82 BL小説 響はずぶぬれのままバスルームへ飛び込んだ。 「響さん、Tシャツと短パン、それにバスタオルここに置くから」 ぐっしょりなシャツやらパンツやらなので、バスルームの中で脱いでいた響は井原の声に、「悪いな」と返事をした。 本当はタオルとかを買いに出
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった81 BL小説 「えと、ハンマーがない時は、ヘッドレストを引っこ抜いて、隙間に入れてガラスを割る………」 慌てて、冠水した車からの脱出方法を携帯でググると、そんなことが書いてあった。 響は実際やってみようとするが、手が強張っていてヘッドレストがなかなか抜けな
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった80 BL小説 「うわっ! すみません、大丈夫ですか?」 我に返った井原は慌てて態勢を整えた。 「あ、ああ、平気」 「じ、ゃあ、よろしくお願いします」 飛び出すように部屋を出て行った井原だが、ジンジン痛む足の指もそっちのけで、そのまま洗面台まで行くと、バシ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった79 BL小説 「おい、気をつけろよ、望遠鏡、高かったんだから」 「大丈夫っすよ」 「本かよ、この箱、えっらい重い」 やがて玄関が開いて、口々に言い合いながらそれぞれ荷物を手に豪、東、最後に井原が入ってきた。 「あ、響さん、貴重な休みにありがとうございます!」
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった76 BL小説 「響さんが荒川先生に理不尽なことを言われているのをたまたま瀬戸川と青山が聞いて、怒った彼女たちが寛斗も巻き込んでクラスでウエーブやらせて、荒川先生をとっちめたんだよ、響さんのために」 元気は淡々と続けた。 「響さんは荒川先生の言ったことを真に受け
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった74 BL小説 「あ、荒川センセ」 引き留めた寛斗をそれでも荒川は振り返る。 「あんまし、深く考えない方がいいよ。新任への手荒な洗礼ってよくあることだし、ただのいたずらだから! 俺先生の授業わかりやすくて好きだし」 こいつはどこでもうまく生きて行けるやつの
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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった72 BL小説 響や東の在学時にもウエーブの伝説は伝えられていたが、もどきをやったクラス数名がいたくらいで、それもサボりたいだけの動機だったから、相手にもされなかった。 「ウエーブって、マジで?」 意外過ぎる出来事に響も唖然となった。 「らしいです。ちょっと職
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった71 BL小説 「こないだ来たやつ、その酒くれたクラウスなんか、妻子あること隠してやがって、とどのつまり絶交したんだけど……俺が来るもの拒まずでつきあってたのが悪かったのかも………ほんと、ロクなことなかったな」 はああと響がため息をつく。 「そんなこんなで十年…
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった70 BL小説 マグカップにコーヒーフィルターをセットし、お湯が沸くと、元気はゆっくりと湯を注ぐ。 「キッチンとバスルーム、増築して正解でしたね」 「まあ、そっちも狭いけど」 「そりゃ、ヨーロッパ辺りと比べるとウサギ小屋かもだけど、俺からすれば十分広い」 香
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった69 BL小説 「今度は、少しずつ間を詰めて、絶対ポカしないつもりだったんだ。でも、あの金髪野郎が現れて、俺、頭に血が昇っちまって、つい、告るの早まったのかも」 井原はやはり響しか見えていないらしい。 「お前さ、外野のことも少しは考えた方がいいんじゃね?」 「外
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった68 BL小説 完全に酔っぱらって口にしている言葉が理解できていないのが元気にもわかった。 「こんな田舎で、男同士で、教員同士で、リスクが高いって、まあ、そりゃそうだなって」 響はハハハと笑う。 笑うのだが涙がぽろぽろ零れるのを拭いもせずまた酒をマグカップに
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった67 BL小説 ふと手にしていた携帯に気づいた響は、誰かの言葉が聞きたくなった。 酔っているのでためらいもなく、一つの番号を押した。 五回目のコールで、声が聞こえた。 「響さん? どうしたんですか? こんな時間に」 「なんかさ……深淵の底から俺が呼ばれて
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった66 BL小説 女性の方が結構年上でというだけで結婚なんてあり得ないとするようなこの街で、高校教師が、しかも男同士がつきあうとか、考えも及ばないに違いない。 先生なんて呼ばれるような人間じゃないと思っていた響だが、いつの間にかそう呼ばれることに慣れてしまった。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった65 BL小説 放課後は理科系の会議があるらしいし、今日は井原の顔を見ないで終わりそうだ。 もっとも響こそ、井原とどんな顔をして会えばいいかわらからなかったから、少し胸を撫でおろしていた。 ぼんやりしていたので、ドア口に人がいるのに気づかなかった。 「和田
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった64 BL小説 「へいへい。なんかこうこの部屋息が詰まりそうだから、ちょっと緊張をほぐそうとしただけじゃん」 お茶らかした寛斗のセリフを聞くと、響もこれは一息ついた方がいいかと立ち上がった。 「ようし、ちょっと休憩しよう。肩に力入り過ぎてる気もするから、寛斗、お
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月澄む空に(工藤×良太)152まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)152、夏が来る(ラスト)、 2024Summerから ぶなの森(工藤×良太22)、Cat&Dog(工藤×良太5)、花火(工藤×良太37)ショート、Buon Viaggio!
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に152 BL小説 「ニューヨーク行きのことばっかで浮かれてて、ここんとこ地に足ついてないぞ、俺」 ちょっと引き締めないとと、良太は呟き、ノックしてからドアを開けた。 「代わりがいるんじゃないのか!」 途端工藤の怒号が響き渡る。 「ストックの一人や二人確保しておけ! 何
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!7 BL小説 翌日は快晴の空の下、アウトストラーダを二人で交替にレンタカーを運転しながら走った。 「すんげー気持ちいい!」 飛び行く景色もよかった。 三時間もかからずに着いたフィレンツェで、また一時間以上も並んだけれど、初めて入ったウフィッツィ美術館では
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!6 BL小説 「良太、どうかしたか?」 いきなりドアを開けられて、良太は慌てて洗面台の湯を出すとバシャッと顔を洗う。 「何でもないです」 泣き顔を見られたのが恥ずかしくて、良太はタオルでごしごし顔をこすりながら工藤の横を通り抜けた。 寝室のベッドにふてくさ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Buon Viaggio!5 BL小説 何だよ、チクショ! 夕べはエロっぽいことばっかやりやがったくせに! ずっと撮影が続いていたし、険悪状態だったから、工藤に触れられた途端、良太はあっけなく力を吸い取られたみたいになって、泣かされどおしだった。
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!4 BL小説 あちゃ~ 良太は思わず天を仰ぐ。 隣で工藤も苦笑いを隠せない。 「工藤さんまで笑うことないだろ」 良太も携帯を取り出して、数枚写真を撮った。 「まあ、お前に芸術的な観点からものを言えなんて言わないさ」 「バカにして!」 荘厳な雰囲気の中
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!3 BL小説 良太とスーツケースじゃ、どっちを取るかなんて聞くまでもないだろう。 残念ながら工藤のそんな心の呟きは良太には聞こえないらしい。 それにしても工藤の身の回りのものといって、ちょっとやそっとのシロモノではないだろうに。 それに鈴木さんへの土
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!2 BL小説 そこへちょうど現れたエンツォが空港へ行くなら送っていくと言ってくれたので、渡りに船と、良太はエンツォの車で空港に着いたのだ。 ところがジェノバの空港へ慌てて良太を追いかけてきた工藤は良太と一緒にいたエンツォを殴り倒した。 どうせならと、秋山ら
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!1 BL小説 ぷりぷりしながらホテルの部屋に戻ってきた良太は、思わずベッドに蹴りを入れる。 ミラノでも超一流のホテルの一室。 一人だったら到底泊まるなんてこと考えもつかないだろう、広い寝室やリビング、それにバスルーム。 これでいわゆるデラックスツインだ
月夜の猫-BL小説です Buon Viaggio!(工藤×良太6) BL小説 良太を追ってきた工藤は、空港で動きを邪魔するトランクをほっぽり出して良太を探し、良太を誑かそうとしていたエンツォを殴り、良太とともにミラノにやってきた。 働きすぎだから、二人で休暇を楽しむようにとチケットを用意した部下の秋山
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog4(ラスト) BL小説 物心ついた頃から、家には犬もネコもいろいろいた。 良太が拾ってきたのもいるが、日がな一日野球にかまけている良太より、大概ご飯をやる母親に懐いていたものだ。 もう今はない自分の家を思い出して、しばし感慨にふける。 良太が学生のとき、大学でクラ
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog3 BL小説 意固地になってろくに口も聞いていない。 どんどん、遠くなる気がする。 工藤…… その時また、加絵が飲み物を持って工藤に寄り添うのが見えた。 工藤のバッキャロ!! 「良太ちゃーん、そろそろラスト行くよ」 「ハイッ!」 キショーメ、こうなったら、せめて
月夜の猫-BL小説です ぶなの森16(ラスト) BL小説 ゆらゆらと揺れるベッドの上で良太は素っ裸でぼんやりとあたりを見回した。。 「飲むか」 シャワーを浴びて、腰に一枚タオルを巻いただけの工藤が差し出したボトルを受け取ると、ちょっと身体を起こして半分程飲んでからそれがビールだと分かる。 「人非人! 腐れ
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog2 BL小説 「お~~い、良太ちゃ~~ん」 なんてすぐ傍で呼ぶ声に頭を上げると藤堂がにこにこと振っている。 「疲れたかな? あと一分張りだからね。もう、バッチシだよ、良太ちゃん。特にこのリヴィエラに入ってから、神がかり的! 飲み物は?」 「あ、いえ、もう……冷たくてオイ
月夜の猫-BL小説です ぶなの森15 BL小説 工藤についてクルーザーに乗り込むと、「あの、どなたの接待なんですか」と良太はあらためて聞いた。 だがコックピットの工藤は、「出すぞ」と言っただけで、クルーザーはあっという間に沖へ出て行った。 いきなりの青い眩しさに良太の視界が一瞬とぎれる。 やがてエンジ
月夜の猫-BL小説です Cat&Dog1 BL小説 アイスカフェラッテ、暑い夏の日にはぐいっと一杯、思わず、く~~~~~~~~~っつと言いたくなるくらい、とっても美味いんだけど…。 「OK! ちょっと休憩しよう。あとワンカットね、良太ちゃん」 ディレクターのその言葉に、広瀬良太はふ~~~~っとひとつ大きく
■Cat&Dog(工藤×良太5) 工藤×良太、初期のエピソードです。(R18) 良太はカフェラッテのC
月夜の猫-BL小説です ぶなの森14 BL小説 いや前田はやや年をとった感があるが、その分この店自体が﨟長けた雰囲気を醸し出している。 子どもの頃、曽祖父に連れられて入った横浜の古いバーに似たところがあってこの店に足を向けるようになったのだが、工藤にとっては思いのほかいつ来ても落ち着ける場所のひとつになっ
月夜の猫-BL小説です 花火(工藤×良太37) BL小説 八月に入って最初の土曜日、広瀬良太は後部座席にさっきから携帯で明らかに不機嫌そうな声で相手とああだこうだと話している工藤高広を乗せ、首都高速都心環状線を江戸橋ジャンクションから首都高速六号線に乗り、ジャガーを走らせていた。 ほとんど良太仕様のように
back next top Novels 「なーんか、変よね」 つんけんしているわけでもなく、良太は実